e-mail 版 三月書房販売速報(仮題)
旧号合冊 第5B冊[46号〜50号]
通巻041号 2000.11.29発行 通巻046号 2001.04.08発行
通巻042号 2000.12.31発行 通巻047号 2001.05.07発行
通巻043号 2001.01.26発行 通巻048号 2001.06.10発行
通巻044号 2001.02.09発行 通巻049号 2001.07.15発行 
通巻045号 2001.03.11発行 通巻050号 2001.09.09発行
※各号の最終版を一部修正して掲載しました
  ※非営利目的の転送は歓迎します
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三月書房販売速報[046]  
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2001/04/08[03-04-46]  (c)SISIDO,Tatuo      

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 046号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#00] 再販制度は予定通り、まだしばらくは継続することになった。た
   だし、もっと弾力的に運用するようにと注文をつけられたため、
   今後は自由価格本の流通が増えることになるのだろう。こういう
   結果になることは、ずっと前から聞かされていたので、すでに昨
   年末から自由価格本の扱いをはじめている。いまのところ、3尺
   棚換算で約5段分並べているが、売れ行きはなかなかよく、3月
   は80冊、11万円強売れた。まだ仕入れが下手なので、売れる
   とわかったときには追加が入らないということの繰り返しだが、
   もう少し早めに、まとめて仕入れられるようになれば、ネットで
   もコーナーを作って売るつもりだ。いまのところは、在庫を充実
   させることが先決だから、売れた本は2冊3冊と追加を仕入れる
   ようにしている。仕入れ値は安いし、回転もいいから資金の心配
   はないが、在庫がどんどん増えるので、置場不足が一番の問題だ。
   とはいえ、常時5000冊程掲載されている新本特価卸の目録か
   ら、うちの店に合う本を探して仕入れるのは、なかなか面白い仕
   事である。
   このあたりのもう少し詳しいことは、業界向けの「限定版:三月
   書房販売速報(仮題)」の次号に掲載予定です。この限定版は、よ
   くメールをくださる業界関係者の中から、気まぐれに選んで送信
   しています。
   情報はギブ・アンド・テイクが原則ということでよろしく。


[#01] 最近売れてるような気がする本

 ◆「約翰傳偽書」塚本邦雄 短歌研究社
 ◆「哲学の木 いのちの寓話」村瀬学 平凡社
 ◆「過ぎて行く歌」齋藤史 河出書房
 ◆「まなざしの記憶」植田正治・鷲田精一 TBSブリタニカ
 ◆「うろんな客」ゴーリー 河出書房
 ◆「いのちに根ざす日本のシュタイナー教育」 せせらぎ出版
 ◆「京都、オトナの修学旅行」赤瀬川・山下 淡交社
 ◆「おまた!猟盤日記」戸川昌士 太田出版
 ◆「十一谷義三郎 五篇」保昌正夫・編 EDI叢書
 

[#02] これから売れそうな気がする本

 ◆「スターを斬る!(文庫判)」竹中労 筑摩書房
 ◆「土方巽の方へ」種村季弘 河出書房
 ◆「思想する『からだ』」竹内敏晴 晶文社
 ◆「日本近代文学の名作」吉本隆明 毎日新聞社
 ◆「江古田文学:特集辻まこと」 江古田文学会
 ◆「一葉の井戸」米川千嘉子 雁書館

 ◆「夜想2マイナス:0号」ステュディオ・パラボリカ
   旧・ペヨトル工房の関係者が夜想の後継誌を出すことになった。
   この号は旧夜想で人気のあった、チェコのアニメ作家、シュバン
   マイエルの特集号なので売れるだろう。いまのところ、一部書店
   などでのスポット販売のみで一般流通はなしということだが、ゆ
   くゆくは定期刊行にして、地方小センター扱い程度にはなれるよ
   うに頑張ってほしい。


[#03] 最近ほんとうに売れた本 

 ●最近1年間の売上げTOP15(00/04〜01/03)
 
   1 吉本隆明資料集<01>         73冊 猫々堂
   2 家(河野裕子)            64冊 短歌研究社
   3 刑務所の中(花輪和一)        59冊 青林工藝舎
   4 風翩翻(齋藤史)           57冊 不識書院
   5 回思九十年(白川静)         49冊 平凡社
   6 超「20世紀論」上(吉本&田近)   50冊 アスキー
   7 資料・米沢時代の吉本隆明(4冊セット)49組 齋藤清一
   8 だいたいで、いいじゃない(吉本&大塚)48冊 文藝春秋
   9 <老い>の現在形(吉本&三好)    44冊 春秋社
   9 グーグーだって猫である(大島弓子)  44冊 角川書店
   11 写生の物語(吉本隆明)        43冊 講談社
   11 吉本隆明が語る戦後55年<1>    43冊 三交社
   13 夜想35[チェコの魔術的芸術]    40冊 ペヨトル
   14 ニッポン昔話(花輪和一)       38冊 小学館
   15 夜光(吉川宏志)           35冊 砂子屋書房

