「きょうの料理」と七輪

NHK の「きょうの料理」という番組のテキストが2004年9月16日発売の10月号で
500号記念とやらで、番組のほうも特別番組が組まれていました。ちなみに
「きょうの料理」テキストは、昭和33年(1958)創刊だそうです。

記念特集で放送されたモノクロの「きょうの料理」を見ていて、えっ、そうだっ
たの?と驚いたのは、料理の作り方を説明している講師の先生の横には「七輪」
があったということです。昭和33年頃、テレビの料理番組での煮炊きには
「七輪」を使っていた!なんだかすっごいびっくりしてしまった。
テレビの女優さん第1号という黒柳徹子さんのテレビ創生の時代の話では、
テレビ初期の頃というのは、「生放送」がほとんどだったわけですから、
料理番組というのもテレビ番組としたらけっこうな冒険だったのではないかと
思います。


「きょうの料理」500号記念

「きょうの料理」テキストが500号記念だとわかる前に、「帝国ホテル厨房物
語」(村上信夫)という文庫本をみつけた。

この本のなかで「今日の料理」に出演した頃の話しがいろいろ書いてあって、
ちょっと興味深かったですね。

フランス料理のプロが、家庭の主婦を対象に料理を教えるなんて気合いがはいら
ないというか最初はご不満もいっぱいだった様子。家庭料理である以上どこでで
も簡単に手に入る材料を使わなければいけない。しかしいまほど香辛料などが売
ってないし、代用で何が使えるかというのにすごい苦労したとか、いろいろ興味
深い話しが綴られていました。

「きょうの料理」のなつかしい場面集で村上信夫講師の「ハンバーグステーキ」
が放送されていたですが、さすがプロという素晴らしい手つきにいまさらながら
ほれぼれしてしまいました。

最近の「きょうの料理」は、グッチ裕三さんや平野レミさんなど料理もおもしろ
いけれど、見ていて妙におもしろい講師の方が増えましたね。

「きょうの料理」は夜9時の再放送でよく見ております。

##「七輪」を話題にして、あとで聞いた話ですが、「七輪」は現在、
キャンプ用品などの売り場で比較的手に入れやすいそうだ。なるほどなと思いま
すね。



真っ赤な真実

米原万里さんの本三冊

「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」
「魔女の1ダース」
「不実な美女か貞淑な醜女か」

たとえば、オリンピックの開会式のようなものを見ていると、世界にはほんとに
たくさんの国があるんだということに改めて気がつくし、その国はいったいどこ
にあるのかと思わず地図を探してみたくなる。そしてまたある時にはひとつの国
だったはずなのに、いまはいくつもの独立国になっているところもある。思わず、
なんで?と素朴な疑問を投げかけようとしても詳しいことはなかなか理解しにく
いこともある。

世界地図はほんとうに大きく変化してる。けれどそれは単に「変化してる」とし
か言えない、見えないと思うほど、普通の日本人にとって「世界」は遠いことだっ
たりもするが、世界はやっぱり「激動」してるのだ。「歴史」とは本に書かれた
ものであるはずはなく、動きのまっただ中にいるのは生身の人間なんだ。「真実」
は激動のその時には心の奥深くにしまわれて他人にはとうてい見ることができな
いこともある。数年の時を経てはじめて「真っ赤な真実」がやっと見えてくるこ
ともある。


「ソフィアの白いバラ」という本を読んだ時も、ひとりの人の生き方が大き
な歴史の動きと無縁では有り得ないことに思いいたりました。「嘘つきアーニャ
の真っ赤な真実」に出てくるチェコのプラハ、ソビエト学校時代の3人の「友人」
たちのその後も「激動」の歴史とは無縁ではありえないことにまた感慨を新たに
しました。

いつのまにか「ユーゴスラビア」という国はなくなって、いまそこには6つの共
和国(スロベニア、クロアチア、セルビア、マケドニア、モンテネグロ、ボスニ
ア・ヘルツェゴビナ)がある。
私たちにとっては「いつのまにか」という言葉でしか書きようがないことであっ
ても、そんな大きな激動の間も言うに言えない真実を心のなかに隠しつつ、たく
ましく生きてきた人たちがいるということに、もっともっと思いを寄せなければ
と思う。

バルカン半島でいま起こっていること

ユーゴスラヴィア史

ほんのちょっとの参考に。
Letters from My friend Boris in Slovakia



南極ではどんなものを食べているんだろ?

「面白南極料理人」西村淳 新潮文庫

著者さんは、南極大陸第38次越冬隊(1996-1997)に料理人として参加。西村
さんは第30次越冬隊にも参加したということです。
「面白南極料理人」は2度目の南極大陸越冬での記録。38次隊に参加といって
も、2度目の南極は昭和基地ではなく、昭和基地から、約1000キロも離れた
標高3800メートル、平均気温マイナス57度という地にある「ドーム基地」。

「昭和基地から、約1000キロも離れた標高3800メートル、平均気温マイ
ナス57度」う〜ん!数字の羅列で、「そこ」がどんなところか想像しようとし
ても、これは無理だなぁ。
平均気温がマイナス57度って、一般家庭の冷凍庫より温度が低いではないです
か。毎日の生活が冷凍庫や冷蔵庫のなか!それだけで想像を絶するよ。しかも
標高3800メートルと言えば、富士山より高いではないですか。

寒がりの私には、そんな場所で長期間暮らせるものだろうか?と素朴に思ってし
まうけれど、人間の適応力というのは、想像以上にすごいものであるのも確かな
ようです。だけど、マイナス57度となると、「水」は瞬時に凍る。そんな世界
に出るときは、体や頭、顔、全部羽毛の服で包んでも唯一外気にさらされる「目」
のなかの水も時には凍るそうな。おお、おっそろし〜!

