018 術知がひとつの染色についてすべてを語ったことについて
ギリシア語錬金術文献集成
TLG4319
ゾーシモス
019
4つの体は染色の養分であることについて。実際は……
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4つの体は染色の養分であることについて。実際は……
(Peri; tou: trofh;n ei\nai ta; d' swvmata tw:n bafw:n` eijsi;n dev)
(fort. pars operis Ceirovmhkta)
(e cod. Venet. Marc. 299, fol. 150v)
019 2 170 3t
4つの体は染色の養分であることについて。実際は
銅は、先ず初めに染色され、しかる後に染色すると、マリアは常々謂っていた。彼女たちのいう銅とは、4つの体のことである。ところで、これは染色のことである。つまり、この一覧の種類(ei[)〔複数形〕は、固体、湿体〔液体〕、薬草である。固体とはnefevlhからcrusokovllaまで、湿体とはこの一覧に属するものすべて。しかし真実は、硫黄水のことである。
さて、ちょうど、われわれが固体と湿体から養分を得、性質によってのみ染められるように、彼女たちのいう銅もまた同様である。また、あたかもわれわれが固体のみから、あるいは湿体のみから養分を得るのではないように、銅もまた同様である。4319 019 2 170 13 すなわち、あたかもわれわれが固体のみを受け取ると、発熱し、焼きつけられ、そして薬物を与えられるように、彼女たちの銅もそうである。逆に、われわれは飲み物のみを受け取ると、酔っぱらい、千鳥足にあり、頬のあたりを染められ、嘔吐する。銅もまたそうである。すなわち、あたかも金が硫黄の水に色づけられると、頭痛を起こして嘔吐し、すぐに褪色するようなものである。ところが、ちょうど、われわれが固体と湿体と両方の養分を程よく受け取ると、道理にかなって育てられ、頬も道理にかなって染められ、成長促進力も、171.1 持続力によって養分を胃の中に存続させるように、そのように銅も、硫黄水の代わりに、コムミとともに固体を受け取り、葡萄酒なしに養われ、その中にある持続力によって色づけられるのである。さらに、云われた者にはこう云え。「硫黄類は硫黄類によってとどめられる」。しかし真実は、「自然は自然を悦び、勝利し、支配する」ということである。
あたかも、〔彼女?が〕謂うには、人間が4つの体からなるように、銅も同様である。そして、ちょうどこれが湿体と固体と霊とから構成されているように、銅もまた同様である。霊のことを雲と、アポッローンは『神託集』の中で言っている。
……そして霊は、より黒く、湿って、純白である。雲についてはマリアにおいて美しく云われている。「銅は染めることなく、染められ、染められたとき、染める。そして、養われる者は養い、完成された者が完成する」。
お元気で。
2009.08.23. |