e-mail版 三月書房販売速報(仮題)
旧号合冊 第4冊A[31号〜35号]
通巻031号 2000.04.30発行 通巻036号 2000.08.15発行
通巻032号 2000.05.13発行 通巻037号 2000.09.04発行
通巻033号 2000.05.31発行 通巻038号 2000.09.18発行
通巻034号 2000.06.26発行 通巻039号 2000.10.10発行
通巻035号 2000.07.11発行 通巻040号 2000.10.29発行
※各号の最終版を一部修正して掲載しました
  ※非営利目的の転送は歓迎します
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三月書房販売速報[031]  
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2000/04/30[02-08-31]  (c)SISIDO,Tatuo      

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 31号

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[#01] 最近売れてるような気がする本

 ※注 うちの店の場合、<よく売れている>というのは、ふつう5冊前
    後です。<かなりよく売れている>といえば10冊前後で、20
    冊を越えると<たいへんよく売れている>といいます。もちろん
    アバウトな話ですが。

 ◆「眉輪」野溝七生子 展望社
   ある立派なお客から注文を受けるまで、この本が出ていたことすら
   知らなかった。当然仕入れるべき本であり、また、地味ながら確実
   に売れる本でもある。同じころ出た文芸文庫「梔子」も1600円
   と高価だがよく売れている。

 ◆「ポジャギ」金賢姫 文化出版局
   韓国のパッチワークの本。妙によく売れているが、どういう需要が
   あってのことかはぜんぜん知らない。著者は同姓同名ですが大韓航
   空機爆破事件の、元朝鮮民主主義人民共和国人とは別人です。

 ◆「吉本隆明資料集2:映画合評」
   1は40冊以上売れた。HPを見た人からの問い合わせも多いが、
   版元直販だと消費税無しの上に送料不要だから、うちから買うより
   も得だと教えると喜ばれる。わざわざ教えるのは、現物に送料共1
   000円と印刷してあるため、一言断らないわけにはいかないから
   だ。2には印刷してないが、送料が必要になったのかどうかはわか
   らない。非流通本は、当然ながら、書店販売のことをあまり考慮し
   てないから、定価表示などが統一されてなくて、ややこしいことが
   多い。吉本氏といえば、最近始まった朝日新聞夕刊の連載について、
   あれだけ面白くないのは、さすがにたいしたものだと、ちょっと評
   判である。「心的現象論」の続きはもう期待できないのだろうか。

 ◆「ユリイカ5月号:特集ルドルフ・シュタイナー」
   ともすれば、近頃は幼児教育関係に読者が偏りがちで、オカルト的
   な部分は無視されたり、カルト宗教やインチキ経営コンサルタント
   に利用にされたりして、その全体像が行方不明になりかかっている
   ような気がしないでもないシュタイナーについて、実に良くまとまっ
   た特集号だと思う。絶版になるまでは何年でも売れ続けるだろう。


[#02] これから売れそうな気がする本

 ◆「回思九十年」白川静 平凡社
   NHKTVの活躍により、やっとほんの少しだけ、世間がその偉大
   さに気づき始めた著者の、たぶん初めての一般書である。日経新聞
   連載の履歴書と月刊太陽に載った対談数本からなる。
   とりあえず10冊は固いだろう。
   
 ◆「美代子阿佐ヶ谷気分」安部慎一 ワイズ出版
   <消えたマンガ家>の一人。70年代「ガロ」の代表作家の一人だっ
   た。実際のところ、売れるかどうかはよくわからない。

 ◆「農業講座」シュタイナー イザラ書房
   人智学出版からのシュタイナー本のなかでは、もっと長く売れた本
   だったが、近年は品切れ状態だった。まだ未見だが、今回は改訳さ
   れた上に、おそらく図版等も増え、造本や印刷も向上しただろうと
   思われる。
   
 ◆「人間の四つの気質」シュタイナー 風濤社
   この出版社が人智学関係書を出すのは初めてだから、完全にノーマ
   ークだった。図書新聞の新刊一覧表で見つけて仕入れたばかりだが、
   半月ほど遅れてしまったようだ。図書新聞のリストは、長年見慣れ
   ているためもあって、新刊書のチェック用としては、ネットのもの
   よりも見やすい。


[#03] 「人智学関係書」メルマガ発行のお知らせ

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   三月書房 人智学関係書新刊速報(仮題) 000号
                           2000/00/00
  %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%

   人智学関係の新刊情報専門のメルマガを創刊しました。これは業界
   向けではなくてお客様向けです。0号と1号は、すでにHPにて公
   開中です。随時発行予定で、現在2号まで送信済み。内容は、新着
   本の紹介と近刊情報、そして旧刊本の重版や絶版や在庫僅少の情報
   などを予定しています。新刊本は帯または目次などを掲載すること
   により、少し内容がわかるようにしました。

   当初は20名ほどのアドレスしか手持ちがありませんでしたが、す
   ぐに400名規模のメーリング・リストが転載してくださることに
   なりましたから、その他の転送分を含めると、おそらく500名位
   が読んでくださっていると思われます。その中から、早くも新たに
   何人かの方が、通販の申し込みや、新刊速報購読の申し込みをくだ
   さいました。

   それにしても、紙の文書を郵送しようとしたら、莫大な手間と費用
   がかかる上に、送付先を見つけるのがたいへんなのに、インターネッ
   トだと、費用がほとんどただ同然の上、しかるべき読者が集まって
   おられるところへ、一発で送信できるのというのは、今更ながら、
   すごいことだと思います。
   