ときどき「南極大陸」のことが気になります。そこに昭和基地という基地があり、
越冬隊がいて、そこではなんだかいろんな研究や観測をやっている、その程度の
知識とはいえないほどのことは知ってはおりますが。昨年だったかの越冬隊には
女性も加わっているということは新聞記事で読んだ記憶はあります。はるかかな
たの想像を絶する場所ではありますが、ときどき「南極大陸」という言葉が私の
頭のなかを通りすぎますが、そこではいったいどんな「生活」があるのか、ふと
興味がわいてくる時があるのです。

ただ「昭和基地」というのは、これは想像以上に立派なものらしいです。とはい
え、なんぼ基地の建物が立派でさまざまな設備が完備していようとも、そこは雪
と氷の南極大陸。1年も2年もそこで暮らすとなると、これは、やっぱりそう簡
単にはいかないですよねぇ。

「面白南極料理人」という本を本屋でながめ、買おうかどうしようかちょっとは
迷ったけれど、「宇宙」ではどんなものをどんな風に食べているのか、そこに興
味を持つのとほぼ同じくらいの感じで、南極大陸ではどんなものをどんな風に食
べているのか、妙に興味がわきましたね。

で、何を食べているかというと、いや〜、なんだかすごい「御馳走」が!
あのメニューや料理の写真を眺めていると、そこが南極大陸だということを忘れ
そう。おまけに西村さんの文章は、あまりにも「ふつう」の調子で南極のしかも
ドームの暮らしをあまりにも「楽しげ」に書かれているものですから、いいのか
悪いのか、読んでいるうちにそこが南極大陸だということを思わず忘れてしまう
のだ。だけど、よく考えてみると、それくらいの「いい加減さ」こそが越冬生活
を「楽しいこと」に変えてしまえる西村氏に備わった才能かもしれないなぁと思
えてくる。

その他西村さんの本
南極料理人の悪ガキ読本

南極観測のホームページ
1957年1月29日 「昭和基地」と命名




「信濃の国」という歌

林マヤさんが「徹子の部屋」で、長野県の人は県歌「信濃の国」を誰でも知って
るし、歌えると言っていました。ほんとに!この日の徹子の部屋、会場は長野県
松本市。会場には「長野の人」が客席に。そして、ほんとにみんなで「信濃の国」
を合唱してしまったのにはかなりびっくりした。
マヤさんが「何番を歌いましょう?」と客席に話しかけると、「4番」という声
があがったのですが、
信濃の国
「信濃の国」という歌は6番まであり、会場の歌声を聞く限りでは、たぶんみな
さま、全部ちゃんと歌える、ね。
すごいですねぇ〜なんて、ほんとはこんなこと感心してはいけないのかもしれな
いけれど、こういう県民の歌みたいなものが、ほんとに県民に愛されて、愛唱歌
になっているというのは、ものすごくすごいことかもしれない。

さて、京都には県の歌(府の歌になるか)があるのだろうかと思いましたら、
あるんですねぇ、これが。
京都府の歌
作詞:田中秀果、補作:京都府歌制定委員会 
京都府の歌

この歌は、「府」関係の行事の開会式では歌われているらしいです。
京都府民総合体育大会の開会式

だけど、私、府の歌なぞ聞いたことないです、ほんとに。



秋桜

2004年9月22日の朝日の夕刊1面に「秋桜」の写真があった。「何げないひだま
りに」というタイトルがついていたけれど。
この季節、新聞の紙面には必ずどこかの「コスモスの花」の写真が掲載されてい
るように思う。それこそ何げないひとつの秋らしい風景ではありますから。
双ケ丘の西側あたりに花摘み園があって、ここは春はポピー、夏は小さな向日葵
が一面に咲いて、数日前に近くを通った時、やっぱりこの季節、コスモスの花が
咲いていた。かなりひろい花畑で、どうやら花摘みができるようだ。
今日の夕刊の写真も「コスモスの花咲く野原」という風景ですが、確かにコスモ
スは秋のゆるやかな風にゆらゆら揺れる、そんな風景が似合っているなぁ。
2004/09/22


「天国の本屋」

ちょっと気になって「天国の本屋」シリーズ3冊を読んでみた。

天国の本屋(新潮文庫)(平成12年12月かまくら春秋社)
天国の本屋-- うつしいろのゆめ(新潮文庫)(平成14年4月木楽舎)
天国の本屋-- 恋火(小学館文庫)2004/06/01文庫初版 (2002年9月小学館)
いずれも松久淳+田中渉 

「天国の本屋 恋火」はどうやら映画になってるらしい。文庫本の帯に映画の宣伝が
入ってました。

最初に「天国の本屋」を読んで、残り2冊、読もうかどうしようか、けっこう迷
いましたね。一度は本屋で2冊を手に取って、取ったけれど、なんだかなぁと迷っ
て、また書棚に戻してしまった。それから、しばらくしてから「うつしいろのゆ
め」を読み、そして、「恋火」を読んでみた。
感動する?
よかった?
なんでこんなに迷ったのかなぁ。
う〜ん、悪くはないんだけれど、何か見えてるんだよね、何が?
もちろん小説の終わりが見えてるのは別にかまわないんだけれど、
なんか違う感じがした。
俗に言う「せつない思い」的物語ではあるのでしょうが、
私はあんまり好きにはなれないかもしれないなぁ。
2004/09/17



タイムマシン(本物)!?!?

