野望のルーツ
フルスクラッチなんですけどね・・・

第9回

1/7 レン


 いきなり完成状態でアレですが、レンです。キャラクター紹介はキット製作記事に譲ります。
 白いのがレジンキャストで複製した物で、グレーの物が原型です。

 製作は2005年の10月からで、12月の時点でほぼ完成していましたが、2006年3月のイベント販売までアレコレ手を加えた為、原型が仕上がったのはイベント10日前でした。

   MELTY BLOODシリーズのウタカタ発動時に表示されるドットイラストをモチーフに製作しましたが、ポースを多少変更して、元のドット絵はタイトに編んだ三つ編みなのですが、ゆったりした三つ編みの方が好みなので、宙出版の月姫読本に掲載されていた設定イラストに準じて造形しています。

 製作に使用した材料は、両腕の芯にモデラーズのフレックスロッド(3mm)を使ったのと、両手、両足、首の取り付けの際にエポキシパテ軽量タイプを使った以外は、芯の製作から、表面処理の細かい気泡埋めまで、板金のプロも使っている、ロックペイントのポリパテ、クイックパテ120HBで行いました。
 ポリパテは収縮による経時変化を危惧する記述が色んな所で見受けられますが、一年前に製作したシオンの原型は何の変化も見られないので、使用するポリパテの種類にもよるのでしょう。

 表面処理のサーフェイサーにはボークスのグレーサーフェイサーを使用しました。型取りの際にサーフェイサーが剥離してシリコン型に付着するのを防ぐ為に、サーフェイサーを噴き付ける前にはプライマー(塗料接着剤)を噴き付けています。シオンの際はプライマーを使わなかったので、サーフェイサーがシリコンに付着して難儀しました。


 経年変化を確認すべく、久しぶりに引っ張り出して来たシオンの原型。特に目立った変化は見受けられませんでした。
 腕が二セット有りますが、下が原型で、上は複製した物の指を元イラストに近づけるべく手を加えた物です。もっとも、写真では判別不能ですが。WHF有明13以降販売は全て上のパーツに変更しています。

 レン、シオン、ここには映っていないヤオ共に、複製にはボークスのEXシリコンか、その同等品の旭化成のワッカーシリコンRTV2 M 8012を使用しています。耐久性が低く量産には向かないと良く聞くのですが、柔軟性が高く、結構無理が利くのと、売れる数がそれ程多く無いので経済的には深刻な問題が有る物の、生産上の問題は全く問題ありません。
 手法は二面型では一般的な、粘土型と呼ばれる方法で、使用した粘土はほいく粘土 、型枠はボークスの型枠専用ブロックを使用しています。比較的近所にボークスが有るので、選んだだけで、クレオスのかたどりブロックでも同じだと思います。板を切ってガムテープで止める方法も良いのでしようが、自分で板を切断するのは余りにも面倒ですし、かと言って粘土堅を作ってから、計測して、日曜大工店に行くのはもっと面倒なので、型枠作りはブロックだけで行っています。

 原型を埋めた粘土をブロックで作った枠で囲み、その中にシリコンを流し、6時間置いて硬化してから、にひっくり返して粘土を外し、必要であればブロックを積み重ねて枠を深くして、シリコンを流すのですが、そのままシリコンを流し込むと、先に流した片面分のシリコンと、後から流すシリコンが融合してしまうので、シリコン同士をくっつけない離型剤が必要になるのですが、最初はバリアコートを使っていた物の、最近は半光沢のラッカークリアーのスプレーで型の接合面をコーティングして癒着しない様にしています。他の材料も色々あるのですが、入手製が良く、安い物で・・・

 注型時の固定は、シリコン型とほぼ同じ大きさに切断した板でシリコン型を挟み、近所で売っていたゴムバンドで縛っています。
 Cクランプを使ったり、型よりも大きい板を使って、ボルトでクランプする方法もありますが、ゴムバンドの方が全体に均一の力でクランプ出来、必要以上に締め付けてしまうと言う事が無く、型ズレが小さくて済むので、多少生産性は落ちますが、そちらを選んでいます。

 注型するキャスト素材は無発泡ウレタンで、主にウエーブのHGキャストのニューアイボリーを使用しています。他にもボークスの造形村ブランドの物も使いましたか、注型時や、完成品を製作するパーツ整形でそれ程違いは感じられないので、安い物を選んでいます。
 シリコン堅とキャスト素材が癒着しない様にする離型剤は、ユウビ造形 UB-108と近所のコーナンで200円の離型剤用シリコーンスプレーを併用していますが、専用素材なだけにUB-108を使った方が良いのでしょうが、型離れが良く値段も圧倒的に安い、コーナンのシリコーンスプレーをついつい使ってしまいます。

 
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