   前回は43号に掲載しましたがあまり変わりばえがしないようで
   す。うちなんかだと3ヶ月間隔でもこの程度だから、毎月だとさ
   らに変わりばえがしなくてもっとつまらないでしょう。
   「吉本資料」は12号まで、「吉本が語る」は3号まで、「超20
   世紀論」は下も出ていますが、すべて載せると単調になるので省
   略しました。
   なお、16位以下は「北園町九十三番地」「海・呼吸・古代形象」
   「幸福論(吉本隆明)」「中学生のための教科書:美への渇き」
   「夜想2」「A遠」と続きます。
   
   うちの店は、今年に入ってからも、なぜか妙に景気がよくて前年
   比1割以上も伸びているのですが、さすがに3月中旬ころからは、
   やや後退気味のような気がします。とにかくデフレですから、最
   終的には、通年で横這いが維持できれば充分でしょう。


[#04] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その18)

   ここ数年で、京都の書店業界は激変しましたが、現在の状況を、
   平凡社発表の2000年のスリップデータで見てみました。
   これは、各書店が同社に返送した売上げスリップを集計したもの
   なので、返送していない書店は出てきませんし、返送していても
   不定期な書店の順位はあてになりません。あくまでもひとつの参
   考としてごらんください。
   (※数字は前が京都順位で後が[全国順位])
   
   01[012]丸善京都
   02[014]ジュンク堂京都
   03[031]大垣書店本店
   04[057]アバンティBC
   05[059]京大生協 ルネ
   06[074]ふたば書房京都タワー店
   07[079]旭屋京都(※3月末開店)
   08[105]立命大生協 衣笠
   09[121]ブックファースト京都(※6月末開店)
   10[160]紀伊国屋京都
   11[200]同志社大今出川
   12[252]恵文社一乗寺
   13[347]三月書房
   14[382]ブックストア談京都
   15[440]葵書房
   16[443]ブックストア銀林
   17[449]祇園書房
   18[506]サワヤ書房(※9月末閉店)
   19[517]龍谷大生協 深草
   20[540]ブックストア銀林 桃山店

   うちの店の順位が良すぎますが、これはたまたま平凡社の本との
   相性がよいからで、これが角川書店や集英社のランキングだと、
   おそらく全国10000位以下のはずです。

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☆受贈御礼 勝手に広告☆

 超激震鼎談・出版に未来はあるか3
 
 「古本屋サバイバル」 小田光雄・河野高孝・田村和典著
 
              本体1700円 編書房
 
 <古本屋に未来はあるか?後継者はいない、客足は落ちこむ、
  おまけに新古本屋というライバルがあらわれた。
  どうすりゃいいんだこの先は…>
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三月書房販売速報[047]  
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2001/05/07[03-01-47]  (c)SISIDO,Tatuo      

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 047号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#01] 最近売れてるような気がする本

 ◆「江古田文学:特集辻まこと」 江古田文学会
 ◆「一葉の井戸」米川千嘉子 雁書館
 ◆「神秘学から見た宗教」高橋巌 風濤社
 ◆「シュバンクマイエル博物館」国書刊行会
 ◆「夏至」森岡貞香 砂子屋書房
 ◆「つげ義春を旅する」高野慎三 筑摩文庫

 ◆「日本近代文学の名作」吉本隆明 毎日新聞社
 ◆「米沢時代の吉本隆明 5」齋藤清一氏による自主刊行物
 ◆「吉本隆明が語る戦後55年 4」 三交社
 ◆「吉本隆明資料集 13」猫々堂
   あきらかに吉本本は出版過剰のような気がするが、あまり売れ行
   きは落ちていない。とくに「米沢時代5」はレア・アイテムなの
   で、ネットでもよく売れている

 ◆「夜想2マイナス:0号」ステュディオ・パラボリカ
   ペヨトル本のネット通販は、過去100件以上あり、重複を除い
   て80名ほどのアドレスが残っている。これはアマゾン・コムの
   ように自動的に分類されるわけではなくて、手動でアドレスを振
   り分けているだけだから、漏れている分も多いに違いない。その
   ペヨトル本お買いあげ客のアドレスに、夜想の復刊情報を流した
   ら、それだけで20冊近く売れた。もし、これがメールではなく
   て郵便だったら、手間がたいへんな上に経費もかかるから、ある
   程度の効果は予想できても手を出さないところだ。こういう時の
   eメールは本当に便利だと思う。
   
   
[#02] これから売れそうな気がする本

 ◆「悪人正機」吉本隆明/糸井重里 朝日出版社
 ◆「海的煌煌」鈴木翁二 青林工藝舎
 ◆「ちいさな子のいる場所」としくらえみ イザラ書房
 ◆「赤い百合」A.フランス(杉本秀太郎訳) 臨川書店
 ◆「犬の記憶」森山大道 河出文庫
 
