盲人の目を開く福音



盲人の目を開くという、何か奇跡のような話ですが・・・。

あなたにとって福音って何ですか、
あなたが苦しめられている問題から解き放たれることが福音だと思っていますか。
人間関係の不和が消し去られ、経済的な必要が満たされることが福音でしょうか。

人は、さまざまに悩み、苦しみを抱え、思いわずらっています。
しかし、
聖書・バイブルは、
私たちが、目先の現実に迫っている問題から解き放たれることが福音だとは語りません。
自分の思うとおりに物事が進むことになることを福音とは言いません。

福音は、すなわちキリストの十字架の出来事は、
もっと根本的なところに原因があることを明らかにします。
その原因を明らかにし、そこから解き放たれることが、
根本的に問題を解決することになると教えるのです。

私たちは、人間による作り物の世界に住んでいるのです。
私たちを苦しめている、
自分たちが作り上げた決まり事や習慣などを振り切って、
作り物の世界から抜け出すことが・・・、
人間の作った作り物の世界ではなく、
まことの世界に生きることが・・・・・私たちに求められているのです。

言い方を変えれば、
私たちは盲目だと言えるのです。
自分たちの本当の姿が見えていないのです。
まったく違った道があることを・・・・。

私たちは、私たちを縛っている、
私たちをおおっているものを脱ぎ捨てて・・・。
もっと豊かな現実へと戻らなければならないのです。

「盲人は上着を脱ぎ捨て、躍り上がってイエスのところに来た。
イエスは、・・何をしてほしいのか・・と言われた。
盲人は、・・先生、目が見えるようになりたいのです・・と言った。
そこで、イエスは言われた。
・・行きなさい。あなたの信仰があなたを救った。・・
盲人は、すぐ見えるようになり、なお道を進まれるイエスに従った。」

(新約聖書・マルコによる福音書・10章50〜52節・新共同訳聖書)

当時の社会では、盲人の上着は、
ほどこしを受けることのできる、特別の権利を表しています。
その上着を脱ぎ捨てて、イエスに聞き従うことは、
今までとは別に、また外に、
もっと豊かな現実へ戻ることを約束していのです。

私たちは、今を守りたいと思うものです。
今に立って物事を考えるものです。
しかし福音は、今から抜け出すことを求めるのです。

福音は、喜ばしい知らせであると共に、
聞く者にとって辛く厳しい選択と決断を迫ります。


北白川 スー

関連記事・「キリストへのプロローグ」

表紙にもどります。

アーカイブスへ。


http://web.kyoto-inet.or.jp/people/s-ktsrkw/
Wrote up on January 24, 2015.