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back.gif008 錬金術字母順辞典

ギリシア語錬金術文献集成

TLG1379

錬金術断片集

009
卵について往古の人々はこう謂う







卵について往古の人々はこう謂う
(Peri; tou: wjou: oiJ palaioiv fasin ou{twV)

(e cod. venet. Marc. 299, fol. 106)



2.18."1t"
卵について往古の人々はこう謂う。

2.18.2
 ある人たちは石のことを銅、ある人たちは石のことを脳髄、ある人たちは石のことを黄玉(ejthvsioV)と〔謂う〕。別の人たちは、石のことを石ならざる石と。他の人たちは石のことをアイギュプトスの〔石〕と。別の人たちは世界の模倣(to; tou: kovsmou mivmhma)と。

 これの生の殻のことを彼らは言う、銅とか鉄-銅とか、鉛-銅とも、固体(swvmata stereva)とも。

 焼かれた殻のことを彼らは云った、アスベストス、雄黄、鶏冠石、キオスの土、星石(ajsterivthV livqoV)、ajfrosevlhnoV(=selhnivthV)、か焼された銀、2.18.9 叩かれたスティムミ、サモスの土、kairikhv土、kimwliva土、stilbavV ge:〔アンチノミーないし雲母〕、キュアノス〔ラピスラズリ〕、2.18.10 そして明礬とも。

 これの水分を、差し上げられたもの(ta; ajnapempovmena)と彼らは謂う。錆とか銅の錆とか銅の緑の水、硫黄の第一溶錬からできる水とか、銅の水のようなものとか、銅の蜂蜜のような薬とか、昇華蒸気とか、気息〔霊?〕-体とか、万種(panspevrmion)とか、その他多くの名前で呼ばれてきた。

 これの白身をkovmiと人々は謂う、またイチジクの果汁とも、エジプトイチジクの果汁とも、トウダイグサ〔tiqumavloV, Dsc.IV-165〕の果汁とも。

 黄身のことを、ミシュ(mivsu)、銅のkalakavnqh〔硫酸銅〕、2.19.1 硫酸銅の汁液、アッティカ産黄土、sinwvph pontikhv、キュアノス〔ラピスラズリ〕、アルメニアの石、キリキアのサフラン、クサノオと彼らは言う。

 卵の殻と、アスベストスによって処理された水とからできる混合物を、マグネーシアと彼らは謂った、またマグネーシアの体とも、鉛-銅とも、われわれのいう銀とも、普通の銀とも、白鉛とも。

 白身は、海水である、卵はオーケアノスのように球体であるから。明礬の水、アスベストスの水、天然カリウム水(u{dwr spodokravmbhV)、往古の人たちのいう山羊の水。(水とは乳でないものと理会せよ)。

2.19.10
 黄色い水のことを彼らは言う――第一溶錬からできる硫黄、辰砂からできるいわゆる水銀、燃える硝石の水、黄色い硝石の水、oi\non ajmhnai:onと。

黄色い化合物のことを、彼らは謂う、金、diasapevnta crushvlektron〔金-琥珀〕、金酵母(crusozwvmion)、シトロンの銀酵母(ajrgurozwvmion)のことで、これは雄黄と、火にかけない硫黄の水からできるものである。シトロンは、外側に黄色を有し、内側に酸味を有するように、雄黄からできるものもそうである。火にかけない硫黄の水とは、往古の人たちのいう酢のことである。

 同じ卵の白味のことを彼らは水銀、銀の水、白銅(leukovcalkoV)、白い昇華蒸気、揮発性のもの(purivfeukton)、善い硫黄、2.20.1 第一溶錬からできる硫黄の水、海の泡(ajfrovV)、川の水、露、アッティカ産の蜂蜜、処女の乳、勝手に流れる乳、鉛の水、ijsocavlkion、耐えがたい発酵(to; ajfovrhton zumavrion)、雲、オニナベ(diyavkion)〔マツムシソウ科ナベナ属の植物。Dsc.III-13〕、昇華蒸気のぶらさがった星(kremasto;n a[stron)と呼ぶ。

 汝はこれらのものらに心(nou:V)を傾注せよ。というのは、自然は自然を喜び、自然は自然を支配し、自然は自然に打ち勝ち、混合されることで、一なるものから出て探求される神秘を成就し、神的なものらは神的なものらによってまた、湿ったものらは順次湿ったものらによって支配されるからである。そして、有体のものらを非体化し、かつ、有体のものらを有体化しなければ、2.20.10 期待されることは何もないであろう。

 かくして、化合物は、金属の体によってと、神的な水によってと、2つであり、植物の〔化合物もそうであって〕、これらを、探し求められているのに関して汝が見出すであろう質料を変化させるところのものである。この2つのものらが一つであり、また3つのものらも一つであり、化合物すべてが一であることを彼らが知らなければ、期待されるものは何もないであろう。 — 卵の終わり。

2009.04.21. 訳了。

forward.GIF010 卵の造語:これこそがこの術の奥義である
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