e-mail版 三月書房販売速報(仮題)
旧号合冊 第4冊のB [36号〜40号]
通巻031号 2000.04.30発行 通巻036号 2000.08.15発行
通巻032号 2000.05.13発行 通巻037号 2000.09.04発行
通巻033号 2000.05.31発行 通巻038号 2000.09.18発行
通巻034号 2000.06.26発行 通巻039号 2000.10.10発行
通巻035号 2000.07.11発行 通巻040号 2000.10.29発行
※各号の最終版を一部修正して掲載しました
  ※非営利目的の転送は歓迎します
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三月書房販売速報[036]  
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2000/08/15[02-13-36]  (c)SISIDO,Tatuo      

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 36号

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[#00] お知らせ

   暑い間は早寝早起きしているために、いつもは深夜に制作してい
   たこのメルマガがいっこうにはかどりません。昼間にはネット通
   販のお相手とHPの更新くらいしかできませんでした。今回は、
   ネタがたまりすぎたので、簡略に行きたいと思います。

   晶文社刊「徹底活用『オンライン読書』の挑戦」に、このメルマ
   ガとHPが紹介されました。先日の「週刊アスキー」では、ほぼ
   何の反響もありませんでしたが、この本は読者層から考えても、
   少しは反響が期待できそうです。書店のサイトとしては、紀伊国
   屋ほか10店ほどしか紹介されてませんから、昨年9月に仮オー
   プンしたばかりの片手間サイトとしては、出世が早くて驚きます。


[#01] 最近売れてるような気がする本

 ◆「だいたいで、いいじゃない」吉本隆明・大塚英志 文藝春秋
 
   著者のご紹介によって、無事新刊配本が入荷した。30冊仕入れ
   たが、1週間少々で売り切れてしまった。こんなことなら、もっ
   と予約すればよかった。

 ◆「石原吉郎評論集・海を流れる河」 同時代社
 ◆「シュタイナー医学原論」メース著 平凡社
 ◆「神に祈らず:大杉栄はなぜ殺されたのか」宮崎学 飛鳥新社
 ◆「精神科学から見た死後の世界」シュタイナー 風濤社
 ◆「わが身を吹き抜けたロシア革命」内村剛介 五月書房
 ◆「戦闘美少女の精神分析」斉藤環 太田出版
 ◆「美代子阿佐ヶ谷気分」安部慎一 ワイズ出版
 ◆「私生活」安部慎一 北冬出版
 ◆「黒田辰秋:木工の先達に学ぶ」早川謙之輔 新潮社
 ◆「グーグーだって猫である」大島弓子 角川書店
 ◆「刑務所の中」花輪和一 青林工藝舎
 ◆「定本 森岡貞香歌集」 砂子屋書房
 
   個別の本についてふれる余地がないが、けっこうよく売れる新刊
   が多い。おかげで、今年はなかなかうちの売上も好調だ。詳しい
   ことはまたいずれ。


  [#02] これから売れそうな気がする本

 ◆「河野裕子歌集 家」 短歌研究社
 ◆「自然 来るべきもの」港千尋 NTT出版
 ◆「稲葉京子歌集 天の椿」 雁書館
 ◆「助盤小僧」戸川昌士 径書房
 

[#03] 続・日販の支店リストラについて

   7月下旬に日販から届いた紙によると、京都支店は「8月25日
   をもって店売を閉鎖」し、「今後は、特にタイムリーな情報の提
   供を主体とした、新たな営業スタイルを確立」する予定とのこと
   だ。<新たな営業活動スタイル>の内容は不明だが、期待するほ
   どのものではないだろうことは言うまでもない。15年度予定の、
   正面道路の拡張立ち退きまでは、現在の場所に店売なしの支店が
   残るらしい。

   NDCは「注文品の調達業務を、本年8月より王子流通センター
   に全面移管」し、10月2日より、2号館のみを関西地区の店売
   として残すとのこと。8月9日にNDCに行ったが、在庫は返品
   と2号館への移送とで、極端に減少していた。当分は新刊・話題
   書・新書・文庫・コミックのみの構成になるらしいが、もう行く
   だけ無駄だ。おそらく2号館の新店売も、その程度のレベルにな
   るのだろう。10月に一度覗いてみてから決めるが、先月までの
   ように、毎週1回行く必要はなくなるだろう。

   なお、NDCの閉鎖に伴い、番線コードが変更になりましたから、
   出版社の方はご注意ください。
   ↓がうちの新コードです。

  A日販 E12−20 中京区 三月書房 74-0210 京都541


[#04] 小学館グループと角川グループの書店専用サイトについて

   日販店売の穴はインターネットを利用して埋めるつもりだが、小
   学館系と角川系のサイトはなかなか便利になってきた。在庫の検
   索はもちろんのこと、発注もできて5日位で入荷するようになっ
   た。在庫がなければ受注しないから、品切れの返事を待つ必要も
   ないし、出庫状況のチェックもできる。欠点はやたらに重たくて、
   1点ごとにかなりの時間がかかることである。もちろん、これは
   うちの通信環境がお粗末なためかもしれないが。それから、角川
   の場合は取次番線を鈴木書店で申し込んだつもりなのに、日販に
   なっているのが少し不満だが、あちらにも都合があるのだろう。

   ところで、この2つのサイトがくれたIDが、まったく同じで、
   「022441」となっているが、これはおそらく、半年ほど前
   に登録した書店共通マスタとかいうものと関係があるのだろう。
   いまその控えが見つからないが、取次番線は鈴木と日販を記入し
   たはずである。鈴木は扱い出版社が少ないから、マスタ屋さんが
   勝手に日販一本の登録にしたのかもしれないが、いまのところ、
   この件はもう少し様子を見ないと、これ以上のことはわからない。
   