ちょっと前に本屋で「タイムマシンの作り方」という本を見ました。その本のこ
とがちょっと記憶に残っていて、ちゃんとした書名と、それがどこの出版社だっ
たか、著者さんの名前などを調べようと思い(この本は文庫だったけれど、たぶ
んどこかの物理学者が書いたけっこうまじめな本だったと思うよ)、そうしたら、
奇妙におもしろいものが見つかってしまった。

------------
Yahoo!オークション - タイムマシン(本物)

タイムマシン(本物)

Yahoo のオークションの出品なのですが、URL からも 2000年のことらしい。

いや、ま、びっくりしたというか!
----- 
タイムマシンを開発しました。実用に耐えるものです。100V家庭用
電源で作動します。開発に5年、開発費用に2000万円近くかかりました。
-----
現在の価格:	99,999,991,988,224 円

もちろん入札件数は0でしたが。

なんじゃこりゃと思って、ちょっと調べていたら、世の中にはもの好きはたく
さんいるようで、この出品者の shikumi0 さんという人について調べている人
がいた。

Yahoo!オークションに「タイムマシン(本物)」を出品した人物
 shikumi0氏について考える
http://maekin.cool.ne.jp/tm/index.html

その他、この出品について書いている人が数人いました。

「タイムマシン」で検索したら、H.G.ウェルズの「タイムマシン」くらいが出
てくるかなと軽い気持ちだったのですが、まあ、本をはじめ、その他、わけわ
か研究会もふくめ、いっぱいでてきたのにはちょっとびっくりしました。その
なかに「本物をオークションに出した」という人がいたから、はぁ??????
未来から来た人かもしれん、ジョークかなと笑ってしまいそうだけれど、
もしかして〜!!!!
2004/09/12


Yahoo!オークションに「タイムマシン(本物)」を出品した人物
 shikumi0氏について考える
というページから、
「教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史
というページにいきあたりました。
いや〜、これすごい!
すごいんだけれど、このページ URL が変だから、つながらないね。
http://web.archive.org/web/20021204222537/http://blogdex.tripod.co.jp/encyclopedia/
興味のある方は、
http://maekin.cool.ne.jp/tm/index.htmlこのページの
「はじめに」からたどってね。
たとえば、
1994年03/xx
    「Linux 1.0」リリース。
というのが年表にはいっていますが、私が Linux を使いはじめたのは、
1995年で、そりゃもうここに書かれている年表って実感あるわ〜。
1993年10/xx
「TWICS」が日本初の個人向けインターネットフル接続サービスを開始。
いや、ま、実は、私は創設当時の twics の ID を持っておりました。

この年表を作った「ぱるぽら」さん、このページの最後の「大げさなあとがき」
のなかで、「 1992年から2002年の日本のインターネットの文化はまさしく個人
によって作られていたと思う。」と書いておられるのですが、確かにね、私もそ
う思うなぁ。

私も似たような年表を自分で作っている。
 パソコン通信 ----- ふしぎの国への Gateway

その後1999年に技術評論のLinux x BSD Hyper Press夏号Vol.1 Linux に、
 「日本語化の歩み」というタイトルでちょっとしたメモを掲載している。
「日本語化の歩み」
この時の年表は「ふしぎの国への Gateway」をもとにまとめたようなものだった。

私以外にもいろんな人がこんな時代の年表を作っている。
みんなそれなりに思い入れがあったんだろうなぁと思うね。

「1992年から2002年」とひとくくりにはできないものはあるけれど、
1990-1994年頃は日本ではインターネットの黎明期だっただろうけれど、インター
ネットがひろまる一方で、当然ながら、いわゆる「パソコン通信」草の根ネット
と言われた個人の BBS が衰退していく時期でもありました。私も自宅に BBS 局
を開局していましたから、この時代の「通信」に関わる動きというのは、本当に
個人のエネルギーが集中爆発していたような感じはしますね。
BBS にアクセスしながら、インターネットにもなんとか参加しようと、あれこれ
苦心の時間を過ごしていた記憶はまだまだ鮮やかですねぇ。



日本代表コピー軍団!?

「日本代表コピー軍団」というのは、「報道ステーション」での福田正博のリア
ルサッカー解説に出てくる「日本代表チーム」。最初見た時は、こりゃなんじゃ?
とびっくりしたのですが、奇妙なおもしろさはあるかもしれない。

サッカーの解説では、試合前の予想、試合が終わったあとの解説などで、
(1)画面上で白いマーカーで丸を書いたり、矢印を書いたりしながら説明する、
(2)マジックボードを使って磁石でくっつく名前入りの丸い札を動かして説明
する、普通はこんな方法が取られるものですが、福田さんの解説ではときどき、
生身の人間が登場するのだ!ビブスの胸に「名前」が書かれ、「小野」役や、
「高原」役が登場するのだ。で、実際の試合で、ボールがこうきて、誰がこのよ
うに動いて、そこに誰が入ってと、福田さんはそれこそ汗を流しながら(ほんと
に汗を流しているかどうかは不明ですが)熱く!試合の解説を行うはずなのです
が。

もちろんボールも本物のボールが動くわけですから、時としては「試合の通りに
ボールの動き、選手の動きをなぞる」ことは難しいことだから、そううまくはい
かないでしょうけれどね。
もちろん、そこに登場するコピー選手たちは「昨日」の試合については十分勉強
もしているでしょうが、「そのとき」の「彼」の動きの通りに動くというは、そ
りゃ難しい注文ですよね。

で、「コピー軍団」はいったいどんな人たちがやっているのでしょうね。
誰が誰の役をするというのは、どういう風にして決めるのだろうかと、本筋とは
関係のないことに興味が湧いてしまうけれど。
もちろん彼らがサッカー経験者であることは間違いないでしょうが。

「コピー軍団」を動かして、「試合」経過や戦術を説明しようとするのを見るの
けっこうおもしろいけれど、肝心なことは、こういう解説はわかりやすいだろう
か?ということだろうと思うけれどね。ま、解説というよりはちょっとした
「ショー」的おもしろさかな。
いずれにしろ、ゴール直前の動きを生身の人間を使って再現や予想(再現とはいっ
ても、ゲームの流れやその時の人の動きを説明するという意味ではありますが)
は、なかなか難しい。

この時間、ほんとに福田さんは悪戦苦闘してるかも〜という感じがしないでもな
い。あはは(笑)昨日09/09 の「福田スタジアム」では、インド戦の説明や解説
はどこかにふっとんでしまって、福田さん自らが直接フリーキックを決めること
に途中からやたら熱心になって、これでもか、これでもか!とボール蹴っていた
のが、妙におもしろかった。ゴール前に立たされていた3枚の壁たちは「オレた
ち何すべぇ〜?」てな感じで、あれは福田さんだから許されたのかもよ。

