西洋占星術・序
[CCAG] [底本] 8,2.
「〔心を〕傾注せよ、おお、厳格このうえない息子ロボアム〔レハベアム。ソロモーンの息子〕よ、そなたの父である我ソロモーンのこの術知の、水占いのあらゆる注意が内属する事柄における厳密さに、何にもまして<……>優先すべきは、諸惑星と獣帯星座の観察と、(144) それらに祈りを捧げて、願われることに応じて実修しなければならないからである」。 観察7惑星の観察と、その日々において、1週間の7日間に君臨する日に、実修すべきことは何か? 主の日に君臨する太陽 第1曜日の第1時は太陽が君臨する<……>。 第2曜日に君臨する月 第2曜日には月が君臨し、?(poulhsiva)やアゴラで訴えを起こすのが美しい。 第3曜日に君臨する火星 火星は第3日の第1時に君臨する。戦争およびそれに続くものらにおいて勝利するよう戦いを仕掛けるに吉である。 第4曜日に君臨する水星(146) 第5曜日に君臨する木星 第5曜日の第1時に君臨するのは木星。そうして、あらゆる人間と生き物の療治にとって美しい〔吉日である〕。 準備の日〔第6曜日〕に君臨する金星 金星は準備の日の第1時に君臨する。そこで、愛餐と愛行を実修せよ。 サバトの日に君臨する土星 サバトの第1時は土星が君臨し、敵に損害を与える、あるいは、汝が実行したり、人間が強くなるのに〔吉となる〕刻である。 知るがよい、おお、最も厳格な息子ロボアムよ、1刻限ごとに一人の善き天使と一人の邪悪なるダイモーンとが君臨することを。善き仕事を実修せんとするなら、善き天使に、汝の共働者となるよう、誓願せよ。他者に対して悪しき事態を実行せんとするなら、汝の共働者となるよう、そのダイモーンに誓願せよ、ひとかどのことを望むなら、まさにそういうふうにすべきである。穏やかに以下のように始まる。 主の日の天使たちとダイモーンたち
第2曜日の天使たちとダイモーンたち
第3曜日の天使たちとダイモーンたち
第4曜日の天使たちとダイモーンたち
第5曜日の天使たちとダイモーンたち
準備の日の天使たちとダイモーンたち
サバトの日の天使たちとダイモーンたち
とにかく、そなたが最も厳格に知る行道をそなたのために刻そう、ロボアムよ、そなたの意思を実修することを望む刻限を完全に知らねばならない、と。先ず、その刻限に見出されるその惑星への祈りを言え。次いで、天使とその従者、あるいは、そのダイモーンに誓願せよ。そこで、土星への祈りはこうである。 土星への祈り永遠の神、制御されざる力、我らの救いのために万物をしろしめす方よ、我らに恩寵を与えたまえ、恐るべき惑星を我が意志に服させるために。御身に誓願いたします、惑星たる木星よ、御身の軌道、御身の霊気、御身の財産、御身の (146) 天界、御身の照明と活力、御身の以下の名号 ガシアル、アグゥンサエル、アタッセル、ベルトリエル、メントザトジア にかけて、御身が君臨するこの刻限に、恩寵と活力と力を我に与えたまうよう。 木星への祈り主にして神、万能の父、目に見えるものら目に見えぬものらの造物主、王支配する者らの中の王にして、君臨するものらの中の主よ、我らに恩寵の力を授けたまえ、木星が我らに従うよう、というのは、あらゆる力能は、主よ、御身のものなのですから。御身に誓願いたします、木星よ、御身の智恵、御身の知識、御身の癒しの活力、御身が巡りたもう天と進行、そして以下の名号 アノープ、オルシタ、アトノクス、オニゲウイ、アトジニエル、アンカニテイ、テュネオス、ゲニエル、カニプトザ にかけて、わたしに、わたしが実行せんとするこの隷属に、御身の恩寵を傾けたまいますよう。 火星への祈り畏れ多い神、説明しえぬ神、観照しえぬ神、人間どもの誰一人としてかつて見たことなく、見ること能わざる方、深淵が見て戦慄し、生ける者どもは頓死した方よ。我らに恵みたまえ、我らが惑星である火星を服従させ得ますよう。御身に誓願いたします、火と燃える火星よ、新しき有性とあらゆる火と燃える軍勢を所有しておられる神にかけて。