設計手法その3 -家事動線に重点をおいた水まわりのプランニング-

快適な暮らしを営むためには、あらゆる家事仕事を気持ちよくこなすことのできる動線計画を描かなければなりません。
特に水まわりの動線計画は大切です。この裏方にあたる部分を、すっきりと破綻することなくまとめられるプランニングに、「設計者の生活に対する視点の力量」が問われるところです。
たとえば、洗面や入浴といった生活動線に必要なスペースは、掃除の動線を考えて少しゆとりを持たせると、ちょうど良い具合になります。あまりコンパクトすると掃除が難しくなってしまい、快適な環境を維持できなくなってしまうのです。
よい空間には「重心」や「たまり」が必要です。一見無駄なようにみえる、ちょっとしたゆとりのスペースが、将来の車椅子での生活介助者の入る大切な場所となり得ます。それは、実際に車椅子生活にならなかったとしても、気持ちの部分での安心感につながり、なんとなく落ち着くということにつながります。
目にみえにくいところでは、水まわりの空気の流れを計画しておくことが大切です。 下図に示すプランニングは、物干場から浴室を経由して、トイレや洗濯場などをまとめた洗面室、坪庭への空気の流れと家事動線をまとめたものですが、飾り物のようにもみえる小さな坪庭の存在が、プライヴァシーを確保しながらも、湿気や臭気を自然に外部に導いている様子をご理解いただけるかと思います。

坪庭につながる縁側のような洗面コーナーのしくみ ワンルームの水まわりから得られる快適空間 ワンルームの水まわりから得られる快適空間 浴室と物干場がオープンにつながることによる効果 浴室と物干場がオープンにつながることによる効果 浴室と物干場がオープンにつながることによる効果 食卓とのつながりを大切にしたシンクまわりの家事動線

緑色のリングで囲まれたエリアをクリックすると、その部分についての詳しい解説ページをご覧いただくことができます。

▲ 設計手法 にもどる