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 かくて、久しきにわたってアイソーポスはサモスですごし、多くの名誉を認められたが、ひとの住まいする地を遍歴することを望み、〔先ずは〕聴衆の前で講演した。こうして銀子の支払いを受け取ると、アイソーポスは全地を遍歴して、バビュローン — この地において王支配していたのはリュクウルゴス — にたどりついた。そこで自分の哲学を開陳し、バビュローン人たちの間で高評を博した結果、彼が分別を持っているゆえに、彼の性格の信奉者となったほどで、これを内政の長となした。
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 さて、その後、ひとの住まいする地を旅して、聴衆の前で講義した。そしてバビュローンにたどりつき、自分の知恵を演示して、リュクウルゴス王から高位にとりたてられた。
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ところで、その当時、王たちは相互に有徳者の闘いによって貢祖を取ることを習いとしていた。すなわち、戦場にも戦闘にも、相まみえることがなかったのだ。というのは、書簡に哲学の問題を書き、答えを見つけられない者は、〔書簡を〕送って寄こした相手に貢祖を納めるのである。ところがアイソーポスは、リュクウルゴスに送られてきた問題を解いて、この王の評判をいやがうえにも高め、またみずからもリュクウルゴスによって諸王のもとに〔問題を〕送りつけて、〔相手の諸王は答えを〕見つけられず、貢祖を上納するをつねとした。じつにこういうふうにして、バビュローン人たちの王国は領土を広げた。その結果、非ギリシア人たちの族民を領有したばかりか、ヘッラスに至る多くの部分を平定したのであった。
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というのは、その当時、王たちはお互いに和平を保ち、楽しみとしていたのは、哲学の問題を文書を通じてお互いに送りあい、解けない者たちは出題者に貢祖を差し出していたのである。そこでアイソーポスは、リュクウルゴスに送られてきた問題を解き、この王の評判を高からしめ、みずからもリュクウルゴスを介して、諸王に問題を送りつけ、〔相手が〕解けないで貢祖をリュクウルゴスに差し出していた。じつにこういうふうにして、バビュローン人たちの王国は躍進した。
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 さて、アイソーポスはバビュローンでひとりの生まれよき者と知り合いになり、実子がいなかったので、これを養子とし、王にも、自分の知恵の後継者として拝謁させた。そして、自分の教育のありとあらゆる修練をさせた。ところがこの若者は、〔自分を〕偉大と思いなして、王の妾といっしょに好意をいだき合い、ふざけては喜んでいた。アイソーポスはこれを見て、彼にひどく腹を立てて脅した、法に反して王の女に手を出す者は、死罪必定と云って。
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 ところがアイソーポスは、子どもがいなかったので、アイノスという名の生まれのよい子を養子にし、王にも自分の子として目通りさせ、予備教育ならびにありとあらゆる知恵を教育した。ところがアイノスは、色気づいて、王の妾のひとりと乳繰りあうようになった。これをアイソーポスは知って、彼を死罪になるとこっぴどく脅した。
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ところが若者は、アイソーポスのこの言葉に不機嫌となり、友人たちに説き伏せられて、虚言によってアイソーポスを王と仲違いさせた、彼〔アイソーポス〕の名前で、リュクウルゴスの反対者たちに宛てて捏造の書簡 — アイソーポスが連中を援助する用意があるという — を書き、アイソーポスの指輪〔印〕を捺し、リュクウルゴスに手渡したのだ、「陛下の忠実な友人が、見よ、陛下の王国に対していかにはかりごとをなしているかを」と云って。すると王は捺印に説得されて、怒って、軍団指揮官(stratophylax)ヘルミッポスなる者に、アイソーポスを裏切り者として亡き者にするよう下知した。しかしこの人物は彼を亡き者にはしなかった。彼の真の友人だったからである。誰ひとり調査する者がいなかったので、彼を番所に留置し、王には、「アイソーポスを殺害しました」と報告した。かくてヘーリオスは、アイソーポスの内政を引き継いだ。
