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版 三月書房販売速報(仮題) 旧号合冊 第5A冊[41号〜45号] |
通巻041号 | 2000.11.29発行 | 通巻046号 | 2001.04.08発行 |
通巻042号 | 2000.12.31発行 | 通巻047号 | 2001.05.07発行 |
通巻043号 | 2001.01.26発行 | 通巻048号 | 2001.06.10発行 |
通巻044号 | 2001.02.09発行 | 通巻049号 | 2001.07.15発行 |
通巻045号 | 2001.03.11発行 | 通巻050号 | 2001.09.09発行 |
※各号の最終版を一部修正して掲載しました ※非営利目的の転送は歓迎します |
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三月書房販売速報[041] &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 2000/11/29[02-15-41] (c)SISIDO,Tatuo e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 041号 ※いちおう出版業界向けに制作してます※ &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& [#00] 朝日新聞夕刊にペヨトル工房の記事が載りました 11月9日の夕刊文化面「単眼複眼」に、「解散後も元気『ペヨト ル工房』の出版物 ネット使い読者らが支援」という記事が載りま した。うちの店の名前も出ているので、おかげで一週間ほどは、ネッ トでも地べたでも、目立ってペヨトル本の売上げが増えました。 なお、記事中に「七万冊の在庫の一部を、京都の『三月書房』や、 静岡の『あべの古書店』などがそれぞれ数千冊づつ、委託販売分と して引き受けた」とありますが、数千部も置いておく場所は残念な がらありません。現在、うちでは売上げが300冊強で、在庫が5 00冊くらいですが、店には置く場所がないので、徒歩十分の実家 に5箱程預けてあります。あべの古書店さんは、さすがに立派な倉 庫をお持ちのようで、みかん箱詰を1立方米分引き受けられたそう ですが、それでも、とても数千冊はないとのことでした。 それにしても、新刊屋の在庫置き場の貧弱なことは、うちに限らず、 大型店でも同じのようです。とくに最近は、余分な在庫を抱えない のが正しい経営法とされていますし、また、現在の正味体系では、 その余裕もありません。しかし、今後は再販制が崩壊せずとも、新 本特価セールなどが増加することが予想されますから、在庫倉庫が あるかないかで、徐々に差がつくことになるでしょう。それに、ち かごろは重版率が目に見えて下がっていますから、必ず売れそうな 本は、従来よりも多い目に在庫する必要もあるでしょう。そして、 万一再販制が崩壊すれば、古書店との境がほとんどなくなり、専門 書類は、新刊屋に比べると巨大な倉庫を持っている古書店に、かな り食われることになるでしょう。 [#01] 最近売れてるような気がする本 ◆「小さなヴァイオリンが欲しくて」永井陽子 砂子屋書房 ◆「人類のヴァイオリン」大滝和子 砂子屋書房 ◆「中井久夫選集:分裂病の回復と養生」 星和書店 ◆「プロレタリア文学はものすごい」荒俣宏 平凡社 ◆「親だからできる赤ちゃんからのシュタイナー教育」学陽書房 ◆「神遊び」杉本秀太郎 展望社 ◆「シュタイナーに<看護>を学ぶ」大住祐子 春秋社 ◆「シュタイナー入門」小杉英了 筑摩新書 ◆「真贋」小林秀雄 文化出版局 ◆「春夏秋冬帖」加藤静允 湯川書房 [#02] これから売れそうな気がする本 ◆「平坦な戦場でぼくらが生き延びること」椹木野衣 筑摩書房 岡崎京子論。岡崎京子さんの本はどんどん品切れになりつつあるが、 この本がきっかけとなって、また重版されるといいと思う。 ◆「歌集『風翩翻』」斎藤史 不識書院 2月予定だったのが遅れていたが、ついに12月に出るらしい。 「秋天瑠璃」以来久々の歌集だから、大量に売れるだろう。 ◆「吉本隆明が語る戦後55年」全12巻 三交社 「月刊吉本隆明」として予告されていたのが、半年ほど遅れてやっ と出ることになった。全巻予約もすでに20名近くあり、あとは無 事に毎月出てくれるのを期待するだけだ。