[#05] 「日本書籍総目録 2000」について

   数年ぶりで書籍総目録を購入した。以前は毎年買っていたが、値
   上がりが激しいのと、10年ほど前に、電子ブック版「本の探偵」
   を使い始めたのとで、3年に1回位の購入に減らしていた。いく
   らネット検索が手軽になったとはいえ、店には大正生まれがいて、
   電子ブックは何とか使えたが、パソコンはとても無理だから、そ
   の方面には必要性がある。それに、今回はCD−ROMがはじめ
   て付録についたので使ってみたかった。いままで、CD−ROM
   は書誌ナビを使っていたが、さすがにこのほうが、屑データが少
   なくてすっきりとしている。欠点はなにかケチなガードがしてあ
   るらしくて、コピペができないことである。書誌ナビはコピペが
   できたから、データを整理して、在庫リストを作ったりするのに
   便利だった。それはともかく、来年からはCD−ROMだけを1
   万円以下で販売してほしい。まだ、現在の環境では、ネットより
   CD−ROMのほうがはるかに軽くて早いから、これで先に当たっ
   てから、書協かTRCのサイトで今年の刊行分を検索することに
   している。


[#06] 毎日の新刊検索について

   過去の本の検索は、前項の方法で充分だから、あとは、日毎の新
   刊近刊が、一覧できるサイトがあるといいと思っていたら、たい
   へんに使い勝手のよいのが見つかった。取次や大書店のサイトで
   はなくて、たぶんあまり大きくはなさそうな、関西の書店のサイ
   トです。今朝はとても軽くて具合が良かったが、何しろ盆休みの
   最中で、アクセスが少なかったからかもしれず、もう少し使って
   みてから、URLなどをお知らせしようと思います。
   このサイトでは、数日先の分までを含む1ヶ月間の新刊情報が、
   一日分づつ検索でき、収録点数もかなり広く網羅されているよう
   です。ここをチェックしていれば新刊の見落としは減るでしょう。
   

[#07] 柏樹社の現況をご存じの方はおられませんか?

   ここ数ヶ月補充注文が戻らないので、電話してみたら、「お客様
   の都合で取り外しています」とのことだった。某取次に確かめた
   ら、やはり連絡がとれないとのこと。TRCで検索してみたら、
   今年は3月に1冊だけ出ていたが、その本には「取り寄せ不可。
   図書館で…」との注記があった。この注記は絶版本にもつくから、
   必ずしも出版社が消えたという意味ではないが、いくらなんでも
   絶版になるには早すぎるだろう。
   この出版社の本では、野口三千三関係の本と村木弘昌の本がすべ
   て超ロングセラーで、三木成夫の本の横と、甲野善紀など武術関
   係の本の横に今後も並べ続けたいから、このまま消えてしまった
   らたいへんにもったいない。

   
※その後、やはり廃業されたことがわかった。
   

[#08] ペヨトル書房の本の断裁について

   うちではペヨトルの本がネット通販を中心に絶好調だからご機嫌
   ですが、最近の「解散日記」などによると、4万冊中3万冊を、
   9月中には断裁処分しなくてはならないとのこと。同社の直販も
   うちなど書店のフェアも、みな旧定価のままで販売しているのだ
   が、割引が可能ならもっと売れることは間違いない。それを不可
   能にしているのが、再販制ではなくて、委託制であることは覚え
   ておいた方がよいだろう。ようするに、解散した時点で再販契約
   は終了していて、バーゲンは可能なのだが、あと2年間は、返品
   を受け取る義務を、委託制ゆえに取次業界が負わせているためで
   ある。もし、バーゲン用に商品を預かった書店が、これを返品し
   てしまったら、書店は大儲けでペヨトルは大損害になる。その書
   店が預かった時点では、まったく悪意がなかったとしても、担当
   者が変わったり、倒産したりしたら、その後どうなるかわからな
   い。また、ゾッキに流したら、悪意ある書店が買って返品し、さ
   や取りを狙わないとも限らない。この逆送は丸Bのスタンプを押
   したくらいではなかなか防げないだろう。何しろ漫画喫茶の読み
   屑ですら、返品入帳してしまう業界だから、信用できたものでは
   ない。というような次第で、3万冊の断裁が避けられないような
   のだが、まだ大部分は商品価値が無くなったわけではないから、
   本当にもったいない話である。うちは、いちおう信用出来そうな
   ので、断裁前にあと数百冊を追加委託してもらえそうだが、それ
   くらいではやっと1%が救えるだけである。


[#09] 「ブレイン・フォーラム vol.1 本屋が語る本の世界」
   http://www.healing.co.jp/kayanoHP/bf/bf01.html

   店のお客さんの会社のHPが、うちの店を紹介してくれました。
   うちの店の外観と書棚の一部を、デジタル写真で見ることができる
   のがネット上では初めてかと思います。バーチャルでしかうちの店
   をご存じない方は、おそらく想像以上に小さな店なので驚かれるこ
   とでしょう。おひまなときに覗きに行ってください。なお、店の前
   に写っているキリンビールの看板は、お隣の台湾家庭料理店「青菜
   (チンエイ)」さんのです。ここは安くておいしいです。

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●受贈本御礼広告 (読書感想はたぶん次号に)

  「デジタル時代の出版メディア」湯浅俊彦 ポット出版 1800円

  「出版クラッシュ!?」安藤哲也・小田光雄・永江朗 編書房 1500円
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●メルマガの勝手広告(出版社のメルマガ&HP批評をいずれ始める予定)

◎◇◆「皓星社通信」創刊◇◆ 隔週刊行(頻繁に増刊の予定)
発行所 株式会社 皓星社   発行・編集責任 森田華子
              http://www.libro-koseisha.co.jp
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三月書房販売速報[037]  
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2000/09/04[02-13-37]  (c)SISIDO,Tatuo      

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 37号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#00] クロワッサン読者におすすめの本

