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back.gif016 仕事の平易な仕上げについて

ギリシア語錬金術文献集成

TLG4319

ゾーシモス

017
この術知における有と非有とは何かについて






この術知における有と非有とは何かについて
(Peri; tou: tiv ejstin kata; th;n tevcnhn, ousiva kai; ajnousiva)

(fort. pars operis Ceirovmhkata)
(e cod. Venet. Marc. 99, fol. 149v)




017 2 167 18t
この術知における有とか非有とかは何かについて

 デーモクリトスは、4つの体を有〔耐火性物質〕(oujsiva)と呼んだ。168 1 彼が言ったのは、銅、鉄、錫、鉛のことである。誰しもが二通りの染色(aiJ duvo bafaiv)の際に加える。あらゆる有が、二通りの染色に関係する。あらゆる有は、アイギュプトス人たちのもとでは、鉛だけから形成されるとみなされていた。なぜなら、鉛から自余の3つの体もできるからである。そこで、火に抵抗する諸体を有、抵抗しない〔諸体〕を非有〔非作用物質〕(ajnouvsia)と彼は呼んだのである。なぜなら、非有は、火なくして美しく働くからである。じっさい、彼は言った、薬の真の残存物は、火なくして、容器とおが屑によってでき、そこにおいて確実となり、白化し、黄化する、と。なぜなら、火 — 諸々の光による破壊的な薬 — の貫入(ei[skrisiV)は、鉛-銅の黄化として、失敗するからである。何であれ取り上げる、そこでは失敗する必要はない。これについて彼は何と述べたか、見よ、彼自身がどう云ったかを。「膠状のものをつくれ。薬の半分を溶解してちょっと焼け、そうすればおまえは薬の残存物を見出すであろう。火のないまま放置されたときに。

 また、非有は、火に抵抗することなき硫黄類である。これを火に抵抗させたり耐火性をもたせたりするのは、染液(ohJ zwmoiv)〔複数形〕である。なぜなら、水は火の反対物だからである。それゆえ彼は謂う。「自然は反対物を固有のものとして内有し、強固であるとともに除去できないもの、支配するとともに支配されるものとなる。だから、そういうわけで、手をつけられていない〔天然〕硫黄の水もそれから生じるところの硫黄類そのものも〔反対物を〕固有のものとして保有しているのである。水は火の反対物であるからには、なにゆえ反対物までも〔保有するの〕か。なぜなら、水として流れるものは、火のようなあのものらが煤に還元し逃げ去ることを許さない。いやむしろ、それを湿によって埋葬し、染浴するまで引き留めるからである。そして水の方は、湿であるから、下降する。それゆえ彼は謂うのである、「自然は反対物を固有のものとして内有し」云々。染水によっていかにして火に抵抗するのか、彼は問いただされた。染水とは、硫黄水のことである。

2009.08.22. 訳了。

forward.GIF018 術知がひとつの染色についてすべてを語ったことについて
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