ただし、これには、@2 000円で合計24000円のところを、20000円に割り引く 一時払い特価というめんどうな制度がある。もちろん、一時払いか 各巻払いかを選択するのはお客だが、うちとしては、現在の出版業 界の情況から考えると、いささかリスクがあるので、毎回払いをお 奨めしている。リスクとは、いうまでもないが、出版社が潰れる、 取次が潰れる、書店が潰れる可能性である。今月無事に完結した、 平凡社の「白川静全集」では、取次の柳原や、駸々堂その他の書店 倒産で、一瞬、肝を冷やされた読者や書店もあったはずだ。その上、 大事にはならなかったからよかったものの、平凡社そのもののリス トラすらあった。うちはほぼ絶対潰れないし、三交社もよくは知ら ないが大丈夫だとしても、出版業界全体が崩壊する可能性が、これ からの一年は皆無とはいえないから、やはり毎回払いが安心だろう。 [#03] 「三月書房 販売速報(仮題)56号」発行のお知らせ 56号も1ヶ月以上遅れの11月19日にやっと発行しました。 主な記事は下記の通り ●「最近1年刊のTOP12(99/10〜00/09)」 1位「吉本隆明資料集1」猫々堂 62冊 2位「回思九十年」 平凡社 41冊 2位「だいたいで、いいじゃない」文藝春秋 41冊 以下あまり変わりばえしないので略 次回には、「刑務所の中」「河野裕子歌集『家』」「北園町九十 三番地」あたりがランク入りしそうだ。 ●インターネット通販300件資料集 今年1月以来のネット通販が11月15日に300件に達した。 しかし、1月の2件から8月の52件まで、順調に伸びていたの が、9月42件、10月41件と、少し頭打ちの傾向になってい る。それでも、11月は60件をかなり越えそうだから、まだ伸 びる余地がないわけでもなさそうだ。1件あたりの平均冊数は3 冊強で平均金額が6000円強。 ジャンル別TOP3は、「人智学&三木成夫」85.5件、「消えた 出版社」84.5件、「漫画」49.5件となっている。人智学はふつう に流通していないものが少なくなく、在庫点数も在庫量も、おそ らくどこの大書店にも負けていないはずだし、ペヨトル工房など 消えた出版社の本も、わざわざ揃えている新刊書店はほとんどな いから、人気があるのはわかるのだが、漫画がこれだけ売れるの が不思議である。うちの在庫はごくふつうに流通しているものが ほとんどだし、まんだらけをはじめ専門店も数多あるのになぜか と思うが、おそらく、漫画のお客というのは、人智学の何百倍も 存在するからだろう。ようするに、ネット通販におけるうちのシェ アが、仮に人智学は1%とすれば、漫画は0.01%位ということだ と思う。それにしても、郵便電話FAX通販だと人智学と同じく らい売れている「短歌」が、いまだに18.5件でしかないのは、や はり、読者のインターネット率が圧倒的に低いからだろう。 ●ペヨトル工房さよならセール 6月から10月までの売上げ上位は、「夜想35」15冊、「同 02」「同05」各13冊、「クラッシュ」「猫のムトンさま」 各10冊、「エステル」「リリカ」「夜想15」「同22」「同 33」各9冊となっている。全体としては、圧倒的に夜想の各号 の売れ行きがよい。 ●主なシリーズものの定期予約数 '00秋 9名「蕪村全集」「日本文藝史」、7名「新日本古典文学全集」 6名「辻まこと全集」「塚本邦雄全集」「白川静全集」「須賀 敦子全集」以下略 小西甚一の文藝史はあと別巻が出る予定なのだが、10年ほど 音沙汰がない。いまさら出ても、予約者の所在を確認するのが けっこう面倒だが。去年までこのリストの上の方にあった「前 川佐美雄全集」は、小沢書店倒産のため、4年程前に1冊出た だけで途絶してしまった。どこかの出版社が引き継いでくれる といいのだが。辻まことはバラでもよく売れていて、1は10 冊を越えている。 なお、いつもお伝えしていますように、この販売情報紙は返信用 封筒をお送りくださった出版社様にのみお送りしています。 [#04] Book-Oorder.Netについて 小学館などのs-books、角川書店などのKADOKAWA.Web.Hot.Lineに 続いて、文藝春秋がBook-Oorder.Netにて、書店向けの受注サイト を立ち上げた。この3つのサイトは同じ書店データベースを使用 しているらしくて、うちのIDはすべて同じだ。この文藝春秋の サイトのよいところは、取次を選択できることである。これは先 の二つのサイトにはなかった機能である。角川では鈴木から仕入 れたいと思っても、日販しか選べなかったが、文藝春秋の場合は 鈴木を指定することができた。ただ、残念というか、当然という か、いままで一番仕入れにくかった新刊は、サイトでも調整中と か品切ればかりで、ほとんど用を足せなかった。旧刊はいままで でも、鈴木に注文すれば、たいして時間がかからずに入荷してい たから、いまのところではたいして使い道がないようだ。 |
