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 月刊雑誌 書道 第37巻 12月号掲載記事

電通アドギャラリー:園家文苑心書展 1989年/1990年

桜 独自の書活動でその異色振りを見せる園家文苑心書展が、三月十一日〜十五日まで電通アドギャラリーで開催された。

 主宰者の言葉を借りると、「時代と共に物の形から離れていった現代の文字、記号としての文字に再び生命を与えようと、イメージを膨らませ墨表現しております。」ということだが一旦女史の体内で自己消化して吐き出される書象の世界は、全く見事に叙情の象として表現される。

 墨象の世界は、明瞭な形となって表出されないが、この作家の持つ書の世界はあくまで物の本質を離れず、視覚的には誰でもが共通の認識を持つ範囲の表現なのである。
とすれば絵画の世界か、墨絵の世界に近似するのであるが、そこには観賞者の意識とは異なり、厳然とした作者の意識があるのだからこれは紛れもない書の世界と言える。

 多様な表現の中でも「桜」の木偏を明瞭に、旁との上に薄墨で満開の花を表現した作は女史の感性を特に物語っているものといえる。
「鳥」における多様な書線とニジミの使い方の巧みさ、雅印の位置など心憎いばかりである。細線で表現した鳥の胸の線、割筆による羽根の線の対比など、絵心なくしては表現不可能であろう。「波」の造型は思わず、北斎の「波裏の富士」の波を想起せしめた。「貌」だったろうか、さりげなく引いた線に、白隠や円空の世界を思ったことである。
濃墨の輪郭にひょいと引いた淡墨の一線が殊に利いてこの作品を際立たせている。

 なかんずく、書イマジネーションを確かな形として再現する園家文苑の異才ぶりは、注目すべきであろう。

文:麻生泰久
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