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back.gifテラシュッロス/断片集

ギリシア占星術文書目録1764_004

断片集(1)


[人物]
 ウェッティウス・ウァレンスは前2世紀頃の人で、名前から見るとローマ人だが、これもギリシア語で書いたらしく思われる。有名な人文主義者ベッサリオン(1403-72)が所有していたマルキアヌス写本314にプトレマイオスの多くの著述とともに、この人のかなりの引用文が含まれている(1908年にW・クロルにより公刊)。ボルによれば、ウァレンスの文には独自なものは何一つなく、まったくの孫引きであるというが、いずれにせよそのテキストは難解であって、十分に理解されていないという。ボルの著書には、上記写本中の十二宮の説明にあたる部分が注解とともに掲げられている。(矢島文夫『占星術の誕生』)


[底本]
TLG 1764
VETTIUS VALENS Astrol.
A.D. 2
Antiochenus

TLG 1764 004
Fragmenta
Astrol.

D. Bassi, F. Cumont, A. Martini, and A. Olivieri, Codices Italici [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 4. Brussels: Lamertin, 1903]: 146-149.



4.
(146)
 

術知による託宣、ウゥアレースから。

 自然は神の器官であり、神は自然の秩序として望むところで勝利し、順調であり、万能の十字架によって万事を聖化する。されば古の人たちは単純な行道を<教える>。すなわち、各獣帯星座に2字母を与えるのである、白羊宮から始めて次のように:
αβγδεζηθικλμ
♇♉♊♋♌♍♎♏♐♑♒♓
νξοπρςστυφχψω

 ウゥアレースは、各宮の全体を成就するためにこれらを採りあげるのではなく、六合、四合、三合、対座を採りあげ、<次のように>言う:白羊宮に与えられる字母は単純にα〔1〕と (147) ν〔50〕;そこでαはウゥアレースは完全に無視するが、νの方はこれをも無視し、これの六合であるο〔70〕を採り、同様に四合であるπ〔80〕と三合であるρ〔100〕と対座であるτ〔300〕とを〔採る〕、すると白羊宮の全体は〔550〕となる。金牛宮についても同様で:金牛宮の字母は単にβとξ〔60〕:そこでβの方は完全に無視するが、ξの方はこれも無視する:<この>ξの六合であるπ、四合であるρ、三合であるσ、対座であるυを採る、すると金牛宮の全体は〔700〕となる。双子宮の字母は3と70,70の六合は100、四合は200、3合は300、対座は500、すると双子宮の全体は1100になる。巨蟹宮の字母は4と80:80の六合は200、四合は300、三合は400、対座は600、すると巨蟹宮の全体は1500になる。獅子宮の字母は5と100:100の六合は300、四合は400,三合は500、対座は700、すると獅子宮の全体は1900となる。処女宮の字母は7と200:200の6合は400。4合は500、3合は600、対座は800、すると処女宮の全体は2300になる。天秤宮の字母は8と300。300の6合は500、4合は600、三合は700、対座は50:なぜなら、もはや自余の宮のようにではなく、採るのはτの対座である2である、すると全体は1850となる。天蝎宮の字母は9と400:400の六合は600、四合は700、三合は800、対座は60、すると天蝎宮の全体は2160になる。人馬宮の字母は10と500:500の六合は700、四合は800、三合は50、対座は70、すると人馬宮の全体は1620となる。磨羯宮の字母は20と600:600の六合は800、よんごうは50,三合は60,対座は80、すると磨羯宮の全体は906となる。宝瓶宮の字母は30と700:700の六合は50,四合は60、三合は70、対座は100、すると宝瓶宮の全体は280となる。双魚宮の字母は40と800:800の六合は60,四合は200,三合は80,対座は200、すると双魚宮の全体は410となる。そしてまさに以上が12宮の全体である。

 ところで、六合の全体が集められるのは宿から、高揚から、反対からである。例えば、土星の宿は磨羯宮と宝瓶宮。磨羯宮の字母は20と600、宝瓶宮の字母は30と100:土星の高揚は天秤宮。これ〔天秤宮〕の字母は8と300:土星の反対は獅子宮。これ〔獅子宮〕の字母は5と100、そこでわれわれは磨羯宮の宿からは20を、その高揚から天秤宮の300を、その反対からは獅子宮の100を採る、すると土星の全体は420になる。今度は、火星の宿は白羊宮と天蝎宮、高揚は磨羯宮、反対は金牛宮:その宿から天蝎宮の9を、高揚から20を、反対から60を採れ、すると火星の全体は89となる。木星の宿は人馬宮と双魚宮、高揚は (148) 天蝎宮、反対は処女宮:双魚宮から40を、反対から7を、高揚から80を採れ、すると木星の全体は127となる。太陽の宿は獅子宮、高揚は白羊宮、反対は宝瓶宮:[そこで]白羊宮から50を、反対から宝瓶宮の30を、獅子宮から100を採れ、すると太陽の全体は180となる。金星の宿は金牛宮と天秤宮、高揚は双魚宮、反対は天蝎宮である。金牛宮から2を、双魚宮から40を、天蝎宮から9を採れ、すると金星の全体は51になる。水星の宿は双子宮と処女宮、高揚は処女宮、反対は双魚宮:処女宮から7を、双子宮から3を、双魚宮から40を採れ、すると水星の全体は50になる。月の宿は巨蟹宮、高揚は金牛宮、反対は磨羯宮:巨蟹宮から4を、金牛宮から2を、磨羯宮から20を採れ、すると月の全体は26になる。

 星々の全体は以上であり、配置をつくるはずであるが、もしも分離した5つのトポス上なら、5つの星も失敗することなく見出され、出てくる字母はすこぶる容易に集められる:だがもしそうでなければ、とりまとめは難儀である。そこで質問の解は次のようにせよ:某が然々斯く斯くのことを質問する、あるいはわたしが某として然々のことを質問する:そこで質問の最初の文字を採り、これをホーロスコポス上のその星の位置に掛け算し、掛け算した数から

2018.01.31. 訳了


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