イエス・キリストと最初の人間アダム


 イエス・キリストは、救世主・メシアなのです。

 神のひとり子イエスはメシア、すなわち救い主・キリストなのです。

 救い主・キリストがこの世界に生まれ来たということは、

 この世界が、この世界を造られた創造主としての神の目から見て、

 堕落していることをあらわしています。

 逃げることも救われることもできない状態でなかったなら、

 救世主がこの世界に来る必要などなかったのですから。

 この世界とは、私たち人間をも含めたこの世界です。

 いや、人間そのものと言っていいのです。

 いまや人間がこの世界を、のっぴきならない状態にしてしまったのですから。

 人間の罪深さを明らかにしているのです。

 人はそれを認めようとはしませんが。

 後もどりできないほどに、この世界は押しつぶされようとしているのが現実です。

 この世界を創造された創造主なる神は、

 この世界を、もともと素晴らしいものとして造られたのです。

 そして、海・空・地のすべてを支配させるために、

 土地のチリから人間をご自身に似せて創造されたのです。

 神に似るように神のかたちに人を創造されたのです。

 その人類最初の人間こそ、アダムなのです。

 神である主は、エデンの園にアダムを住まわせ、そこをたがやかせ、また守らせたのです。


 「 主なる神は人を連れて行ってエデンの園に置き、これを耕させ、これを守らせられた。

 主なる神はその人に命じて言われた、

 『 あなたは園のどの木からでも心のままに取って食べてよろしい。

 しかし善悪を知る木からは取って食べてはならない。

 それを取って食べると、きっと死ぬであろう。』 」

 (旧約聖書・創世記・2章15〜17節・口語訳)


 神はエデンの園の中央に、「いのちの木」と「善悪の知識の木」とを生えさせています。

 取って食べてはいけないというエデンの園の禁断の果実・・善悪の知識の木を、

 神の命令に背いて取って食べたしまったアダムとエバ・・・・。

 その結果、土地は呪われ、

 それ以後というもの、人間は苦しんで食を得なければならなくなったのです。

 そして土から取られたゆえに、土に帰ることになったのです。

 それが死なのです。

 神が言われたように死が人間に入ってきたのです。

 人は死んで土に帰ります。


 「 主なる神は言われた、『見よ、人はわれわれのひとりのようになり、善悪を知るものとなった。

 彼は手を伸べ、命の木からも取って食べ、永久に生きるかも知れない。』

 そこで主なる神は彼をエデンの園から追い出して、人が造られたその土を耕させられた。

 神は人を追い出し、エデンの園の東に、ケルビムと、回る炎のつるぎとを置いて、命の木の道を守らせられた。」

 (旧約聖書・創世記・3章22〜24節・口語訳)


 人間は神のようになり、善悪を知るようになったのです。

 身の程を超えて、割り当てられたものを超えて、

 自らが善悪の判断をするようになったのです。

 人間は神の領域である善悪を越えてしまったのかもしれない。

 善悪の線引きは神の領域なのです。

 そして、いのちの木からも取って食べかねない勢いになってしまったのです。

 神はやむなく楽園から人間を追放されたのです。

 この出来事こそ、人間に罪が入ってきた詳しい事情なのです。

 ここで語られている ” 永遠の命 ” とは、

 人間創造のころは約束されたものでしたが、

 人間が神に背くことによって、人間から遠いものになってしまったのです。

 しかし、今や、

 イエス・キリストを信じる信仰によって約束されるのです。

 神の命に背いてしまった神との和解の出来事こそ、

 イエス・キリストの十字架の死によるあがないの出来事なのです。


 「 一人の罪によって、その一人を通して死が支配するようになったとすれば、なおさら、

 神の恵みと義の賜物とを豊かに受けている人は、

 一人のイエス・キリストを通して生き、支配するようになるのです。」

 (新約聖書・ローマの信徒へのパウロの手紙・5章17節・新共同訳聖書)


 罪の支払う報酬は死なのです。

 しかし、イエス・キリストの十字架の死によるあがないの出来事を信じる信仰によって、

 私たちは神から永遠のいのちをいただくのです。

 イエス・キリストのあがないの出来事を信じる信仰によって永遠に生きるのです。

 それが救いそのものなのです。


北白川 スー

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Wrote up: 30 August 2009.