   なお、人智学関係書を出版されるときは、ぜひお知らせください。
   紹介させていただきます。


[#04] 書店経営シュミレーション「町の本屋さん」

 ★お断り これは<超・ヒマネタ>です

   新品で希望小売価格980円という廉価ゲームだから期待していな
   かったが、実にお粗末なゲームだった。10年前のファミコン用で
   すら、もっとましなシミュレーションゲームがあっただろう。
   商品の品揃えは棚を空にしなければよいだけで、集客は自販機とゲ
   ーム機といまどき公衆電話が頼りであり、店の人気はBGMと店内
   温度と店内照明に左右される。社員に要求される能力は接客と万引
   き防止と店内清掃のみ。この能力の高低によって給料が大きく違う。
   宣伝や各種サービスは、金をかければそれなりの効果が上がる。最
   大規模になったとして、社員が店長を含めて4名で、5万冊位だか
   ら100坪くらいの書店だろうか。
   およそこれだけのゲームで、まったくコクがなく、意外性もまった
   くない。面白かったのは、マニュアルに、「資金の少ない序盤は能
   力の低い人物でも充分に間に合います」と、妙にシビアなことが書
   いてあったことぐらいだ。大型店の経営についてはまったく知らな
   いが、まさかけっこうリアルで、実際もこんなものだなんてことは
   ないでしょうね。


[#05] 天に唾する<京都の書店のうわさ>(その8) 蒙御免

  ●続・プラッツ近鉄の旭屋書店について
  
   前号にて水増し増量の棚で、たいしたことないようなことを書きま
   したが、いただいた返信メールや、店のお客様方の話によりますと、
   理工学書や医学書の類はなかなかよく揃っているとの評判です。そ
   の方面はまったく門外漢のため、ろくに見てもいなかったので、こ
   こに訂正しておきます。なお、人文書につきましては、いまのとこ
   ろ、どなたもあまりほめてはおられません。

  ●元駸々堂京宝店は阪急BFに決定
  
   4月19日付けの読売新聞によると、阪急直営の書店「ブックファ
   ースト」は、20万冊を揃えて6月ごろに開店するとのことです。
   この場所はもともと京都宝塚劇場という、戦前から戦後にかけては、
   古川ロッパなどもよく出た(※晶文社刊・古川ロッパ日記参照のこ
   と)、東宝系の一流劇場だったが、1950年代に建て替えて、2
   階から上が映画館2館になり、1階は70年代に駸々堂が入るまで
   は、阪急共栄ストアという、かなり安手の物販店になっていた。
   よーするに、元々が阪急東宝グループのシマなのだから、フックファ
   ーストが出店するのは、ごく自然なことではある。それにしては決
   定までに時間がかかったのは、あまり乗り気ではなかったが、老朽
   化などで他に希望者がなかったから、やむなくということかもしれ
   ないが、そんなことは、部外者にはわからない。いずれにしても、
   あの場所に大型書店が戻って来れば、元駸々堂の利用客に歓迎され
   るだろうことは間違いない。


[#06] 超超マイナーなTV番組に出演しました

   SKY PerfectTV<京都チャンネル>「京都のDNA」と
   いう番組の24日放送分です。三月書房について、ホストの作家後藤
   正治さんと50分間話をするだけ、というものすごく地味な番組でし
   た。寺町通りの風景とうちの店内風景が、少しバックに流れたようで
   す。収録ビデオをもらったのですが、どうも恥ずかしくてまだ見てま
   せん。誰にも知らせなかったので、知り合いは誰も見ていないようで
   すし、番組を見られた方からの問い合わせ等の反響も、29日現在、
   何一つありません。おそらくそんなことだろうと思ったからこそ、安
   心して出演したわけで、これは完全に予想通りです。それにしても、
   スカパーの数百チャンネルある番組の大部分は、おそらく数千人づつ
   くらいしか見てないのではないでしょうか。地上波TVが「少年ジャ
   ンプ」と「女性自身」と「週刊ポスト」と「報知新聞」と「月刊吉本
   興業」?を合わしたようなものとすれば、こちらは「現代詩手帖」と
   か「夜想」とか「批評空間」とか「ユリイカ」のようなものかもしれ
   ません。それゆえ、うちの店に向いているのではと考えて、柄にもな
   いことを引き受けてしまったわけですが。


[#07] ホームページのアクセス数について

   あまり訪問客が少なかったらみっともないので、カウンターを設置
   していませんが、プロバイダーのHPに人気ランキングがあり、ア
   クセス数を公開していることがわかりました。それによりますと、
   4月末現在で一日約250人、最近1週間で約1600人という成
   績でした。これは仮オープン半年としたらなかなか優秀な成績のよ
   うな気がします。
   Kyoto-inetという1月500円の固定料金のプロバイダを利用して
   いますが、書店では恵文社一乗寺店さんが1日約1000人でトッ
   プ、次が古書店の萩書房一乗寺店さんで、その次がうちということ
   になっているようです。もちろん他のもっと上等のプロバイダを利
   用されている書店がたくさんあるはずですから、京都全体の書店ラ
   ンキングは不明です。おそらく古書店の方が優勢でしょう。
   うちへのアクセスが増えつつある理由のひとつは、ロボット型検索
   のデータベースに、うちのデータがかなり蓄積され初めたからと思
   われます。ちかごろは、リンクやヤフーなどのHP検索からではな
   く、著者名をキーワードにした検索で、うちのページにたどり着か
   れる方が増えつつあります。そのあたりのことは、次回にでも詳し
   く載せることにします。

  ※このアクセス数は、実のところデータの読み間違いでいした。
   詳しくは次号に掲載しましたが、よ〜するにこの時点では80名前
   後だったようです。
 

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三月書房販売速報[032]  
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2000/05/13[02-09-32]  (c)SISIDO,Tatuo      

    e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 32号

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[#01] 最近売れてるような気がする本

 ◆「無人島レコード」能地裕子+本秀康 ミュージック・マガジン社
 ◆「学芸総合誌 季刊環 1号:特集歴史認識」 藤原書店
 ◆「歴史と出会う」網野善彦 洋泉社
 ◆「回思九十年」白川静 平凡社
 ◆「改訂新版・農業論」シュタイナー イザラ書房
 ◆「A遠」鈴木翁二 まんだらけ出版部
 ◆「映画の世紀末」浅田彰 新潮社
 