   「クロワッサン」9月10日号、「行ってみたいなこんな書店に」
   に載せてもらいました。一年ほど前「オリーブ」に載せてもらっ
   た時よりは、よほど場違いでないような気がします。記事は記者
   が書かれましたが、「読者におすすめの本」はこちらで選びまし
   た。良さそうな本で、売れてる本で、ついでに浮き世の義理も少
   しは果たせそうな本で、なおかつ、そのジャンルを代表するよう
   な本を選んだつもりです。これらの本は、7月中旬現在、新刊書
   店が、ふつうに仕入れ可能なものばかりです。ペヨトル工房の本
   も何か1冊載せたかったのですが、他店に迷惑がかかりそうなの
   でやめときました。

   ●神秘学入門 高橋巌 筑摩書房 
   ●回思九十年 白川静 平凡社
   ●気違い部落周游紀行 きだみのる 冨山房 ※新書判
   ●私は臓器を提供しない 吉本隆明ほか 洋泉社 ※新書判
   ●夜光 吉川宏志歌集 砂子屋書房
   ●海・呼吸・古代形象 三木成夫 うぶすな書院
   ●猿飛佐助 杉浦茂 筑摩書房 ※文庫判
   ●南天堂 寺島珠雄 皓星社
   ●動物の村 武井武雄 銀貨社
   ●二重言語国家・日本 石川九楊 日本放送出版協会


[#01] 最近売れてるような気がする本

 ◆「60年代1,2」三上治 批評社
 ◆「シュタイナーに<看護>を学ぶ」大住祐子 春秋社
 ◆「ドリーム仮面」中本繁 太田書店
 ◆「Diatxt.01 特集:未来記憶」 京都芸術センター
 ◆「ぼくの伯父さんの東京案内」沼田元氣 求龍堂
 ◆「蕨の家 上野英信と晴子」上野朱 海鳥社
 ◆「パリの空の下、人は流れる」船橋英雄 水声社
 ◆「てりむくり」立岩二郎 中公新書

 ◆「わが身を吹き抜けたロシア革命」内村剛介 五月書房
   14号にて「失礼ながら生死のほども知らない」と、実に失礼な
   ことを書いてしまった内村氏の、20年ぶりのロシアものだ。
   今更とも思ったがよく売れている。


  [#02] これから売れそうな気がする本

 ◆「字遊自在 ことばあそび」多田智満子 河出書房
 ◆「黒旗水滸伝 上・下」 竹中労&かわぐちかいじ 皓星社
 ◆「音沙汰」杉本秀太郎 朝日新聞社
 ◆「二十一世紀前夜祭」大西巨人 光文社
 ◆「なぜ大人になれないのか」村瀬学 洋泉社
 
 ◆「江古田文学44:特集・吉田一穂」吉本隆明他 江古田文学会
   この出版を知ったのが出版後だったため、入荷が半月ほど遅れた
   が、他店ではあまり扱っていないだろうから、出遅れの影響はほ
   とんどないはずだ。この雑誌は特集部分だけでも252ページあ
   り、これで1200円は安すぎるような気がする。

 ◆「超『20世紀』論 上・下」吉本隆明 アスキー
   28日(月)の「日販速報」で見るまで、この本が出ることをまっ
   たく知らなかった。内容は、まったく場違いな「ペントハウス」
   にて、2年間ほど連載された情況論だ。またまた著者に尋ねて、
   編集者の方を紹介していただき、各30冊配本してくださること
   になった。発売日が近いから、新刊配本が間に合わず、到着が数
   日遅れるかもしれないとのことだが、手配できてよかった。なお、
   「ペントハウス」連載が、アスキーから出ることになった理由は、
   担当編集者が移籍されたからだ。吉本氏は昔から、出版社にでは
   なくて、編集者に付いて移動されるのが習性である。例、大和書
   房→宝島社→洋泉社。中央公論社→メタローグ→学研(※その後
   メタローグからも別の人の編集で1冊出た)。


[#03] 続「日本書籍総目録 2000」について

   前号にて、屑データが削除されていてよいとほめてしまいました
   が、昨年6月に倒産した、京都書院の本が989件も登録されて
   いることがわかりました。これは、今年8月末現在、書協の検索
   サイトでも同じです。同じ頃に倒産した、光琳社出版、スコラ、
   海越出版社、青人社などは完全に削除されているようなのに、な
   ぜ京都書院は残っているのでしょう。
   ついでですが、京都書院のHPがまだ残っていて、昨年5月の倒
   産直前の画面を見ることが出来ます。お暇な折りにウェブ上の廃
   墟見物をどうぞ。 http://www2.ask.ne.jp/~kshoin/


[#04] 新刊配本について

   ちかごろ日販は新刊配本を絞っていると聞くが、さる専門書の配
   本予定を見ると、トーハン300、日販100、大阪屋100、
   栗田50、となっていた。サンプルが一つではほとんど意味がな
   いが、雰囲気はよくわかるような気がする。うちは、パターン配
   本を断っているために、新刊配本の実態はわからないが、返品を
   減らすために、ばらまき配本を止めることはよいことだと思う。
   問題は、うちがお願いして、出版社が新刊配本してくださること
   になった分までが、減数されたり来なかったりすることがあるら
   しいことだ。これはうちに限らずあちこちで問題になっているよ
   うで、さる出版社の営業便りによると、例えば10冊の予約なら、
   わざわざ新刊配本5と注文5に分けて出荷することにしていると
   のことだ。こうすれば、少なくともどちらかは入荷するから、1
   冊も来なかったという事態は避けられる。めんどうな話だが、有
   効そうな対策だから、うちもまねをすることにした。
   

[#05] 続・毎日の新刊検索について

   前号でたいへんに使い勝手のよいのが見つかったと書きました。
   「昭和24年創業、新町2丁目に店を構えて約50年。親子2代
   のファンも多い、こだわりの書店です。」とトップ書いてあった
   ので一瞬だまされましたが、この「ごんた堂」というのは大阪屋
   のサイトでした。これが実に使いやすく、書籍、コミック、雑誌、
   文庫の1ヶ月分が、日付、出版社、ジャンルなどの条件で、実に
   簡単に検索できます。とくに、書籍の新刊は毎朝一番にチェック
   していますが、翌日分までわかるのでたいへんに便利です。
 http://www.osakaya.co.jp/shinmachinichome/gonta/aruhigonta.html
 

