リュディア人ヨアンネス／月の諸々の観察について

［底本］
TLG 2580
Joannes Laurentius LYDUS Hist.

TLG 2580 009
Excerpta e calendario Clodii (e cod. Matrit. Bibl. Nat. 4681, fol. 151v)
Astrol.

K.O. Zuretti, Codices Hispanienses [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 11.2. Brussels: Lamertin, 1934]: 168-173.

全時間の
星々の動きについて。
ヤーヌスの月に：—

　第１日。太陽が高揚する。鷲座は冠座ととともに全体的に沈む。
　第２日。蟹座の中央部が沈み、諸々の風が突入する。
　第３日。蟹座全体が沈み、風の転換が多彩。
　第４日。イルカ座が夜明けに出る。そうして南風が吹くときもあるが、たいていは強い北風が。
　第５日。リュラ座が出、ワシ座が沈み、風の混乱。
　第13日。 ？？？
　第14日。獅子座が沈み始め、北風つまりアパルクティアス風の多彩な転換。
　第16日。太陽が水瓶座に、そして嵐ないし好天多し。
　第17日。獅子座の大半が沈み、それ以降、風の戦い。
　第18日。獅子座の全体が沈む：そしておそらく雨を伴う風の戦い。
　第19日。太陽の転換と、冬の最中。
　第20日。水瓶座が出始める。
　第21日。水瓶座の大半が出る。そして夕方に（降雨）。
　第22日。水瓶座の全体が出、リプスが吹き（降雨）。
　第24日。リュラ座が沈み始める。そして北風が嵐を起こす。
　第27日。獅子座の輝く星が沈む。
(169)　第28日。　リュラ座の全体が沈む。
　第29日。イルカ座が沈む。

ペブルゥアリオス月

　第１日。隠れた星が出、嵐、あるいは東風が吹く。
　第４日。イルカ座が、夕方、沈む。
　第９日。別の隠れた星が見え始める。
　第10日。大熊座が出始める。
　第12日。大熊座が真っ直ぐに出、風の戦い。
　第13日。射手座が、夕方、沈む。
　第14日。クラテール座が、夕方、出る。
　第15日。太陽が魚座に、冬になる。
　第17日。乙女座が沈み、大気の混乱。
　第18日。乙女座とともに矢座が沈む。
　第19日。矢座全体が沈み、南風とともにアパルキティアス〔北風。Mete. 363b14〕が吹く。
　第20日。獅子座全体が沈む。また「燕風」と呼ばれる北風が始まる。いずれかの地域に、８日後、燕たちが現れるからである。
　第21日。大熊座が現れ、西風が吹き、夜はかき曇る。
　第22日。馬座が夕方沈む。だがいわゆるカワセミ類が現れる。
　（第23日。）水瓶座が高揚し、冬になる。
　（第25日。）大熊座が、夕方、昇る。
　（第26日。）燕たちが多くの地域に現れる。
　（第27日。）夕方、矢座が沈む。

マールスの月

　（第２日。）果物〔葡萄〕の収穫者が現れる。
　（第４日。）魚座が出始める。
　（第５日？）冠座が垂直に沈む。
　第７日。鳥類が全体的に海辺を飛び始め、大気の転換の序。
(170)　第９日。トビ座が見え、魚座の１匹が矢座の下に真っ直ぐ隠れる。
　第10日。馬座が真っ直ぐに沈み、トビ座が高揚？から見える。
　第12日。魚座の１匹が南から出る。
　第13日。アルゴー座が出、西風が夕方に。
　第15日。馬座が完全に沈む。
　第16日。太陽が牡羊座に〔入る〕。
　第17日。風の戦いがアルゴー座から現れる。
　第18日。トビ座が夜明けから正午までに沈む。
　第21日。牡羊座が　　に出、雨か降雪。
　第22日。昼夜平分日と大気の混乱。
　第23日。牡羊がより多く出るとき、大気が濃密。
　第24日。トビ座がすっかり沈む。
　第25日。２匹の魚座が等しくなるとき、北風かアパルキティアスが。
　第26日。牡羊座が夜明けから見える。
　第28日。蠍座が沈み始める。
　第29日。牡羊座が出る。
　第31日。蠍座の大部分が沈む。

アプリリオス月

　第１日。蠍座全体が沈み、太陽が１度を付け加える。
　第３日。牡羊座が明らかに高揚する。
　第６日。ヒュアデス星団が出、極度に南風。
　第11日。ヒュアデス星団が隠れ始める。
　第14日。無名の星が出、諸々の風が吹くだろう。
　第15日。ヒュアデス星団の多くが隠れるとき、西風が吹く。
　第16日。太陽が牡牛座に。
　第19日。ヒュアデス星団全体が沈む。
　第21日。牡牛座の頭部が沈み、大気に最大の混乱。
　第23日。牡牛座の大半が沈む。しかし太陽の転換。
(171)　第24日。リュラ座が大部分見え、雨の徴候。
　第25日。犬座が隠れ始める。
　第26日。リュラ座が沈み始め、大気の転換。
　第27日。犬座の中央が隠れ、オーリーオーンが、夕方、隠れる。
　第29日。 犬座の大半が隠れ、風の混乱。