ただ、私なんかは聞いて一番わかりやすいかなと思うのは、マジックボード上で
選手の駒を動かしてくれること、かな。なぜわかりやすいかというと、サッカー
という競技で、ボールの動き、選手の動きを見るということは、裏をかえせばど
のように「スペースが作られたか」ということだと思うから、これは盤上で駒を
使って説明してくれるほうがわかりやすいかもしれないなぁと思う。

ところで、これは何かの本に書いてあったような気もするけれど、サッカーでは
なぜデフェンダーを「ひとり」と数えず1枚2枚と数えるのだろうかとか、とき
どきボールが審判にぶつかりそうになったりもしますが、そういう時の審判は、
ピッチ上では「石」だとみなすらしいとか、けっこう不思議な「へぇ〜」がある
ような気がする。

それから昨日2004年09/08 のインド戦の会場になったコルカタの競技場は12万
人収容とか。ピッチからロッカールームへの入口がまるで穴蔵に入るように不思
議な入口だった。ハーフタイムから約30〜40分にわたり、停電という状態に
なったけれど、10万近い観客がいたのに、観客に何かの事故が起きたとは聞い
ていないのは幸い。2004/09/09



「ハンマー投げ」という競技

2004年9月3日、NHKで「室伏広治」選手のドキュメントを放送していました。
これはアテネオリンピックが始まる前に放送されたものの再放送でした。

後 11:05 にんげんドキュメント----「室伏広治 金メダルへの一投」

見るつもりで見たのではなく、チャンネルを切替えていたらたまたまこの番組を
やっていたということです。ですから、最初から見たわけではなく、たぶん、最
初の10分くらは見逃していると思います。

しかしながら、なぜか見始めて、そのまま終わりまで見てしまった。室伏選手へ
の興味というよりは、「ハンマー投げ」という競技にむくむくと興味が湧いてし
まったのです。おお、これはすごい、スポーツではあるけれど、物理学ではない
か!と。室伏選手のハンマー投げの練習でハンマーが手から離れる瞬間の「初速
度」という言葉を聞いて、私はロケットや宇宙船がなぜ地球のまわりを周回でき、
そして、宇宙から地球に帰ってくることができるのか、そんなことを考えてしま
ったのです。

重たい鉄の固まりを投げて、その飛んだ距離を競う。これまで陸上競技のなかに、
ハンマー投げや砲丸投げ、それからやり投げといった種目があることはもちろん
知っていました。けれど、こういう競技にはあんまり興味は湧かなかったなぁ。

むしろ、あんな重たい鉄の玉を投げて、コントロールを誤ったら、あらぬ方向に
飛んでしまったら危険じゃないかとか、審判員が玉が着地したとたん飛び出して
くるけれど、危なくないのかとか、そんなことばっかり考えていましたねぇ。

まあ、よく見れば、投げる場所の周りは金網のネットや、その他素材は不明だけ
れど、何かネットのようなもので囲われていて、玉が飛び出すのは、ほんのわず
かのネットのすき間のようですから、正確に「その角度」で飛び出した玉だけが
飛距離を競うことができるわけで、それ以外のあらぬ方向に向かった時は、ネッ
トが防御するようにはなっているみたいですね。ということは、それこそ手がす
べったり、コントロールが効かない時は、やっぱりとんでもない方向に飛んで行
く危険性は十分あるということにはなりそうだ。
確か、シドニーでは、室伏選手はネットのポールにハンマーが当たっていたよう
な場面があったような気がする。こういう場合は当然ながら距離はでないですね。

従来、このような競技の選手は体が大きいほうがよい、力のある強い筋肉を持っ
た人が有利だと言われてきたようです。
しかし室伏選手のアメリカのコーチは、体の大きさではない、力ではない、あく
までも「リズム」だと言うのです。そして、ハンマーが手から離れる瞬間にどれ
だけの速度を与えることができるか、それですべてが決まる、と。約2秒ほどで
「すべて」が決まる、そんな競技なのだそうだ。

ハンマー投げというのは、重さ7.26キロの玉に長さ1.2 メートルのワイヤーがつ
いていて、これを2.1 メートルのサークルのなかで回転させ、ハンマーに遠心力
を与え、投げる、というものです。

2.1 メートルのサークル内でステップというのは、非常に独特のもののようです
が、室伏選手は自分が速く回れば、遠心力も大きなものになると考えていたよ
うです(詳しいことはこんな表現では違っているかもしれないけれど)。しか
し、アメリカ人のコーチはあくまでリズムを強調します。最初の2回はゆっく
り回り、それから急速に回転をつけてまわることを教えるのです。
「1、2、 1,2,3」
こうすればハンマーが手から離れる時の「初速度」を適切に調整することが可能
だと。
 
つまり、ハンマー投げで「よい記録」を出そうとすれば、サークル内でどのよう
 なステップを踏みながらどんな速度で回転し、どんな角度で、どんな力でハン
マーを放り投 げればよいかというのは、すべて****計算が可能****なのではな
 いかというすごいことに気がついたのですが、まあ、私が気がつかなくても、
こんなことはその世界の人たちにはすでに理論として存在するものでしょうけれ
どね。

そして、一番すごいと思ったのは、「ハンマーを(自分が)投げるのではなく、
ハンマーは飛んでいきたがっているのだ」というようなことを室伏選手が語って
いたことです。う〜ん!これと似たようなことを聞いたことがある。地球の周り
を回っているロケットは、地球に向かって落ちたがっているのだ!けれど、なぜ
ロケットは落ちないで、周回するのか。そして、落ちる(地球に帰還するとき)
はどうすれば落ちることができるのか。