三月書房販売速報[042] &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 2000/12/31[02-16-42] (c)SISIDO,Tatuo e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 042号 |
三月書房販売速報[043] &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 2001/01/26[03-01-43] (c)SISIDO,Tatuo e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 043号 ※いちおう出版業界向けに制作してます※ &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& [#00] 今年もよろしく 前世紀最後の大晦日の朝日新聞の読書ページに、ちょっとかっこ よく載りましたが、業界関係者のかたはたぶんご覧いただいたと 思います。近所の知り合いは誰一人見なかったようですが、さす がに、うちのお客さんはかなり見てくださったようです。ちかご ろ新聞や雑誌に取り上げられる機会が目立って増えていますが、 昔から、世間が不景気な時には、うちの評判は少し上がり、好景 気の時は無視されがちな傾向があります。そのことから考えます と、昨今の不景気は近年にない深刻なものであり、今年もうちの 名前が目立つようなら、景気は当分上向かないでしょう。 [#01] 最近売れてるような気がする本 ◆「歌集:水苑」高野公彦 砂子屋書房 ◆「歌集:夏至」森岡貞香 砂子屋書房 ◆「歌集:日輪」永田紅 砂子屋書房 ◆「身体感覚を取り戻す」齋藤孝 NHK出版 ◆「金色のお城から」塩見佳子 虹のアトリエ出版 ◆「不過視なものの世界」東浩紀 朝日新聞社 ◆「はじめての三線」漆畑文彦 晩声社 ◆「アラステア画集」生田耕作編 サバト館 ◆「モリニエ、地獄の一生涯」P.プチ 人文書院 このコーナーは実売データに基づいているわけではなくで、あく までも、「売れてるような気が」した本をあげているだけです。 したがって、売れて当たり前の本が数冊売れたぐらいでは載せる 気になりませんが、たいして売れないだろうと思った本が、出足 良く2、3冊売れたら、よく売れてるような気がして載せてしま います。今回でいうと「アラステア画集」と「モリニエ」は、ま だ3冊くらいしか売れてませんが、定価などから考えると、よく 売れてると言ってもいいでしょう。 [#02] これから売れそうな気がする本 ◆「歴史を考えるヒント」網野善彦 新潮社 ◆「批評の時」新保祐司 構想社 ◆「色彩論」ゲーテ 筑摩学芸文庫 気のせいか、今年に入って新刊がやや減少しているような気がす るが、もう少し様子を見ないと何ともいえない。もし、水膨れ体 質を改善するために、出版点数を減らしているのなら結構なこと だが、自転車操業すらおぼつかなくなってきたのなら、いよいよ 破局が近いのではと思われる。いずれにしろ、無事には済みそう にない年度末が迫っているので、まだ余裕が残っている出版社は、 無理に点数を増やさずに、様子を見ているのが正解だろう。 [#03] 昨年ほんとうに売れた本 ●2000年の売上げTOP15 1 吉本隆明資料集<01> 68冊 猫々堂 2 回思九十年(白川静) 49冊 平凡社 2 刑務所の中(花輪和一) 49冊 青林工藝舎 4 だいたいで、いいじゃない(吉本&大塚)46冊 文藝春秋 5 超「20世紀論」上(吉本&田近) 45冊 アスキー 6 写生の物語(吉本隆明) 43冊 講談社 7 家(河野裕子) 39冊 短歌研究社 8 資料・米沢時代の吉本隆明(4冊セット)37組 齋藤清一 9 <老い>の現在形(吉本&三好) 34冊 春秋社 9 グーグーだって猫である(大島弓子) 34冊 角川書店 11 吉本隆明が語る戦後55年<1> 33冊 三交社 12 海・呼吸・古代形象(三木成夫) 31冊 うぶすな書院 12 中学生のための教科書:美への渇き 31冊 四谷ラウンド 14 夜光(吉川宏志) 30冊 砂子屋書房 15 北園町九十三番地(山田稔) 28冊 編集工房ノア これは、「売れた気がした」というあてにならないデータではな くて、売上げカードを集計したものですから、ほぼ正確です。