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back.gifテウクロス/昇る諸星座について(断片集)

ギリシア占星術文書目録1762_001

断片集


[人物]
 紀元36年に没したローマの文人にして占星術師。ロードス島の占星術学校で教えた。ティベリウス〔ローマ皇帝。在位後14-37年〕が皇帝になるという予言をして、愛顧を受けたという。


[底本]
TLG 1762
THRASYLLUS Astrol.
fiq Thrasyllus Hist.
A.D. 1
Alexandrinus

W. Kroll and A. Olivieri, Codices Parisini [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 8.3. Brussels: Lamertin, 1912]: 99-101.
Cross Reference



8,3
(99)
 

第57章。ヒエロクレースに宛てたトラシュッロスの書板の概要。

 この人物は、諸々の宮の自然について、先ず第1に、他の人たちと同じく調査探求するのが常であったかぎりのほとんどの事柄を区別する、例えば、人間的な〔宮〕と野獣的な〔宮〕、男性的〔宮〕と女性的〔宮〕、昼夜平分〔宮〕と転換〔宮〕といったこと:また、転換は、一部の人たちの考えとは違って、宮の最初の度で起こるのではなくて8分あたりということ、また、度は月の大きさあるいはまた太陽の外円だということ、である。

(100) さらに、彼が12宮について区別するのは、嚮導〔宮〕と仕える〔宮〕、四足〔宮〕とそうでない〔宮〕、不産〔宮〕と二本性〔宮〕、二重身〔宮〕と雨〔宮〕、陸棲〔宮〕と両棲〔宮〕、多産〔宮〕や多子〔宮〕や不妊〔宮〕や、他にも謎〔宮〕、また猫背〔宮〕と二色〔宮〕ということ、である。また、諸々の宮の各々はいかなる風によって細分され、これら7〔惑星〕のいずれかのいかなる家(oijkhthvrion)、いかなる高揚を照らしもし王支配もするのか:また、何々のうちの何々が失墜なのか、〔ということである〕。また諸々の組み合わせ、他の星々、月に関して、その他の〔星々〕は3つの出現(favsiV)を形成するが、月は7つ〔の出現を形成する〕ということも:また、星々において出と入りは二つであるって、前者は宇宙に対し、後者は太陽に対し、惑星は全体に対して逆の動きをするかのようであるということ、そして、水平と垂直にも動きを変える、ということも:また、星々の回帰は3つであるということ、また、回帰と言われるのは、同じ徴から同じ徴までの周期だということも。また、逆行(ajntipodismovV)、進行(propodismovV)、留(sthrigmovV)、消失(kruvyiV)と言われるのは何か、また、星はいかにして入り〔の星〕、夜明け〔の星〕となるのか、また衝の出現とは何か:また、組み合わせはこれらにおいてわずかである???。

 7層についても、彼が自分で謂うところでは、ペトシリスとネケプソーに従って伝統を区別している。惑〔星〕の自然についても彼は区別する:そして、諸宮の何々は何々と同化する:次いで、太陽には土星と木星が追随する如く、月には火星と金星が〔追随する〕、それ故、前者は太陽の党派、後者は月の党派、ただし水星は共通と言われる:また、それぞれの党派において、太陽が男性〔宮〕を抽籤しているように、月は女性〔宮〕を〔抽籤し〕、また、月が2つの三合 — わたしが謂うのは金牛宮と巨蟹宮であるが — を抽籤している:預かり物の部分においては、宇宙の生成に関して区別し、宝物〔天球図〕をロゴスで図表化して、宇宙の生成のカノーンのために勧告し、人間ども各人の出生を精査するよう〔勧告する〕。また諸々の基本点についても、ホーロスコポス、上昇時間、有用な宮が言われるように言い、入りでは、対座そのもの、ホーロスコポスに先立って昇る右の四分円の天の中央、残りの地平下の天の中央(これは地平下の基本点と呼ばれ、ホーロスコポスの縁起のよい〔=左の〕四分円とも呼ばれるもの):(101) また、基本点に類似した4つの下降面は悪しきダイモーン、下降面の対座の最遠部が悪しき偶運と言われるということ。次いで彼が区別するには、生命はホーロスコポスの宮と言われるが、生活はその人に後続して昇る〔宮〕、第3〔宮〕は兄弟たちのロゴスを堅持し、地平下の<〔宮〕>は両親の〔ロゴスを〕、これに後続して昇る〔宮〕は生子たちの〔ロゴスを〕、〔天体の日周運動において東方で〕随う(宮)は怪我の〔ロゴスを〕、下降点は女性〔宮のロゴスを〕、入りの基本点に後続して下降する〔宮〕は、ホーロスコポスから配置にして第8〔トポス〕に偶在する〔ロゴス〕— 死の偶運とも呼ばれる — を。以上の事柄を云ったうえで、宝物の精査をもカノーン化したうえで、彼によって基礎づけられたということも:そこにおいて、寿命について区別され、何びとが何びとたちを、いかように〔寿命を〕配分したか、また生活についても、どのようであるか、また、残りの6つの要点 — わたしが謂うのは、兄弟たち、両親、生子たち、諸々の怪我、偶運 — についても〔彼は区別した〕:この中で、樹立の圧倒に関する事柄も、星々が互いに圧倒しあって明らかにする限りの事柄をも。

 また彼が区別するのは、いわゆるトリスメギストス・ヘルメースが、配列の各々を1/12と呼び考えるよう要求した仕方である、例えば、ホーロスコポスをば偶運のも、魂のも、生命の仕方のも :第4土台〔トポス〕をば幸福、父祖に属する事柄、奴隷の獲得の明証と呼んだ:第5〔土台=トポス〕をば善き偶運と呼んだ:しかしながら第6〔土台=トポス〕をば<悪しき>ダイモーン、血讐、怪我の明証と〔呼んだ〕:第7の下降点のトポスをば死と女の明証とも〔呼んだ〕:第8〔トポス〕をば人生と生活と呼んだ:第9〔トポス〕をば離郷と外国暮らしの明証と〔呼んだ〕:第10〔トポス〕— これは天の中央でもあるのだが — をば、これは生子の授精、諸行為、名誉、支配、嚮導を明証するので、偶運、生活、人生とも彼は呼んだ:傾向(diavqema)〔トュラシュロッスの用語。出生時における星の配置〕における第11宮をば善きダイモーンと彼は呼んだが、第12〔トポス〕はプロアナポラ(proanaforav)にして悪しきダイモーンだが、人生の<も>奴隷たちのもその従順さの明証であると〔彼は呼んだ〕。— 以上が、トラシュブゥロスの(トラシュッロスのと言え)ヘーラクレース(ヒエロクレースと言え)宛ての書板の内容である。

2021.03.20. 訳了


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