Sorry! Japanese Only

ここでは、ライフル射撃競技の英語と,パルマに似ていますがその原形となった、米国以外の英語圏の諸国の長距離射撃のルールを紹介します。

櫛風沐雨 14th Sep.'02 更新

目次

パルマ マッチ 射撃競技用英語一覧
英語の基本
応用編

1000 ヤード競技に参加される方へ情報
1. アイアンサイトで参加されるかたへ(必要最低限の装備)
2. F-class のスコープについて
3. 銃の傾斜

米国の示点方法

英語圏諸国の長距離射撃ルール
標的
英語圏のルール
クラス分けについて
a. アイアンサイト(Target Rifle, TR)のクラス
b. スコープサイトのクラス(F class, 自由クラス)


パルマ マッチ 射撃競技用英語一覧,
Range Commands

'02.09.14更新

パルママッチで用いる英語を紹介します。

射場命令の英語を主催者の Karin Liebetaru さんに教えてもらいました。和文を付けました。私の方では、皆さんのために短冊を1冊作りました。


英語の基本

数字、1,2、3、4、5、6、7、8、9、10,800、900、1000, と
おはようございます、ありがとうございます、さようなら、こんにちは、 こんばんわ、どうぞ,

を英語でいえるようにして下さい。礼儀というものです。みなさんも外人さんが下手な日本語でもお礼を言ってもらえたら嬉しいと思います。向こうでも同じです。人間と人間です。
それ以外は日本語で通して下さい。なんとかなります。意外と日本語が分かるアメリカ人がいます。日本に駐留した軍人もいるからです。

Cease fire ! 「シースファイヤ」 射撃中止

Commence Fire ! 「コメンスファイヤ」 射撃開始

Sighters 「サイターズ」 試射

Record 「レコード」 本射

Mark the Target ! 「マークターゲット」 示点して欲しい(撃ったことに、観的手が気付かないとき)

Firing line 「ファイヤリングライン」 射撃線

Pit 「ピット」 観的壕

Ammo 「アンモ」 弾薬

Miss fire 「ミスファイヤ」 失中,弾痕不明

Cross fire 「クロスファイヤ」  標的間誤射

それと、着弾や風も,例えば「6時」という英語をいいます。われわれと同じです。

12時なら、twelve O'clock 「トゥウェルブ」「オクロック」
9時なら、 nine O'clock「ナイン」「オクロック」といいます。

を覚えておいて下さい。


応用編

Range Officer 射場長の Mr. Mike Berg さんによる射場命令は下記の通りです。
(ウィスコンシン州はドイツ系の移民が多いところです)

1. Relay 1, 2 or 3 move to the firing line

リレー○,ムーブトゥーファイヤリングライン

第○射群は、射撃線につけ。

2. Your 3 minute preparation period starts
when the targets appear

標的が現れたら、3分間の準備時間開始。
(それまでは、銃はケースの中に銃口を標的に向けて入れておきます)

3. Preparation time has ended.

準備時間終了

You will have unlimited sighters (only at 800 yards),
15 shots for record, time limit of 22 minutes.

パルママッチの最初の800ヤード; 試射無制限,本射15発、競技時間22分

(900 yards - 2 sighters, 15 shots for record, time limit of 22 minutes)

パルママッチの   900ヤード; 試射2発, 本射15発、競技時間22分

(1000 yards - 2 sighters, 15 shots for record, time limit of 22 minutes)

パルママッチの  1000ヤード; 試射2発, 本射15発、競技時間22分

(1000 yard individual - unlimited sighters, 20 shots for record, time limit of 30 minutes)

1000ヤード単独競技     ; 試射無制限,本射20発、競技時間30分

Ready right, ready left, ready firing line

右用意良し、左用意良し、射撃線用意良し

4. With one round, load

ウィズワンラウンド、ロード

最初の一発目、弾コメ!

5. Commence fire when targets appear

コメンスファイヤ

標的が現れたら,射撃開始!

6. Tell scorekeeper when you are going for record
(only at 800 yards; 1000 yd indiv)

800ヤードと1000ヤード単独の試射無制限の時は、本射に移るときは、 記点手に「レコードショット フロム ナウ」と言って下さい。

7. If you call for a mark - "Mark target (whatever number you are on)"

撃ったのに、標的を下げて示点してくれないときには、 「マークターゲット」と射場長にいつでも言って下さい。
あるいは、記点手と照合することもあるので、射手も 点数を付けておかなくてはなりません。点数がわからないときも 記点手に「マークターゲット」と言って下さい。

8. Cease fire (after completion of firing)

シースファイヤ

射手が撃ち終わったら「シースファイヤ」(射撃終了)という。
射場長が射撃中止を掛けるときも「シースファイヤ」(射撃中止)という。

9. Insert yellow bolt safety flag in rifle when not shooting

撃たないときは、黄色の旗を薬室にさして下さい。

この旗を皆さんに手配するのを忘れていました。
割り箸に黄色い布か紙でも巻いて作っておいて下さい。

こんな _______■ 形で,棒の部分が15cmほどで薬室に差し込んで、 旗が5cm×5cmほどで排夾口から突き出るようにして, 薬室に弾がなくボルトも開いていることが遠くからでもわかるようにします。

米国の銃砲店ならどこでも売っていると思います。
Sinclair でも通信販売しています。

10. Move your equipment to the 900 or 1000 yd line
before going to the pits

観的壕に行く前に,銃と道具を900ヤードや1000ヤードなどの 射撃に持っていって下さい。

11. Relay 1, 2 or 3 to the pits - get in the red truck (whatever relay you are on)

第○射群は,観的壕に移動。 赤いトラックに乗って下さい。



Good luck !

