罪だ罪だ罪



いつも罪について書いていますと、
多くのご批判をいただきます。
なぜ、そうまでして、
罪のない者を、罪に落とし入れるのか・・・と。

しかし、
キリスト教の信仰は、罪について語らなければ意味を失います。
キリスト教の聖典である聖書・バイブルは ”原罪・ゲンザイ ”について多くを語っているからです。
すべての人には、生まれながらに負っている性質があることを。
その原因と、そこからの脱出の方法を解き明かしているのです。

ときどき過ちを犯すから罪深いのではなく、
常に罪深いから、よく過ちを犯すのです。
それが人間なのです。
私たち人間の生の背景には、表には出ませんが、
人の思いや、言葉や行為や行動に影響を与えている性質としての原罪があるのです。
生まれながらに負っている、
弱さ愚かさという人の性質を言っているのです。

人は原罪に支配されているとは気付いてはいません。
自分を信じて生きることがもっとも正しいことなのだとさえ信じています。
正しいと思っていても、
その行為を疑ってみる必要があるのです。

「すなわち、すべての人は罪を犯したため、
神の栄光を受けられなくなっており、」

(新約聖書・ローマの信徒への手紙・3章23節・口語訳聖書)

人の罪深さは自覚を伴わないのです。
自分の持っている罪深さは、
自分の罪深さを認めようとはしないからです。

高度な文明を築いてきた人間たち・・・、
しかし、それが罪深さの結果だとしたら・・・。
発達した文明は、多くの問題をも生み出しています。
高度な文明イコール幸せではありません。
どうにもならない状態に落ちいっているのです。
それが現実の世界です。
逃げることも救われることもできない状態にまで落ち入っているのです。
日々のニュース報道からしても知ることができます。

私たち人間の生の背景には、
人の思いや、言葉や行為や行動に影響を与えている性質としての原罪があるからです。
生まれながらに負っている人の弱さ愚かさがあるからです。

救い主・イエス・キリストが生れたということは、
この世界が神の目から見て堕落している証拠なのです。
私たちがとても困難な状態に存在していて、
逃げることも救われることもできない状態でなかったなら、
救い主がこの世界に生まれ来る必要などないのですから。

イエス・キリストの十字架の出来事は、
ひとりの人がすべての人のために死んだという出来事です。
イエス・キリストの死と葬りと復活によって備えられた、
すべての人への救いの計画・・・。
イエス・キリストの十字架の死による贖いのわざ(あがないのわざ)という出来事こそ、
私たちをこの罪の世界から救いだす唯一の方法なのです。
神の計画なのです。

罪の中に存在している私たちは、
その罪の中から抜け出すことのできる力や知恵を持ってはいません。
ただ、イエス・キリストの十字架の出来事を受け入れること。
その内容と意味とを承認し受け入れること。
それが救いへとつながるのです。
キリストの復活がなければ、
私たちの復活もありません。

クリスチャンの行ないによって素晴らしい幸せな世界が作られるとは考えません。
クリスチャンであっても同じ罪人なのですから。

この世界は終末へとひた走っています。
それは罪の結果であって、
この世界を作られた神の計画なのです。
その世界の終わりのとき、
神は怒りの裁きを下されます。

「なぜなら、わたしたちは皆、キリストの裁きの座の前に立ち、
善であれ悪であれ、
めいめい体を住みかとしていたときに行ったことに応じて、
報いを受けねばならないからです。」

(新約聖書・コリントの信徒への第二の手紙・5章10節・新共同訳聖書)

”神の怒りの裁き ”こそ、キリスト教の信仰を考えるとき、
キリスト教の信仰を成り立たせ、
形作る上でもっとも大切な事柄なのです。

神の怒りの裁きを、私たちに代わって、
その身に受けてくださったのが、
神のひとり子イエス・キリストの十字架の出来事、
神の啓示の出来事なのです。
神との和解の出来事なのです。

その出来事を認め受け入れることこそ、
神の怒りの裁きから救ってくださるのです。

「口でイエスは主であると公に言い表し、
心で神がイエスを死者の中から復活させられたと信じるなら、
あなたは救われるからです。」

(新約聖書・ローマの信徒への手紙・10章9節・新共同訳聖書)

キリスト教の信仰は、決して、
その人が生きている間のご利益信仰ではありません。
キリスト教の信仰が近代的な豊かな文明社会を作りだすのではありません。


北白川 スー

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Wrote up on October 12, 2013.