[#02] これから売れそうな気がする本

 ◆「野性の実践」ゲーリー・スナイダー 山と渓谷社
 ◆「サン=テクジュペリ コレクション」 みすず書房

[#03] 売れるとわかっているのに仕入れが不可能な本

 ◆「田中恭吉展 TANAKA KYOKICHI a Retrospective」
 
   萩原朔太郎「月に吠える」の挿画で有名な画家の故郷、和歌山近代
   美術館における展覧会の図録だが、きれいな図版が大量に入った、
   見るからに好もしい本である。381頁もあり、ふつうに商業出版
   されたとしたら、定価5000円はするだろう立派な本である。と
   ころが驚いたことに、会場ではわずか2500円で販売されている
   とのことだ。筆者は幸運にも関係者から寄贈されたから、店に来る
   人達に見せびらかして楽しんでいるが、2500円なら間違いなく
   10冊以上売れるだろう。

   しかし、残念ながら市販の予定はないらしい。展覧会はあと2箇所
   に巡回予定で、制作した5000部は売り切れ間違いなしとのこと
   だ。そして悔しいことに、古書店がどんどん買い入れているらしい。
   何しろ彼らは、2500円と送料を払ってもプレミアつけて売るこ
   とができるし、将来の値上がりも見込める。それに、自家用の研究
   資料としても有用だろうし。
   
   実はこの本には定価表示がないから、うちも2500円で買い込ん
   で、適当な値段で売ることは可能なのだが、会場で売っている値段
   以上で売るのはやはり難しいようだ。


[#04] ペヨトル工房がついに廃業されました

   一昨年の読売新聞による倒産報道は完全なる誤報でした。その後も
   幾度か同様の誤報をされたにもかかわらず、のんびりと新刊を出し
   続けておられましたが、ついにこの連休明けに廃業を発表されまし
   た。見たところ余裕を残した廃業のようで、在庫を差し押さえられ
   たり、売り飛ばされたりすることはなさそうです。

   返品も取ってくれるようだが、むしろ希少商品として売り続ける方
   が得のような気がする。何しろ、うちの店のHPでは「最近つぶれ
   た出版社の本」のページは1,2を争う人気ですから。
   特急で「ペヨトル工房の本の在庫リスト」を公開したところ、早く
   も2冊注文が来た。
   まったく喜ぶべきことではないが、ペヨトル工房の残品を仕入れる
   ことができれば、HPの目玉商品になるだろう。
   

[#05] お詫び:「ほるぷ出版」は健在でした

   「ほるぷ出版」さんは、昨年末に潰れたとばっかり思いこんでおり
   ましたが、倒産したのは訪問販売会社の「ほるぷ」であり、両社は
   ずっと以前に別法人となっておられました。したがいまして、「ほ
   るぷ出版」さんは健在であり、何ら変わりなく出版活動を続けてお
   られます。完全に間違えていましたから、うちのHPの「つぶれた
   出版社の本」のページに掲示し続けていました。また、人智学書ペー
   ジでは、松井るり子さんの「うれしい気持ちの育て方」について、
   <版元倒産につき在庫限り>という、強力なコピーをつけたりして
   いました。まことに申し訳ありません。ただ、ちょっと言い訳すれ
   ば、かなり多数の業界人が、同様の間違いをされていたようです。


[#06] 天に唾する<京都の書店のうわさ>(その9)蒙御免

 ●元・駸々堂三条店は「パパラギ」になった

   再開の噂を聞いたので、5月11日に覗いてみたら、ペンキの匂い
   がまだプンプンしていた。おそらく5月上旬に開店されたのだろう。
   棚類はペンキを塗りかえただけで、そのまま使用しているようだ。
   「FOCUS」と「週刊新潮」のちょっと汚れた両面看板も、店名
   だけ入れ替えて再利用されていた。商品構成も後述箇所を除くと、
   ほぼもとのままで、雑誌、文庫、新刊書、実用書のみ。配送段ボー
   ルはTOHANだった。看板やテント類は「パパラギ」名のみだが、
   正式店名が別にあるのかどうかは知らない。
   唯一店の個性を出しているのが、少し凹んだ半坪ほどのコーナーで、
   「パパラギ」とかインディアン関係の本などがごく少しと、地球に
   やさしく体にいい的商品類のカタログスタンドが1台あった。この
   部分が店名の由来であり、経営者の<趣味>なのだろう。この部分
   の消長を、今後も時々観察したい。
   なお、これで、市内の元・駸々堂の後継未定は、朝日会館内の元・
   コミックランドのみになった。


[#07] 前号で自慢した、アクセス・カウント250人は間違いでした

   うちのHPのアクセス数は、1日250人を越えたと、前号で自慢
   したところ、1月数百人クラスの出版社さんなどに、驚いていただ
   きましたが、残念ながらデータの読み間違いでした。これは、訪問
   数ではなくて、訪問者が開かれたページ数でした。要するに一人の
   方が、うちのHPを訪問され、5ページ開かれると5とカウントさ
   れます。プロバイダには、ちゃんと別の場所にアクセス数を教えて
   くれるページがあり、それによると5月11日の訪問客は101名で
   した。ちなみに、ページ・カウンターは4月末の250強からまた
   増えて、350強になっています。この増加分はおそらく、立て続
   けに4号まで出した「人智学書新刊速報」の効果でしょう。連休明
   けには、驚くほどたくさんの注文や問い合わせメールが届きました
   が、その半分以上が、人智学関係で、しかも速報で取り上げた本に
   対する注文が多かったからです。

