誰もが知っているキリスト、しかし、誰もが知らないキリスト



たいていの人が知っている名画、
レオナルド・ダ・ヴィンチの ”最後の晩餐 ”。
長いテーブルの中央には、
うろたえ、おどろき、落胆・・・、
弟子たちからさまざまな視線を受けているイエス・キリスト。
イエスと弟子たちが、そろって過ぎ越しの食事を共にしている、
よく知られた構図の絵画です。
聖書・バイブルでは次のように記述されています。

「 一同が食事をしているとき、イエスは言われた。
はっきり言っておくが、あなたがたのうちの一人がわたしを裏切ろうとしている。
弟子たちは非常に心を痛めて、
主よ、まさかわたしのことでは、と代わる代わる言い始めた。
イエスはお答えになった。
わたしと一緒に手で鉢に食べ物を浸した者が、わたしを裏切る。
人の子は、聖書に書いてあるとおりに、去って行く。
だが、人の子を裏切るその者は不幸だ。
生まれなかった方が、その者のためによかった。
イエスを裏切ろうとしていたユダが口をはさんで、
先生、まさかわたしのことでは、と言うと、イエスは言われた。
それはあなたの言ったことだ。」

 (新約聖書・マタイによる福音書・26章21〜25節・新共同訳聖書)

この食事に先立ってイエスは弟子たちに語っています。

「あなたがたも知っているとおり、二日後は過越祭である。
人の子は、十字架につけられるために引き渡される。」

 (新約聖書・マタイによる福音書・26章2節・新共同訳聖書)

そのころのユダヤ社会では、
イエスの出現で立場をなくしていた当時の宗教指導者たちは、
策略をめぐらし、イエスを捕えて殺そうとしていました。
イエスの弟子だったユダは、銀貨30枚で寝返ってイエスを裏切ってしまったのです。
そして、イエス・キリストの十字架の死というクライマックスへと続きます。
映画に絵画にと、芸術の世界でよく取り上げられる、
中心となるもっとも興味あるシーンやテーマなのです。
イエスは語って「人の子は、聖書に書いてあるとおりに、去って行く。」
ここで、イエス・キリストは事の核心に触れています。
しかし弟子たちは、半信半疑なのです。
イエスみずからが語るように、
聖書の神、創造主なる神、すべてを見通しになる神は、
私たち人間がどのような選択をするのかを、
すべて知っておられるうえで、
堕落している世界のために、ご自身の命をささげられたのです。
すなわち、ひとりの人がすべての人のために死んだという出来事なのです。
神のひとり子である救い主イエス・キリストがこの世界に生まれ来たということは、
神の目から見て、この世界が堕落している証拠なのです。
しかし、現代日本に暮らす私たちは、
この世界が堕落しているとは思ってはいません。
必ずしも捨てたものではなく、未来は明るいと信じています。
しかし創造主なる神は、
この世界の救いの計画の中に、私たちそのものを織り込まれているのです。
イエスの弟子・ユダの裏切りが神の計画ではなく、
ユダでなければならないということではなく、
ユダでなければ、他の誰かであったはずです。
ユダのように私たちに悪をさせようとされているのではなくて、
堕落してしまった私たちのために、
神ご自身が、ご自身のひとり子イエスを、
神への、なだめのいけにえとしてささげられたのです。
それこそが事の本質なのです。
ここに神の愛があります。

「 神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。
独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。
神が御子を世に遣わされたのは、
世を裁くためではなく、
御子によって世が救われるためである。」

 (新約聖書・ヨハネによる福音書・3章16〜17節・新共同訳聖書)

神と人間とを混同し取り違えようとする人間・・・。
人間自身を神であるかのように理解し、
創造主なる神に背を向け、神に逆らう人間たち。
まさしく、十字架の前に引き出されなければならない。
しかし、イエス・キリストは、
そのような人間たちに代わって、
自らが十字架にはりつけになられた。
私たちがイエスを十字架につけたしまったと言って言い過ぎではない。
世界のすべての人間が追い詰められ逃げることも救われることもできない状態でなかったなら、
キリストすなわちメシア・救い主・救世主がこの世界に来る必要などどこにもない。
未来は明るいと信じている現代日本ですが、
イエス・キリストの言葉に、
おどろき、うろたえ、あわてないためにも、
イエスの言葉に耳を傾けようではありませんか。
いや、そのように神は要求している。
世界は終末へと急速にひた走っているからです。
誰もが知っているイエス・キリストですが、
実は、誰もが知らないのが、その真相なのです、この日本では。


北白川 スー

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Wrote up on November 09, 2012.