本当のクリスチャン


 言うまでもなく、この日本ではクリスチャンは少数派です。

 カソリックやプロテスタントであったり、その中にも様々な教派や教団が存在していますし、

 ものみの塔や無教会派などキリスト教的なものまで含めても、

 日本の全人口に占める割合が1パーセント未満と言われています。

 別の信頼できる統計調査では、自称クリスチャンであったり、

 かつて洗礼も受け、教会の礼拝に行っていたけれど、今は教会から遠のいているクリスチャンなどを含めて、

 6パーセントの人たちがクリスチャンだと報告しています。

 中には、そうではない、もっと居るはずだと思っている人もいるかもしれません。

 いずれにせよ、この日本ではクリスチャンは少数派なのです。

 私が所属しているプロテスタントでは、日本全国で約8000の教会が建っています。

 多いように見えても、平均礼拝者数は40名たらずで、プロテスタントのクリスチャンの総数が約30万人ということになります。

 日本の全人口1億2500万人の中の30万人です。


 大きな声を出して、踊って歌って汗を流して・・・と、

 カルチャーのゴスペルミュージック教室は、とても流行っているのですが、

 ゴスペルを愛好している人たちがすべてクリスチャンとは限りません。

 キリスト教的に言えば、”福音のない ”ゴスペルということになります。

 では、その”福音 ”とはいったいなんなのでしょうか。


 この世界を造られた神が、

 私たち人間に向かって、

 神ご自身によって、

 私たちにたいして行為され示された方法によって、

 ご自身をあらわされ、

 ご自身について、私たち人間に語られた出来事なのです。


 ですからクリスチャンとは、

 その出来事、福音においてご自身を語り示されたその神に身を向ける者、

 その神と共に人生を歩む者と言えます。

 その出来事こそ、

 神のひとり子であるイエス・キリストが、十字架にはりつけにされて処刑され、

 そして葬られ、三日の後に死人のうちから復活したという出来事なのです。


 ことの始まりは、創造主なる神がこの世界を造られ、また人間をも造られたとき、

 人類の始祖であるアダムとイブが、創造主なる神、父なる神の命令に背いて、

   「食べると必ず死んでしまう。」と、取って食べてことを禁じられていた果実を取って食べた出来事に始まるわけです。

 (旧約聖書・創世記・2章17節・参照)

 父なる神の命に背いて、神の怒りふれ、地上におとされてしまった人間、

 神に背いて以来、罪深い存在になってしまった人間を、

 神ご自身が助けようと、救おうと、

 その罪を、神のひとり子イエス・キリストの身に負わせて、

 その罪のあがないを、罪の代価をイエスの命と引換に支払われ出来事なのです。


 そんなばかげた話しを本当に信じているの・・・・・。

 そうなのです、この出来事の中にこそ、

 私たち人間の本性的なことがらが語られています。

 私たちの現実の姿を見るとき、

 私たち人間の、生まれながらの本当の姿というものを知らなければ、

 現実に起きているさまざまな問題の解決にはつながらないと考えます。

 あくまで人間の、

 ことの初めから終わりまでの詳しい事情、成り行きを知らなければ、

 何事も筋道をたてて問題点を明らかにしなければ、

 もっとも良いと考えられる答を導きだすことはできないのです。


 キリスト教が問題にするのは、あくまで人間の本性的なことがらなのです。

 ふだんは隠れていて見えない生まれつきの性質なのです。

 その性質は、この世界を造られた父なる神との関係において、はじめて明らかになるのです。


 本当にイエス・キリストの十字架の出来事が起こったものとして承認し、認識し、

 そして、言いあらわすことを喜びとする人たち・・・。

 それがクリスチャンなのです。

 しかしすべてのクリスチャンがそうだとは限りません。

 クリスチャンになってからも自分に苦しみ人間関係に苦しみ続けている方も見受けます。

 神ご自身が、神への信仰にめざめさせ、呼び起こしてくださるはずなのですが・・・。

 信仰とは、神と向き合うことなのですが・・・・。


 「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。

 それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」

  (新約聖書・ヨハネによる福音書・3章16節・新改訳聖書)


北白川 スー

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Wrote up: 03 January 2009.