 ◆「ペヨトル興亡史」今野裕一ほか 冬弓舎
   今のところ6月中旬に出る予定らしい。送料無料で予約受付を開
   始したがまだ1名しか申し込みがない。この本についての詳細は
   うちのHPを見てください。
   

[#03] ペヨトル工房解散一周年記念「売上げデータ集」

 ●00/05〜01/04の売上げ総計702冊(復刊夜想は含まず)

   5月  9冊 ※このころは店頭在庫を売っていただけ
   6月 33冊 ※06/20ごろから直接入荷し始めた
   7月 71冊
   8月 51冊
   9月 53冊
  10月 64冊
  11月 72冊 ※朝日新聞の夕刊文化面に紹介記事が出た
  12月 50冊
   1月 74冊
   2月 79冊
   3月 70冊
   4月 76冊 ※パラボリカより新「夜想」復刊
   
 ●単品売上げ冊数(※5冊以上の部)

   45冊 夜想35
   35冊 夜想02
   32冊 夜想34
   27冊 夜想05
   26冊 夜想33
   22冊 猫のムトンさま
   17冊 クラッシュ
   16冊 エステル、 夜想22
   15冊 若沖ポストカード、夜想25
   14冊 ラズール、異形の愛、魔楽、夜想15、夜想30
   12冊 夜想20
   11冊 おかま、リリカ、標本箱の少年、夜想11、
   10冊 ルサンブランス、Ur12
    9冊 路上日記、バロウズという名の男、華文字の死想、
      エルヴェ・ギベール写真書物、夜想23、夜想24
    8冊 おぼえていないときもある、ゲンスブール・ダブル・ノワール、
      ディープ歌謡、レーモン・ルーセル、悪徳、銀星倶楽部19
    7冊 ドキュメント・ヨーゼフ・ボイス、銀星倶楽部17、
      銀星倶楽部03、夜想18、夜想27
    6冊 Onna/Mlia、銀星倶楽部18、銀星倶楽部11、世紀末少年誌、
      精神寄生体
    5冊 dah-dah-sko-dah-dah、アホダラ帝国、銀星倶楽部04、
      銀星倶楽部15、形而上学者の日記、血のアラベスク、
      上海星屑、超オカルト、夜想29

   解散時の在庫7万冊とかいう話だったから、ちょうど1%保護で
   きたことになる。一年たっても売れ行きは一向に落ちないし、夜
   想復刊の話題もあるからまだしばらくは安泰だろう。昨年6月に
   うちが直で扱い始めたころは、解散した出版社の在庫商品が定価
   で売れるわけがないというのが、業界内での多数意見だったが、
   現在ではbk1など扱い店も増えて、少しは見直されているはず
   だ。ぼちぼち売れ筋本の品切れが目立ち始めたが、あと1年持ち
   こたえてくれれば、トーハンの返品期限が終了し、バーゲンもで
   きるから、そのときには現在人気薄のものももっと売れるだろう。
   
   
[#04] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その19)

   知っている範囲では、ちかごろ京都の書店業界は小康状態のよう
   で目立った開閉はないようだが、レコード店業界ではHMVが河
   原町ビブレ6階に5月25日オープン予定だ。これで、BALの
   ヴァージン、オーパのタワーと半径50メートルくらいのところ
   に3店がひしめくことになり、消費者としてはとてもうれしい。
   なお、これらはレコード店とはいうものの、音楽書や音楽雑誌類
   を揃えているから、専門書店の仲間といえないこともないだろう。
   
   創元社から「関西ブックマップ」というのが近日出るが、まだ実
   物を見ていないので役に立つかどうかはわからない。新刊屋や図
   書館ばかりでなく、古書店やブックオフなどの主な店も載ってい
   ればよいのだが、どうなのだろうか。
   
   編書房の「古本屋サバイバル」はたいへんに面白い本だが、中に
   こんな一節があった。話者は前全古書連広報部長の河野高孝氏。
   「面白い話は、ブックオフが京都にできたことを京都の古本屋の
   組合は歓迎しているんです(笑)。本当に歓迎しているの、あそこ
   は」というのですが、これはなかなかいい話で、新刊業界の八つ
   当たり的なブックオフ・バッシングとはえらい違いです。うちの
   店が新刊書店よりも古本屋のほうに親近感を感じてしまう理由の
   ひとつがこのあたりにあるのでしょう。

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●ペヨトル工房ファン・サイト http://www.thought.ne.jp/peyotl/
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三月書房販売速報[048]  
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2001/06/10[03-06-48]  (c)SISIDO,Tatuo      

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 048号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#00] 「関西ブックマップ 880円 創元社」が出ました