ハンマー自身が遠くまで飛ぼうとしている!その力を与える方法 を技術として
身につければ記録は飛躍的に延びる!アテネが始まる頃に室伏選手は、「いま、
ハンマーを投げるのが楽しくてしょうがない」というようなことを言っていまし
た。理論に裏付けられた技術の確かさに十分な手応えがあっての発言だったので
しょうね。

いままでほとんど興味がなかった競技でしたが、ハンマーが飛びたがっている!
って、ハンマー投げとは、なんという哲学的スポーツかと思ってしまったのです。

シドニーオリンピックが終わってから、東京にスポーツ科学施設ができたそうで、
アテネに向けて、水泳やシンクロ、そして体操などの選手がこの施設を利用し、
効果的な練習をしたというニュースも聞きました。科学的な理論に裏付けられた
ことは確かにすごいし、その理論を技術として習得する選手たちもほんとうにす
ごい。そしてそこまで正確に自分の体をコントロールできるものかと、正直、本
当にびっくりしているのだ。

100メートル10秒の壁をやぶることは本当にすごいことだ。記録はいったい
どこまで伸びるのかと思うけれど、あまりに科学、科学で、ロボットにならない
でね。人間の心をわすれないでね。

ハンマ投げの世界


ハンマー投げ

京都芸術センター

ちょっと前のむかし、室町通錦通り上ルに「明倫小学校」という学校がありまし
た。そこがまだ小学校だった頃に何度か前を通ったことがありましたが、通りが
かりにも、なんだか素晴らしい建物だ思っていました。
京都の繁華街、鉾町にある学校でしたが、昨今の児童数減少に伴い、学校は廃校
になりました。昭和6年の建物だそうです。

京都に明倫小学校がありました

旧明倫小学校

さて、その「明倫小学校」は現在、
「京都芸術センター」として、生まれ変わっています。(2000年4月オープン)

学校の建物はほとんどそのままで内部部分を一部改装して、美術、音楽、演劇な
ど新たなものを生み出そうする「場」に変身。

そういう話はずっと以前に聞いていたのですが、なかなかその「場」に足を踏み
入れる機会はなかったのですが、たまたまこの8月24日に、知合いが参加した
ダンスワークショップのレッスン公開があり、ワークショップの発表会にも興味
があったのですが、「旧明倫小学校」にも興味があり、建物のなかを覗いてきま
した。

もと学校の正門だった門をくぐりぬけると、細い石畳の道があり、道の脇の植え
込みのなかにたきぎを背負った「二宮金次郎」のなんだかかわいい石像が立って
いました。

木造の校舎の廊下をミュールで歩くとなんとも言えない懐かしいようなゴトゴト
という音をたてます。2階にあがって、渡り廊下のほうに行くと、まあ、校舎に
囲まれた運動場がそのまま残っていました。2階にある舞台付きの講堂が広い
レッスン場。小さい教室もそれぞれいろんな目的のために使われているようです。
こんな建物をこんな形で再生したのは大正解!ですね。2004/08/26



気合い!?

道を歩いていたら、「ター!」とか「サー!」というかわいい声が聞こえてきた。
小さな子どもが歩きながら、「ター!」。福原愛ちゃんの気合いの真似?

15才のオリンピック、8月17日(火)の福原選手と ガオ・ジュン(アメリカ)
選手のシングルス3回戦は、時間もちょうどよくてテレビで見ました。
4セット完全試合ではないですか。卓球の細かいルールはよくわからないけれど、
なんともすごい気迫のこもった試合、「愛ちゃん」のすごさにただただびっくり
ではありました。

その試合の時、愛ちゃんはポイントをあげるたびに「ター!」あるいは「サー!」
と聞こえる声をあげていました。これが翌日からテレビのいろんな番組に話題に
なりましたね。いったい愛ちゃんは何と叫んでいるのかと。
いろんな解説はありましたが、これはやっぱり気合い、気迫で思わずもれる声な
のでしょうね。だから、ご本人も本当のところは何と言っているのかは?だと答
えていたようですが
「ヤッタァー」の「ター!」、「ヨッシャー」の「シャー!」が「サー!」に聞
こえる。あるときは、「タ」と「サ」がいりまじったように聞こえる。

ハンマー投げの室伏選手になると、これはもう雄叫びという感じになるけれど、
ああいうのは声を発しいてるというよりは、体が叫びをあげているのだろうなぁ。
いずれにしろ、ものすごい気迫、気合いだね。

うちのオリンピックはサッカー男子が2敗して予選敗退が決定した時に終わった
(笑)ってしまったようですが、まあ、まだこれから終盤に向けて、さまざまな
競技が展開されますから、金メダルはいったいいくつになるのでしょうか。
2004/08/21



N 響アワー

「N 響アワー」という番組はなかなか楽しい。日曜日の午後9時、NHK 教育テレ
ビの番組ですが、この番組とそのあとに続く「芸術劇場」は私の密かなお楽しみ
番組です。「N 響アワー」はいいとこ取りというのか、1時間の番組ですから、
大きな作品を全曲というのは難しいですが、いいところの「さわり」だけという
ことにはなりますが、なかなか素晴らしい演奏が聞け、指揮者の方の顔をじっく
り眺めることができて、毎週見逃せないと思うほど気に入っていますね。

さて、「N 響アワー」月に一度はゲストを迎えての構成になるのですが、8月
15日のゲストはアルピニストの野口健さんでした。全体的なテーマは当然「山」
と音楽ということになりますが、この日の野口さんの話題の豊富なこと!とても
おもしろかったです。
演奏された作品は、
「交響曲 第5番 ハ短調 作品67から第1楽章」
                      ベートーベン作曲
           (指揮)ウォルフガング・サヴァリッシュ

「アルプス交響曲 作品64から“夜”“日の出”“危険な瞬間”
      “山の頂で”“夜”」リヒャルト・シュトラウス作曲
                 (指揮)シャルル・デュトワ