[#06] 「三月書房 販売速報(仮題)55号」発行のお知らせ

   55号は予定日よりも1ヶ月以上遅れの8月27日に発行しまし
   た。インターネット関係が、とても忙しくなり、この情報紙の作
   成はかなりめんどうになってきたので、近いうちに、季刊ペース
   から年2回か1回になってしまいそうです。内容も、このメール
   版よりはやや詳しいものの、たいして目新しい記事はありません。
   それではあまりに愛想がないので、1993年からの年度別「店
   頭現金販売指数」を初公開しておきました。これは現金販売分の
   みであり、総売上はまた別ですが、これが景気の動向を一番よく
   反映しているようです。出版業界では、今年も3年連続の前年割
   れが確実と言われていますが、うちはいまのところ2年連続で止
   まって、今年は大幅アップで推移しています。とはいえ、93年
   以来の増減幅は±6%でしかなく、おおざっぱにいえばずっと横
   這いだったようです。

   なお、いつもお伝えしていますように、この販売情報紙は返信用
   封筒をお送りくださった出版社様にのみお送りしています。
   
   
[#07] 博品社が営業を止めたらしい。

   92年頃、「ランゲルハウス島航海記」、「中国のテナガザル」、
   「ノミ大全」などしゃれた博物学関係本を、図版入りのスマート
   なシリーズで数十冊出版していましたが、ここ数年は路線変更で
   あまりぱっとしませんでした。夏の古本まつりで、上記のシリー
   ズのゾッキ本をたくさん見かけたので、取次に問い合わせてみた
   ら、5月頃に営業中止の連絡があったとのこと。今はゾッキです
   が、いずれはプレミアがつきそうな本も少なくなく、もったいな
   いことです。このシリーズにもあった「鼻行類」を出している、
   平凡社ライブラリーが他の巻も出してくれるとよいと思います。
   
   
[#08] オタクの終焉について

   96年に太田出版から出た、岡田斗司夫の「オタク学入門」は9
   0年代を代表する名著だったと思いますが、その岡田氏が「中央
   公論」9月号にてオタクの終焉について書いておられます。
   (「日本のクリエイターが消滅する前に」)
   彼の説によると、「オタクとは、現在二十五歳から四十歳までの
   ある層に特有の現象で」あった。ところが、消費者であると同時
   にクリエーターでもあったオタクたちの後に続く世代は、消費者
   としてとことん楽しむだけで、自己表現の欲求が弱い。したがっ
   て、日本が世界に誇った「マンガ・アニメ文化」も衰退しつつあ
   る、ということです。これが、中年オタクによる、近頃の若者は
   なっとらん、というだけの意見なのかどうかは、いずれわかるこ
   とでしょう。しかし、ちかごろのコミックの売り上げの低下や、
   TVアニメの不作についての説明として、かなり説得力があるこ
   とは確かです。
   そして、オタクの殿堂「まんだらけ」は経済力のある中年オタク
   が、高齢化するまでは安泰でしょうし、「ブックオフ」の中心客
   層が、25歳以下のオタクではない消費者であることも、また確
   かでしょう。
   これは完全なやまかんですが、うちの店のネット通販のお客様に
   も優秀なオタクの方々がおられるような気がします。
   
   
[#09] 偽札を掴んでしまった話 その後

   29号にて、五千円の偽札をつかまされた話を書きましたが、思
   いがけないことに、日本国が補填してくれることがわかりました。
   警察の人が来られて、名目は忘れましたが、5000円の補償金
   と2000円の謝礼金が国から出るとのこと。やはり偽札は国家
   にとっては重大な犯罪だということなのでしょう。たいした金額
   ではないし、会計処理もよくわからないので、ポケットマネーで
   穴埋めしておきましたが、大蔵省から振り込まれることになった
   ら、ちゃんと帳簿に記入しなくてはならないかもしれず、それが
   少しめんどうです。

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●受贈本御礼広告 (読書感想はたぶん次号に)

 ★☆「徹底活用『オンライン読書』の挑戦」津野海太郎・二木麻里著
                    晶文社 1800円

お詫び:↓この2冊、この号に感想を載せると予告しましたが次号?に
 ☆「デジタル時代の出版メディア」湯浅俊彦 ポット出版 1800円
 ☆「出版クラッシュ!?」安藤哲也・小田光雄・永江朗 編書房 1500円
 
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●メルマガの勝手広告(出版業界のメルマガ批評をいずれ始める予定)

 「BOOK Door to Door  ■オンライン書評誌」
 
 ※14号の特集「個性あふれる本屋さん」にてうちのHPを紹介して
  くださいました。そのことを割り引いても、なかなか面白いメルマ
  ガです。現在16号が最新です。

 発行  (株)PARCO-CITY パルコシティ・インターネットサービス
 住所  〒102-8301 東京都千代田区九段南4-8-21 山脇ビル10F
 編集  井上有紀(tee graphics)/中村冨貴
  http://www.parco-city.co.jp
  info@parco-city.co.jp

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三月書房販売速報[038]  
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2000/09/18[02-13-38]  (c)SISIDO,Tatuo      

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 38号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#00] 小沢書店が自己破産しました