   これはたいへん<よい>本です。なんと言っても三月書房が「書
   店街マップ」ページと「専門書店ガイド」ページと「オンライン
   書店」ページの計3カ所にも載っていますから、文句なしです。
   「本がボール箱に入ったまま無造作におかれていて実におかしい」
   と書かれています。こんなことをほめられるとは、予想もしてい
   ませんでしたが、ご期待に応えて、一箱くらい増やしてみなくて
   はと思っています。

   うちのことはともかくとして、この本のよいところは、新刊屋と
   古本屋を同じマップで扱っているところです。どちらかといえば、
   古本屋のほうがていねいに扱われているような気もしますが、こ
   れは何らかの専門を持つ店が、古本屋のほうに多いからでしょう。
   あとはブックオフの所在地も掲載されていたらよかったのですが、
   見あたらないようです。
   詳しそうな図書館情報もありますが、これがどの程度役に立つの
   かはまだ調べてません。

   京都の新刊書店では、昨年末に閉店の海南堂書店と、今春閉店の
   ビッグボスが掲載されています。このあたりは、売れ行きがよけ
   ればいずれ改訂版で修正されるでしょう。
   

[#01] 最近売れてるような気がする本

 ◆「悪人正機」吉本隆明/糸井重里 朝日出版社
 ◆「中平卓馬の写真論」 トランスアート
 ◆「気まぐれ日記」内田魯庵 トランスアート
 ◆「歴史の読み方」岡田英弘 弓立社
 ◆「四月の魚」正岡豊 まろうど社
 ◆「岡本太郎が撮った『日本』」毎日新聞社
 ◆「大道寺将司句集 友へ」海曜社
 ◆「悲しみの世代」安部慎一 まんだらけ出版部
 ◆「日の興奮」安部慎一 ワイズ出版
 ◆「齋藤史(自選)歌集 増補改訂版」不識書院


[#02] これから売れそうな気がする本

 ◆「心とは何か〜心的現象論入門」吉本隆明 弓立社
 ◆「21世紀の子どもたちと向きあうために(仮題)」
           吉本隆明 二見書房
 ◆「川崎ゆきお全集6:恐怖人喰い猫」幻堂出版
 ◆「漁生のヒーローグラフティ'60S」鈴木漁生 幻堂出版


[#03] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その20)

   丸太町堀川角の星野書店が4月末頃閉店されました。40坪位で
   したが10年位前は学参などを中心に、地域密着の書店としてけっ
   こう好調らしいとのうわさでした。しかし、今となっては中途半
   端な規模になってしまったのでしょう。丸太町通では、烏丸角の
   アオキ書店(ビル全体をマクドに貸して、書店は西隣の元自転車
   置き場にて営業中)、府庁前の新月書店、堀川の星野書店、千本
   東の萬年堂と並んでいましたが、やはりテナントだったというこ
   とが、他の3店に比べて負担になったのではないでしょうか。他
   の3店が自前の物件であろうというのは、あくまでも想像ですが、
   星野書店がテナントだったのは間違いありません。

   銀林堂銀閣寺店も5月末ごろ閉店されました。同伏見店のほうは
   改装のため休業中となっているようです。何か取次とトラブルが
   あったらしく、伏見店では新たな取次を探しておられるところと
   いううわさです。伏見は今でこそ京都市内ですが、明治時代は別
   の市だったくらい遠いので、伏見店のことはぜんぜん知りません
   が、銀閣寺店はずっと繁盛していたようなので、突然の閉店は驚
   きでした。銀林堂は京都ローカルでは、かなり上位に位置する中
   堅書店だったと思うのですが、このクラスでもダメだとなると、
   もはや従業員を雇ってのテナント営業が成り立つのは、ジュンク
   堂や旭屋書店クラスの特大書店だけかもしれません。蛇足ながら
   三月書房はクラスこそさらに3段階ほど下ですが、いつも言って
   ますように、自前の土地建物に家族のみの営業ですから、まだ当
   分は大丈夫です。

   HMV京都河原町ビブレ店が5月25日にオープンしました。以
   前オーパ移転前にタワーレコードがあった場所ですが、タワーの
   時のように1フロワー全部ではなく、8割位しか占有してない中
   途半端な店です。何か強い分野があるのかもしれませんが、そう
   でなければ、ごく近くにもっと広いタワーもヴァージンも十字屋
   もあるので、わざわざ行くほどの店ではありません。新聞記事に
   よるとここの売り物は、600冊揃えた内外の音楽雑誌やファッ
   ション雑誌売場の中に、いすのある試聴コーナーがあって、座り
   読みしながら試聴できることらしいのですが、ようするに書籍雑
   誌の扱いはその程度のものでしかありません。