御身に誓願いたします、御身の活力、御身の行進、御身の照明、以下の名号 ウゥタト、ヌゥエート、コレーゼー、ティニアエー、ダクリ、アムピラ、ノリエム、シアト、アディカエールトザナス、プレーシュム にかけて、わたしのこの隷従によって御身の恩寵を与えたまうよう。 太陽への祈り(156) 王支配する者らの中の王、君臨する者らの中の主、初源を超えた自然、不朽の力、理解し得ぬ光、際限なき光、恵み深き唯一者、憐れみの供給者よ、御身の恩寵と善行によって我らを顧みたまえ、現前する惑星たる太陽をば我らが従わせ、その活力を確保できますよう。御身に誓願いたします、触れること能わざる太陽よ、理解されざる方、昼光よ、御身の時間の周期、御身の4つの季節、御身の行道、御身の光線、御身の翼、御身の活力、御身の以下の名号 グリビオード、アンティコン、リテティウゥド、アクリパル、エルビウゥル、アウティウゥル、ノティオーリオセーム、オオーゲーン、ゴーダソール、トゥルドーラプ、エーノーアン にかけて。これらの名号にかけて御身に誓願いたします、我から耳をそむけることなく、御身の恩寵を通してこの隷従を嘉して共働したまえ。 金星への祈り唯一の善き神、人間愛の故に辛抱強い方、無際限を超えた善性(そこから愛の恵みが生じる)を無尽蔵の海として持てる方よ、御身の人間愛に拝跪します、我らに力と恩寵を与えたまい、このことをわたしが為しえるよう、有用にして充溢せる働きとしてこの惑星を我に与えたもうよう。御身に誓願いたします、このうえなく麗しく甘き金星〔アプロディーテー〕よ、御身の恩寵にかけ、御身の行道にかけ、御身の働きにかけ、御身の甘美さにかけ、以下の名号にかけて。エーレト、ラバム、スアル、サテール、トゥイド、トゥティマル、レスポドーム、シロープ、カケム、セティアプ。これら〔の名号〕にかけて御身に誓願いたします、わたしに耳背けたまうことなく、わたしが恐るべきことを実行できるよう、御身の恩寵をわたしに与えたまうことを。 水星への祈り万能の主よ、知恵と知識との発明者、諸々の天と諸々の超天との術知者、すべてをみそなわす (157) 万能者よ、我らが恐るべきことを実行できるよう、我らに恩寵の善行を施したまえ、御身水星という惑星によって後に残されるものとして。全知の水星〔ヘルメース〕よ、博学なることこのうえなく賢明なることこのうえなく、よく繋ぎ、最高の覚醒者よ、御身の知恵にかけ、御身の雄弁にかけ、御身がめぐる獣帯にかけ、以下の名号 ネーパーン、ピウゥト、ノメーン、セラク、メレポーン、ステメーノス、カゼートク、ミオート にかけて、御身の恩寵と御身の働きを、わたしが為さんと望むこの行いににおいてわたしに傾けたまいますよう。 月への祈り主人たる主よ、生者たちと死者たちとに君臨する方、智恵によって人間をこしらえた方よ、それは御身によって産まれた被造物たちを敬虔さと賢慮によって君臨するためであったのだが、わたしの共働者となりたまえ、御身の僕たるわたしが、恩寵を得、惑星である月を従え、着手されたこの仕事を成就できるように。御身、麗しきことこのうえなく、夜の慰めである月に誓願いたします。御身に誓願いたします、御身の軌道にかけ、御身の新生にかけ、そこに降り来たる測りがたい深みにかけ、以下の名号 サバエール、ボアエール、オーニトゼール、スパルゥウ、ソールテールカ、ガベード、ウゥトゥポーン、カイポレース、ゴーメデーン、マレーバト にかけて。以上にかけて御身に誓願いたします、月よ、御身の恩寵と御身の活力をわたしに傾けてくださるよう、わたしが着手するこの隷従にかけて。 天使たちへの祈り 天使とダイモーンとが君臨する刻に、誓願しようとする場合は、次のように彼らに誓願せよ。 知れ、おお、最も厳密な息子ロボアムよ、 何か仕事に着手することを企てた場合、その惑星と刻限を知るようにするよう。そうして最初に祈りを言え、そのとき、その刻の (158) 天使とダイモーンに誓願せよ、墨と煙で、一つ一つの惑星の刻印をつくる時、実修せんとする当のことにおいて汝の共働者となってくださるようにと。そうすれば、その権力を有する方、そのときの主宰者が汝に示現したもう。 