第10回

1/7 バゼット・フラガ・マミレミッツ






 レンに引き続きいきなり完成状態ですが、Fate/hollow ataraxiaの主人公のバゼットさんです。
 詳しいキャラクター紹介はキット製作記事に譲るとします。
 白いのがレジンキャストで複製した物で、グレーの物が原型です。

 製作は2006年の正月からで、4月の末のワールドホビーフェスティバルに向け制作を始め、完成見本は間に合わなかった物の、原型は何とか完成して、販売も行えました。

 モチーフはゲーム中の立ちイラストを再現しています。
 ゲーム中のイラストが豊富なので資料には困りませんでした。

 製作に使用した材料は、芯にモデラーズのフレックスロッド(3mm)を使い、全体のポーション決めから着衣の一部までエポレジンプロの盛り削りで行っています。
 エポレジンプロは年末にポークスで売っていた物を試しに買った物ですが、量あたりの単価が安く、硬化後は他のエポキシバテの様に粘りが無く削り易く、刃物ではレジンパーツよりもスパスパ切れ、盛り付けの際にやたらにベト付くのを除けば、削り出しで整形する私にとっては欠点らしい欠点の無い素材です。
 ネット上やイベント会場では「硬くて切削性が良く無い悪い」という話を聞くのですが、オルファの特選黒刃を取り付けたカッターナイフや曲線刃を付けたアアートナイフプロ、数種類有る彫刻刀を使っている限りは刃通りの悪さは全く感じず、切削性の良いロックペイントのクイックパテ120HBの硬化後よりも切削性は良いです。WAVEのエポキシパテ軽量タイプと比較しても、それ程違いは感じられません。ただ、私はNTカッターやオルファの普通のデザインナイフの刃は一切使わないので、それらでの切削作業が難いのかも知れませんが。

 全体の大まかな形が出来た所で、スラックスの上端の部分をオルファのホビーのこで切断して、上半身と下半身を独立させました。

 頭は顔と耳が有る程度出来てから、前髪が生えている部分をホビーのこで切り落とし、顔パーツ部分にメンソレータムを塗ってから、hポリパテ(クイックパテ)を盛り付けて前髪となる部分を造り、前髪を大まかに整形した後に、頭後ろ半分の髪の毛部分をノコギリとナイフで切り落としリューターと耐水紙やすりで整形を行ってから、メンソレータムを塗り、ポリパテを盛り付けて切り出しと削り出しで整形しています。
 前髪や後ろ髪の細かい部分は、幅の小さい平刀と印刀、エッチングソー、金属ヤスリで造形して行き、240番から400番の紙やすりの削り出しで仕上げています。

 上半身はブラウス(Yシャツ?)までをエポレジンを使い、スーツ部分の造形と表面処理はポリパテで作りました。裾の部分はスラックスが有る程度出来てからスラックスに内側の型となる様にグレイスカルピーを盛り付け、ポリパテを盛り付けて作っています。シオンの際は薄く作り過ぎたので、今回は厚めに作りました
 袖の部分は肩口の分割部分で切り落とし、メスダボを作った後、切り落とした部分を参考にしつつ、ポリパテを盛り削りで作り直しています。手首も同様にポリパテの削り出しで作りました。
 溝状のモールディングは鉛筆で書いた線をアートナイフプロ曲線刃でなぞり、それを金属ヤスリでさらになぞって仕上げました。
 ボタンは表面処理が終った後、ウエーブのH-アイズ3 ミニ2.8mmと2mmを使用しました。2mmは4つしか入っていないので、2セット使っています。

 下半身のスラックス部分は先に足首の靴の部分を作ってから切り離した後、エポレジンプロを盛り付け形を作って行き、シワやや折り目の表現と、表面処理をポリパテで行いました。
 足と足の間の内側部分はそのままでは作り難いので、左足を付け根付近で切り離して表面処理の段階まで進め、当初は別パーツを考えて合わせ目部分のダボまで作っていたのですが色々考えた末、接着して一体化しました。

 表面処理は基本的にポリパテで行っていますが、細かい気泡や凹凸はどうしても見逃してしまうので、ボークスのグレーサーフェイサーを噴きつけてはヤスリ掛けやポリパテの充填を行っています。
 サーフェイサーを噴き付ける前にはプライマー(塗料接着剤)を噴き付けています。

 複製用の型は何時も通りボークスのEXシリコンか、その同等品の旭化成のワッカーシリコンRTV2 M 8012を使用しています。
 手法は前回同様、粘土型で、使用した粘土はほいく粘土、型枠はボークスの型枠専用ブロックを使用していますが、今回は型枠ブロックが足りなくなったので、一番大きな型枠にはベニヤ板を使用しました。シリコン同士を癒着させない為のコートは缶スプレーのMr.カラーのスーパークリアー半光沢です。






 バゼットに続く新作です。イベント案内で書いているのでバレバレですが、キャラクター名は自主規制中と言う事で。
 制作方法はバゼットに準じた物で、フレックスロッドとエポレジンで芯から大まかな形を作り、ポリパテで細かい部分を作っています。
 後ろ髪の茶色い部分はインダストリアルクレイ(アルテ65)、前髪が完成してから、再度ポリパテで作り直す事になります。
 
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