   京都の某方面の新刊書店が7、8店揃って返品詐欺にあったとか
   聞きました。何でもブックオフあたりで、某地図出版社の新品同
   様の元定価2〜3千円のを安く買って来て、それを新刊書店に昨
   日買ったのだけど家にあったのとダブったとか言って返し、お金
   をだまし取るという手口だそうです。バイト君がしっかりしてい
   た1店を除き、あとの店はレシートもなく、その書店の包み紙す
   らない返品をあっさりと受け取ってしまったらしい。大きな声で
   は言えませんが、<被害>書店は当然のことながら取次に返品し
   たと想像されます。その結果、損害は業界3者で仲良く負担しあっ
   たということになったのでしょう。このあたりにも、再販制度と
   委託制度の安易な運用の弊害が現れているといえます。なお、う
   ちは、その手の地図を置いていないので、この詐欺に関しては引っ
   かかるおそれはほぼ皆無です。
   
   
[#04] 「三月書房 販売情報(仮題)第58号」発行のお知らせ

   58号は5月31日付で発行しました。今年は年4回発行の予定
   でしたが、どうやら3回しか出せないようです。
   
   この号の内容は下記の通り。
   
   ●たいへんよく売れた本・最近1年間のTOP20 (00/5〜01/4)
    1 家(河野裕子)            67冊 短歌研究社
    2 刑務所の中(花輪和一)        61冊 青林工藝舎
    3 風翩翻(齋藤史)           59冊 不識書院
    4 吉本隆明資料集<02>         55冊 猫々堂
    5 回思九十年(白川静)         52冊 平凡社
     (以下略)
   
   ●かなりよく売れた本 (略)

   ●現代短歌本の売上
     出版社別売上げTOP10<2000年>
      1 砂子屋書店 267冊 前年比53%増
      2 短歌新聞社 188冊    38%増
      3 雁書館   137冊    26%増
       (以下略)
     昨年は短歌本の売れ行きが、全体に大幅に増加した。とくに
     秋から年末にかけて、強力歌集が目白押しだったので、今年
     の前半もさらに好調である。ただ問題なのは、弾切れになっ
     てしまって、今年の下期が不作にならないかということだけ
     である。

   ●インターネット通販について (略)

   お断り:いつもお伝えしていますように、この情報紙は返信用封
       筒をお送りいただいた出版社様に限り配布しています。
       書店関係者は、出版社の営業さんからコピーをもらって
       ください。

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■■勝手に宣伝■■   

 「ペヨトル興亡史」ペヨトル工房解散日記:今野裕一 ほか 

  ※出版社の正しいつぶし方がわかる本
  ※赤字出版関係者必読

   ◎少し遅れてます。7月上旬刊行予定らしいです。
   ○詳しいことは三月書房のHPをごらんください

      予価2000円 冬弓舎(地方小センター扱い)
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三月書房販売速報[049]  
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2001/07/15[03-07-49]  (c)SISIDO,Tatuo      

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 049号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#00] 今年も半年過ぎましたが、うちはおかげでそこそこ順調でした。
   ネット通販は1年を過ぎて、伸びは完全に鈍っていますが、もと
   もとまったくあてにしてなかった手抜きサイトが、売上の1割近
   くを稼ぐようになったのですからわからないものです。
   それから、昨年末から始めた新本特価の扱いも、半年を過ぎたこ
   ろからかなり調子が出てきました。とくに小沢書店の本の売上げ
   が好調です。新本特価では、小沢書店の他もリブロポートとか博
   品社などの「消えた出版社」の本がやはり人気ですが、再販制の
   「弾力的運用」の影響かどうか、以前はゾッキを出さなかったよ
   うな<健在>出版社も次々と<良書>の放出を始めていますから、
   まだまだ入荷が増えそうです。小沢とリブロの本は、HPの「消
   えた出版社」のページにてリストアップしていますが、ぼちぼち
   他社の在庫も充実してきたので、<消えてない出版社>の特価本
   も一緒にした「新本特価のページ」を近日オープンする予定です。


[#01] 最近売れてるような気がする本

 ◆「心とは何か〜心的現象論入門」吉本隆明 弓立社 
 ◆「ぼくの伯父さんの喫茶店学入門」沼田元氣ほか B.I.A
 ◆「ドルチェ」吉増剛造ほか 岩波書店
 ◆「吉本隆明が語る戦後55年<5>」三元社
 ◆「関西ブックマップ」
 ◆「手紙魔まみ、夏の引っ越し」穂村弘 小学館
 ◆「死の準備」吉本隆明ほか 洋泉社
 ◆「つげ義春の魅力」歴史と文学の会編 勉誠出版
 