   第1報が13日に入り、あちこちに問い合わせた結果、16日に
   なって確実だとわかりました。さる資料によると、95年3月期
   に約3億8000万円だった売り上げが、99年3月期には約1
   億1000万円まで落ちていたとのこと。負債が約3億円あり、
   これでは銀行も見放さざるをえなかったでしょう。
   それにしても、「太陽」や「アサヒグラフ」の休刊など、リスト
   ラ報道が絶え間なく、業界破綻のスピードが一段と加速してきた
   ような気がします。これから、2000年度末にかけては、いつ
   どこがどうなろうとも不思議ではない状況でしょう。
   ちかごろは、お客様との会話もこの手の話題が多くなり、さる著
   者からは、某有名大出版社が、日経新聞に救済されて子会社にな
   るらしいとか、××や△△もかなり危ないらしいとかの噂をたっ
   ぷりと聞きかされました。こういう噂話は取り扱いに注意する必
   要が大いにありますが、その一方で、書店も著者も損を被らない
   ように、情報交換する必要があることもまた確かです。
   [#04]に続く。


[#01] 最近売れてるような気がする本

 ◆「別冊太陽:アジア・アフリカの古布」平凡社
   月刊「太陽」は12月号で休刊になるが、別冊太陽は健在である。
   別冊は売れ行きのばらつきがすごくて、何十冊と売れるものもあ
   れば、0冊のものも珍しくない。月刊太陽も末期はまったく同じ
   状態になっていて、特集によって売れ行きに大差があった。広告
   の入りも悪かったようだし、別冊に1本化したのだと思えばよい
   だろう。
   
 ◆「江古田文学44:特集・吉田一穂」吉本隆明他 江古田文学会
   吉田一穂といえば小沢書店の「吉田一穂全集」抜きには語れない。
   うちでは、旧版と新版を合わせて30組以上売ったし、今でも年
   に1組位は売れていた。ぜひ思潮社あたりがこの全集の版権を買
   い取って再刊してほしいものだ。

 ◆「超『20世紀』論 上・下」吉本隆明 アスキー
   前号に書いたような事情で、4日の新刊配本には間に合わなかっ
   たが、翌5日に注文扱いで無事入荷した。日販も時にはけっこう
   早くて役に立つ。いつもこうだといいのだがとは言うだけ無駄か。
   上下で3200円と高いが、10日間で20組弱売れたから順調
   である。
   
 ◆「なぜ大人になれないのか」村瀬学 洋泉社
   うちでは新書というスタイルはあまり売れないのだが、洋泉社新
   書はなかなかヒット率が高い。


[#02] これから売れそうな気がする本

 ◆「希望」小島ゆかり 雁書館
 ◆「シュタイナー入門(仮)」小杉英了著 ちくま新書 11月刊予定
 ◆「老いの現在進行形:介護の職人、吉本隆明に会いに行く」
    吉本隆明・三好春樹 春秋社 10月刊予定


[#03] 売れそうな気はしないが立派としかいいようがない本

 ◆「横山源之助全集 全9巻別巻2」社会思想社
   これはすごい。現在までに発見された、新聞・雑誌に掲載の全作
   品と書き下ろしの全単行本が収録される。1冊が1万円前後で全
   11冊は、この不景気な時に、信じられないくらいの立派な仕事
   である。もちろん、ほめるのは無事完結してからでもいいが、内
   容見本に印刷された、A4版4ページ、5段組の総目次だけでも
   壮観だ。これは個人購入は無理でも、ぜひ、地域や大学の図書館
   でリクエストしてください。なお、現在、この人の本は教養文庫
   で2冊と岩波文庫で1冊読めます。

 ◆「新井奥邃著作集 全9巻別巻1」春風社
   これも超渋い。実のところどういう人なのかさっぱり知らないの
   だが、「おうすい」という名前が読めるだけでも、ちょっと自慢
   してもよいだろう。この出版社は初耳だが、たぶん1組売れそう
   なので無事完結を祈るのみ。


[#04] 小沢書店について

   小沢書店は71年創業で、主として文学関係のまともな本ばかり
   出していた。印刷も造本もなかなかよくて、ブランドもカラーも
   小出版社としては充分に確立されていたと思う。しかし、今にし
   て思えば、やはりここ数年は調子が落ちていたようで、新刊案内
   をもらっても、発注する気にならないような本が多かった。
   
   最近の売り上げ冊数は
    95年52冊、96年38冊、97年29冊、98年56冊、
    99年40冊、00年28冊※8月末まで
   
   最近の主な売れ行き良好書は(※95年〜)
    青山二郎文集        24冊
    前川佐美雄全集<1>     15冊
    マラルメ詩集(西脇順三郎訳) 13冊

   これで見るとわずかな売り上げのように見えるが、青山も前川も
   定価が1万円前後だし、その他の単行本の平均定価も、2000
   円程度はしたはずだから、多い年だと20万円近くの売り上げが
   あったのではなかろうか。だからうちにとっては、ペヨトル工房
   を別にすると、リブロポート&トレヴィル以来の悪材料というこ
   とになる。とくに「前川佐美雄全集」が1冊出ただけなのが、全
   巻予約者が多かっただけに残念である。この全集を別の出版社が
   引き継ぐ見込みはあまりなさそうだが、新学社が引き受けてくれ
   たらいいのにと思う。

   うちは現在常備が30冊ほどあり、これは返品可能だが全部返品
   するのはもったいない。しかし倒産だから、ペヨトル工房とは違っ
   てゾッキ市場に出回るかもしれず、そこらあたりの見極めが難し
   いから、在庫僅少品を中心に半分程度を残すことになるだろう。
   

[#05] ネット通販統計集3(予告編)

   1月以来の扱い件数が9月13日に、早くも200件を突破した。
   100件突破時点で作成した「統計集2」では、200件到達を
   早くても9月下旬と予測していたから10日以上早かった。忙し
   いので「資料集3」の作成はいつになるかわからないが、一件平
   均の売り上げ額は6977円、平均売り上げ冊数は3.77冊。
   ジャンル別のトップは人智学関係で57.5件、2位が漫画関係
   で42件、3位が消えた出版社関係で41件(うちペヨトル工房
   34件)。月別では、6月30件台、7月40件台、8月50件
   台と右肩上がりだが、9月は16日現在21件だから、やや伸び
   悩んでいる。