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そこでアイノスは恐怖にとらわれ、虚言でもって、アイソーポスを挑発して王に対抗させた。すなわち、アイソーポスからリュクウルゴスの反対者たちに宛てたように、この連中を援助するというでっちあげの書簡を書き、アイソーポスの指輪〔印〕を捺して、リュクウルゴスにたれこんだのである。すると王は、捺印を信じて、アイソーポスに怒り、彼を反逆者として殺害するよう、副官のヘルミッポスに命じた。ところがヘルミッポスは、アイソーポスの友人であったので、誰にもわからないよう、塚の中に彼を隠し、こっそりと彼を養った。他方アイノスは、アイソーポスの内政を引き継いだ。
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しばらくして、アイギュプトス人たちの王ネクタナボーンは、アイソーポスが死んだと聞いて、リュクウルゴスに対して、書簡と解くための問題を持った使節を派遣した、アイソーポス亡き後、バビュローン人たちの中には、解ける者は一人もいまいと知ってのことである。で、その問題とはこうであった。「アイギュプトスの王ネクタナボーンは、バビュローンの王リュクウルゴスに挨拶する。地にも天にも触れぬ高き塔を建造せんとおもう。これを建造する者ら、ならびに、何であれ余の質問することに答えられる者とを、余に派遣されたし、さすれば、10年間にわたって、貢祖を取るがよい、…〔欠損〕…全領土から」。
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ややってから、アイギュプトスの王ネクテナボーが、アイソーポスが死んだと聞いて、アイギュプトスからリュクウルゴスのもとに、書簡を通じて、次のような問題の出題を送って寄こした。「アイギュプトス人たちの王ネクテナボーから、バビュローン人たちの王リュクウルゴスに、拝啓。地にも天にも接することなき塔を建造せんとおもうゆえ、その塔の建造者たちと、何であれ余がこれに質問することを、余に答えるられるものを余に派遣されたい、しかあれば、余の支配下にある全領土から、10年間、貢祖を受けられるべし。されど、行き詰まりしときは、貴殿の支配下にある全領土から、10年間、貢祖を送られたい」。
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書簡を読んだリュクウルゴスはといえば、思いがけない災厄に悲嘆にくれた。友人たち — その中にヘルミッポスもいた — に参上するよう命じ、彼らに謂った、「塔の出題を解けるか、さもなければ全員の首をはねてくれようぞ」。しかし友人たちは云った、「天にも地にも接することなき塔をいかにすれば建造できるか、われわれにはわかりませぬ」。さらに別の臆病者が答えて言う、「国王陛下、われわれは陛下に命ぜられることなら何でもいたしましょう。こういったことは出来もしなければ、経験もありませぬ。どうかご容赦くださるよう、お願い申しあげます」。そこで王は怒って、全員の生命を奪うよう番兵に命じた。そして自分の顔を叩くまでにいたり、髪の毛をむしり、アイソーポスをおもって嘆き始めた。そうして呻きながら言った、「わが王国の柱を、わが不用意のせいで失ってしもうた」。そうして、食い物も飲み物も摂ろうとしなかった。
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これを聞いてリュクウルゴスは、ネクテナボーのその厳しさに悲嘆にくれ、自分の友人たちを全員招集し、謂った、「この塔の問題を解くことができるか?」。しかし全員が行き詰まったので、地面に座りこんで、アイソーポスのことをおもって嘆き、呻くように言った、「わが王国の柱を、余の不用意さのせいで失ってしもうた。いかなる宿命が余を生け捕りにしたことか、アイソーポスを失うとは」。