土星の刻印土星の刻印を鉛の浮き滓??と酢とで作れ、そうしてこれを(tiavfh)で燻せ。そこで以下の符合を山羊皮の紙に刻せ。[Sequuntur signa magica.] 木星の刻印木星の刻印を銀の浮き滓と蜂蜜で処理された薔薇液とで作り、それをミルラで燻せ、以下の符合を、まだ産まれていない牛皮の紙に刻せ。[Sequuntur item signa magica.] 火星の刻印火星の刻印を、清浄なシナモンと、蜂蜜で処理された薔薇液とで刻せ、そうして乾燥した人間の血でこれを燻せ、そうしてアザラシあるいは禿鷲の皮の上に刻せ、そうすれば〔これを〕所持する者は汝に自由を与えるであろう。[Sequuntur item signa magica.] 太陽の刻印太陽の刻印を金ないし雄黄の滑石と水で刻せ。これを(mosxokavruon)???で燻せ、交合する人間の紙???、ないし、馬の皮に刻せ。[Sequuntur item signa magica.] 金星の刻印金星の刻印がある、これを、蝙蝠の血、あるいは、無雑な青と蜂蜜で処理された薔薇液とで、(159) 犬皮ないしまだ産まれない鹿の子の紙に刻し、これを乳香とラダノンで燻せ。[?equuntur item signa magica.] <水星の刻印>水星の刻印は、牛あるいは驢馬あるいは羊の血、あるいは、(ijarivon)と水とで、処女たちの紙に書かれる、これを兎の皮と乳香とで燻せ。[Sequuntur item signa magica.] <……> 〔12宮の植物〕白羊宮の植物は、セイヨウノコギリソウ〔学名:Myriophyllum spicatum。Dsc.IV-115〕である。これの汁液は、同じ獣帯が主宰しているときに、バラ油と混ぜられると、驚くべき効能を有し、戦刀による致命的な打撃も、3日間で健康に恢復させる。つまり、この汁液が塗布されると、悪しき気息がこれを持っている当人に利するのである。自分に親切な人にも実修せよ。また、根は、右肘にくくりつけられると、これを携行する者を最高の恩寵に与る者となし、あらゆる痛みが携行者から追い払われる。 金牛宮の植物は「三つ小葉」〔Dsc.III-123。マメ科オランダビュ属の植物〕である。これは、同じ宮、つまり、金牛宮が君臨するときに採取せよ。すると、そのような働きを有する。これの実と花を未生の牛の皮に入れ、王たちや権力者たちや支配者たちのところに赴くときに携行せよ、そうすれば大いなる称賛を得るであろう。これの葉は塗布されると<……>。汁液は眼と、眼のあらゆる痛みとを (160) 治癒させる。根は巻きつけられると、ダイモーンたちや笑いのない者たち???を追い払う。[Sequuntur in codice septem lineae vacuae.] 双子宮の植物は「小剣」(xivfion)〔Dsc.IV-20。アヤメ科グラジオラス属の植物〕である。同じ宮が君臨するとき、その花を採取し、これを産まれたばかりの小児の共同寝室に入れて携行せよ、そうすれば小さい時から大きくなるまで愛される者となろう。これの葉は巻きつけられていると、ダイモーンに憑かれた者たちを治癒させるであろう。これの上方の根は、飲むよう人間や動物に与えよ、そうすれば汝を愛するであろう、下の根を授けよ、そうすれば憎まれるであろう。[Sequuntur septemlineae vacuae.] 巨蟹宮の植物であるのがマンドラゴラン〔Dsc.IV-76〕。これを、同じ宮である巨蟹宮が君臨するときに採取せよ。花は耳に塗布されると、あらゆる頭痛の病を治癒させる。これの根は不妊の女に、その月経の最初の日から2粒ずつ飲むよう与えよ、そうすれば妊娠するであろう、???。[Sequuntur septem lineae vacuae.] <獅子宮の>植物は、いわゆるシソ(balwthv)〔Dsc.III-117〕である。これを件の日(この獣帯星座が君臨するところの)に採取し、益獣を取って、粉砕された穀粒を塗布して縛れ?。そうすれば意想外に恢復するであろう。