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●受贈本御礼広告

 ★「経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか」
    ダグラス・ラミス 平凡社 1300円 9月25日刊行
    
    ※オンデマンドによる事前見本というのをもらったのは
     初めてだ。USAでは書評用や仕入れ用に半年ほど前
     から見本を配布することが多いらしいが、日本でも、
     いずれ買い切りになれば、必ずこういうものが必要に
     なるだろう。
     中身についてはまだ読んでません。すみません

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●受贈本御礼広告

 ★「蒐集する猿」坂崎重盛 同朋舎 2200円

    ※ちかごろはやりの古本趣味系の本の一種。
     とても風流な本で有用なことは一切出てこない。
     小田光雄さんの予想通りに出版業界が崩壊して、1年
     くらい開店休業状態になれば、こういう本を読んでの
     んびり過ごしたいと思う。
     
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●受贈本御礼広告

 ★「現代短歌大辞典」河野裕子ほか著 三省堂 6800円
 
    ※少し前に宣伝用にもらったから、HPに画像を張り付
     けて広告しようと思ったのだが、いまだにその技術が
     ないのでほったらかしになっている。
     少し前に出た岩波書店の「岩波現代短歌辞典」とどち
     らがいいかとよく聞かれるが、短歌は詠まず読まずな
     ので正直なところまったくわからない。相手にもよる
     が「両方買えば3倍役に立つのでは」と、調子のいい
     ことを言ってごまかすことにしている。
     
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●受贈本御礼広告(出版業界関連本) 
  お詫び:↓この号に感想を載せると予告しましたがまた延期です

 ☆「徹底活用『オンライン読書』の挑戦」 晶文社 1800円
 ☆「デジタル時代の出版メディア」湯浅俊彦 ポット出版 1800円
 ☆「出版クラッシュ!?」安藤哲也・小田光雄・永江朗 編書房 1500円

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三月書房販売速報[039]  
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2000/10/10[02-13-39]  (c)SISIDO,Tatuo      

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 39号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#00] なぜか9月は本が売れない

   毎年のことながら、なぜか9月は年間で一番本が売れない月だ。
   世間では二八とよくいうが、うちの場合は、少なくとも90年代
   のデータで見る限り、9月が最低で11月がその次に悪い。年間
   を通して見ると、12月から5月が表で、6月から11月が裏と
   いう感じだ。理由は不明だが他店はどうなのだろう。それでも今
   年の9月は、ここ数年に比べると少しだけましだった。


[#01] 最近売れてるような気がする本

 ◆「家」河野裕子 短歌研究社
 ◆「音沙汰 一の糸」杉本秀太郎 朝日新聞社
 ◆「希望」小島ゆかり 雁書館
 ◆「三文役者の無責任放言録」殿山泰司 筑摩文庫

[#02] これから売れそうな気がする本

 ◆「近代国家と家族モデル」西川祐子 吉川弘文館
 ◆「思想読本 ヘーゲル」長谷川宏、吉本隆明ほか
 ◆「ことばの朝風」岡井隆 中日新聞社
 ◆「人権を疑え!」宮崎哲也編著 洋泉社 


[#03] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その12)

   河原町蛸薬師西南角のサワヤ書房さんが9月末で閉店されたよう
   だ。知り合いの書店からうわさを聞いて見に行ったら、日曜の夕
   方にもかかわらずシャッターが閉まっていて、臨時休業などの張
   り紙もなかったから、何か異変があったことは間違いない。
   
   「三月書房販売情報(仮)08号」(1993/10)掲載の「京都書店地図
   (テスト版)」には「ほとんど昔のままのスタイルの新刊書店で、
   昭和30年代の”サザエさん”に出てきそうな雰囲気がいい」と
   書いたが、その後、きれいに改装されて明るい店になっていた。
   つきあいがないので詳しいことは知らないが、70代と30代の
   親子が経営されていて、京都一商売が楽そうな立地に、50年以
   上も前から続く路面店だったから、突然の閉店は意外だった。あ
   の場所であの十坪位の広さなら、従業員は不要だし、雑誌と新刊
   と観光ガイドなどの実用書だけでも、十分な売り上げがあったは
   ずである。大型店で多種類の雑誌を眺めるのもいいが、超繁華な
   交差点の角にあって、信号待ちの間にでも買えてしまうキオスク
   並の便利さは、出版不況とは一番縁が遠いように見えたのに、ど
   うされたのだろう。土地建物が自前なのか、借物なのかがわから
   ないが、もしすべて自前だったとしたら、ビルに立て替えたわけ
   でもないから、失敗する理由がわからない。だから、ひょっとし
   たら書店業界に見切りをつけて、もっと儲かる商売に転向された
   というような、けっこうな話なのかもしれない。
   
   それにしても、河原町通りの西側で蛸薬師〜四条にあった新刊書
   店は、京都書院河原町店、ミレー書房、オーム社河原町店(後継
   のオーパ店も)と消え、そしてついにサワヤ書房の廃業で、ゼロ
   になってしまった。後は東側に丸善と河原書房が残るのみである。
   

[#04] ペヨトル工房のメルマガ

      a u r e v o i r !
   P E Y O T L
   001
    ◆
   Yuichi Konno

   上の5行がヘッドの部分ですが、字を並べただけのタイトルです
   ら、何となくおしゃれでかっこいいように見えるのは、気のせい
   でしょうか。今月1日の創刊で、増刊2号をはさんで、8日には
   早くも002が出ましたから、なかなかのハイペースです。この002
   には在庫の現状と断裁予定が詳しく書いてあり、また過去の順調
   だった頃の採算等も詳しいので、業界関係者には必読でしょう。
   購読は「まぐまぐ」からが便利です。くわしくはペヨトル工房の
   HPを参照してください
   http://www.tctv.ne.jp/members/peyotl/index.html
   
