057 錬金論
三本腕の蒸留器と管について (Peri; tou tribivkou kai; tou: swlh:noV) (e codd. Venet. Marc. 299, fol. 187r +186v, 194r; Paris. B.N. gr. 2325, fol. 83v + 2327, fol. 81r; Laur.gr. 86.16, fol. 86r) 058 1t 〔彼女は〕謂います、延ばしやすい銅で管を3本つくりなさい。 銅は延べ板の薄さで、濾し器の厚さ、ないし、菓子づくり用の銅製のフライパンよりもう少し厚さをもったもの 、長さは1ペーキュス半。さて、三本の管をそういうふうにつくりなさい。また、掌〔にあたる〕部分に、肘の長さを持った長い銅の〔筒〕をつくりなさい。ただし、この銅製品の開口部は適当でよい。ただし、3本の管は、その開口部を、蒸留器の細い首のところに〔ぴったり合う〕小釘のように、また、〔銅製品の〕底まわりに、一本の親指と二本の指のように、2本の手に向かい合って銅製品の側面に接合しているものとしなさい。〔頭部の〕底に、各管に合致する三つの穴をあけ、ぴったり合わせて接着されるが、上部の〔一つの管〕は、気息〔=蒸気〕のうけ方が普通と違うことになります。さらに、銅製品を、硫黄をいれた土製の長くびフラスコ(lopavV)にはめこみ、麦粉のりで継ぎ目を密封し、各管の先端に硝子製の蒸留器を挿入するが、〔この蒸留器は〕昇ってくるものを運ぶ水の熱で壊れないよう、大きくて厚いものにする。図面(sch:ma)がこれです。[人差し指の管(licano;V swlhvn)]。 他にも、三本腕の蒸留器のようにではなく、硫黄の〔神的な〕水の抽出(komidhv)の仕方があります。長さ1ペーキュス半の管1本が銅製品の底に挿入されてあるとしなさい。同じ仕方で蒸留器1つも、火を通さぬ硫黄の入った長くびフラスコとが下にあるとしなさい。これに銅製品がぴったり合い、硬脂、あるいは蜜蝋、あるいは泥、あるいは望みのもので密封し、火にかけて蒸留しなさい。見本がこれです。 2009.05.22. |