根は携行せよ、そうすれば豊漁になろう。漁猟は最多である。さらに、葉の汁液をオリーブと混ぜれば、固有のバルサモスの代用となろう。[Sequuntur quinque lineae vacuae.] セイヨウホウズキ(struvxnoV)〔Dsc.IV-72,73,74〕が処女宮の植物である。これを、処女宮が君臨する刻限と日に採取せよ。その葉と実を採取して、ゴボウ〔学名:Arctium Lappa。Dsc.IV-107〕のペースト?を混ぜて出血している者たちに塗布せよ、そうすればたちどころに治癒するであろう。また、この植物の茎を採取し、花冠をつくり、少女にあてがえ、そうして、もし笑えば、堕落しているのであり、処女ではない。だが、ふさぎこむか泣くかすれば、処女である。その根は、オオカミの皮で閉じて、携行するなら、倒されることなく、万人に勝利する者となろう。[Sequuntur duo lineae vacuae.] 天秤宮の植物はベロニケー(belonivkh)である。これを、天秤宮が君臨するときに採取せよ。たしかに、大いなる働きを有す。これの実は、天秤宮が君臨するときに採取せよ。たしかに、大いなる働きを有している。これの実は飲用されると、ダイモーンに憑かれた者たち、月に憑かれた者たち、結石を患う者たち、子宮疝痛を治癒させる。これの葉は、食されると、食する者の (161) あらゆる労苦を意想外なほど治癒させる。根は、燻されると、(sunavxia)や、カタルや、(mavgia)を治癒させる。さらに、根を狐の皮にくるんで、右腕に結びつけよ。そうすれば、盗賊たちやダイモーンたちを怖がらない者となろう。[Sequuntur sex lineae vacuae.] 天蠍宮の植物は「犬の舌(kunovglwsson)」〔ムラサキ科ムラサキ属の植物。Dsc.IV-129〕である。これを、天蠍宮が主宰しているときに、採取せよ。驚異的にして劇的な効能を有する。とにかく、これの種子を採取し、これを、あらゆる厄介な事物から離して、鹿皮?で巻きつけよ、そうすれば恐るべき者・有名な者として現れることまた、どんなことも嘘として云っても、〔ひとは〕汝を神のごとく信じるだろう。葉は磨り潰して液汁を採取し、ユリの油とまぜよ。そうしてあらゆる打ち傷に塗布せよ、そうすれば意想外なほど治癒するだろう。根は汝の手に取れ、そうすれば犬どもが汝を蹴ることはあるまい。さらにこの植物を完全に磨り潰して、牛房野ペーストで?軟膏をつくり、出血する者たちに塗布せよ、そうすれば3日以内に治癒するだろう。根を飲むよう与えれば、どんな野生動物でもおとなしくなるだろう。他にも諸々の働きをもっていて、経験がそれを明らかにするだろう。[Sequuntur duo lineae vacuae.] 人馬宮の植物はアナカルディオス(ajnakavrdioV)?である。これは、獣帯の人馬宮が君臨するときに採取せよ。そうして、これの根全体はキツネの皮で包み、頭に携行せよ、そうすればあらゆる教師、裁判官、審判者、王たち、僭主たちに勝利する者となろう。葉は磨り潰して、軟膏をつくり、あらゆる熱と腎臓の痛みに当てよ、そうすれば意想外なほど治癒し、万人の驚くところとなろう。この根は他にも働きを有する。家中に置かれると、その家に善運と幸運をもたらす。しかし驚くべきはこの植物の善運ではなくて、諸々の恩寵を与えたもう神に対してである。[Sequuntur sex lineae vacuae.] 磨羯宮の植物は、いわゆる「山羊草」〔オトギリソウ属の植物。Dsc.IV-49〕である。これを、その獣帯宮が君臨するときに採取せよ。というのは、その実を飲むよう女に与えると、わずかな日数生きるだろう。その葉を携行すると、あらゆる獣が汝から逃げ去るだろう。もっと大きなことでは、ひとがこの植物を携行すると、獣たちや獅子たちの大多数がそのひとを取り囲み、これを神のごとくに跪拝し、これに触れることがない。いや、これを見つめることさえしないであろう、それらがわたしを眠らせようとも?。