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こういう次第で、軍団指揮官は、王の差し迫った必要を察し、自分の過ちを好機をみて示そうとおもっていたので、謂う、「わが主人たる王よ、わたしにとって今日は最期の日と心得ております」。そこでリュクウルゴスが彼に向かって、「何を申しておるのか?」。相手が、「王のご下命を果たさず、自分のもとに悪しきことをたくわえております」。そこで王が云った、「そなたは何を関知しておるのか?」。相手が云った、「アイソーポスは生きております」。これを聞いて、リュクウルゴスは失意の底からうってかわって狂喜し、ヘルミッポスに向かって謂った、「そなたの言う最期の日を永遠にしてやれればよいものを、もしもアイソーポスが生きているというのが真実ならば。あの者をかくまい、わが救いのために護ってくれたのじゃから。とにかく、そなたを〔恩賞に〕与らぬまま放置することはないぞよ、むしろわれらが救済者と呼ぼうぞ」。そうして、彼〔アイソーポス〕を連れ来るよう命じた。やがて現れた彼は、長い間の監禁生活で、薄汚れ、髪は伸び、青ざめていたので、王は横を向いて泣いた。そうして王は、彼に手厚い世話を受けるよう、そして着替えをして挨拶に来るよう命じた。
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そこでヘルミッポスは、王がアイソーポスのために悲嘆にくれていると知って、自分の過ちを好機をみて示そうとおもっていたので、進み出て王に言った、「わが主人たる王よ、もはや悲嘆にくれさせたまぬよう。アイソーポスにお与えになりました裁可を、わたくしめは果たしておりませぬ、後悔なさることを知っておりましたゆえに。アイソーポスは、生きております。いや、王の法により、彼を生きながら塚の中に投げこみ、パンと水で彼を養ってきたのでございます」。すると王は、失意の底からうってかわって喜びにみたされ、大地から立ちあがってヘルミッポスに接吻して謂う、「今日という日を永遠にすることが出来ればのう、アイソーポスが生きているというのが真実ならば。あの者をかくまって、わが王国を護ってくれたのじゃから」。そして、彼を呼ぶよう命じた。アイソーポスが、長い監禁生活のせいで、薄汚れ髪の伸びた見苦しい姿で現れるや、王は顔をそむけて涙を流した、そして、彼に入浴して身なりを改めるよう命じた。
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そこで、アイソーポスはもとどおりに着替えると、参上して王に挨拶し、養子が自分を讒訴した次第の申し開きをし、誓いを立てて真実を立証した。王はヘーリオスを、父親に対する裏切り者として、亡き者にしようとしたが、アイソーポスは、死んでしまえば、その死が人生の恥の覆いとなるが、生きているかぎりは、おのが良心の勝利牌となる、と云って宥恕を乞うた。そこで王はこの者に存命を許し、アイソーポスに謂った、「アイギュプトス人たちの王の書簡を取って、読んでくれ」。すると彼は出題を知って、微笑して謂う、「これに次のような返書をしたためられるがよろしいでしょう。『塔の建造者たちと、質問されたことに答える者とを貴殿に遣わせよう、冬になれば』」。そのとおり書いて、使節たちによってアイギュプトスに送った。そうして、アイソーポスには初めからの国事の内政権を授けた。またヘーリオスは彼に引き渡した。そこで彼はこの若者を引き取って、言葉によって、訓戒を与えた、それは次のように始まる。