射場でこれから撃つ人には「幸運を」といって別れます。



1000 ヤード競技に参加される方へ情報

1. アイアンサイトで参加されるかたへ(必要最低限の装備)

上下は、我々が通常使用しているアンシュッツやヘンメリのサイトでは 調整量不足です。
傾斜式で上下微調整が出来るリアサイトのハイサイトブロックの調整では 時間がかかって狙点が狂う上に、それでも調整量が不足します。

RPA のラダーフロントサイトが必要です。銃身の先端を0.75インチに 削って取り付けます。専用の水準器もあります。
グローブ口径22mmと18mmがあります。アンシュッツのフロントサイトパーツと 口径さえ合えば、互換性があります。

風による左右の調整量も不足します。

リアサイトも長距離射撃専用品を購入しておくべきです。
Warner #2 や RPA Tracker は高級品、Bob Jones のPNW サイトは コストパフォ−マンスがよく人気があります。
イギリスの標準では、クリックの調整方向が我々と逆ですので、発注時に NRA-US/ISSF 形式であることを確認してください)

30インチ銃身は不可欠ではありません。2001年度の Westin 氏は28インチ銃身、2002年度のI氏は26インチ銃身、K氏は28インチ銃身でしたが、支障なく必要な弾速は出ていました。30インチは、低温など悪条件でも必要な弾速が得られること、共通の射撃諸元表が使えること、がメリットです。

2. F-class のスコープについて

特別なスコープ(高倍率、30mmの鏡胴径など)は不要です。

10倍程度、2.5インチの鏡胴径でも使えます。

Tasco の汎用品 も人気があります。嵐でも、射撃線を移動して使います。消耗品と割り切っているようです。

スコープが20minutes = 20/60 度 = 5.82/1000 下向くようにマウントを調整してとりつけてください。

アメリカとイギリスの長距離競技射手に聞きました。

308でだいたい、35minutes の上下調整が200ヤードから 1000ヤードを撃つために必要であり、余裕を持ってスコープの 上下調整代をもつために、スコープマウントの傾斜が必要ということです。

しかし、最初からベースに20MOAついていたって、銃に付けた時に 多少は狂いますし、自分の装弾の弾道特性でその角度も変えます。

日本の某名ハンターの詳しい手順をお話します。これは、英米の人たちと同じ手順です。

  1. ) 弾頭を決めて、弾速を測る。
  2. ) スコープの上下移動量をクリックを回して確認し中心点を定める。
  3. ) 弾道ソフトで100ヤード、1000ヤードのドロップ量を求める。   その中間点がスコープのセッティング位置になる。
  4. ) 例として、100ヤード(=91m, だいたい100m)射場で調整することとします。
  5. ) スコープの狙点を中心から、100ヤードの分だけクリックしてあげる。
  6. ) 標的中心付近に弾着が来るように、スコープの取り付けを調整する。   名人は、紙を入れていくそうです。
  7. ) 粗く弾着があったら、クリックで微調整しておく。

これで、無風であれば、調整代の余裕を持って、100ヤードか 1000ヤードまでクリックを合わせることができます。もちろん、 距離とクリックのチャートは本番でも必携です。

3.銃の傾斜

小口径射手はサイトアライメント重視で、 銃を傾けて構えます。

長距離射撃では銃を 直立させておかないと、距離が変わった時に 弾着も左右に動いて収拾がつかなくなります。


米国の示点方法,
How to mark the target

アメリカの示点方法を下記に書きます。
(マスターズは、英国方式なので5点満点で下記と違います)
マーカーは弾痕と,点数を示す示点マーカーの2つがあります。
示点マーカーをつるす場所には、点数が書いてあるのが普通です。
点数はゲージを使いませんが、我々と同様に、タッチは「あり」です。

Lower left hand corner is an X;

左下は、「X」

bottom center is a 10;

中下は,「10」

lower right hand corner is a 9;

右下は、「9」

middle right hand side is 8;

右中は、「8」

top right hand corner is 7;

右上は、「7」

top middle is Miss;

中上は、「0」Miss ミス 標的上に弾痕がない

upper left hand corner is 6.

左上は、「6」白紙上は全部6点です。

The only time you will get a "Miss" is if your shot is not on any part of the target paper.