例 年は吉本隆明本ばかりで、あまりおもしろいリストになりません が、昨年はこれでもややバラエティがあったほうです。そのあた りが、4年ぶりに売上げが増加した理由のひとつでしょう。16 位以下は「風翩翻」「A遠」「海のタッチ」「夜想35」「笑う 吸血鬼」などが続きます。ただし、猫々堂の資料集は9まで出て いて、いちいち載せると占領されてしまうので、1のみで代表さ せました。それから「超20世紀論」は下も同時発売で、同じだ け売れているのですが省略しました。なお、このリストでは、文 庫、新書、雑誌扱いのコミックスなどは除いてあります。 [#04] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その15) 9月末のサワヤ書房さんに続いて、昨年末に四条河原町東入るの 老舗書店、海南堂書店さんが廃業されました。山の本に強い店と して有名で、市電が走っていたころには、店の前に祇園方面行き の停留所があり、大繁盛していたように見えました。店頭告知に よると、今世紀からは新事業に乗り出されるとのことです。ここ も、サワヤさんよりはやや落ちるものの、それでも京都一の繁華 街の路面店ですから、なにをされても本屋よりは儲かるでしょう。 これで、河原町通りの三条〜四条で20年以上続いている新刊書 店は文祥堂、丸善、河原書店の3店だけになりました。もちろん 新たにブックファースト、メディアショップ、ヴィレジヴァンガ ード、アニメイトなどが進出していますが、売り場面積はともか くとして、軒数では半減と言えるでしょう。このあたりの書店業 界唯一の救いは、京都を代表する古書店、キクオ書店、京阪書房、 大学堂、平安堂、赤尾照文堂が不変なことだけです。 洛北高野のショッピングセンターを正月に見てきました。イズミ ヤのスーパー部分とユニクロなどの専門店がうまいこと組合わさっ ているようで、周辺の人には便利でしょう。しかし、市内中心部 からわざわざ行くほどのことはありません。ブックセンターは、 それなりのものとしか言いようがなく、個人的にはまったく興味 が持てませんが、こういう店の経営については素人なので、上出 来なのか不出来なのかさっぱりわかりません。残念だったのは期 待していた京都初のHMVが、小さな店でPOPな品揃えだった ことです。このショッピングセンターは、商圏を今出川以北に設 定しているようで、その地域を無料シャトルバスが回っています。 |
三月書房販売速報[044] &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 2001/02/09[03-02-44] (c)SISIDO,Tatuo e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 044号 ※いちおう出版業界向けに制作してます※ &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& [#00] 去年の今頃は、あの駸々堂の倒産と、それに伴う日販の危機報道 があって、このメルマガを1週間に3号も連発してしまうほどの <盛り上がり>でしたが、今年はまだ変に静かです。しかし、廃 業・転業・倒産される書店や出版社は増加しつつあるようですし、 また、毎日の新刊の質量が、かなり落ちつつあるような気もしま す。店舗過剰と生産過剰が調整されて、出版業界の体質が改善さ れつつあるのならけっこうなことですが、いまの状況で縮小均衡 に耐えられる出版社・取次・書店がそう多くあるとは思えません。 こちらにも、どんなとばっちりがあるか、わかったものではあり ませんが、スリル満点の年度末になりそうです。 [#01] 最近売れてるような気がする本 ◆「文藝別冊:赤軍」 河出書房 ◆「内田魯庵山脈」山口昌男 晶文社 ◆「日本の歴史文学」新保祐司&富岡幸一郎 朝文社 ◆「南回帰線」ヘンリー・ミラー 講談社 ◆「喜劇駅前花嫁」駕籠真太郎 太田書店 ◆「歴史を考えるヒント」網野善彦 新潮社 ◆「モダンガール論」齋藤美奈子 マガジンハウス ◆「吉本隆明が語る戦後55年 2」 三交社 ◆「みすず 1月号:アンケート特集号」 ◆再掲:「金色のお城から」塩見佳子 虹のアトリエ出版 この絵本は14冊売れているが、すべてがネット通販で、店頭で はなぜかまだ1冊も売れない。