設計手法その1 -三方向が道路に囲まれた敷地の特性を活かした外構計画-

敷地の東側と北側に位置する道路は道幅も狭く、通行車両も少ない「生活道路」的な位置づけとなっています。特に北側の道路は昔からこの地域にあるもので、ヒューマンなスケール感が残されており、つながりを断ち切らないよう注意する必要があると判断しました。一方、敷地の南側に位置する道路は近年設けられたもので、ゆったりとした歩道がありますが道幅が広く、今後交通量が多くなる「幹線道路」的な位置づけと分析しています。
ここでは、幹線道路側を四つ目垣と生垣を組み合わせて建物をガードする一方で、生活道路側ではツツジの寄植えに変化させることで、徐々に垣根を下げて親しみやすくなるよう、植栽を使い分けています。
ツツジの植えられたところは狭い道路の曲がり角にあたり、近隣の車の通行の際には見通しを妨げることなく、適度な減速を促がす役目も果たしており、街区のコーナーを緑化する視覚的な効果を含めて、模範的な街並みのあり方を示唆すものともいえます。
メインストリートともなる幹線道路から玄関に至るためには、生垣に沿って生活道路へと折れ曲がり、サツキツツジ越しにすだれの掛かったポーチをみながら主木となるモミジの周りをめぐり、ゆるやかなスロープを上がって土間の縁側のような玄関へと導かれます。
建物に沿った道路をアプローチと見立て、限られた敷地を最大限活用しています。

設計手法1


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