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さて、アイソーポスはもとどおりに身なりを整えると、王に接吻し、アイノス — 自分が養子にした者 — が自分を讒訴した経緯の申し開きをした。そこで王はアイノスを、父親に不敬を働いた者として亡き者にしようとしたが、アイソーポスが彼〔王〕に懇願して云う、「彼はもはや死んだものとしてご覧になってください。その死によって、良心の恥ずかしさから、彼はもとどおりの人間になるのですから」。そこでこの者に生きながらえることを許したうえで、アイソーポスに謂った、「アイギュプトス人たちの王の書簡を取って読んでくれ」。そこでアイソーポスは問題を知って微笑して謂った、「彼に返信をしたためてください。『冬になれば、塔を建造する者たちと、貴殿に答える者とを貴殿に送ろうぞ』と」。そこでそれを書いて、アイギュプトス人たちの使節団を送り返し、アイソーポスには、彼のものをすべて返し、初めからの国事の内政権を授け、彼にまたアイノスをも引き渡し与えた。そこで彼はこれを引き取って、こう言って訓戒をあたえた。
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 わが言葉に耳を貸せ、わが子リノスよ、先には、この言葉によって教育されながら、義しき恩をわれに報いることがなかった。されど今は、これをわが遺言として護れ。先ずは神を崇拝せよ、そうなすべきがゆえに。国王を敬え。その力は〔神と〕同等に尊敬されるべきものだから。汝の導師を、両親と等しく敬え。彼らには、自然本来的に善くするべきであって、まして選択によって愛する者には、恩を2倍にして返すべきだからである。日々の食べ物は、できるかぎり、必要なだけ摂れ、翌日にもより活動的になり、そうして健康でいられるように。王の中庭で何事かを耳にしても、それは汝の中に死蔵せよ、汝がすみやかに死ぬことのないように。汝の妻とは必要なだけ交われ、ほかの男を試すことを拒むようになるため。なぜなら、この〔女という〕種族は尻軽で、ちやほやされることが少ないと、過ちを犯すことに頭を働かせるものだからだ。酒の席で教育をひけらかして愛言することをやめよ。おりあしきときに詭弁に引っかけられて、笑い者になるからだ。舌鋒の鋭さで進みゆけ。羽振りよき連中を妬むな、むしろ共に喜べ、そうすれば、彼らの羽振りのよさの分け前に与れよう。なぜなら、妬みは知らず知らずに自分を害するからだ。汝の奴僕たちの面倒を見、汝の持てるものの中から彼らに分かち与えよ、そうすれば、汝を主人として気にかけてくれるのみならず、善行者として尊敬してくれよう。激情を抑えよ。何事かを盛りを過ぎてから学ぼうとするとき、恥じるな。無学と呼ばれるよりは、遅勉と〔呼ばれる〕方がよりよいからである。汝の妻には隠せ、つまり、秘密事は何ひとつ彼女に明かしてはならん。なぜなら、この〔女という〕種族は、同棲者にとって対戦者(antipalon)であって、日がな一日座って、武装しているからである、いかにして汝を支配してやろうかと工夫を凝らして。
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 わが言葉を聞け、わが子よ、そして汝の心の中に護持せよ、よしや、今に至るまで、義しき感謝をわれに報いなんだにしても。われらは皆、訓戒するほどまでに知者なるも、自分が誤っても気づかない。人間であるかぎり、共通の運命(koine tyche)を心に留めよ。なぜなら、その賜物は常住的ではないからだ。何よりも神(to theion)を崇拝し、そして王を尊敬せよ。人間であるからには、人間的なことを心掛けよ。なぜなら、神は悪しきものらを正義の方へ導きたもうからだ。わざと友人たちを苦しめるのは不正なことだが、結果したことは男にとって雄々しく引き受けるべきだ。汝の敵たちには、汝自身を恐るべきものとして構えよ、汝を見くびらせないために、しかし友人たちには、穏やかで気さくなものとして〔構えよ〕、汝に好意ある者たちになるように。汝の敵たちは虚弱にして貧乏になるよう祈れ、汝を害することが出来なくなるように、しかし友人たちは、いついかなる場合も幸運であるよう望め。汝と寝床を共にするものとは、よろしく交わるべし、ほかの男を試してみることを求めぬために。なぜなら、女という種族は尻軽で、ちやほやされることが少ないと、悪しきことに頭を働かせるものだからだ。恐るべき者はあらゆる場合に避けよ、彼より強力な抗争相手はいないと解して。邪悪な者が羽振りがよいの不幸なことだ。