ベートーベンの交響曲第5番というのは、あのジャジャジャーン!の「運命」で
すが、野口さんのトークを聞いていると、この曲を選んだ理由はそれなりにうな
づけます。エベレストのような世界最高峰と言われる山に登るのは、それこそ命
かけての作業でもあるわけで、まずは自分の気持ちを最高に奮い立たせなければ
足が踏み出せないこともあるのでしょうね。

何の番組だったか(「徹子の部屋」だったか)、エベレストに登った時の話に思
わず引き込まれてしまったことがありましたが、それこそへたをすれば発狂しか
ねないほどの状況があるということ。登ったはいいが、さてどうやって降りるの
か、降りて帰ることができるのかどうか、というようなことを話されていたので
す。登るより降りるほうが何倍も大変だということ、実はエベレストには下山の
途中で命を絶った人たちが何人もいるということ、頂上へのルート付近には、そ
れこそゴロゴロと!「死体」があるのだというようなすさまじい話には、ほんと
うに引き込まれてしまったことがありました。

それでも人は世界の最高峰を、それぞれの大陸の最高峰にどんな危険を犯しても
挑むのですねぇ。
そんな話、あんな話、先日の「N 響アワー」ではほんとうに興味深い話がいろい
ろ出ていました。そして、野口さんといえば忘れてはいけないのは、「ゴミ回収
のための登山」なのですが、この番組の司会をされている若村麻由美さん、なん
と、エベレストは5000メートルまで登ったそうで、その時に野口さんとすれ
違っていたとか。それが縁でゴミ回収の登山にも参加されているそうです。

この日の「アルプス交響曲」はバックの映像がとても素晴らしかったです。「ア
ルプス交響曲」もほんの一部ではあったのですが、それを聞きながら、まるで長
編小説のようだと思ってしまったけれど、小説家は「文字」表現するし、画家は
絵で表現する、音楽家は「音符」で表現するのだということを改めて思いました。
2004/08/17



IPv6 と「便利」ということ

何気なくテレビをつけたら、4チャンネル毎日放送の昼番組にあたった。「未来
の住宅」がどうのこうとやっていた。玄関の鍵を開けるための指紋認証などとい
うのは、それほど珍しい話でもないけれど、この日の番組の目玉はどうやら「イ
ンターネット」を介しての「自動」施錠や留守宅チェック、それと自動防災シス
テムについての話だったようだ。

携帯電話からなぜ留守宅の家の鍵がかけられるか?
携帯電話からなぜお風呂に水がためられるか?
もしも暖房を切り忘れるようなことがあっても、なぜ携帯電話からガス器具の電
源を切ることができるのか?

その他あれこれいろいろ「できる」わけですが、あれもできます、これもできま
すと、そういうことを始めて体験するものにとったら「まあ、便利!」「すご
い!」という言葉しかあげることはできないのはしょうがないけれど、30分ほ
ど見ている間に、「なぜ」そういうことが「できるのか」というシステムについ
ては、何ひとつ説明はなかったなぁ。まあ、説明しても「難しい」ことでしょう
から、まあ、見てください!にとどめておくほうが番組としては無難でしょうけ
れどね。でもさ、なぜそういうことができるのかについては、やっぱりちょっと
説明したほうがいいと思うなぁ。

最近、Linux 関連の文書のひとつ、Linux IPv6 HOWTOというのを見ていた。
まあ、かなり長い文書ですので、IPv6 ってそりゃいったい何だ?って感じです
が、
日本語でそれがいったい何なのか、何の役にたつのかという点に関しては、
 IPv6 
このあたりの説明でお茶をにごしておこうか。
このページには、「ネットにつなぎたくてもつなげない!」ユーザがでてきては
困るから、現状の IPv4 のままでは IP アドレスが枯渇するから次世代インター
ネットとして IPv6 が提案されており、一部実験段階であるというようなことが
書いてある(と思う)のですが、いやいやこの目的は、「ネットにつなぎたくて
もつなげない!」ではなくて、なんかもっと別なことを目論んでいるような気が
するなぁ。

Linux IPv6 HOWTO にさらりとこんなことが書かれている。

During the design of IPv4, people thought that 32 bits were enough for
the world. Looking back into the past, 32 bits were enough until now and
will perhaps be enough for another few years. However, 32 bits are not
enough to provide each network device with a global address in the
future. Think about mobile phones, cars (including electronic devices on
its CAN-bus), toasters, refrigerators, light switches, and so on...

IPv4  の設計の間、人々は 32 ビットは十分だと考えました。振り返ってみると、
32 ビットはいまはまだ十分で、たぶんあと数年は十分なものでしょう。しかし、
32 ビットは将来においてグローバルアドレスとともにそれぞれのネットワーク
デバイスを供給するには十分ではありません。
可動型の電話や車(その CAN-bus での電子デバイスを含む)、トースター、冷
蔵庫、光源のスイッチなどなどを考えてください。
----------

この段落の終わりの2行にご注目!将来は、「可動型の電話や車、トースター、冷
蔵庫、光源のスイッチなどなど」にアドレスを振ろうというわけ、です。
で、何するの?って。だから、ほら、遠隔操作でスイッチいれたり、切ったり、
在庫を管理したり、窓を閉めたり、鍵をあけたり、かけたり、あるいは留守宅に
訪問者があった場合、ドアホーンを押した訪問者と会話したりできるわけですよ。

IPv6 っていったいどんなものだと学ぶことはけっこうおもしろいのだ。
だけど、それが現実の生活にどれだけかかわることなのだと考えると、これまた
なかなか難しいのである。

で、これって「便利」?まあ、便利といえば便利ではあるんですが、
わたしゃそんな家には住みたくないねぇ。
自宅から外に出かけたら、もう妙に干渉されたくないもんねぇ。
とはいえ、留守宅が火事なんてことになってはそりゃ困るけれどねぇ。