 
[#02] これから売れそうな気がする本

 ◆「剥きだしの野の花」吉増剛造 岩波書店
 ◆「歌集 椿夜」江戸雪 砂子屋書房
 ◆「電気菩薩」根本敬 径書房
 ◆「幸福へのパスポート」山田稔 編集工房ノア
 
  初版100万部とかいう「ハリー・ポッター」も売れないわけでは
  ないですが、せいぜい5冊くらいのものでしょう。こういう、どこ
  でも山積みの本になると、単なる10坪書店としての地力が出てし
  まいます。ようするに「現代用語の基礎知識」が毎年数冊しか売れ
  ないのと同じことで、最寄り商品は近所の人にしか売れないからで
  す。こういう傾向は今に始まったことではなく、1950年の開店
  時から変わりません。それゆえに、他店ではあまり扱っていないよ
  うな本を多く揃えるようにして、遠方からも来てもらえるようにし
  続けてきたことが、閉店しないですんでいる唯一の理由です。この
  遠方から来てもらえる、ということの極限形態がネット書店であり、
  うちが妙にネットと相性がよかったのは、もともと地べたでしてい
  たことをさらに徹底すればいいだけだったからです。このあたりの
  ことは、まもなく発売の「ペヨトル興亡記」に少し書かせてもらい
  ましたので読んでみてください。


[#03] 最近ほんとうに売れた本 

 ●最近1年間の売上げTOP15(00/07〜01/06)
 
   1 家(河野裕子)            71冊 短歌研究社
   2 刑務所の中(花輪和一)        63冊 青林工藝舎
   2 風翩翻(齋藤史)           63冊 不識書院
   4 だいたいで、いいじゃない(吉本&大塚)50冊 文藝春秋
   5 幸福論(吉本隆明)         48冊 青春出版社
   6 グーグーだって猫である(大島弓子)  47冊 角川書店
   6 吉本隆明が語る戦後55年<1>    47冊 三交社
   8 <老い>の現在形(吉本&三好)    46冊 春秋社
   9 *****             45冊 *****
   10 夜想35[チェコの魔術的芸術]    44冊 ペヨトル工房
   11 ニッポン昔話(花輪和一)       43冊 小学館
   12 日本近代文学の名作(吉本隆明)   42冊 毎日新聞社
   13 資料・米沢時代の吉本隆明<5>    40冊 齋藤清一
   14 吉本隆明資料集<03>         39冊 猫々堂
   15 写生の物語(吉本隆明)        38冊 講談社
   15 夜想トゥマイナス 0号       38冊 パラボリカ
   15 夜想02[ベルメール]        38冊 ペヨトル
   15 北園町九十三番地(山田稔)     38冊 編集工房ノア

  このリストは上記の1年間に売れた冊数です。したがって、それ以
  前に発行された本の累計はもっと多くなります。
  
  あいかわらず吉本本が多く、単行本のほかにも、ほぼ月刊ペースの猫
  々堂の「資料集」や、ほぼ隔月刊の「戦後55年」があるわけですか
  ら、買うのも読むのもたいへんだと思うのですが、一向に売れ行きが
  落ちません。吉本本の販売に関しては、うちは昔も今も同じ扱いです
  が、どうも世間の他の大書店での扱いが、以前より縮小気味に思えま
  す。元駸々堂京宝店などでも、10年程前は新刊が出ると3カ所くら
  いに平積みされていたような記憶あるのですが、近年は1カ所だけに
  なっていたようです。おそらく大書店では、POSデータ的には売れ
  行きが減少気味なのでしょう。だから自動的に扱いが小さくなり、以
  前と変わらないうちの扱いが、相対的に大きくなっている結果、うち
  では少なくとも横這い程度の売上げが維持できているということでは
  ないでしょうか。
  
  「*****」は消えた某出版社の本ですが、地べたよりもネットで
  圧倒的な人気があり、買えた人はみんなとても喜んでくれますが、そ
  の某社の希望により、ここではこれ以上公表できません。あしからず。

  「夜想トゥマイナス 0号」は予想以上によく売れてます。五千部制
  作したそうですが、すでに版元に在庫がなく、返品待ちと聞きました。
  実売も四千部は固いのではないでしょうか。それにしても、地方小セ
  ンターすら利用しない直販で、これだけ売れればたいしたものです。
  内容がよくてターゲットがしっかりしていれば、取次抜きでも、大都
  市の大型書店とネットだけで出版が成り立つということかもしれませ
  ん。次号の内容と売れ行きに、大いに注目すべきでしょう。

  
[#04] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その21)

   銀林堂伏見店も結局閉店されました。それなりに繁盛していたらし
   いので、取次も交替書店を探したようですが、希望者がなかったよ
   うです。それから、オーム社書店も、昨春の河原町オーパ店撤収に
   続いて、この6月末に、残っていた白梅町店など全店を閉鎖して、
   書店部門から完全撤退されたようです。
   
   京都市内で書店の閉鎖が加速していますが、先日の朝日新聞の社説
   に「ほんやが危ない」と書かれたくらいですから、全国どこでも同
   じような状況なのでしょう。今思えば、昨春駸々堂が崩壊して30
   店弱が閉店したとき、代替書店がけっこう素早く決まり、数店を残
   しただけで再開できたのは、まだ書店バブルの余波が残存していた
   からでしょう。今ならせいぜい7割くらいしか、再開できなかった
   のではないでしょうか。駸々堂のように代替店が見つかったときは、
   在庫商品もとりあえずは引き継がれたので、ただちに返品が大発生
   することはなかったはずですが、最近のように代替店なしの閉店が
   増加すると、たちまち返品が出版社に逆流していることでしょう。
   いよいよ大崩壊間近なのか、まだまだ先送り可能なのか、あるいは
   奇跡的に自然治癒するのか、ちょっと待ちくたびれてきたような気
   がしないでもありません。

