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back.gifペトシリスの疑わしい書簡

ギリシア占星術文書目録0995_006

哲学者ペトシリスの、ネケプソー王宛書簡





[底本]
TLG 0995 006
=Epistolh; PetosivrewV filosovfou provV Nekeyw; basileva (e cod. Mutin. 174, fol. 262)
Astrol.

A. Olivieri, Codices Italici [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 4. Brussels: Lamertin, 1903]: 120-121.
Breakdown
Cross References



4..
(120)
 

哲学者ペトシリスの、ネケプソー王宛書簡

 病床に伏した者たちに関して、恢復するのか死亡するのか、また、一騎打ちや諸行事(こうじ)に際して勝利して名誉を得たり、敗走したり、そういったことに際しての自余の似たような目に遭う者たちについて。
 人生を精査して、わたしによって述べられた事柄の一つひとつについて、御身にお伝えすることをためらったことはありませんが、基準となる道具 — これこそは吟味するに常に誤りなきものですが — を御身のために添付しました。この同じものが、一騎打ちの勝利や、諸々の行事(こうじ)や諸々の逃走やそういったことに等しい事柄にもあてはまります。そこで、病床についた者とか、争訟に巻きこまれた者とか、逃亡者とか、等しい者らの名前を考察し、慎重に計算し、月の数を加算せよ、そうしてすべてをいっしょにひとつにして、29で割れ、そうして余りをこの器具に照らし合わせよ。そうしてもし、〔余りの数を〕「大いなる生」の内に見出せば、彼はすぐに起き上がるだろうが、もし「小さな生」の内になら、数日病んだ後に恢復するだろう。だが、「大いなる死」の内になら、長い間病んだ果てに命終し、「小さな〔死〕」の内になら、すぐに〔死ぬだろう〕。だがもし、月の数が地平下に見出され、他方、病人のそれが地平下に〔見出される〕なら、彼は危険な状態になった後で助かるだろう。しかし指標のために月は17日間あるとせよ???。御身のために、アキッレウスとヘクトールとを例に採ろう。すると、「アキッレウス」という名前は、数にして1276〔=1+600+10+30+30+5+400+200〕、月の日は数にして893〔=第17日の定数〕と138〔=?〕日であるから、両方〔1276+893〕で2169となる。29で割れ、そうすると23が余る。「ヘクトール」という名前も、〔数において〕1225〔=5+20+300+800+100〕で、月の日は数にして893であるから、〔1225+893=合計〕2118となる、これも (121.) 29で割れ、そうすると残った数〔=1〕が余りである。器具をあてはめよ、そうすると、御身はアキッレウスが勝利することを見出されるでありましょう。また、地平上に21だが地平下に1〔日〕だから?、御身はヘクトールが負けるのを見出されるでしょう。
 月の日々と数が、いかにしてそれぞれの日に  が乗るのかということ。— 第1日から第15日までは、11かあるいは  数を加えてください。第16〔日〕から第30〔日〕までは、131と1?を加えなければなりません、この数は、各日の数と病人の名前と一致したものでなければなりません。第1と第2の欄は、それぞれの日の   と   の数を有しますが、第3と第4の欄は、計量され   な<?>を明らかにしあます。あとは、名前で割って、月の計測されたそれらを加えるだけです。
 — セレーネーの第1・第2欄 —
 〔1暦月の〕第1日は、1088という数価を有するが、前述のように、第15日までは321も加えられるので、1589となり、その他も同様である。  を知らなければならない。そしてセレーネーの第1日は1589を有する。セレーネーは二番目の加算815を有するが、81の加算後は、いずれの日も第15日までは1116も加えなければならないごとくである。セレーネーの第3日は1019   第4日は1315。第5日に514、第6日に634、第7日に828,第8日に456、第9日に668、第10日に639、第11日に694、第12日に543?、第13日に372、第14日に1686、第15日に1101、第16日に372、138の加算後、第17日に893、第18日に1606、第19日に1018、第20日に374、第21日に1662、第22日に1220、第23日に1253、第24日に519?、第25日に?、第26日に738、第27日に534、第28日に560、第29日に712、第30日に770。
 — 第3・第4欄 —
 第1・第2<欄>が述べられ、第3[・第4]欄の初めは、第16日を第1日として残りが初めから〔述べられる〕。第1日〔第16日〕は23を有し、第2日〔第17日〕は14、第3日は4、第5日は10、第5日は6、第6日は25、第7日は14、第8日は11、第9日は17、第10日は1、第11日は27、第12日は23、第13日は4、第14日は14、第15日は8です。
 — 第4欄の初め
 第16日は27、第17日は23、第18日は10、第19日は9、第20日は25、第21日は••、第22日は••、第23日は23、第24日は27、第25日は15、第26日は13、第27日は16、第28日は19、第29日は15、第30日は16。この器具が含むのは、大円4つと、小円8つであり、図示された器具が、天文学の天界です。


cercle_Petosiris_a.jpg
 これは、数秘術や図形を使って、古代の占術を述べた手紙である。ペトシリスとネケプソーは、幾つかの伝統の中で、天文学の確立者とみなされている。ラテン語に訳されたこの手紙のひとつは、作者を聖ベーダに帰している。この占い術は、ペトシリスの球とか、Columcilleの球とか、デーモクリトスの球とかを含む名称で知られている。古代の著作者たちの特徴は、新プラトーン主義やグノーシス主義の典型的な実践であって、おそらくはこの伝統から生じたものであろう。図形の実例は、Anglo-Saxon 手稿本から知られる。
 この術が含むのは、親の名前の数的価値を計算し、30ないし29で割る。この数は、係数(mod 29)あるいは(mod 30)の暦月から残りを導き出して得られる。この数は図形の上に求められて、予後を決定する。(Wikipedia)
 図は、Berthelot, Collection des Anciens Alchimistes Grecs 所載の「ペトシリスの円」。
cercle_Petosiris_b.jpg           

2017.12.. 訳了

forward.GIFテッサロス『草木の諸徳について』(1/5)