「便利だねぇ」「すごいねぇ」という感嘆の言葉を発したら、
それと同じだけ、さて、これで私は何を失うだろうと考えてもいいかもしれない
なぁ。2004/08/11



三ノ宮の日傘

2004年8月3日に三ノ宮に行った。JR 快速はかなり「ゆれ」が激しいことに改め
て気がついたけれど。進行方向と反対向きの座席が空いていたので座ったけれど、
妙な「ゆれ」をけっこう感じて、座ったことにちょっと後悔してしまったくらい。
幸い大阪駅でかなり空いたので、進行方向の座席に座りかえ。

三ノ宮での目的は神戸コンピュータ学院でのオープンソース茶話会に出席するこ
とでしたが、とっても楽しい時間でした。まあ、それはそれで別の話題ではあり
ますが、神戸コンピュータ学院は来春「神戸情報大学院大学」を開設
予定とか。オープンソースソフトウェア(OSS)を中心にすえた学校になりそう
で、これはちょっと、ちょっとどころか、わけあってかなり楽しみ!
ここが、「Linux の新しい拠点」になったりして。そうなったらうれしいな。

さて、ひさびさの三ノ宮、ほんとはちょっとでもどこかに行きたかったのだけれ
ど、それだけの時間を取ることはできなくて、ほんのちょっとだけ余っていた時
間は神戸コンピュータ学院の前の坂道をちょいと登ってみたこと。この上には何
があるのかなと思っていましたが、あとで聞くと「風見鶏の家」とかがあるそう
な。あとで思い出したのだけれど、そういえば、「中山手教会」もあのあたりに
あったような。とはいえ、ここは2003年から「カトリック神戸中央教会」と名前
をかえるんだったなぁと、しばし、ちょっとだけ懐かしい思いがわいてきたけれ
ど。それにしてもあの坂道は、降りるのが恐ろしいほどのすごい坂道だね。

ほんの少しの時間調整のために三ノ宮の駅構内を歩いていたとき、バーゲンで
「日傘」を売っているのをみつけて、おもわずそばによってしまった。
なんだかかわいくて、傘好きの私としては、ほんとは1本どうしても買いたかっ
たんですよね。でもね、あきらめました。う〜ん!だけど、いま思い出してもあ
の日傘はかわいかったなぁ(笑)でもさ、バーゲンなのに、3000円くらいしてた
わけ。

で、日傘があきらめきれず、とうとう近くのスーパー!で買ってしまった。なん
と、なんと、700円。元値は1500円ほどだったその傘は 1000円の値札がついてい
ました。でも、その店ちかぢかほんとに閉店するんですよね。ですから雑貨類は
値札には書いてなかったけれど、さらに3割引になっていたらしい。というわけ
で700円で日傘を手に入れた。白地でふちのほうにやや土系の黄色のふちがつい
ていて、スーパーで見つけたわりには、ちょい満足できるデザインだった。

日傘って一夏ものでもあるし、たいていは自転車を使うから、日傘をさして歩く
機会のほうが少ないのですが、どうしても欲しかった!2004/08/07



らんどく

「らんどく」は乱読ではありますが、下記、実際は「乱読」した本はこの3倍に
はなるでしょうか。「乱読」だから、せめてメモくらいは残しておこうかと。

龍時01-02 (野沢 尚) 文春文庫
ワンス・ア・イヤー (林真理子)角川文庫
まだふみもみず(壇ふみ)幻冬社文庫
壇 (沢木耕太郎)新潮社
パリの空はあかね雲(岸 恵子)新潮文庫
女王陛下のロンドン(ハービー・山口)講談社文庫
超・殺人事件(東野圭吾)新潮文庫
走るジイサン(池永 陽)集英社文庫
69(村上 龍)集英社文庫
インターネットは名探偵(内海 凖二)ファオ文庫
添乗員狂騒曲(岡崎大五)角川文庫
雑誌記事(オール読物)から「学生気分でルーマニア」岸田今日子