こんなことは初めてだが、うちの サイトでは、この絵本に限らず、画像情報は一切ないので、文字 情報だけで買ってくださっているわけである。現物を手にとって 見ることが可能な店頭で、1冊も売れないことと考え合わせると、 何か不思議な気がしないでもない。ただ、ひとつ言えることは、 「シュタイナー教育」に熱心な人たちの方面では、人智学関係の 絵本に対する潜在需要が大きいにもかかわらず、現在のところ、 適当な絵本が少ないらしいということである。 [#02] これから売れそうな気がする本 ◆「過ぎてゆく歌」齋藤史 河出書房 ◆「哀愁のストーカー」松岡祥男 ボーダーインク ◆「日本書史」石川九楊 名古屋大学出版会 ※4月刊予定 [#03] 「三月書房 販売情報(仮題)第57号」発行のお知らせ 57号は2月4日付けで発行しました。今年も年4回発行の予定 です。この号の内容は下記の通り。 ●たいへんよく売れた本・2000年のTOP20 ※前号で速報済み ●わりとよく売れた本 (略) ●かなりよく売れた本 (略) ●2000年の<吉本隆明>本 (略) ●2000年の<三木成夫>本 (略) ●2000年 出版社別総合売上冊数TOP50 01:岩波書店 万年1位だが冊数は減少傾向が続く 02:筑摩書房 売上が3割も上昇し2位に躍進。原因不明 03:講談社 筑摩に抜かれたが冊数は横這い 04:新潮社 ここも冊数は横這い 05:平凡社 絶好調。前年9位から。リストラが不思議 06:河出書房新社 若干上昇気配 07:中央公論新社 長期低落中 08:文藝春秋 横這い。安定しているというべきか。 09:小学館 横這い。同上。 10:角川書店 傘下出版社が増えたため、いちおう上昇 11:ペヨトル工房 売上げ1000%増加!!!!!! 12:集英社 ほぼ横這いながら少し上昇 13:朝日新聞社 不調。順位も売上げも低下 14:砂子屋書房 順位は前年と変わらないが冊数は上昇 15:イザラ書房 年度中に独立のインパクト出版局分を含む (以下略) お断り:いつもお伝えしていますように、この情報紙は返信用封 筒をお送りいただいた出版社様に限り配布しています。 書店関係者は、出版社の営業さんからコピーをもらって ください。 [#04] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その16) 京都の有名な漫画専門店ビッグボスが、先月?廃業された。経営 者は元駸々堂書店河原町店(倒産時よりもかなり以前に閉店)に て、20年ほど前に、当時としては質量共に京都一のコミックコ ーナを成功させた人として有名だった。このコーナーはのちコミッ クランドとして朝日会館の2階に拡大移転したが、たしか、その ころに脱サラして、河原町七条東にビッグボスをオープンされ、 おりからのコミック・ブームに乗って、一時は大繁盛しているよ うなうわさを、業界紙などでよく見かけたものだった。このよう な筋金入りのプロの店でもこけるほど、現在のコミック業界は落 ち込んでいるのだろう。同店は負債を残して閉店されたとはいえ、 店舗を手放さねばならないほどの金額ではなかったらしく、今後 は飲食店に転業して借金を返済されるといううわさだ。これで、 京都のコミック専門店は、寺町四条上がるの喜久屋書店の一人勝 ちということになるのだろうか。 うちは元々コミックには手を出さず/出せず、細々と書籍扱いの 漫画本を売っているだけなので、コミック業界のことはほとんど わからないが、コミックに限らず、単一分野の専門店はそのジャ ンルが落ち込むと、個店の頑張りだけでは支え切れない危険性が 常にあるようだ。ついでながら、ちょうど一年前に潰れた駸々堂 書店の京都圏5店中、いまだに後継書店が決まらないのは、朝日 会館の元コミックランド店だけである。 ヴィレッジヴァンガードの京都市内ではたぶん2店目が、先月末 に烏丸通姉小路の「新風館」2階にオープンした。ここは、元電 話局の大正時代の3階建て局舎を複合商業施設に改築したものだ が、現在では考えられないくらい贅沢に敷地を使っている。口の 字型の建物なのだが、建物部分はごくわずかで、中庭は千人位が 盆踊りでも出来そうなくらいに広い。27店のテナントは、野外 ステージが設けられた、その中庭に面した通路沿いに並んでいる。 V.V.