8.測定、分析及び改善 8.測定、分析及び改善 8.1 一般 8全体の概略です。だいたいのつながりは次のとおりです。 a) 8.2.4、8.3 b) 8.2.2、8.2.3 → 8.5.2、8.5.3 c) 8.5.1(5.3、5.4.1、8.2.2、8.4、8.5.2、8.5.3、5.6) 8.2.1、8.2.3、8.2.4、7.4 → 8.4(データ分析=統計的手法の活用) → 5.6.2、5.5.3 8.2.1 顧客満足 顧客のお考え、当社に対するご要望などの情報を「当社が入手」し、その情報を分析して対応します。クレームの有無(顧客からの連絡待ち)でもいいかもしれませんが、それだと突然の取引停止などの危険性があります。 8.2.2 内部監査 内部監査は、決めた間隔で行います。 a) 品質マネジメントシステムの適合性を確認します。計画どおり(決められたとおり)に出来ているか。 b) 品質マネジメントシステムの有効性を確認します。計画どおりに期待した結果が出ているか。 監査プログラムを作成する場合や監査員を選定する場合は次を考慮するとよいと考えています。 ・監査対象の業務や部門の状態(安定、不安定、成熟度、重要度、複雑さなど) ・これまでの内部監査や外部監査の結果 ・利害関係者の懸念事項(顧客の苦情や法的要求事項の不順守など) ・品質マネジメントシステムに影響を与える変更点 監査は独立性を確保しなければならないので、自分が関わった仕事は自分で監査はしません。 監査結果(記録)は、監査報告書、是正処置要求/報告書、監査チェックリストなどがあります。 監査で不適合が検出された場合は、期限を決めて修正、是正処置を行いましょう。 不適合の恐れありという場合は予防処置要求/報告書を発行して「恐れがあるかどうか」の調査を行い、恐れがある場合は予防処置を行います。なお、是正処置や予防処置の結果は、適切な時期に確認します。 8.2.3 プロセスの監視(チェック、確認)及び測定(比較する) 業務・仕事が計画どおり、期待したとおり出来ているかどうかを監視(チェック)し、計画値や期待値や許容値と比較します。計画どおりの結果が達成できていない場合は修正や是正処置を行い、計画どおりの結果が達成できない可能性があれば予防処置を行います。 ほとんどの品質マネジメントシステムのプロセスは内部監査で監視できますが、製造工程などは標準時間、平均不良率などの値と比較して、早い目に手を打つのが良いでしょう。 8.2.4 製品の監視及び測定 製品検査を行って、顧客への引渡しを正式に許可した人を記録しておきます。 検査について、次のとおり箇条番号をわけても良いですし、すべての検査、確認を8.2.4にまとめても良いです。 7.4.3 受入検査、確認 7.5.1e) 工程内検査、確認 8.2.4 最終検査、確認 7.1で決めたことが問題なく完了しなかった。 ・顧客の承認が必要な場合 顧客の要求する基準を満たしていない → 顧客の特別採用 ・顧客の承認が必要ない場合 顧客の要求する基準よりも自社基準の方が厳しい(顧客基準には適合だが、自社基準には不適合) ・顧客がもともと承認している 顧客の出荷(引渡し)依頼 8.3 不適合製品の管理 不適合製品が誤って使用されたり、引き渡されることを防ぐために「識別」します。製品となっていますが、材料の受入時、製作時の不良、完成品不良なども「製品」として管理するのが良いです。 不適合製品の処理方法は、 a) 修正、手直し → 再検証 b) 修理又は修理しないで特別採用 → 修理した場合は検証しましょう。 c) 廃棄、再格付け d) この場合は是正処置を行った方が良いです。 上記の処理は記録しておきます。 8.4 データ分析 8.2.1、8.2.3、8.2.4、7.4 → 8.4(データ分析=統計的手法の活用) → 5.6.2、5.5.3 8.5 改善 8.5.1 継続的改善 具体的には、5.3、5.4.1、8.2.2、8.4、8.5.2、8.5.3、5.6で継続的に改善活動を行います。 8.5.2 是正処置 是正処置(再発防止)のきっかけを明確にしておくと良いでしょう。 5.4.1 目標の未達成 5.6.3 マネジメントレビューからの指示 7.2.3、8.2.1 顧客不満足 7.4.3 受入時の不良 7.5.1、7.5.2 工程内で発生した不良 7.5.4 顧客所有物を無くした、こわした 8.2.2 内部監査で検出された不適合 8.2.3 プロセスの監視と測定の結果 8.2.4 検査での不適合 8.3 不適合品の増加 8.3d) 不適合品の流出 8.4 データ分析結果(8.2.1、8.2.3、8.2.4、7.4.3) 8.5.2c)は、水平展開や遡及処置(過去に遡って確認)を考えましょうというふうに理解すると良いです。 不適合発生の際は、製品への影響の有無も調査すると良いと考えます。 8.5.3 予防処置 未然防止なのでヒヤリハットも含まれます。
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