   ところで、お読みになられた方もおられるかも知れませんが、「文
   藝春秋6月号」に坪内祐三さんが書かれた「東京堂書店の客はシブ
   いぞ」の中に、うちの店のことがちょっと出てきます。そして、H
   Pのことも面白いとほめていただきました。何しろ何十万部の大雑
   誌ですから、またアクセスが増えるのではと思いましたが、今のと
   ころその気配がまったくありません。この記事のことは、もう少し
   反響を待って次号に書きたいと思います。みなさんもこの記事をぜ
   ひ<立ち読み>しておいてください。

   なお坪内さんは連休中にご来店くださり、いかにも、という本を1
   冊買ってくださいました。お客様のプライバシーですから書名は書
   きませんが、30年前に出たままの本です。すなわち、クロス装で
   紙箱入りで定価は元の900円ぽっきり。もちろん内容もばっちり
   の本です。お買いあげ後補充したらちゃんと戻りましたから、まだ
   絶版ではありません。それにしても、面が割れてしまったら、いか
   にも、という本以外は買いにくくなるだろうと、少し気の毒な気が
   しないでもありません。


[#08] 「三月書房販売情報(仮題)」第54号発行のお知らせ

   ちょっとめんどくさくなってきた、紙の「販売情報54号」をやっ
   と発行しました。いちおう季刊ペースです。下記は主な記事。

  ▼「最近一年間のTOP15 99/04〜00/03」
    1〜11位略 11位「海・呼吸・古代形象」25冊
          12位「カフェ3号」    24冊
          12位「南天堂」      24冊
          14位「唯臓論」  

    23冊 以下略

  ▼「昨年の出版社別文庫売上 TOP20」
    京都書院が消えて、新たに新学社が入ったほかは、ほとんど変
    化なし。全体としてはやや持ち直しの傾向。
     1位 岩波文庫1358冊前年比+10% 以下略
    
  ▼「1999年の現代短歌の本」
    全体的にやや不調だった。
    *出版社別売上 1位 砂子屋書房175冊 ▼23%以下略
    *短歌関係書売上1位「海量」大口玲子    19冊
            2位「万葉の月」 栗木京子 18冊以下略

※この情報紙は返信用封筒をお送りいただいた出版社様にのみ送付です
※書店関係者は出版社の営業さんからコピーをもらってください

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三月書房販売速報[033]  
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2000/05/31[02-10-33]  (c)SISIDO,Tatuo      

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 33号

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[#01] 最近売れてるような気がする本

 ◆「吉本隆明資料集3」
   月1ペースで順調に刊行されている。4〜6の内容と発行日も公表
   されたから、当分は大丈夫そうだ。2と3の映画関係は、60歳以
   上の人でないと見ていないし、ビデオも出回っていないものが多い
   から、やや興味がそがれるようで、1よりは売れ行きがよくない。
   3は出たばかりで何とも言えないが、1は50冊強、2は30冊強
   の売れ行きだ。4に予定されている「戦争責任」ものの売れ行きが、
   このシリーズの行方を決めそうな気がする。

 ◆「水と遊ぶ空気と遊ぶ」高橋弘子訳 地湧社
  「大地と遊ぶ火と遊ぶ」高橋弘子訳 地湧社
   「e-mail版 人智学書新刊速報(仮題)」で案内したら、通販でも3
   組売れた。この本は装丁や挿し絵もきれいし、類書もないから、長
   く売れるだろう。

 ◆「神戸・続神戸・俳愚伝」西東三鬼 講談社文芸文庫
   レジに持ってきてから、1300円の価格に少し驚かれる方が少なくな
   いが、中止されることもない。それにしても、以前から他の2倍は
   する文芸文庫だが、これは2.5倍以上の感じがする。

 ◆再掲・「回思九十年」白川静 平凡社
   世間でもよく売れていて、品切れ再版待ちのようだが、うちは幸い
   早い段階で多目に仕入れることができたから、まだ在庫がある。
   現在20冊弱の売れ行きは、予想よりやや上というところだ

 ◆再掲・「A遠」鈴木翁二 まんだらけ出版部
   直扱いで卸してもらえた。千部限定だからすぐに版切れになり、ま
   んだらけ古書部でプレミアがつくのではと思っていたが、まだ在庫
   があるようで、現在までに、延べ3回の計15冊送ってもらえた。
   もっとたくさん仕入れても、絶対に大丈夫なのだが、プレミアがつ
   けられない新刊屋では、10年分抱えるわけにもいかないのでちび
   ちびになってしまう。


[#02] これから売れそうな気がする本

 ◆「アルスのノート(仮)」野溝七生子 展望社
   「眉輪」が当たった?展望社から、今度は日記が出ることになった。
   あまり高価ではないから、5冊程度は売れるだろう。

 ◆「夜光」吉川宏 砂子屋書房
   著者の第1歌集「青蝉」は95年刊行で、現在までに32冊売れて
   いるから、この第2歌集は悪くても20冊は売れる予定である。

 ◆「私生活」安部慎一 北冬書房
   近刊の「美代子阿佐ヶ谷気分」は予約がぼちぼち来ているが、今度
   は限定版の短編集も出ることになった。これもごく一部の人からは
   歓迎されるだろう。

 ◆「江藤淳という人」福田和也 新潮社
   「作家の値打ち」はともかくとして、最近はかなり売れ行きが落ち
   ている著者だが、これはやや売れそうな気がする。

 ◆「中学生の教科書:美への招待」吉本隆明ほか 四谷ラウンド
   シリーズの2冊目。1冊目はたいして売れなかったが、こちらは吉
   本氏が混ざっているので、それだけで20冊は売れるはずだ。


