2023(令和5)年



前年の2022年の世界情勢もまた、歴史に残る大きな動きがありました。 2022年2月、ロシア軍が突如として隣国ウクライナに侵攻。 戦力比ではひとたまりもないと思われたウクライナ側が善戦、食い止めて一定程度押し返すという状態で年末を迎えたので、その様子を年賀状のテーマにした、お得意の時事ネタシリーズです。

そもそもウクライナはかつてソ連邦の一員でしたが、ソ連崩壊・独立後、西側自由主義国になびいていく状況にありました。 ロシアとウクライナは歴史的にも兄弟国として近い関係だったのに、このことをよく思わないロシアは、2014年にウクライナ南部のクリミア半島を一方的にロシアに併合。西側各国からは経済制裁を受けたものの、その程度で済んだことに味を占め、今度はウクライナ全土を我が物にしようと攻め込んだのでした。

ロシアの狙いとしては、ウクライナの西側寄りを主導しているゼレンスキー大統領を追放して傀儡政権を置くつもりだったようですが、 ゼレンスキー氏は逃げるどころか果敢に戦う姿勢を見せ、SNSも駆使した情報戦略で国民の士気を高め、互角の戦いに持ち込みました。

無論、ウクライナ単体でそこまでできるはずが無く、実際は米国はじめとする西側各国が武器や衛星情報などを提供したことによるところが大きいわけで、そのことを象徴するデザインとしました。

すなわち、西側・自由主義国家を「ブルーチーム」と位置づけ、一方、かつては東側・社会主義陣営で、事実上それを放棄した後も、基本的に言論の自由がなく、独裁的政権運営が続く権威主義国などを「レッドチーム」と名付け、双方のぶつかり合いが今ウクライナを戦場としている、と表しました。

ちなみに余談ですが、第二次世界大戦のときの日独等枢軸国を「ブラックチーム」と勝手に命名。実はブラックチームvsブルーチーム・レッドチーム連合(つまり連合国→後の国連)の戦いが第二次世界大戦の概観であって、破れたブラックチームはブルーチームの傘下に入り、その後の冷戦構造がブルーチームvsレッドチームの経済戦争だったわけです。

そして経済戦争に破れたレッドチームはソ連崩壊となり、中国も事実上社会主義を放棄して自由主義的経済運営(ただし経済のみで政治は不自由のまま)に移行。崩壊したソ連、その後のロシアを経済的に再興させたのがプーチン大統領だったわけです。

ただ、プーチン氏はソ連崩壊がよほどトラウマだったようで、偉大なるソ連邦、偉大なるロシアの復活が宿願であり、あろうことかブルーチームになびこうとするウクライナを許せず取り戻そうとした、あたりがウクライナ侵攻の背景にあったと考えられます。独裁者であるプーチン氏もそろそろ寿命が尽きようとしており、生きている間に宿願を成し遂げたかったのでしょうか。また、このような無理筋を周囲の誰も止められないのは、豊臣秀吉の朝鮮出兵を想起させます。豊臣政権はこの朝鮮出兵が仇となり、結局は徳川政権に取って変わられたのですが、果たして。 そういえばソ連崩壊の始まりも1979年のアフガン侵攻が契機だったと考えられます。

なお、世界中がブルーかレッドかどちらかのみに分かれたわけではなく、どちらにもつかずに様子見の国もあります。それらは「グレーチーム」と命名し、代表的な国としてインド、ブラジル、トルコを掲げておきました。また、レッドチームで国旗のみ掲載としているのは、シリア、ミャンマー、イランです。

と、ここで、冷静に振り返るとミャンマーの国旗が間違っていることに気が付きました。年賀状掲載の国旗デザインは、確かに2010年まではビルマ連邦社会主義共和国・ミャンマー連邦の国旗でしたが、2010年に同国の軍事政権が、上から黄色・緑・赤に塗られた三色旗の上に大きな白星を描いたデザインに変更されていました。

