作品について -がま口から建築物まで-
複雑な工程が必要な建築が難しくて、単純な平面作品であるグラフィックが簡単かといえば、そうとはいえず、単純な構成のなかにこそ奥深い世界があります。小さながま口ひとつでも、納得のゆくスタイルに近づくまでに何度もやり直しを繰り返さなければならず、それだけで数年間を要します。しかし、手段や規模は異なっても、モノづくりに対する情熱や姿勢の根本は同じであるように思います。
優れた建築家やデザイナーは、いくつになっても子供の頃想像した 「こんなものをつくってみたい」 という気持ちを、きっと持ち続けているはずなのですから。