   それから、ペヨトル関係のメーリング・リストが9月から始まっ
   ています。MLは億劫なので手を出さないようにしているのです
   が、ペヨトル工房の本で儲けさせていただいているので、やはり
   顔を出しておいたほうがいいだろうと思い登録してみました。い
   まのところ儀礼的な挨拶が中心で、議論が沸騰して毎日何10通
   もメールが来るというような状況では、まったくありません。無
   口なメンバーが多く、主宰者の黒木さんによる、レスの付け方教
   室を見学させていただいているような感じで、ML初心者にはな
   かなか勉強になります。
   参加の申し込みは下記からできます。もっと盛り上がる前に参加
   しておかれるほうが、なじみやすいでしょう。
    http://www.egroups.co.jp/group/peyotl/


[#05] 新潮社Oh!文庫

   うちには1冊も配本されなかったが、OH!文庫というのが、創
   刊されて一挙に50冊も出たようだ。文学中心の従来の文庫とは
   違って、サブカルチャーっぽいのがほとんどだが、うちの店に仕
   入れたいものがないわけではない。
   たとえば、元・ぶんか社「女子の生きざま」、元・晶文社「漫画
   の時間」、元・太田出版「オタク学入門」、元・洋泉社「『森を
   守れ』が森を殺す」、元・飛鳥新社「裏本時代」、元・洋泉社
   「禁煙の愉しみ」などだが、これらはいまでも元版の在庫があっ
   たり、ごく最近まで在庫があったりした本だ。これらの本を文庫
   にすることに反対する気はないが、1年間くらいは絶版にせず、
   少しは重版もしてもらいたい。
   
   ちかごろの文庫本は、出しっぱなしで、重版する気がまったくな
   いという傾向が圧倒的である。とくに、絶版が早いのが宝島文庫
   で、新刊配本と同時に絶版同様になってしまう。追加注文がほば
   完全に無視されるのは、返品を改装して注文に応じて出荷するよ
   りも、返品はすべて処分してしまうほうが効率がいいからなのだ
   ろう。宝島社では、A5版当時は超ロングセラーがごろごろあっ
   た別冊宝島をB5版にし、補充スリップも挟まなくなったころか
   ら、ほとんどすべての出版物がそういう方針になりつつあるよう
   だ。こんな出版社が増えると、うちのように世間が返品し始めて
   からが本番という店は、まったくどうしようもなくなってしまう。


[#05]よそのメルマガ 勝手に宣伝 『カルチャー・レヴュー』

●○●--------------------------------------------------●○●
 (創刊1998/10/01)           (発行部数約1250部)

 『カルチャー・レヴュー』13号(2000/10/01発行)
   刊行二周年記念号<本の周辺>★その1★

  発行所:るな工房/Chat noir Cafe′発行人:山本繁樹
      [14号は、2000/12/01頃発行予定です]
●○●--------------------------------------------------●○●

   このメルマガはたいへん立派な内容なのですが、隔月刊という、
   ネットの世界では年刊のようなペースで、忘れたころに出るのが
   欠点です。しかも1回分の量が多すぎて、容量超過のため2分割
   されて来たりするのも欠点です。これだけの質量があれば、分割
   して週刊にすればいいと思うのですが、どうも印刷物に未練があ
   るらしくて、<読み応え>とかいうものにこだわっておられます。
   それでも気になさらないかたは購読してみてください。

   なお、この号の「『本』の取り寄せ奮闘記」というヒントブック
   スさんの文章がたいへん面白かったので、ここだけ転載させても
   らおうかとおもいましたが、この部分だけですら、うちのメルマ
   ガよりも遙かに長いのでやめときます。

■申込・解除・変更は下記の(直送便は、るな工房まで)
 http://member.nifty.ne.jp/chatnoircafe/touroku.htmlまで

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三月書房販売速報[040]  
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2000/10/29[02-14-40]  (c)SISIDO,Tatuo      

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 040号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#00] クイック・ジャパン33号で

   うちの店とHPをほめてもらいました。「古本シビレ旅 オール
   関西のってけ篇 京都・下鴨神社納涼古本まつりの巻」の記事中、
   5センチ四方くらいの囲みに、ごま粒くらいの字で、「古本屋で
   はありませんが、一乗寺にある恵文社と寺町二条の三月書房は」
   と出てきます。発行部数はけた違いでも、「文藝春秋」より、こ
   の「QJ」のほうがインターネットとの相性がいいように思いま
   すから、よい宣伝になったことでしょう。
   
   それから京都新聞の「個人商店ネット販売に活路」というありき
   たりな記事にも紹介されましたが、うち程度のものが成功例のひ
   とつということは、世間ではどこもたいして商売にはなっていな
   いのでしょう。うちは、HPに関しては、直接経費がほとんどゼ
   ロなので、月に20万円くらいの売上げでも、いちおう成功して
   いると言えないことはないのですが、もちろんたいして自慢にな
   るような成績ではありません。ただ、通販はともかく、店の宣伝
   としては予想以上の成果をあげているようです。
   

[#01] 最近売れてるような気がする本

 ◆「資料・米沢時代の吉本隆明 1〜4」 斎藤清一
 
   米沢在住の吉本ファン制作による資料集で、高校時代の創作、学
   籍簿等の資料や写真、同級生の思い出話などのほか、現在の吉本
   氏に対するインタビューなどもあり、4冊で1800円は安いよ
   うで、売れ行きは上々です。5号以降も出るのかどうかはわかり
   ませんが、これとか猫々堂の資料集(現在7集まで)とか、ペヨ
   トル工房の本とか、まんだらけの「A遠」とか、今年は普通に流
   通していない本の仕入れと販売がたいへんに好調で、これが、出
   版業界全体の落ち込みから、うちの店をかなり救ってくれている
   ようです。