赤青両チーム対峙の真ん中に浮かぶ月は、2022年11月の皆既月食&天王星食の際に撮影したものです。皆既月食自体は珍しくもないですが、その際同時に天王星食となると激レアイベントで、これと同じ現象が過去あったのは400年ほど前の戦国時代、今後起こるのも何百年後のレベルです。 大きくした画像ならば月の後ろ(左下あたり)に隠れる瞬間の青い天王星がしっかりわかるのですが、このサイズでは天王星が分からなくなってしまいました。ご覧になりたければブログ記事をご参照ください。

下側背景にある地球の画像は、「アースボール」という地球儀を活用しました。それ自体は小さめの地味な地球儀なのですが、スマホアプリを用いてそれをカメラ越しにのぞくと、通常の衛星画像はもちろん、その時々の雲の様子、気温、国旗を掲げたりどんな動物が生息しているかなど、AR(拡張現実)画面で見ることができます。

マスコットキャラクターのくりりんはまだマスクを外せません。これで3年連続。コロナ禍は未だ終息しないことを表現しています。という私自身も8月にコロナ感染、12月には次男坊が発熱、コロナ陽性で長男、相方にも延焼してえらい目に遭いました。

干支のキャラクターは、マイナうさぎが2021年に続き再登場。2022年にマイナポイント第二弾が実施され、なりふり構わぬ政府のマイナカード取得率向上を渇望する姿勢を表現しました。我が家でも大人は既にカード作ってましたが、子供らの分は何もメリット無いので作らないまま。健康保険証の機能をマイナカードに入れ込めるようにはなってますが、医療機関側に対応する機器を置かないとだめなので、これもまた混乱の元となっています。

家族写真は、コロナ禍で2年前に廃業してしまったフォトスタジオに代わるところを隣町で発見したので、そこで撮ってもらったものです。さてあと何年続けられるか。

この他に2022年の主なニュースをメモしておくと、7月の参院選の最中に安倍元首相が銃撃され死亡。犯人は旧統一教会のいわゆる宗教二世で、家庭をボロボロにされた仇を討つべく本来は教祖を狙いたかったが難しかったので警備の手薄だった選挙演説中を狙ったのでした。これにより旧統一教会と国会議員等のズブズブの関係性が明らかにされるとともに、宗教二世問題等を解決すべく、寄付をカルト宗教等から強要されることを阻止する新法が急ごしらえで制定されました。 参院選では勝利して黄金の3年間を手にしたはずの岸田首相でしたが、閣僚らの政治とカネに関するスキャンダルによる辞任ドミノが相次ぎ、また防衛費増強のために突如増税の話を持ち出して揉め、支持率は低下の一途。破れかぶれで年内解散もあるかもとすら言われました。実は今回の年賀状、例年になく超早い11月中旬にデザインを完成させて印刷屋にネットで発注してたものだから、年末の解散総選挙で首相変わったら大打撃とヒヤヒヤしてました。 遡って4月には知床の観光船が沈没して乗客乗員26名が死亡または行方不明に。事故の背景には、利益優先・安全軽視の観光会社の経営姿勢があります。

スポーツでは北京冬季五輪、カタールでのサッカーW杯などがありましたが、一方で東京五輪での汚職で複数の逮捕者が出ました。こうしたスポーツビックイベントの影で利権とそれを巡る悪事が蔓延っていることへの抗議として、これらスポーツのニュースは一切採り上げずスルーする制裁措置を無期限で個人的に敢行。従って、かつては時折年賀状デザインに登場した五輪大会のエンブレム等は、今後載ることは無いでしょう。

さらにその他のトピックスとしては、英国のエリザベス女王逝去・チャールズ国王即位、韓国ソウルの繁華街でハロウィンの夜に人が殺到して150人余りが死亡する事故、経済では為替が一時1ドル150円に達する円安ドル高が進行し、日銀の異次元の金融緩和策もいよいよ終焉か、中国では習近平主席が慣例を破っての3期目突入、いよいよ独裁強化という矢先に、ゼロコロナ政策の締め付けに反発する民衆が白紙デモを行い、すると今度は中国政府が手のひら返しでゼロコロナを放棄し、新型コロナ感染者数が爆発的に増加となった、Twitter社をイーロン・マスク氏が買収しCEOとなるも矢継ぎ早の思いつき施策変更で大混乱、といったことを記しておきます。


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