残像現象について
残像現象
黒印を20秒間じっと見つめて下さい。
その後眼を閉じしばらくすると真っ暗な中に図の風船が浮かんできます。
風船の色はどうでしょうか?
見ていた色とは違って見えます。
残像の様子
このようにはっきりとは見えないと思いますが、
赤色の風船は青緑(シアン)に、青色の風船は黄色に、緑色の風船は
赤紫(マゼンダ)になっていませんか。
- 色の感じる仕組みについて(ヘリングの説)
ヘリングによると色覚は6つの純粋感覚、(黒・白)、(青・黄)、(緑・赤)、
からなっておりこれらは各々対になっていて、各々の対の色は、それぞれ三つの
網膜視物質の光化学変化における合成と分解によって発生すると考えられています。
これらの物質を白黒物質、青黄物質、緑赤物質と呼び白黒物質はその分解が白感覚に、合成が黒感覚になります。
同様に青黄物質、緑赤物質についても合成や分解が色の感覚になります。
- 残像現象の仕組み
- ヘリングによると光によって視物質に分解合成反応が起こるが、これは可逆反応であるから、直ちに
反対過程が起こります。分解した物質は合成し、合成した物質は分解しようとします。例えば赤を分解反応とすれば、その合成反応は赤の反対色のヘリング緑(青緑)
となります。赤色光があるうちは分解が続き、赤色光がきれると合成過程が残って、それが青緑の陰性残像となります。そしてもとのバランス状態になると残像は消えます。
(色彩の科学 金子隆芳 岩波新書 より)
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