どの十字架から始まるのか

　あなたの信仰は、どの十字架から始まりましたか。

　キリスト教の信仰を持っているクリスチャンの、

　そのクリスチャンの信仰は、

　どこから始まっているのでしょうか。

　あなたの信仰は、どの十字架から始まりましたか。

　あなたの信仰は、手首足首を釘で打ち付けられ、

　十字架にはりつけになっているイエス・キリストを見上げることのできる処刑場から始まりましたか。

　すでに処刑は終わり、イエスは十字架から降ろされ、

　静まり返った人気のないところから、あなたの信仰は始まりましたか。

　それとも、十字架など存在しない、

　イエスの十字架の出来事などまったく知らないところから、

　あなたの信仰は始まりましたか。

　・・・・ほかにもふたりの犯罪人が、

　イエスとともに死刑にされるために、引かれて行った。

　「どくろ」と呼ばれている所に来ると、

　そこで彼らは、イエスと犯罪人とを十字架につけた。

　犯罪人のひとりは右に、ひとりは左に。

　民衆はそばに立ってながめていた。

　指導者たちもあざ笑って言った。

　「あれは他人を救った。

　もし、神のキリストで、選ばれた者なら、自分を救ってみろ。」

　十字架にかけられていた犯罪人のひとりはイエスに悪口を言い、

　「あなたはキリストではないか。

　自分と私たちを救え。」と言った。

　ところが、もうひとりのほうが答えて、

　彼をたしなめて言った。

　「おまえは神をも恐れないのか。

　おまえも同じ刑罰を受けているではないか。

　われわれは、自分のしたことの報いを受けているのだからあたりまえだ。

　だがこの方は、悪いことは何もしなかったのだ。」

　そして言った。「イエスさま。

　あなたの御国の位にお着きになるときには、

　私を思い出してください。」・・・・・

　（新約聖書・ルカによる福音書・２３章32,33,35,39〜42節・新改訳聖書）

　クリスチャンの信仰に、イエス・キリストが、

　またイエス・キリストの十字架の出来事が、

　その位置を重く占めていないとしたら。

　その信仰は疑わなければならないでしょう。

　この世界を造られた神は、

　そのひとり子イエス・キリストの、

　生と、死と、復活においてそなえてくださっている救い・・・。

　そして、イエス・キリストへの信仰を通して、

　またイエス・キリストの十字架の死による贖いのわざ（あがないのわざ）において、

　どのようにして私たち人間の、神への罪が赦されたのか、

　その罪から解き放たれたのか・・・。

　イエス・キリストこそ、やがて来る、必ず来る、

　神の怒りから私たち人間を救ってくださるメシア・キリスト・救い主として受け入れていますか。

　私たちは、神への罪によって裁かれる定めなのです・・・・。

　その罪を、その身に負われ、

　十字架の死によって、

　私たちに代わって、その刑罰を受けてくださったイエス・・・。

　自分は正しいから信仰を持ったのですか・・・。

　それとも、押しつぶされそうな罪への責めに耐えかねて、

　イエスに救いを求めたのですか・・・・。

　自分は正しいと思うから、

　正しいから信仰が存在するのですか。

　そうであるなら、イエスの十字架の死は意味を失います。

　イエスこそ、やがて来る神の怒りから、

　十字架の出来事によって、私たちを救ってくださるお方なのです。

　「キリストは、神の御姿であられる方なのに、

　神のあり方を捨てることができないとは考えないで、

　ご自分を無にして、仕える者の姿をとり、

　人間と同じようになられたのです。

　キリストは人としての性質をもって現われ、

　自分を卑しくし、死にまで従い、

　実に十字架の死にまでも従われたのです。

　それゆえ、神は、キリストを高く上げて、

　すべての名にまさる名をお与えになりました。」

　（新約聖書・ピリピの信徒への手紙・２章６〜９節・新改訳聖書）

　この世界には、十字架を抜きにした信仰もあります。

　イエスの十字架の出来事を抜きにした信仰もあります。

　救いは神から来るものであって、

　私たちには、自分自身を救う力は持ってはいません。

　イエスを抜きにした、ただの十字架の信仰は、

　イエス・キリストも十字架もない信仰は、

　何から私たちを救うというのでしょうか。

　神から出て、罪の世界に人として来られたイエス・・・。

　あなたの信仰は、

　十字架にはりつけられたイエス・キリストが見えますか。