標的紙上に弾痕がないときを「ミス」といいます



英国, 豪州, ニュージーランドなどの長距離射撃標的とルール


標的

2002年豪州メルボルンでの世界マスターズで使用される標的を紹介します。この標的は、米国以外の英語圏の長距離射撃で使用されます。

標的の大きさ(5点満点)

ヤード
300
500/600
700
800/900/1000
黒点
535mm
840mm
840mm
1020mm
(示点用マーカーは真ん中下)
80mm
155mm
230mm
320mm
(示点用マーカーは右下)
160mm
345mm
460mm
635mm
(示点用マーカーは左下)
345mm
840mm
840mm
1220mm
(示点用マーカーは右上)
535mm
1220mm
1220mm
1880mm
(示点用マーカーは左上)
900mm
白紙上
白紙上
白紙上
0点
(示点用マーカーは真ん中上)
的外
台紙外
台紙外
台紙外
標的紙
1200mm四方
1800mm四方
1800mm四方
2400x1800
1点はありません。


英語圏のルール

2002豪州メルボルンでの世界マスターズの主なルールを紹介します。パルマ マッチ のルールに似ていますが、微妙に違います。

  1. ) ISSF ではなく パルママッチ同様にイギリス式のARA(オースストラリア射撃協会)ルールです。
  2. ) 大口径は、アイアンサイト(A,B,Cクラス)とスコープサイト(Fクラス)はクラスが別です。
  3. ) 距離は、300ヤード(270m)、500ヤード(450m),600ヤード(540m)、700ヤード(630m),800ヤード(720m)、900ヤード(800m)です。これら全ての競技出場で1種目です。途中で試合放棄したり、棄権したりすることも許されますが、当該距離を含む表彰の対象から外されます。
  4. ) 各距離で試射2発+本射10発です。1発毎は標的が上がってから45秒以内、合計15分から17分で撃ちます。5点満点ですので、シリーズ合計50点です。
  5. ) 試射が2発だけですので、あらかじめ距離による上下のサイト移動量を計算し、風速計と風による移動量を計算した表を予め作成し、風速風向を計測してサイトを合わせてから試射をしなくてはいけません。308 Win./155gr/銃口速度2950fps/銃身長30インチ のチャート櫛風沐雨までお問い合わせ下さい。
  6. ) スクワッディング(昔のライフル協会のルールブックにはありました)により、4人一組交代で一つの標的を撃ちます。自分の射群でない手すきの射手が記点手と監的手(監的壕へ行く)を交代で務めます。最低3射群を1的に割り当てますので、3射群×4人=12人が一つの射座を利用します。
  7. ) 記点手の点が正式記録になり、署名を求められます。記点手がミスをすることもありますので、自分でも点数を付けておいて下さい。また、射手も誰かの記点手や監的手を勤めます。
  8. ) 監的手は監的壕で標的交換+採点(マーカーで点数と着弾位置を示します)をします。そして、風対策で監的手は、素早い記点(マーカー)と標的の上げ下げを要求されます。



クラス分けについて

a. アイアンサイト(Target Rifle, TR)のクラス

  1. ) アイアンサイト(Target Rifle)のクラス(A class, B class, C class)は、308 Win か 223Rem のみ。
    銃の重さは6.5kg以下、引き金は1.5kg以上,ボルトアクションのみ、
    バットフックは禁止、  バットプレートの湾曲は深さ2cm以下。
  2. ) フロントアイピースの1.5倍以下レンズ、または、リアサイトの遠視近眼調整用アイピースの使用は可。フロントとリアのレンズの併用は禁止。どちらか一方のみ。
  3. ) 300ヤードから900ヤードまでを撃つためには、フロントサイトは、上下の高さを調節できるラダーサイト(1ノッチ=5ミル)を使わなくては、普通のリアサイトでは調節しきれません。また、308 Win でないと900ヤードは難しいです。
  4. ) A class(97点以上), B class(93.5点以上), C class(93.5未満) は前年の伏射の成績の平均値で分けます。



b. スコープサイトのクラス(F class, 自由クラス)

  1. ) スコープサイトのクラスは、口径は8mm以下で口径自由。(F class)
  2. ) 銃の重さは9kg以下、引き金は1.5kg以上,ボルトアクションのみ、
    バットフックは禁止、バットプレートの湾曲は深さ2cm以下。
  3. ) マズルブレーキは禁止、フラッシュハイダーはOK
  4. ) トリガーガードは必要
  5. ) ライフルを支えるのは、フォアエンド、銃身、前腕であれば、ライフルに固定されたモノでもされていなくても,どんなものでもよい。
    (伏射OK、2脚OK,地面においたライフルレストもOK)
  6. ) 身体障害者以外は、マシンレスト、ベンチレスト、テーブルは禁止
  7. ) 射手の肩や腕,2つ以下の砂袋以外のリアレストは禁止。
  8. ) スリング留めなどの支持具がISSFルールなどに適合していれば、衣類は自由。




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