 ◆「<老い>の現在進行形」吉本隆明×三好春樹 春秋社
 
   今年は吉本氏の本が少し過剰な気がするが、それでも、安定して
   売れている。今年これまでに出た本は、どれも40冊を越えた。

 ◆「北園町九十三番地:天野忠さんのこと」山田稔 編集工房ノア
 
   著者も天野氏も地元の人だし、今後もまだまだ売れるだろう。い
   まのところ補充が追いついていないが、年内に20冊ほど行くの
   ではなかろうか。
   
 ◆「じゃがたら」陣野俊夫 河出書房
 ◆「別冊太陽 昔きものを楽しむ2」平凡社
 ◆「60年安保・三池闘争(シリーズ20世紀の記憶)」毎日新聞社


[#02] これから売れそうな気がする本

 ◆「小さなヴァイオリンが欲しくて」永井陽子 砂子屋書房
 ◆「人類のヴァイオリン」大滝和子 「砂子屋書房
 ◆「中井久夫選集:分裂病の回復と養生」 星和書店
 ◆「文庫本を狙え!」坪内祐三 晶文社
 ◆「天皇の戦争責任」加藤典洋・橋爪大三郎・竹田青嗣 径書房
 ◆「フォークに生きる(仮題)」三上寛 彩流社
 

[#03] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その13)

  ※お詫びと訂正
   
   前号に、河原町蛸薬師西南角のサワヤ書房の閉店に伴って、河原
   町通りの蛸薬師〜四条の西側にあった新刊書店は、すべて消えた
   と書きましたが、1軒残ってたのを忘れてました。
   河原町オーパの8階に、ヴィレッジヴァンガードが健在です。9
   階のタワー・レコードにはしょっちゅう行くのですが、いつもエ
   レベータで直行するので、ここはめったに覗きません。もともと
   雑貨のすきまに本も置いているという店ですが、先日見たところ
   では、昨春の開店当時よりも、さらに本が減ったような感じです。
   自動車やバイク関係の洋書などが目立ち、以前は多かったガロ系
   などの漫画は減少して、隅っこの方に追いやられていました。ほ
   とんど同業者とは思えないので、この店が順調なのかどうかは、
   まったく見当がつきません
   
   北大路高野川のホリディインの場所に、市内中心部ではたぶん初
   と思われる大型複合商業施設「リバーズ洛北」が11月末にオー
   プンするが、核店舗のショッピングセンター「カナート洛北」に
   は、イズミヤのほかHMV、ユニクロ、キディランドなど75店
   が入るらしい。書店としてはイズミヤが160坪の書籍売場を出
   すらしいが、なぜか「アヴァンティBC」の名を使うようだ。ア
   ヴァンティは、本来は京都駅八条口の、第3セクターの商業ビル
   の名称であり、テナントとして入ったイズミヤが、書籍売場の通
   称として使用していただけなのだから、他の場所で使用するのは
   変な感じなのだが、書店としてのブランドが確立してしまったか
   らだろう。このショッピングセンターは、旧市電外周線のぎりぎ
   り内側だが、現在はバス路線が少し通っているだけだから、ほと
   んどのお客がクルマで来ることになるだろう。したがって、駐車
   がスムーズだと繁盛するだろうが、かなり待たされるようだとだ
   めだろう。個人的には京都初のHMVに期待している。
   
   
[#04] 日販の関西サービスセンターについて

   10月オープンの関西サービスセンターに、去る11日と25日
   の2回行って来た。裏通りの倉庫に逼塞という、寂れた雰囲気は
   避けがたいが、どちらかといえば、景気が良かったころのNDC
   よりも、落ち着いていて居心地が良いような気がした。ただし、
   在庫はNDCに比べるとわずかなもので、新刊もほとんど見あた
   らなかった。まずまずあるのが雑誌類と文庫とコミックだが、3
   00坪に5万点という宣伝文句ほどには量がないように感じた。
   単行本は常備か長期のごく小規模の基本セットが100社ほどあっ
   たが、おそらく売りっぱなしで、ていねいな補充はしそうにない
   ような予感がする。それでも、京都支店店売もなくなったことだ
   し、うち向きの本はほとんど見あたらないとしても、月に2回く
   らいは、日販の空気を吸いに行くのも無駄ではないだろう。
   

[#05] 新本特価について

   うちもやっと新本特価コーナーを作った。ジュンク堂の梅田店が
   開業したとき見に行って、壁1面の特価コーナーが魅力的だった
   から、いずれはうちもと考えていたのだが、小沢書店の倒産もあ
   り、ぼちぼち始める時期のような気がした。まだ第1回の仕入れ
   をしてから間がないので、売れ行きについては何とも言えないが、
   けっこううち向きのよい本が、かなりきれいな状態で入ったので、
   わりとましな棚になりそうだ。今のところは棚1段分だが、いず
   れは1本分くらいにしたい。それにしても、これでまた一段と、
   店の雰囲気が古本屋に近づいたようだ。この件の詳細は、データ
   がまとまれば、「限定版:販売速報(仮題)」にて特集号を作成
   の予定です。


[#06] おまけ・いまどき景気のよい短歌

  ○辞典マニア一万人を超えるゆゑ一万人は必ずこの事典購ふ
  ○売上げの出足好調と社長言ひ部長が受けて数字を示す
   
   この河野裕子さんの短歌には、「三省堂現代短歌事典打ち上げ、
   於東京ドーム。……三省堂営業部長の言うには」という詞書きが
   あります。このあとには二次会の歌もあり、出版不況どこ吹く風
   ですが、「辞典マニア一万人」というのも、何しろ<辞書の三省
   堂>の部長がおっしゃることですから、きっと、たしかな根拠と
   実績があるのでしょう。(本阿弥書店「歌壇11月号」より)
   
 ★★「現代短歌大辞典」河野裕子ほか著 三省堂 6800円★★
 
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●ペヨトル工房ファン・サイト オープンのお知らせ
  http://www.thought.ne.jp/peyotl/
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