第11回

 一年以上放置していましたが、日記をトップページに据え日々の動向はそちらに書いているのと、製作個数を重ね、主素材を完全にエポキシパテに変更した以外に大きな変化が全く無かったので態々更新する必要がなかった為です。

 前回の後半で掲載していた、制服姿の柏葉巴を含めて、7アイテム、8体を製作しましたが、造形素材の変更と、製作環境の向上によ り、製作スピードは多少早くなりましたが、造形レベルに関しては目に見える変化はそれ程有りません。
 キャラ選択が微妙な事も有ってイベントでの販売は、出展費用が回収出来るか出来ないかという水準での苦戦が続いていますが、愚痴を書いても仕方ないので、ここ一年半で変った事を書連ねて行きたいと思います。

 先ず、冒頭で述べた通り、造形素材をエポキシパテへ完全に移行しました。
 エポキシパテ自体は造形を始める前から馴染みの有る素材だった物の、体積あたりの価格と旧来品切削性の悪さから、大量に消費する造形に使うには二の足を踏んでいましたが、ポリパテは造形に使う場合廃棄する割合が多く結果的にコスト的にはエポキシパテと大差が無かったのと、クイックパテ120HBよりも切削性に優れたエポキシパテが登場していたので、造形の主素材をWAVEのエポキシパテ軽量タイプに換えました。
 ビートソニックのエポレジンプロの方がコストや切削性に優れているのですが、入手性に難が有り、盛り付けるまでのベト付きが激しいのと、高価が早い反面、夏場では作業可能時間が短かったので、学校制服の巴で使い切って以降は使っていません。
 今年の冬のワンダーフェスティバルで展示、販売していたアイテムまではクイックパテHB120も併用していましたが、夏のワンダーフェスティバル向けに製作したパワードール版セルマ・シェーレからは、造形から凹みを埋めるのまで、全てエポキシパテで行いました。細かい傷や気泡に関しては、切削性に優れたラッカーパテを使用しています。
 以前なら硬化や乾燥時間の問題がありましたが、食器乾燥機の導入により解決しました。食器乾燥機は温度値要請機能が無く、夏場はとてつもない温度になってエポキシパテが発泡したりしましたが、送料を含めた購入費用が2,500円なので文句は言えません。

 エボキシパテは所謂樹脂粘土なのですが、粘土細工の教育を小学生以来受けたことが無い私としては、盛り付けのし易いポリパテと言う感じの使い方をしています。なので、雛苺のスカートや、パンツ(ドロワーズ?)のフリルは裾の部分に分厚い円盤を作って削りだしています。A@B@Cのあぶぶ先生が言うには、「スパチュラでやった方が良いよ」との事ですが、どんなスパチュラやヘラを、どの様に使えばどんな形になるのかサッパリ想像の付かない私には、上手く行きそうもありません。もっとも、最近は爪楊枝や塗料の調合スティックで形を整えて、削り出しを減らす程度の事はしていますが。

 工具に関しては作業環境の向上により、ナイフでの切り出しよりも、リューターでの削り出しの割合が大きくなってきました。夏のイベント向きに製作したアイテムから使用し始めた10mm径の丸太状の紙やすりビットは作業効率向上に大きく寄与しました。
 彫刻刀は、柄が細長い棒状になっていて、刃の形状が両刃の、3mmと1.5mmの平刀の使用頻度が高くなり、パワードール版のセルマの髪の毛の彫刻はこの3mm平刀で行いました。
 モールドは従来通り、オルファのアートナイフプロでアタリ線を引いてから、トライツールのエッチングソーで掘り込む方法で、すが、アートナイフの刃は曲線刃に加えて、直線刃も使う様になりました。曲線刃の使い勝手のあまりの良さに、今年の夏になるまでアートナイフプロの直線刃を使おうとすら思わなかったのですが、細かい個所の切削には直線刃はかなり有効でした。アートナイフプロの柄はノコギリ刃用と合わせて3本欲しい所です。

 現在は来年の冬のWFに向けて、小さ目の物3体と、1/7サイズと1/8が各1体の5体を製作中で今の所、芯材から全てウエーブエポキシパテ軽量タイプで造形を行っています。

 複製に関しては、離型剤にハイリムーバー94を使い始めた以外は前回書いたのと同じです。
 ハイ リムーバー94 は離型剤の中ではかなり高価な物なのですが、シリコンスプレーや、信越のフッ素系離型剤と比較しても、型持ちが格段に良くなり、旭化成のM8012で作った型の場合、ミスショットを含めて30個程度成形した段階ですら、 まだまだ使える状態でした。
 シリコン型にかなり無理をさせても中々型が壊れにくいので、シリコン型の劣化や破損の事を考えると、トータルとしてのコストは安く抑えられると思います。

 次回掲載の際は写真を掲載できればと思います。  過去に作った作品はSB4(イベント案内)展示室、最新の物はトップページに掲載してあります。
 

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