  • 龍時01-02 (野沢 尚) 文春文庫 「サッカー」が題材になるとそのほとんどはエッセイであったり、インタビュー などの取材記事をまとめたものであったりします。 「文体とパスの精度」(村上龍+中田英寿) 「青の肖像」(小松成美)文春文庫、それからワールドカップ関連のさまざまな ドキュメント等や、スーパースター選手の自伝というのは、かなりおもしろいも のが多いです。 この手の本をあれこれ読んで思うことは、サッカーには何かしら自己表現に近い ものがあるなぁと思うこと。究極はゴールにボールを運ぶだけの競技ではあるの ですが、なぜか理由はわからないけれど「美」を感じさせてくれるものはあるなぁ と思う。 さて、この「龍時」というのは、日本初(たぶんね)のサッカー小説なのです。 けっこうおもしろかったのですが、もしかしたら「イメージできる」ことが限ら れてしまって、文字でサッカーを追うというのは、そこが残念なところかもしれ ません。もちろんこれは小説ですから、サッカーという競技をしらなくても、本 当はおもしろく読めるものであることが理想ではありますが、やはり生サッカー を見ていないと「わからないこと」というか「イメージできない」ことがあるか もと思ってしまった。その点、サッカーを題材にしたコミックや漫画は、「イメー ジ」を補ってくれるものがあるので、サッカー小説というジャンルはなかなか難 しいかもしれないなぁと思ってしまったけれど。 この小説の参考文献として「スペインひるね暮らし」(中丸明)という本があがっ ていたのですが、この本はちょっと前に読んだのですが、なかなかおもしろい滞 在記でした。「シエスタ」(昼寝)なんて言葉を覚えたのはこの本からだったな。 それなりおもしろかったので続編に期待しておきます。
  • ワンス・ア・イヤー (林真理子)角川文庫 これって小説だよねぇ〜?林真理子が世にでるまでに歩いた道。最初はエッセイ かと思って読んでいたのですが、いや、これはやっぱり自分を題材にした小説だ ろうなと思ったけれど。
  • まだふみもみず(壇ふみ)幻冬社文庫 なかなか上質のエッセイ集です。
  • 壇 (沢木耕太郎)新潮社 「まだふみもみず」を読んでしまったので、ついでに、これはもうずっと前から 読もうかなと思っていて、ずっと忘れていた沢木耕太郎の「壇」を読んだ。 壇ふみさんのお母さん「ヨソ子さん」の語りになっているのですが、沢木耕太郎 の新しい挑戦だっただろうけれど、割合おもしろかったです。
  • パリの空はあかね雲(岸 恵子)新潮文庫 岸恵子さんは「フランス人になりたい」と思っていたという話を聞いたことがあ りましたが、フランス・パリに暮らしても岸さんは日本人であり続けたのね。 離婚した頃の日々を綴った本。
  • 女王陛下のロンドン(ハービー・山口)講談社文庫 ハービー・山口という写真家が誕生するまでのロンドン暮らしの記録。 かなり興味深く読みました。
  • 超・殺人事件(東野圭吾)新潮文庫 東野圭吾の「推理小説」ってなんだかよくわからないんだけれど、 けっこうおもしろいんだよね。
  • 走るジイサン(池永 陽)集英社文庫 第11回小説すばる新人賞受賞の作品だそうだ。 おもしろいというか、この方の他の作品も読んでみようかと思ったということは、 やっぱりおもしろかったんだ。
  • 69(村上 龍)集英社文庫 少し読みはじめて、まだ読み終えていない本。 最近、舞台になった長崎の高校で落書き事件があったそうな。
  • インターネットは名探偵(内海 凖二)ファオ文庫 子ども向けの本で「通信」や「メール」や「インターネット」のような言葉がキー ワードのように入っている本はなるべく目を通すようにはしているのですが、正 直この本、あんまりよいとは思えないんだよねぇ。ストーリーよりも「インターネッ トの使い方」みたいなことをレクチャーしようとするところに目的があるようで、 それはそれでもいいんだけれど、そういう知識を伝えたいのか、お話しを提供し たいのか、そこがどうもちぐはぐであんまり好きにはなれん。おまけで言うなら、 Windows XX を使う人口は確かに多いでしょうが、なんかMicrosoft が提供する ソフトの使用方法を解説しちゃう(どうしてもそうならざるを得ないけれどね) というのもあんまり感心しないなぁ。
  • 添乗員狂騒曲(岡崎大五)角川文庫 実のところ、文章があんまりよくないかもしれないので、文章的にちょっと退屈 さを感じるのだけれど、話しの中身はなかなん興味深いものがありました。 旅行記的なものも添乗員の目から見た話しというのは、やっぱり興味深いよ。
  • 雑誌記事(オール読物)から「学生気分でルーマニア」岸田今日子 オール読物8月号掲載の記事でした。これが掲載されていたから、この雑誌を買っ たのかもしれませんが。バックパックでルーマニアを歩こうと思ったそうですが、 どうにも重くて、やっぱりキャリーバックになったそうですが。 この旅の目的は、「ルーマニアで魔女に会う」だったらしい。魔女さんにも興味 がわきますが、何より東欧の国への旅行記には興味シンシンになります。 2004/07/28

  • 新庄のホームスティール2004/07/11

    2004年7/11 長野オリンピックスタジアムでプロ野球オールスター戦第2戦が行
    われた(そうだ)。「そうだ」ってのは、私は野球のオールスターには別に興味
    がわかないからそんな試合は見ていないですから。しかし、この日の新庄の活躍
    をスポーツニュースで見た。
    
    初回のバッターボックスで新庄はバットを何回も振り回し、「打ってやる
    ぞぉ〜!」とホームラン予告の姿勢を見せていたけれど、バッターボックスでの
    はりきり様とは逆にバットにあたったボールは内野ゴロ。この落差加減がスタン
    ドには大受けで、確かに、私もテレビの画面を見ていて、思わず笑いが出てしま
    うという感じだった。ところが3回、2塁打で塁に出た新庄、誰もが予測しなかっ
    た盗塁、しかもホームスティールをやってしまったのだ。ホームベースにとびこ
    んだ新庄は、うつむいたまま手足をバタバタと動かし、やがて起き上がって、そ
    れこそ満面の笑顔で観客にアピールした。
    こんな姿が観客に受けないわけはない。
    
    何よりも1回目にバッタボックスにたった時も、2度目にバッタボックスにたっ
    たときも、ほんとうにうれしそうな笑顔。その顔は、新庄は野球が好きなんだなぁ
    というよりも、この人は観客を楽しませることを知っているし、何よりも新庄自
    身がオールスター戦を100%楽しんでいるなぁというとても心地よい笑顔だっ
    た。
    
    「パ・リーグを盛り上げたい」という気持ちがとても強かったそうですが、あの
    姿はパ・リーグのみならず、野球という世界を盛り上げたい、そんな気持ちに満
    ちていたように思うよ。いま、野球の世界は突然のように合併や身売の話が出て、
    1リーグ制への移行の話も進んでいるそうだ。
    
    ま、正直言って、野球はほとんどみないし、たまに阪神の試合をところどころ見
    ている程度にしかすぎないですから、詳しいことは全然知らない。だけど、そう
    いう議論のいくつかを聞いていて感じることは「ファン不在、選手不在」の論議
    であったりするような部分。これはとっても気になる話だよね。
    「プロ」スポーツの在り方について、本当にいろんな議論もあることでしょうが、
    これからの日本のプロ野球がどんな道を選択していくかについて、「オーナー」
    さんや「プロ野球界の幹部」や、その他どういう組織があるのか詳しくは知りま
    せんが、オールスター戦での新庄の「こころ」には目をむけてもよいと思うよ。
    2004/07/14
    

    My Essay の目次へ戻る。


    Faith の目次へ戻る。

    back to Home Page

    日本語[Japanese]

    [English]