[#03] 続・ペヨトル工房がついに廃業されました
 
   http://www.tctv.ne.jp/members/peyotl/
   これはペヨトル工房のサイトのURLですが、ここに今野氏が連載
   されている「解散日記」は業界人必読です。解散決定後の取次等と
   の交渉などが、ほぼリアルタイムで読めます。倒産ではなく、任意
   の営業終了のため、今後2年間は返品を受け取ることを義務づけら
   れているとか、いろいろ初耳の情報が満載です。いままで、消えた
   出版社はあまたありますが、消えていく情況を実況してくれる出版
   社は初めてではないでしょうか。チラとでも廃業を考えておられる
   出版社には、大いに参考になるでしょう。

   これは出版社ではないですが、あるお客様から高齢で後継者もいな
   いので、会社を廃めることにしたが、何か適当な参考書はないかと
   尋ねられたので調べてみましたが、法律の専門書が2、3出ている
   だけで、素人向きの適当な本が見つかりませんでした。会社設立に
   関する、調子のいい参考書はたくさん出ているのですが、上手な会
   社の潰し方の本もあってよいような気がします。「偽装離婚による
   財産保全法」とか、「できる!黒字倒産」とか、ろくでもない本ば
   かりになってしまいそうな気もしますが。


 [#04] うちのHPが「文藝春秋」誌上でほめられました
 
   前号でお知らせしましたように、「文藝春秋」6月号にて、坪内祐
   三さんが、うちの店のHPをほめてくださいました。記事は「東京
   堂書店の客はシブイぞ」というもので、当然のことながら、全8頁
   のほとんどが東京堂書店についてで、うちの店については、8行ほ
   どにすぎません。しかし何といっても50万部だったかの実売を誇
   る大雑誌ですから大きな反響があるかと思いましたが、ほとんど、
   まったくありませんでした。よほど「文藝春秋」の読者層と、イン
   ターネットは縁がないのでしょう。

   世間の反響はともかく、坪内氏が「過剰な面白さを持ちながら、一
   方で昔風の普通の本屋のにおいも残している」と評してくださった
   のは、さすがにズバリだと思います。そして、「ホームページがま
   た、とても面白い」と書いていただいたのはうれしかったです。そ
   のHPですが、HPから通販を申し込んでくださる方は、例外なく
   「過剰な面白さ」の部分に反応してくださった方ばかりです。その
   あたりのことは、次項に少し詳しく書いておきました。

   それにしても、この坪内氏の記事を、東京堂書店が大好きだった、
   鈴木書店の故前会長が読まれたら、とても喜ばれたことだろうと思
   います。晩年に面会した折りに、東京で見学すべき書店について質
   問したら、東京堂書店のことばかりほめておられた記憶が強烈です。


 [#05] ネット通販統計集1(ダイジェスト版)

 ■最近の50件(2000/05/22現在)

  ここでいうネット通販とは、従来の顧客がインターネットを利用され
  たものや、あるいはHPで三月書房の存在を知って、現実に来店され
  たお客は含みません。あくまでもインターネットで本を見つけて、メ
  ールで注文をくださり、通販が成立したもののみです。
  ただし、HPで見つけたものの、なぜかメールを使わずに、電話やF
  AXで注文してくださった数件は含みます。

  客単価は店頭現金販売の2倍以上なのですが、荷造りや起票がシステ
  ム化されていないので、発送作業はちょっとめんどうです。

 ★1)略

 ★2)ジャンル別

   *人智学関係     20名
   *漫画関係      11名
   *つぶれた出版社の本  4名
   *三木成夫     3.5名
   *在庫僅少文庫本    3名
   *吉本隆明     2.5名
   *短歌関係       2名
   *現代詩関係      2名
   *黒色戦線社の本    2名

  三木成夫を加えればほぼ半分が人智学関係と言える。漫画関係がけっ
  こう多いのは意外だった。漫画の注文の特徴は、作家名で検索してい
  たら、三月書房のサイトにたどり着いたと言われる方が多いことであ
  る。つぶれた出版社の本のコーナーには、問い合わせがかなりあるが、
  なにぶんにも、在庫限りなので、なかなか発送にまではいたらない。
  黒色戦線社の本は南天堂関係のページに少し載せているだけだが、現
  在、うちよりも多く揃えている書店はほぼ無さそうだから、近いうち
  に在庫全点のリストを作成したい。

 ★3)地方別

   *中部      17名
   *関東      14名
   *近畿       5名
   *東北       5名
   *中国       3名
   *北海道      2名
   *四国       2名
   *九州       1名
   *イタリア     1名(東京の実家に送った)

  従来の通販は、短歌結社などの口コミによる新規客と、元店のお客で、
  現在他地方在住の方からの依頼が大部分だったが、それらは圧倒的に
  関西以西が多かった。ところが、ネットではごらんのように、なぜか
  中部以東が優勢である。理由はまだぜんぜんわからないが、インター
  ネットの普及率か何かと関連があるのだろうか。

 ★終わりに

  うちのHPは、ネット通販を目指しているつもりはありません。あく
  まで店の宣伝が主体であり、結果的に通販が成立したとしても、店売
  の延長のつもりです。うちのリアル書店は、他店との差異を出すため
  に、品揃えにはかなり極端な濃淡をつけているつもりですが、ネット
  のお客はその濃いいところの中でも、特に目立って濃いいところにば
  かり集中されるようです。それゆえ、とくに人気がある人智学や漫画
  関係は複数在庫を基本としています。それにしても、日販のウェブセ
  ンターとやらは、原則各1冊の在庫で本当に間に合うと考えているの
  でしょうか。間に合うようなら、絶対にたいした売上げにはならない
  し、間に合わなければ、当然機会損失が大きいでしょう。

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三月書房販売速報[034]  
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2000/06/25[02-11-34]  (c)SISIDO,Tatuo      