は30坪くらいあり、河原町オーパ店よりは少し広くて、 ややましな品揃えのような気がしたが、ほかのV.V.を一切知ら ないので何ともいえない。 ヴィレッジヴァンガードはもう1店、北山通りで開店準備中だが、 駐車場もある郊外型の単独店らしいから、ここが一番本来のコン セプトに近い店舗になるのではと思われる。この北山店は既存書 店を丸ごと改装するものと聞いた。店の名前も聞いたのだが、も ともと知らない書店のため覚えられなかった。 [#05] 営業時間短縮のお知らせ 平日の営業時間は、午前10時半から午後7時半までだったが、 2月から11時〜7時までに短縮することにした。開店当初の1 950年代には、10時から10時までの12時間営業だったが、 その後徐々に短縮して、ここ20年程はずっと同じだったような 記憶がある。 閉店時間といってもそんなに厳密ではなく、お客がおられれば、 8時過ぎまで閉められない時もあったから、7時と書いておけば、 7時半には閉められるだろうという程度のことである。その逆に、 雨が降ったりして、まったくお客が来そうになくても、7時半ま でと書いてある以上は、その時間まで閉められなくてめんどうだっ たから、そういう点は楽になりそうだ。まあようするにその程度 のことだから、売上げが落ちるとしても、せいぜい1%位だろう。 なお、日祝日は午後1時半から5時半で変わりません。 ================================== ☆受贈御礼 勝手に広告☆ 「消える本、残る本」永江朗著 編書房 本体1600円 <本の偽金化が進んでいる!!いったい生き残るのはどんな本なのか> ================================== |
三月書房販売速報[045] &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 2001/03/11[03-03-45] (c)SISIDO,Tatuo e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 045号 ※いちおう出版業界向けに制作してます※ &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& [#00] 「版元ドットコム N E W S」でほめてもらいました。 版元ドットコムの沢辺均[ポット出版]さんが、うちのサイトを <絶賛>してくれました。 「(前略)ウェブサイトといってもデータベースも何もない。ただの 商品目録の羅列みたいな、1番原始的な、本当に素人が作ったとい うウェブサイトだ。(中略)。町の書店がネット書店にたいして、 そんなにビビル必要ないといったけれども、逆に3月書房ができる 範囲のささやかなウェブサイトと電子メールで通信販売をのばす こともできる。ということは過大なビビリはいらないけれども、 知らん振りするのも、状況として違うだろうと。なにやら立派な システムが必要なのではなくて、3月書房のあのボロボロのウェブ サイトでも、その書店のムード、イロ、営業方針を反映している ものであればインターネットを活かすことができるんだと思う。 (後略)」 全文は http://www.hanmoto.com/diary/diary010228.htmlで読めま すが、それにしても<スゴク>ほめていただいて、ありがたいことで す。きっと、どんなにボロボロなのかと、見学者が増えることでしょ う。中途半端なおしゃれサイトを無理して作るよりも、ボロボロが 特色ということにしておいて、当分手抜きで行こうと思います。 ところで、ふと考えると、これは、古書店に間違えてもらう方がい いといいつつ、ボロボロの店で営業している地べた部門と、まった く同じ言い訳のような気がします。もっとも近頃は古書店のほうが こぎれいになりつつあるようなので、この手もいつまで続けられる か不明ですが。 [#01] 最近売れてるような気がする本 ◆「精神の氷点」大西巨人 みずす書房 ◆「吉本隆明が語る戦後55年 3」 三交社 ◆「幸福論」吉本隆明 青春出版社 ◆「吉本隆明資料集 11」猫々堂 ◆「哀愁のストーカー」松岡祥男 ボーダーインク ◆「誰が本を殺すのか」佐野眞一 プレジデント社 この本はまだゆっくり読んでいないのだが、再販制に対する佐野 氏の意見は、以前に週刊現代で読んで以来、信用出来そうだと思っ ている。