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三月書房販売速報[050]  
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2001/09/09[03-08-50]  (c)SISIDO,Tatuo      

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 050号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#--] 暑かったのと、たいしたニュースがなかったのとで、8月は休ん
   でしまいました。いつどこがつぶれても不思議がない状況ですか
   ら、三月書房もやっとつぶれたのかと思った人もおられたことで
   しょう。なにしろ出版業界は、ちょっと顔を出さないと、死んだ
   ことにされてしまう、老人クラブみたいな状況ですから。しかし、
   うちはいまのところけっこう好調で、7月こそ酷暑のせいで大き
   く落ち込みましたが、1月から8月まででは、前年比数%の増加
   となっています。この調子が年末まで続けば、2年連続のアップ
   ですが、世間の景気はさらに悪化が確実なので、通年では横這い
   程度でも上等でしょう。と、こういう風にちょっと露骨に自慢し
   ておくのも、信用確保のためには必要なことかもしれません。
   

[#00] 新聞の書評欄の効果が薄くなったといわれて久しいですが、朝日
   の斎藤美奈子センセだけは絶好調です。最近は「『いのち』の近
   代史(かもがわ出版)」、「屠場文化(創土社)」、そして「文
   学部をめぐる病(松籟社)」と、いずれも載ったとたんに、3冊
   から5冊も売れました。「『いのち』の近代史」なんかは、75
   00円もする専門書であり、いくらハンセン氏病の本が当時は旬
   だったとはいえ、書評1本でこれだけ動くというのは、ちかごろ
   覚えのない快挙です。とはいえ、朝日に限らず、他の人の書評に
   はほとんど目立った影響が感じられませんから、まことに特異な
   現象といえるでしょう。
   
   新聞の書評欄は、一般読者にほとんど効果がなくなってしまった
   としても、書店向けの営業ツールとしては、まだまだ有用な感じ
   です。うちも書評を読んであわてて仕入れることが少なくありま
   せん。それに、書評そのものは、ほとんど効果がなくなったとし
   ても、下段の書籍広告のほうは、まだしも効果が残っているよう
   な気がしますから、書評欄はまだまだ、業界的にはなくならない
   ほうがいいと思います。
   
   そういえば影響力が無くなったのは、新聞書評以上に芥川賞と直
   木賞でしょう。前回の堀江敏幸さんなどは、受賞する前のほうが
   よっぽどよく売れてました。今回などはいまだ名前も覚えられま
   せん。まあこれはうちの店だけの現象かもしれませんが。
   

[#01] 最近売れてるような気がする本

 ◆「iichiko 2001夏 小林秀雄特集号」吉本隆明他 新曜社
 ◆「歌集 椿夜」江戸雪 砂子屋書房
 ◆「別冊太陽:古唐津」 平凡社
 ◆「赤い百合」A.フランス著・杉本秀太郎訳 臨川書店
 ◆「京の町屋めぐり」蔵田・柴田 淡交社
 ◆「昭和短歌の再検討」永田和宏・小池光ほか 砂子屋書房
 ◆「荒神」永田和宏 砂子屋書房
 ◆「栞と紙魚子 夜の魚」諸星大二郎 朝日ソノラマ
 ◆「シュタイナー自伝 1,2」 ぱる出版

 ◆「歌集:歩く」河野裕子 青磁社(地方小センター扱い)
   新しい短歌専門出版社の最初の本。この人の歌集はどれもうちで
   は大量に売れるが、歌集としては珍しく、世間でもけっこう売れ
   るらしくて、HPを見た他の書店からも連絡先の問い合わせをい
   くつも受けた。こんなことはちょっと珍しい。
   
 ◆「ペヨトル興亡史」 今野裕一他著 冬弓舎
   うちでは20冊を越えましたし、世間でもいちおう順調に売れて
   るようです。しかし、まだ初版5000部の半分程度売れたあた
   りではないでしょうか?実は、この本には小生の作文も7頁分載っ
   ています。これだけで充分店の宣伝にもなるし、印税など貰える
   とは考えてもいなかったのですが、頁割で払ってくれるのだそう
   で、ちょっと欲を出して計算してみたところ、100万部売れた
   ら500万円位いただけるようです。冗談はともかく、朝日に斎
   藤美奈子さんの書評が載れば1万部くらいは売れるでしょう、た
   ぶん。
   