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 34号

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[#00] お知らせ

   2台目のパソコンを買いました。1号機はほぼ2年使いましたが、
   まだそれほど不自由は感じていません。しかし、通販が増えてき
   たため、バックアップ機の必要を感じました。1号機に溜まった
   データを2号機へコピーし終えたら、1号機は再インストールし
   てバックアップ機にする予定です。ところがインターネットとゲー
   ム少々以外については、まったく不勉強なために、データを移行
   する作業がなかなか進みません。データを共用するためのリンク
   ケーブルを接続したら、ろくでもない変調ばかりが共用される始
   末です。
   
   この号は1号機から送信しますが、次号は2号機から送信の予定
   です。注意はしますが、おそらく何人かのアドレスが移行漏れに
   なることが予想されます。もしも、7月20日頃になっても、次
   の35号が届かなかった方はごめんどうですがお問い合わせくだ
   さい。

[#01] 最近売れてるような気がする本

 ここ1月ほどこれといった本が見あたらないが、景気はなぜか悪くな
 い。目立った本がないのに、売上げ好調というのは、まんべんなく売
 れているということで、なかなかいい傾向だろう。政府の言う「景気
 がやや回復」はまんざらウソでもなさそうだ、といいたいが、ひょっ
 としたら元駸々堂書店から、少しお客が流れただけかもしれない。こ
 れは阪急BFが月末にオープンすればわかることだが。


 ◆「ぐりとぐらとスミレちゃん」 福音館
   シリーズ最新作。本になればどこの店でも置くだろうが、まだ月
   刊誌のバックナンバーだから、置いてる店は少ないと思う。

 ◆「銭ゲバ」ジョージ秋山 ソフトマジック
   5冊ほど売っただけだが、目方と厚さがすごいので、もっとたく
   さん売れたような錯覚がおきる。

 ◆「たのしい超マジック入門」 Mr.マリック著 成美堂出版
   タレント本も置いていないわけではない。なんとなく仮説実験授
   業の棚の横に置いたら、妙によく売れる。

 ◆「夜光」吉川宏志 砂子屋書房
   予定通り順調に売れていて、軽く10冊を突破した。

 ◆「島崎藤村/文明論的考察」平林一 双文社出版
   うちのお客さんの本。よそでも売れる本なのかどうかは知らない。

 ◆「中学生の教科書:美への招待」吉本隆明ほか 四谷ラウンド
   もちろん売れてはいるが、それほどではない。


[#02] これから売れそうな気がする本

 ◆「写生の物語」吉本隆明 講談社
 
   講談社の新刊はふつうだと1冊も入荷しない。この本は著者に編
   集の方を紹介してもらい、その方から営業の方に連絡をしていた
   だいた。営業の方からは電話をいただき、新刊配本を確約してい
   ただいたから、あとは日販が淡々と取次業務を遂行してくれるこ
   とを願うだけである。
   
   ところが、噂によると、日販は猛烈な仕入れ抑制策をとっている
   らしい。まさか、うちに新刊配本されるべき40冊を、勝手に減
   数するようなことはないとは思うが、無事に届くまでは心配であ
   る。現状では、委託であれ注文扱いであれ、支払金額も返品条件
   も同じだが、注文扱いだと入荷が1週間ほど遅れるのがつらい。
   それにしても、委託のほうが支払い保留ができて、金詰まりの日
   販には有利だと思うのに、なぜ委託を減らそうとしているのだろ
   うか。
   
   ついでながら、日販のリストラで京都支店は閉鎖売却、NDCも
   閉鎖あるいは縮小の予定だそうです。毎週両方の店売へ仕入れに
   出かけていますが、NDCは行くごとに在庫が減少しつあり、こ
   の様子だと秋口には行くだけ無駄ということになりそうです。う
   ちの場合は、鈴木書店があるし、インターネットによる検索発注
   も可能になりつつあるので、致命的ではありませんが、日販一本
   の中小書店は油断していたらひどいことになるでしょう。この、
   日販の支店閉鎖は、もちろん京都だけではなく、全国で多数予定
   されているとのうわさです。

 ◆「だいたいで、いいじゃない」吉本隆明、大塚英志著 文藝春秋
 
   これも著者に紹介してもらって、直接交渉する必要がある。7月
   末の予定になっているが、遅れそうとのことなので、交渉はこれ
   からである。
   
 ◆「定本森岡貞香歌集」 砂子屋書房 
 ◆「新世紀の美徳」宮崎哲弥 朝日新聞社
 ◆「美と共同体と東大闘争」 三島由起夫対東大全共闘 角川文庫
 ◆「東京育ちの京町屋暮らし」 麻生圭子 文藝春秋
 ◆「石原吉郎評論集・海を流れる河」 同時代社


[#03] 天に唾する<京都の書店のうわさ>(その10)蒙御免
 
   河原町蛸薬師西入るのビブレに入っていたタワーレコードが、6
   月10日から河原町オーパの元オーム社書店跡に移転した。広さ
   は同じくらいだが、書籍と雑誌の種類や量は、かなり減ってしまっ
   た。ビブレの時は、洋書も多くてポップス系の出版物の量は京都
   一の品揃えだったと思う。こんどの店では10分の1位の点数に
   なってしまったのではなかろうか。タワーが放棄したこの分野の
   出版物は、十字屋楽器店本店と紀伊国屋御池店が多く揃えている。
   
   ビブレの代替テナントは、店名を忘れたが、パソコンショップの
   ようなものが17日にオープンした。パソコンや携帯電話のほか、
   パソコンソフト、TVゲームソフト、CDやDVDのソフト、そ
   して出版物も扱っている。出版物売り場は20坪位かと思うが、
   パソコンとポップ・ミュージック、そしてファッション関係がメ
   インで、極く少し新刊書も置いている。しかし、出版物に限らず、
   すべてが、完璧に中途半端な品揃えでとてもつまらない店だ。