佐野氏は、週刊現代96年6月1日号で、「なぜ『読売』 は再販論議の中身を報じないのか」と題して、読売新聞の再販問 題についての強硬姿勢を「…威嚇的軍事演習を行った中国の覇道 的行動を思い起こさせるほどだった」とか「さながら戦時中の大 政翼賛会を連想させる」と批判していた。これは、当時も今も、 再販制護持以外の言論をほとんど掲載しない新聞・出版業界の中 にあっては、かなり画期的なエライ発言だったと思う。 うわさでは、この3月末に予定されている再販についての、公取 委の見解は、<覇道的>新聞社の<ワンマンマン>の政治力によって、 ほぼ自動延長のような結論になるらしい。 再販制についての個人的な意見としては、新聞と雑誌については もはや完全に不要だと思っている。そして、書籍にのみ再販制を 残せば、雑誌の流通が変わることによって、書籍と雑誌の流通が 分離され、MOOKのような曖昧形態も淘汰され、かなりすっき りするのではと考えている。 [#02] これから売れそうな気がする本 ◆「増補 齋藤史歌集(文庫判)」齋藤史 不識書院 ◆「別冊太陽:京の町屋暮らし」 平凡社 ◆「木 いのちの寓話」村瀬学 平凡社 ◆「フィロソフィア・ジャポニカ」中沢新一 集英社 ◆「女獣心理」野溝七生子 講談社 ◆「山形道場」山形浩生 イースト・プレス [#03] 昨年末の歌集ラッシュの中間報告 昨年の秋から年末にかけては、実に大量の歌集が出たが、とくに 12月の砂子屋書房はすごかった。あまり一度に有力な歌集が出 たために、まだ読者が買い切れていないような感じだ。 最近の売上げ上位は下記のようになっている。2001/02末現在。 1 「風翩翻」 齋藤史 不識書院 56冊 1 「家」 河野裕子 短歌研究社 56冊 3 「夜光」 吉川宏志 砂子屋書房 34冊 4 「小さなヴァイオリンが欲しくて」 永井陽子 砂子屋書房 27冊 5 「希望」 小島ゆかり 雁書館 19冊 6 「静物」 小池光 砂子屋書房 18冊 7 「日輪」 永田紅 砂子屋書房 16冊 8 「人類のヴァイオリン」 大滝和子 砂子屋書房 14冊 9 「豆ごはんまで」 坪内稔典 ながらみ書房 12冊 10 「水苑」 高野公彦 砂子屋書房 11冊 例年だと20冊以上売れる歌集は1、2冊程度だから、とにかく 昨年末のラッシュはすごかった。これらの歌集の大部分の売れ行 きは、まだ止まっていないので、売上げ部数はさらに増加するだ ろう。この表の下にも、いずれは10冊を越えそうな歌集が多数 並んでいる。そして、特筆すべきことは、これらの歌集の本体価 格が、3000円平均もするということである。 昨年末から現在まで、うちの店の景気が妙によい原因の一つが、 この歌集ラッシュだったことは間違いない。 いま、うちの店で、3000円で50冊も売れる本は、他の分野 ではごくまれだし、30冊でも吉本本か漫画本ならたまにはある という程度である。ましてや、詩集や小説だったら、1000円 でもこんなに売れる本はない。世間でもさすがに「風翩翻」は売 れているらしく、版元の話では目標2万部ということだが、他の 歌集がどの程度売れているのかはわからない。 しかし、3年分位の歌集が一挙に出てしまったような気がするか ら、今年は、その反動で売れる歌集がほとんど出ないのでは、と 少し心配である。 [#04] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その17) また河原町から本屋が1軒減りました、とは言っても、こんどは、 河原町オーパのヴィレッジ・ヴァンガードが北山に移転しただけ です。前号にて、京都で3軒目とお知らせしたのが、実はこの移 転のことでした。したがって、京都のV.V.は2店舗のままです。 なお、この2店とも直営と聞きました。 それから、アニメイト京都店がいつの間にか移転していました。 以前は、河原町蛸薬師の丸善京都支店の向側、清水屋レコード店 ビルの上階にあったのですが、現在は新京極の京都吉本ビル(パッ サージオ)2Fにあります。いつ移転したのかは不明ですが、ハロ ーページでは旧住所なので、ここ1年以内でしょう。近所に移転 とはいえ、これで河原町通りから、もう1軒消えたことになります。 ------------------------------------------------------------------ ●ペヨトル工房ファン・サイト http://www.thought.ne.jp/peyotl/ ------------------------------------------------------------------ |