   この本の出版の目的の一つであった、ペヨトル在庫本の保護活動
   も、この本の出版以後、ペヨトル本の売上げが急速によくなって
   来たので成功しつつあるようです。ちなみに、うちでは8月期に
   100冊以上のペヨトル本が売れましたが、これは解散セールを
   始めて以来の最高記録でした。この保護活動は、解散以来、主と
   してネット上で行われていましたが、やはりまだネットに手を出
   しておられない人がたくさんおられたようです。その意味でも、
   この本の書評や紹介が、各種紙メディアに掲載されることを期待
   しています。
   
   
[#02] これから売れそうな気がする本

 ◆「いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか」シュタイナー
   ※文庫化 10月刊 筑摩書房
 ◆「品定め」杉本秀太郎 展望社 ※9月刊?
 ◆「丸尾地獄」丸尾末広 青林堂 ※9月刊
 ◆「2minus(トゥマイナス)1号:特集・飴屋法水」 
    ステュディオ・パラボリカ ※9月末刊
 ◆「辻まことの思い出」宇佐美英治 みすず書房 ※9月刊
 ◆「別冊太陽:実物大そば猪口事典」 平凡社 ※9月刊
 ◆「須賀敦子のヴェネツィア」大竹昭子 河出書房新社 

 ◆「神々の不幸」エリュアール&エルンスト ペヨトル工房
   1982年初版のデッドストックを仕入れることができた。
   ペヨトル工房解散セール、最後の目玉商品である。

 ◆「今に生きる親鸞」吉本隆明 講談社(新書) ※9月下旬刊
 ◆「共振する個人、社会、国家」吉本隆明 光芒社 ※9月刊?
 ◆「老いの流儀」吉本隆明 NHK出版 ※10月刊?
   あいかわらず吉本本のラッシュが続く。この他にも定期的刊行物
   が2種あり、文庫化や再刊本もあり、その上に弓立社の講演CD
   が膨大なシリーズとして始まります。こんなに出しても大丈夫な
   のかと思いますが、いままでのところはどの本も、けっこう順調
   に売れていて、CDセットの予約状況すら予想以上の手応えです
   から不思議な感じです。


[#03] 新本特価(自由価格本)コーナー開設のお知らせ

   HPに「新本特価(自由価格本)コーナー」を仮オープンしまし
   た。昨年末から始めた地べたでの新本特価販売は、今年になって
   から小沢書店物が大量に入荷しだしたこともあって、完全に軌道
   に乗ったようです。現在棚9段分くらいの量ですが、これは全体
   の5%くらいの量になります。売上げも8月には200冊近くに
   なりましたが、この内小沢書店物はおよそ半分位を占めています。
   ネットでも、小沢の本は以前から、リブロポートやペヨトルなど
   と一緒に「最近消えた出版社」のページにリンクがありましたが、
   「新本特価コーナー」をこしらえてからは、そちらにもリンクを
   張りました。小沢やリブロ以外の特価本としては、やはり博品社
   や六興出版などつぶれた出版社がメインですが、大昔からゾッキ
   の常連だったM新聞社やC積舎の本、そして、再販制の弾力的運
   用ということで放出を始めたらしい、S潮社やC摩書房やA新聞
   社の本などに、うちの店向きの本が多いようです。ネットにはそ
   れらのうち、在庫が数冊あって安定した売れ行きのものを中心に
   掲載しています。何といってもデフレ経済にはぴったりの商品で
   すし、当分は出版社からの放出が増えることはあっても、減るこ
   とはなさそうですから、さらに在庫を充実させることは可能だと
   考えています。
   
   
[#04] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その22)

   銀林堂銀閣寺店はとりあえず古本屋?として営業を再開されたとの
   噂です。直接見たわけではないので何ともいえませんが、まだ本格
   的なものではないようで、廃業時に残った岩波文庫などが並んでい
   る程度だそうですが、スタンド系の取次から新刊雑誌なども入れて
   おられるようです。しかし、ここ数年の廃業ラッシュで廃業書店に
   売れ残った岩波本はかなりの冊数になるでしょう。廃業してないう
   ちの店にも、半端になった岩波文庫などのショタレは、けっこうた
   くさんあります。このように、全国の書店が延べにすれば、莫大な
   <寄付>をしているのに、ちかごろ、なぜか岩波書店の経営危機説
   を雑誌等でよく見かけます。最近は資金繰りが苦しいのか、毎月の
   新刊点数は増加の一方で、それも古書価を無視したような復刊本を
   大量に出しています。しかし、もはや、書店業界には<寄付>を続
   ける体力がないので、あの高正味買切を何とかしない限り、ちょっ
   とまずいことになる可能性が小さくはないでしょう。
   

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■■勝手に宣伝■■ (いわゆる)絶賛発売中!! 
http://www.thought.ne.jp/html/adv/peyotl/index.html
 「ペヨトル興亡史」ペヨトル工房解散日記 今野裕一ほか著 
   2000円 冬弓舎<地方小センター扱い>
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