   元駸々堂京宝店跡の阪急BFは今月末に開店予定だが、三省堂書
   店と提携して店長を出向派遣してもらうことになったらしい。こ
   の提携が単発なのか、大構想の一部なのかはまだ不明です。
   なお、元駸々堂の常備品は、日販の要請により、商品は据え置き
   のままで伝票のみ切り替えて、BFの常備に変わるケースが少な
   くない、とさる専門書の版元さんに聞いた。常備品は出版社の所
   有物だから可能なのだろうが、よその業界ではあまり見かけない
   倒産処理だろう。


 [#04] ペヨトル工房さよならセールについて
 
   お願いしていた商品が、23日に届いたので、さっそくHPに
   「さよならセール」開始の告知を載せた。再販契約は無効になっ
   ていて、もはや存在しないらしいが、版元の希望により、元の定
   価で販売することになっている。それゆえに、通販では送料無料
   セールを実施することにした。もちろん店頭でも定価で売るが、
   おそらくネットの方が、圧倒的にたくさん売れるだろう。HPに
   告知後24時間以内に、早くも2件、計7冊の注文が入った。今
   後口コミか、ネットコミかで、うちのセールが知れ渡れば、かな
   りの人気を集めそうだ。たくさんの引き合いがあるなかで、とく
   に優先的に商品を回してくれた、今野さんのご厚意に答えるため
   にも、好成績をあげたいと思いますから、ぜひ、お知り合いにご
   宣伝ください。


 [#05] 週刊『アスキー』6月27日発売号に紹介されます

   週刊『アスキー』の編集部からメールがあり、6月27日発売号
   のモノクロ6ページの特集記事「オンライン書店徹底活用方法」
   に、うちのサイトを紹介したいとの連絡をいただきました。
   「文藝春秋」の読者はよっぽどインターネットに縁がないのか、
   せっかく6月号で坪内氏にほめていただいたのに、まったく反響
   がありませんでしたが、こちらはどうでしょうか?
   サイトの<名称><URL><トップページ画面キャプチャー>が掲
   載されるらしいですが、うちの手抜きサイトは、少し場違いかも
   しれません。とはいえ、何と言ってもアスキーですから、きっと
   少しは反響があるでしょう。

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三月書房販売速報[035]  
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2000/07/11[02-12-35]  (c)SISIDO,Tatuo      

      e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 35号

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[#00] お知らせ

   この号はまだ1号機から送信してます。次号はなんとか2号機か
   ら送信できる予定です。もしも、8月中旬になっても、次の36
   号が届かなかった方は、ごめんどうですがお問い合わせください。


[#01] 最近売れてるような気がする本

 ◆「写生の物語」吉本隆明 講談社
   日販がちゃんと新刊配本してくれるか心配していたが、発売日に
   無事入荷した。当初の発売日よりも1週間遅れたが、講談社のサ
   イトで毎日チェックしていたから、発売日は前々日に知ることが
   できた。この講談社の新刊・近刊案内のページは軽くて見やすく
   てたいへんに便利だ。
  http://www.bookclub.kodansha.co.jp/Scripts/bookclub/new/new.idc

   すべての出版社の新刊・近刊が一覧表になっていて、軽く見られ
   るサイトがあるといいのだが、まだ見つからない。ご存じの方は
   教えてください。今のところ見つかるのは、細かくジャンル分け
   したものばかりで、いちいち別のページを開くのがめんどうだし、
   分類方法も趣味にあわない。下手な整理をせずに、到着順に1冊
   1行で羅列してあれば充分なのだが。

 ◆「夜想35」ペヨトル工房
   ペヨトル工房のさよならセールは、6月の最終週から実施してい
   るが売れ行きは予想通り好調である。ネットと地べたの割合は、
   5対1くらいのような感じでネットのほうが多いが、これも予想
   通りだ。ネットではすでに20件近くの注文を受けていて、60
   冊近く売れている。

   一番人気がこの「夜想35」だが、これは、例の読売新聞の誤報
   の後に出版されたから、多くの書店が発行所解散と思いこんで、
   仕入れなかったり、客注を断ったりしたために、買いそびれてし
   まわれた読者が多かったからではないかと思われる。


[#02] これから売れそうな気がする本

 ◆「グーグーだって猫である」大島弓子 角川書店
   PR誌連載の実話?漫画。第1回はガン手術で入院するにあたっ
   て、愛猫に世話係つきでマンションを遺贈する遺書を書くところ
   から始まり、かっこいいなと思った覚えがある。どうでもいいけ
   ど青江美奈さんは猫か犬を飼ってなかったのかしら。

 ◆「アギャキャーマン」谷岡ヤスジ 実業之日本社
   白泉社から今春出たのは仕入れ損ねてまだ入荷しないが、昨年、
   実日から出た「天才の証明」は20冊以上売れている。

 ◆「刑務所の中」花輪和一 青林工藝舎
   「アックス」連載、待望の単行本化。

 
[#03] 天に唾する<京都の書店のうわさ>(その11)蒙御免

   ブックファーストも見てきましたが、予想以上でも以下でもない、
   ごく真っ当な書店でした。まだ、駸々堂が潰れて5ヶ月なので、
   改装のために一時閉店していたのとたいして変わらず、お客も違
   和感がないのでは。この店のことも含めて、京都の書店の最新情
   況は、昨日出たばかりの下記の雑誌にたいへん詳しいので、業界
   人はぜひ取り寄せてお読みください。日販、トーハンのほか、地
   方小センター扱いでも買えるはずです。

