009 卵について往古の人々はこう謂う
卵の造語:これこそがこの術の奥義である (=Onomatopoiiva tou: wjou:` aujto; gavr ejstin to; musthvrion th:V) (e cod. Paris. B.N. gr. 2327, fol. 229r) 010 2 20 16t 卵のことを、それが世界の模倣((kovsmou mivmhsiV)であり、おのれのうちに四元素を包摂していることから、〔人々は〕四元素と呼んだ。これを、月が回転させる石とも呼び、石ならざる石とも、鷲石とも、雪花石膏の脳髄とも〔人々は呼んだ〕。 さらに、これの殻も、大地の元素がこれに等しく、冷たく乾燥していることから、銅、鉄、錫とも鉛とも〔人々は〕呼んだ。また、白身は神的な水。卵黄は緑礬水。これの脂は火〔と人々は呼んだ〕。 卵のことを種((spovron)と〔人々は〕呼んだ。さらにこれの殻を皮と〔人々は〕呼んだ。白身と黄身は肉。脂は魂。水は気息あるいは大気〔と人々は呼んだ〕。 卵の殻は、10日ごとに堆肥の中からこれらを取りあげたものである。そうして、神の助けによって酢とともに練るが、すり潰せばすり潰すほどますます有益なものとなる。ただし、この化合物を8日間叩き、腐敗〔分解?〕させるときは、乾燥粉末をもつくれるであろう。そうして完成したら、水銀の上に加えよ。最初に染まらない場合は、2度3度なせ。〔この段、文意不明〕 最初、卵の黄身と彼らが呼んだものは、アッティカ産黄土、(sinwvph pontikhv、アイギュプトス産硝石、アルメニア産キュアノス〔ラピスラズリ〕、キリキア産サフラン、クサノオ〔dsc. II-211〕である。白身は、神的な水の失われたもの、酢、明礬の水、アスベストスの水、天然カリウムの水、これに続くものら。 2009.04.24. 訳了。 |