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back.gif056 諸々の昇華蒸気について

ギリシア語錬金術文献集成

TLG4319

ゾーシモス

057
錬金論






錬金論
(Excerptum alchemicum) (sine titulo)

(e codd. Venet. Marc. 299, fol. 186v, 192v; Paris. B.N. gr. 2325, fol. 82v + 2327, fol. 80; Laur. gr. 86.16, fol. 84r)



057 1〔049の末尾にほぼ同じ〕
 硝子製のビーコス(bi:koV)、長さ1ペーキュスの陶製の管(swlhvn)、長くびフラスコ(lopavV)、あるいは、細口の容器 — この中に、そのビーコスの口そのものの太さの管が、挿入されているとせよ — 。略図がこれである。ただし、水の鉢(krathriva)は全体に関わり、海綿で拭きとらなければならない。容器は、昇華蒸気のためのも水銀のためのも、同じである。さて、光の中では、つまり、ドラコン状〔の座〕に類似した座を有する器具の中では、古の書き手たちがこれを勧めているが、硫黄の蒸発によって、水銀を凝固させ、これを黄色にすることができる。鉛は光には与らないからである。そしてあなたは、この書に驚くことであろう、2つの神秘があからさまなこの書に隠されているということで、そしてまた、硫黄の蒸気は白く、あらゆるものらを白化させるのに、水銀を黄色に提示する、ところがそれが焼かれる時はそうではないのはどうしてか、ということをわたしたちが探求しているのではないということに。さらにまた、これ自体は、力の点でも働きの点でも白いのに、白いものによって焼かれ、凝固すると、どうして黄色にもどるのか。そういう次第で、若い人たちは、何よりも先にこれらのことを探求しなければならなかった。だが、わたしの想うに、これが単独でのみならず、化合物全体と〔凝固することは〕別の神秘なのである。

 とはいえ、硫黄の第一熔錬からできる水、水銀の凝固、軟化剤の浸透、軟化剤の浸潤が起こる器具は、以上である。
[病者は浄福である]。

 影のない銅にイオスができ、黄色になって、蒸発され、白い蜂蜜の中に保管されること。わたしたちの銅からできる軟化剤も、その代わりに黄化されたものをつくるが、わずかである、これらのすべてはアガトダイモーン〔の書〕にあるということ。小さな残滓によってできる軟化剤も、光の中に入れ、辰砂のようになるよう、蒸発された硫黄の蒸気によって凝固させよ。次いで瓶(bou:kloV)ないし油壺(lhvkuqion)の中に入れ、背中に用いるように、ひきのばして用いよ。

 昇華蒸気から出てくる種類全体が、 アガトダイモーンが<謂うには>、
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例えば孔雀石やエテーシオスや黄金華〔硫酸塩〕が現れるように、端的にいってあらゆるものらが銀の浸染の支配下にある。彼の後の手順はこうである。昇華蒸気を入れよ、それは、銀がくもらないため、あるいは、分厚くてより土的な諸体が、火にかけられたり燃やされたりするがままにされて、その実体を失わないためである。

2009.10.26.

forward.GIF058 三本腕の蒸留器と管について
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