 ◎「ねっとわーく京都8月号」総特集<がんばれ!!まちの本屋さん>
         かもがわ書店発売 476円 

    ルポ●京都書店事情
    インタビュー●京都府書店組合・片山理事長
    インタビュー●トーハン京都・下村支店長、岡本課長
    インタビュー●書協京都支部・中西支部長(ナカニシヤ出版)
    座談会●リーブル銀閣寺、サン書房、向島書店、BOOKSラ
        ンボー、都堂書店、萬年堂、桂書房、の各代表者氏


[#04]■ネット通販統計集2(ダイジェスト版)

 最近の100件(2000/07/05現在)

  前回の50件は、2月22日から5月22日までの3ヶ月かかりま
  したが、今回の50件は5月23日から7月5日までの約1ヶ月半
  ですから、取扱量がおよそ2倍に増加したことになります。
  なお、この統計は受注時ではなく、入金確定時で計算しています。

 ★0)略 ★1)略
 ★2)ジャンル別

   *人智学関係      35件
   *漫画関係     25.5件
   *消えた出版社の本 13.5件
   *短歌関係        6件
   *在庫僅少文庫本     4件
   *黒色戦線社の本     4件
   *三木成夫      3.5件
   *吉本隆明      3.5件
   *現代詩関係       3件
   *その他         2件

 三木成夫を含む「人智学」と「漫画」と「消えた出版社」だけで、ほ
 ぼ全体の8割を占めている。消えた出版社の内訳は、ペヨトル工房8.
 5件、トレヴィル4件、京都書院1件。この後、葉文館出版もさっそ
 く1件売れた。

 ★3)略 ★4)略
 ★5)地方別顧客数

   *関東      24名
   *中部      18名
   *近畿      10名
   *東北       6名
   *中国       4名
   *北海道      3名
   *四国       3名
   *九州       3名
   *沖縄       1名
   *イタリア     1名(東京の実家に送った)
         計  73名

 これが地方別の延べ件数100件から、リピーターの重複分を減じた、
 地方別顧客数です。なぜか中部より東の方面が圧倒的に多い。

 ★終わりに

  書店業界も、二極分化が言われて久しく、中途半端な書店はばたばた
  と倒れていますが、それでも、まだ地べたでなら、立地と品揃えが良
  ければ、中小書店でも存在の余地は充分にあるでしょう。しかし、ネッ
  ト通販では、フル装備の大ネット書店が数店あれば充分で、あとはス
  キマ狙いの専門店以外、存在の余地が一切無いように思います。よ〜
  するに、超極端な2極分化になるわけですが、うちは何とかネット上
  にも最小限の居場所を確保できたようです。ただし、地べたより消え
  るのもうんと簡単でしょう。何しろ、犬歳とか猫歳とかいわれるくら
  い変化が急速なので、先のことはさっぱりわかりません。


 [#05] 日販の支店リストラについて

   日販は6月下旬、各出版社あてに「支店及び流通センター再編成
   に関するご理解とご協力のお願い」というのを配布した。ようす
   るに多数の支店店売を廃止するから、返品を引き取るようにとの
   お願いだ。

   京都支店ほか10店近くの店売が閉鎖統合されるほか、NDCは
   流通センター機能を廃して、関西3支店の店売としてのみ存続す
   ることになるようだ。まだ、うちの店には案内が来ていないので、
   詳しいことはわからないが、不便になることは確実だ。しかし、
   NDCの店売が残るのなら、うちは今まで通りに、週1のペース
   で仕入れに行くことになるだろう。ただし、最近は、行くたびに
   在庫が減り、寂れる一方なので、回数を減らそうかと考えている。
   
   ところで、「週刊文春」の7月13日号の「私の読書日記」にて、
   立花隆さんが小田光雄さんの2著と例の「選択」2月号をあげて
   おられた。次はぜひ、「文藝春秋」本誌で「日販の研究」か「出
   版業界の研究」を大々的にやってほしいものだ。
   
   小田光雄さんの「ブックオフと出版業界」は、まだ拾い読みした
   だけだが、今度はあまり驚かなかった。次はこのなかでチラと触
   れられている、日販とTUTAYAの関係を詳しくやってほしい。
   なお、この本の中で、鈴木書店が出版社に、支払いの2割カット
   を要求したとあったのは間違いである。毎月100%だった支払
   率を80%に下げて欲しいと要求しただけであり、毎月の支払い
   残高が少し増えるだけで、結果的に全額支払うことには変わりが
   ないと聞いている。2割カットでは、まるで債権放棄のようなこ
   とになってしまう。それから、まんだらけを新古書店扱いするな、
   と書いておられたのは、大いに同感だった。まんだらけといえば、
   古谷社長の「新文化」最近号におけるインタビューが出色だった
   が、その中に、取次会社の関係会社がマンガ喫茶を経営している
   という話があった。こういう雪印乳業並にお粗末なことをやって
   いるのは、いったいどこの取次なのだろうか。


[#06] 週刊『アスキー』6月27日発売号に紹介されました

   「オンライン書店最新活用法」という6頁の特集の「個性派オン
   ラインショップをチェック!」という頁に、他の6店とともに取
   り上げられました。それはたいへんけっこうなのですが、紹介記
   事に「オンライン専業書店」とあるのはもちろん間違いです。そ
   れにしても、あの程度のお粗末サイトが、専業と見えるようなら
   ば、外注して大金をかけたらしい、他のオンライン書店に申し訳
   ないような気がします。別に、実害はないでしょうし、かっこよ
   く間違えてもらったから気分も悪くはないのですが、念のために
   HPの先頭に、「お断り:うちはオンライン専業書店ではありま
   せん。京都・寺町二条の地べた書店です」という注意書きを載せ
   ておきました。しかし、せっかくアスキーに載ったというのに、
   いまのところ、アクセスがはっきりと増えたというような効果は
   感じられません。

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