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 イラストレーション 誌 1992年2月号掲載記事

モノクロームの世界
文字をイラストレーションする心書

 日常生活から遠くなってしまった「書」を、もう一度復活させたいと考えた。
桜茶の間やキッチンに飾って楽しめる「書」のありようを模索して文字を描く今のスタイルができた。
桜という文字を、満開の桜の木のように。
象形文字だけではなく、文字の持つ意味が喚起するイメージを形にする。

 文字を絵にした。
水という字を水のように、桜という字を桜の木のように。
対象は象形文字に限らない。漢字は、多くの意味を内包している。
それぞれの意味が、さまざまなイメージを喚起する。
それをかたちにするのである。
文字を見つめているうちにイメージが浮かぶ場合と、ある光景をイメージしているときに、特定の文字に結び付く場合がある。

 文字はどんどんデフォルメされる。
しかし文字から全く離れてはいない。
一つの画面に文字と絵が両方存在しているから面白い。

 漢字に触発されて、一つのかたちを描く。
すると絵を見た人が、作者とは異なるイメージを思い浮かべることも多い。
「生」という作品が人によって、どう見えたか。
海という人がいた。
草原。砂漠とサボテンに見えた人もいる。
「宇宙の誕生」をイメージする人もいれば「生ビールの泡」を連想した人もいて、何に「生」を感じるのかの、人による違いが面白い。
 描いた本人は(本当は言いたくないのだけれど)、この作品では「大地、芽生え、太陽」などをイメージした。絵を見た人が、さまざまにイマジネーションを膨らませることが出来るのだ。

 かたちに出来ない文字もある。
例えば「愛」。
具象的に表現できる文字ばかりではないのである。
「結」「生」などはかたちになりにくい。難しいが、イメージは広がる。

 ひとつの文字を書くのに、濃い墨と薄い墨を使い分けるのは、書道の世界ではタブーであった。
園家さんは、あえて濃淡2色の墨と2本の筆を使って、文字を描く。
「桜」の旁の上、ツの部分に薄墨を落としたのが最初だった。
その部分の滲みが、桜の花びらに華麗に変身したのである。

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