この作品は、建築家松村正希氏からの依頼でスタートしました。
15軒のコーポラティブハウス(公団宇治黄檗台団地内)を建築するにあたり、門柱をなくし、その代わりに各戸共通のモニュメントを置きたいが、アイデアが偏らない為にも他のジャンルの意見を求めると言うものでした。
条件は「門柱に変わるもの」ただ一つでした。
初めての立体創作に初めは戸惑いましたが、思いきって挑戦しました。
まず形、素材から決めねばなりません。
「訪れる人を優しく迎えたい」という考えから、椅子イメージとしました。
屋外において風雨に耐え、かつ美しくなければなりませんので、素材にステンレスを選びました。
そして椅子の背もたれの部分に私の心書で各家庭の好きな文字を載せ、個性を出す事にしました。
提案したものの、どんな文字が出されるのか不安でしたが、案の定、かなりの詳しい辞書にものっていない文字が選ばれる家庭もあり、自分を苦しめる創作となりました。
そのようにして出来た心書を、椅子の背にシルクスクリーンで定着し写真のようなモニュメントが出来上がりました。
因みに、モニュメントのデザイン設計は松村氏の「莫設計同人」社です。 |