セラピオーン/断片集(2)
ギリシア占星術文書目録1669_003
断片集(3)
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[底本]
TLG 1669
SERAPION Astrol.
TLG 1669 003
Fragmenta
Astrol.
J. Heeg, Codices Romani [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 5.3. Brussels: Lamertin, 1910]: 96-97, 125.
5,3.
(96)
諸々の獣帯星座について サラピオーンはこう言う
四肢においてより多くがついた余計な四肢をもった獣帯星座は、金牛宮、巨蟹宮、処女宮、天蝎宮、人馬宮、双子宮、宝瓶宮、双魚宮、磨羯宮、獅子宮。金牛宮はプレイアデス星団ゆえに、巨蟹宮は雲ゆえに、処女宮は麦穂ゆえに、天蝎宮は針ゆえに、人馬宮は矢ゆえに、双子宮は竪琴ゆえに、宝瓶宮は水瓶ゆえに、
双魚宮は縄ゆえに、磨羯宮は巻いた尾ゆえに、獅子宮はますますせわしく対置的?な双魚宮ゆえに。
湿っぽい〔獣帯星座〕は同じ獅子宮、宝瓶宮はエーリダノス河ゆえに、磨羯宮は尻尾ゆえに、人馬宮は[アルゴー号の]船体と海に隣接するゆえに。
(97) 渦巻き状〔獣帯星座〕は磨羯宮。
独り子?〔獣帯星座〕は宝瓶宮。
鱗をもった〔獣帯星座〕は磨羯宮、双魚宮。
二重身〔獣帯星座〕は人馬宮、磨羯宮、双魚宮。
陸棲〔獣帯星座〕は天蝎宮と人馬宮の部分。
針をもった自生的〔獣帯星座〕は天蝎宮。
剣を持った〔獣帯星座〕は処女宮。
膨らんだ〔獣帯星座〕は天蝎宮、金牛宮、双魚宮、巨蟹宮、獅子宮、人馬宮、磨羯宮、白羊宮。
筋骨逞しい〔獣帯星座〕は双子宮、処女宮、人馬宮、双魚宮。
嚮導的〔獣帯星座〕は白羊宮、獅子宮、人馬宮。
猛獣的〔獣帯星座〕は金牛宮、獅子宮、天蝎宮、磨羯宮、部分的には人馬宮も。
人間の形をした〔獣帯星座〕は双子宮、処女宮、天秤宮?、宝瓶宮と部分的に人馬宮。
種子の多い〔獣帯星座〕は巨蟹宮、天蝎宮、双魚宮。
多産な〔獣帯星座〕は巨蟹宮、双魚宮、天蝎宮。
子無しの〔獣帯星座〕は処女宮、磨羯宮、金牛宮。〔註〕
不妊の〔獣帯星座〕は獅子宮??、処女宮。〔註〕
肢体を切断された〔獣帯星座〕は白羊宮?、獅子宮?、金牛宮、天蝎宮、磨羯宮、双魚宮?、巨蟹宮。
陸棲の〔獣帯星座〕白羊宮、金牛宮、双子宮、獅子宮、処女宮、天蝎宮、天秤宮。
両棲的〔獣帯星座〕は巨蟹宮、磨羯宮。
水を含んだ〔獣帯星座〕は巨蟹宮、宝瓶宮、双魚宮、磨羯宮。
吸収する〔獣帯星座〕??は天蝎宮、磨羯宮、巨蟹宮、双魚宮。
奉仕的な〔獣帯星座〕は巨蟹宮、天蝎宮、磨羯宮、双魚宮、白羊宮、金牛宮。
(125)
サラピオーンの
善行する〔吉〕星たちや同志の〔星たち〕のトポスにある星々は、気の合ったトポスを占める星々と同様に悦ぶ。そのときは、破壊を惹き起こす〔星々〕でさえ善行するからである。
2019.09.22. 訳了
[不妊の〔獣帯星座〕]
マルクス・マニリウス『占星術または天の聖なる学』に曰く、「処女宮は不毛であり、また、その隣の獅子宮も、宝瓶宮も懐胎しない。少なくともまったく子を生まない。異質の両体より成る磨羯宮はこの両極〔多産の無産と〕の中間にあり、弓を打ち振る人馬宮も同様である。白羊宮も同類に属し、昼夜を等分する天秤宮も、双子宮も金牛宮もまた同じ」(第二の書)。
この時代、天秤宮は天秤を手に座った処女の姿で表された。男=牡は子を生ませることはできても、自分で生むことはできない。処女も生むとはできないとするのである。
[肢体を切断された〔獣帯星座〕]
マニリウスは言う。「天蝎は鋏をもたない。天秤がそれを呑みこんだ。金牛の一本の脚は曲がって、体躯を支えきれない。巨蟹は盲目。人馬は片眼。このようにして、天空は私たちが出会う不幸を慰め、辛抱強く耐えるよう、身をもって教えているのだ」。
セラピオーンは、このリストから人馬宮を省き、代わりに白羊宮、獅子宮、磨羯宮、双魚宮を加えた。磨羯宮は魚体と合体しているゆえに、双魚宮は(魚なのだから当然)手足がないゆえに理解できる。白羊宮はおそらく、本来は春季に生まれたばかりの仔羊を表しており(図は境界石に描かれたもの)、これを(金牛宮と同じく)身体虚弱とみたらしい(前脚の形に注目)。
獅子宮を不具宮とした理由は不明。
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