言うよりも鋭い聞く耳を持て、そして舌の自制者となれ。酒の席で知恵をひけらかしての無駄話をするな。なぜなら、おりあしきときに詭弁に引っかけられて、笑い者になるからだ。羽振りよき連中を妬むな、むしろ共に喜べ。なぜなら、妬む者は自分自身を害するからだ。おまえの親しい者たちを惜しみなく世話せよ、主人としてのみならず、善行者として気にかけてくれるために。激情を自制せよ。なぜなら、激情は常に損害の因だが、分別は富裕の因だからだ。すぐれたことは盛りが過ぎても学ぶことを恥じるな。なぜなら、無学と〔呼ばれる〕よりも遅学と呼ばれることの方がよいからである。汝の妻に秘密事をけっしてしゃべるな。なぜなら、〔女というものは〕いかにすれば汝を支配できるかと常に武装しているからだ。
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汝の日々の財産(bios)は、手に入れられるものに加えて、明日までとっておくことをも求めよ。なぜなら、生きているあいだ友人たちがいないことよりは、敵たちに残してやることの方がましだからである。汝に出会う者たちには、愛想よき者、気さくな者となれ、犬でさえ、尾は〔振れば〕パンを、口は〔咬めば〕殴打を受けるということを知って。慎み(sophrosyne)を誇りとせよ、金銭ではなく。なぜなら、後者は時(kairos)が奪いさるが、前者〔慎み〕は常住的でありつづけるから。善運に恵まれたら、敵たちに遺恨をいだくな、むしろ彼らによくしてやれ、そうすれば、〔敵たちは〕どのような相手に不正したかを知って後悔するであろう。憐憫を持つことができるなら、ぐずぐずするな、労をとれ、運命(tyche)は常住的でないと知って。陰口・悪口をいう者は、たとえ汝の兄弟であっても、しばらくのあいだ賞味した後、追放せよ。なぜなら、好意を寄せるゆえにそれをするのではなく、汝によって言われたことや為されたことを他人に告げ口するからだ。所有するところが大きいといって喜ぶな、小さいといって苦しむな」。まさしく以上のことをアイソーポスは若者に云って、立ち去った。しかしリノスは、彼に不正したことに苦悩し、言葉に鞭打たれたあげく食を断ち、生を絶った。そこでアイソーポスはきらびやかに彼を埋葬し、哀悼した。
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日々のパンは余分に求めよ、そして明日のためにたくわえよ。なぜなら、生きているあいだ友人たちがないよりも、命終するとき敵たちに残してやる方がましだからである。汝に出会う者たちにとって愛想よき者たれ、犬でさえ、その尾は〔振れば〕パンをもたらすということを知って。不幸せな者に笑いかけることは醜い。常に有用なことをより多く学び、分別あることをいいつけることを心掛けよ。すなわち、何事につけてもおのが好機に感謝せよ。なぜなら、ありとあらゆるものは元気盛んとなり、そしてまた、ありとあらゆるものは枯れしぼむ。すなわち、好機は到り、再びまた奪い去られるからである。何らかのものを得たら、すみやかに、快くひとにやれ、再び得るために。善行ができるなら、これを拒むな。陰口・悪口をいう者は、先ずは問いただしたうえで、戸口から追い出せ。なぜなら、汝によって言われたこと・為されたことを、他人に打ち明けるだろうから。汝を苦しめない事柄を為せ、しかし結果したことは悩まず、引き受けよ。邪なことはたくらむな、まして悪しき習わしを真似てはならぬ。客人たちを客遇し、尊敬せよ、汝も客になったらいけないから。言葉は魂の労苦の医者である。真の友人を持っている者は浄福である。美しき恩の返済仕方を知っている者は浄福である。なぜなら、悪しく為す者に、美しき友はひとりとしてできないのだから。また、隠されたことはすべて、時(kairos)が白日のもとにさらす」。こういったことを若者に云って、アイソーポスは立ち去った。そこでアイノスは言葉に鞭打たれ、アイソーポスに不正したという咎で良心に呵責されて、みずから首をくくって、往生を遂げた。
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