何かに気づきはじめて



やっとのことで捜しあてたように、何かを思い詰めたように、
とらえどころのないまま、それが何だか分からないのまま・・、
いまだかつて経験したことのない変化が・・、自分の心の中で。
しかし、何が起きているのか理解できず・・、
ただ、何かに気付き始めて・・・・。

そのような気持ちを抱いてキリスト教会にやって来られる方を見うけます。

家庭の問題であったり、商売や職場の問題であったり、
人間関係であったり、重い病であるかもしれません。
さまざまに辛い思いをされてこられたことでしょう。
挫折を、敗北感を味われたことでしょう・・・、
消えることのないストレスを重ねられてきたことでしょう。

しかし、そのような状況から何とかして抜け出したいと思って、
キリストの教会にやってきたものの・・・、
満たされない気持ちを、満たしてくれるだろうという期待は・・、
見事に裏切られることになります。

個人的な望みや願いが、かなえられるところだと思ってやってこられたのかもしれません。
しかし、そうではありません。
そこで明らかにされるのは、
自分の愚かさと弱さと小ささ・・・なのです。

自分の抱える問題の原因は、自分にはなく、まわりの人やまわりの状況にあるものと思い込んでいる、
ゆがんでしまっていた自分のプライドのことかもしれません。
そして何よりも神の存在の大きさなのです。

「わたしが天のお父様のみもとから遣わす助け主であられる真理の御霊が来られる時、
その御霊はわたしのことをはっきりと教えてくださいます。」

(新約聖書・ヨハネによる福音書・15章26節・現代訳聖書)

たどりついた教会が、自分の描いたイメージ通りではないにしても、
自らの向きをキリストへ変えはじめたとき、
キリストへの信仰を持ち始めたときとでも言えるでしょうか。
それは、同時に、物事への洞察力が深まるときでもあります。
物事を筋道を通して冷静に見られるようになると言えばいいでしょうか。
さらに、自分の姿をも客観的に見られるようになります。

何が気になっていることなのか、何にとらわれていたのか、
本質的に直接関係のない事柄に左右されていたり、
気ままに考えることすら出来ていなかった自分の姿が具体的に見えてくるようになります。

聖書は、天におられる父なる神が、私たちを助ける「助け主」を与えてくださると語っています。
その助け主のことを「真理の御霊」と聖書は記述しています。
天の父なる神から出てくる、真理を明らかにする「聖霊」が来るとき、
その聖霊が、キリストについて、イエス・キリストの十字架の出来事について、
キリストと自分との関係について、はっきりと悟らせるのです。

人間が、人生に迷いはじめたとき、そのとき、父なる神は御手をもってその人を捕らえられます。
捕らえられた人にとっては、何が起きているのか分からず、また知らずに。
もちろんそれを受け入れるか否かは当の本人の問題です。

中には、自分の心の変化を受け入れることができず、
本当の自分の姿をも受け入れることができず、
結果的に、さらなる重荷を負ってしまわれる方もおられます。

「わたしは、あなたがたを捨てて孤児にはしません。
わたしは、あなたがたのところに戻ってくるのです。」

(新約聖書・ヨハネによる福音書・14章18節・新改訳聖書)

「悔い改めて、主に心が向けられるなら、その覆いは心から取り除かれる。
主は命を与えてくださる御霊であって、
主の御霊のおられるところには、本当の自由がある。」

(新約聖書・コリント人への第2の手紙・3章16〜17節・現代訳聖書)

「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。
わたしを通してでなければ、だれひとり父のみもとに来ることはありません。」

(新約聖書・ヨハネによる福音書14章6節・新改訳)

自分の小ささ弱さ愚かさを悟った人は、それを語らずにはいられないでしょう。
それは自分を卑下することにはならないからです。
 神に見いだされた喜びなのですから。
アメージング・グレイス、
それは、おどろくべき恵みなのです。

「聖霊があなたがたの上に降るとき、
あなたがたはわたしの死と復活の証人として、
それをほかの人々に語る力が与えられます。」

(新約聖書・初代教会の働き・使徒行伝・1章8節・現代訳聖書)

忘れてならないのは、真理の聖霊は、その人を自由にすることです。
一時的なものや目に見えるものに捕らわれていた状態から、
目に見えない真実を見通すことができるようになります。
自分を見つめなおし、
すべての思い込みから解きはなたれ、
これからの人生を、キリストと共に、
自信に満ちた、輝きのある人生を歩み始めることができるのです。


北白川 スー

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Wrote up on August 11, 2018.