マイオス月

　（第１日）。犬座が沈み、露が降りる。
　（第２日）。プレイアデス星団が太陽といっしょに現れる。
　（第３日）。仔羊座とヒュアデス星団が出る。
　（第４日）。リュラ座が夕方昇り、大気が変化する。
　（第５日）。オノケンタウロスが見え始める。
　（第６日）。山羊座が明け方上昇し、大気が激しく変化する。
　（第７日。）ヒュアデス星団が真っ直ぐ出、西風が吹く。
　（第11日。）プレイアデス星団が出始める。
　（第12）プレイアデス星団の大半が出る。
　（第13）プレイアデス星団が高揚し、はっきり見える。
　（第15）蟹座が出る。
　第16日。初の初め。
　（第17日）プレイアデス星団が高揚する。
　第18日。太陽が双子座に。
　第19日。ヒュアデス星団が明け方見え、大気が変わる。
　第20日。大熊座が沈み始める。
　第21日。射手座が沈む。
　第22日。大熊座の大半が沈む。
　第23日。双子座が出始める。
　第24日。大熊座がすっかり沈む。
　第26日。牡羊座が沈む。
　第27日。仔羊座が明け方出る。そして太陽が高揚する。
　第28日。双子座がはっきり見える。
　第30日。仔羊座が出る。

イウゥニオス月

　第１日。プレイアデス星団が上昇し、南風が吹く。
　第２日。ワシ座が夕方昇る。
(172)　第５日。ワシ座がすっかり出る。
　第６日。大熊座が明け方沈む。
　第７日。プレイアデス星団が高揚する。
　第８日。ワシ座がはっきり見える。
　第９日。イルカ座が夕方で始める。
　第10日。主として夏の初め。
　第13日。オーリーオーン座がほんの少し出始める。
　第14日。イルカ座の大半が出る。
　第15日。イルカ座がすっかり出る。
　第18日。太陽が蟹座に。
　第19日。オーリーオーン座の肩が出始める。
…………

<オクトーブリオス月>

…………
　第29日。大熊座が沈む。
　第30日。無名の星が沈む。

ノエムブリオス月

　第１日。オーリーオーンが日没の方角に行き始め、大気が寒気へと転換。
　第３日。冠座が明け方昇り、……激しくなる
　第５日。リュラ座が太陽とともに出る。
　第６日。リュラ座の昇る時期から曇天。
　第７日。プレイアデス星団の先が沈み始める。
　第８日。プレイアデス星団の沈みから陰気な大気。
　第９日。リュラ座が出、冬への転換。
　第11日。冬の初め。
　第12日。プレイアデス星団の大半が沈む。
　第13日。リュラ座が明け方昇る。
　第15日。プレイアデス星団とオーリーオーン座がすっかり沈む。
　第17日。リュラ座全体が見え、冬となる。
　第18日。太陽が射手座に、大気の転換。
　第19日。牡牛座の角が沈む。
　第20日。リュラ座が昇交し、いやな冬。
(173)　第21日。ヒュアデス星団が明け方沈み、冷たい雨。
　第22日。兎座が真っ直ぐ沈み、同じく寒い。
　第23日。牡牛座の角が沈む。
　第24日。シリウスが沈み、冷たい露が降りる。
　第25日。射手座の第２度に太陽。
　第26日。シリウスの中央が沈む。
　（第28日。）シリウスの大半が沈み、大気は曇り。
　（第29日。）オーリーオーン座が夕方昇り始める。
　（第30日。）アンドロメダの星がすっかり沈む。

デケムブリオス月

　（第１日。）馬座と山羊座がいっしょに真っ直ぐ沈む。
　（第２日。）犬座全体が真っ直ぐ沈む。
　（第４日。）射手座が出始め、北風が吹く。
　第５日。この夜、普通でない星が見える。
　第６日。射手座の中央部が出る。
　第７日。大熊座からリプス〔〕が吹く。
　第９日。蠍座がはっきり見える。
　第10日。仔山羊座が明け方沈み、多種類の北風。
　第11日。射手座がすっかり見える。
　第13日。山羊座が全体として明け方沈み、大気は混乱気味。
　第15日。アルゴー座が見え始める。
　第17日。太陽が磨羯宮に。
　第19日。山羊座が全体として隠れる。
　第20日。ワシ座と磨羯宮が同時に出る。
　第22日。磨羯宮が見え始め、南風が吹く。
　第23日。冬の転換。
　第24日。ケーペウス座が沈む。
　第25日。磨羯宮の大半が出る。
　第27日。磨羯宮の全体が出る。
　第28日。太陽がこの日に転換し、夜が短くなる。
　第29日。磨羯宮がすっかり見える。
　第30日。イルカ座が出る。
　第31日。イルカ座の出以後、風の混乱。

2020.01.22.　訳了