根は、てんかん患者に飲むよう与えよ、3週間以内のじつにはっきりと治癒し、恐れることのない情態となろう、その機会が見つかるのは、夜であり、昼であり、あらゆる機会、あらゆる場においてである。これを護符として携行すれば、神から預言者の恩寵が到来するだろう。[Sequuntur tres lineae vacuae.] (162) 宝瓶宮の植物は「蛙草」〔ウマノアシガタ。Dsc.II-206〕と言われるものである。これはその葉を磨り潰して、その液汁を保管して、誰かに必要となったら与えよ、そうすれば、これに痙攣を惹起させ、死に至らしめるであろう。これの根を採取し、宝瓶宮が君臨するときに魚の皮に入れ船に乗れ、そうすれば、行った先で難破するであろう。これの花は携行されると、治癒するであろう。他にも諸々の働きをもっているのがこの植物である。葉を磨り潰して、小麦粉と混ぜ、腐蝕腫や傷のたこにつけよ、3時間以内に消えるだろう。[Sequuntur sex lineae vacuae.] 双魚宮の植物はアリストロキア〔ウマノスズクサ属の植物。Dsc.III-4,5,6〕である。もちろん、この宮の君臨するときに、これを採取せよ。大いなる恩寵を有する。これの実は葡萄酒と蜂蜜といっしょに服用される?と、身体のあらゆる病を一掃する。根は、燻せられ携行されると、あらゆるダイモーンやあらゆるかすみを追い払い、あらゆる病と疫病を、その根を食した者から追い出す。またこれにも、あらゆる毒の解毒作用がある。例えば、ひとがあらゆる蛇、あるいは致命的なのに咬まれ気が狂っても、これを飲み、これを上に当てれば、たちどころに治癒するだろう。[Sequuntur tres lineae vacuae.] 〔惑星の植物〕さらに、7惑星の植物もあるのだ、おお、最も厳密なロボアムよ、そこでこれを調合しようともくろむときは、その刻限に定められた惑星が君臨する刻に、これを引き抜き、称名と祈りと、これらによる施術 これらを口にすることは人間の舌には許されていない を驚異的に?実修せよ。 木星の植物は「黄金の腕」(crusavgkaqon)???である。木星が君臨する刻にこれを掘り起こせ、そして天使たちの名号を唱えよ、祈りをも言え、そうすればめざましい恐るべき癒しを得られよう。その根は早朝7時に食べるよう与えれば、月に憑かれた者たちを癒やすだろう。ダイモーンに憑かれた者には、その根を乳香といっしょに携行するよう与えれば、ダイモーンを (163) 逃れられるだろう。激情のあまり倒れた者たちや泡をふく者たちには、その根を???(loulavkion)とともに飲ませよ、そうすればたちどころに治るだろう。葉は磨り潰してその液汁を採り、切り傷や剣の打ち傷や打撃傷に塗布せよ。そうすれば18刻の間に治るだろう。この植物の頭は携行するよう与えれば、ひとは術者たちに試みられることは恐れなくてよい。だが、ひとあって服毒の目に遭ったら、この植物の頭に加えて水と蜂蜜といっしょに飲むよう与えよ、そうすれば治癒するだろう。 火星の植物はペンタシテース(pentasivthV)である。これを、火星の刻に掘り起こし、自分の剣につけて携行せよ、オオカミの皮に包まれていると、無数の敵が汝を取り囲んでも、汝を害することはできず、それらのおかげで無害のまま生きのびられよう。葉は磨り潰して、乾燥させ、男であれ女であれ、身体から血を流しているときに、葡萄酒といっしょに飲むよう与えよ、そうすれば、驚くほど癒やされ、この植物の効能に万人が驚くことになる。根はあらゆる戦闘の際や、あらゆる対抗戦や勝負の際に携行せよ、そうすれば、無害のまま生きのびられ、その神的な働きに驚くことになろう。この植物の花を携行する者は異彩を放ち、力の点で有力である。 土星の植物はキダチルリソウ〔Dsc. IV-193,194〕である。これは土星が君臨する刻に採取せよ。掘り起こせ、祈りを言え、君臨する天使たちに呼びかけよ。さて、この植物は次の働きを有する。この花をこっそり飲むよう与えれば、そのひとの発熱や悪寒がなくなるだろう。その花2つを与えれば、その2倍、3つは3倍、4つは4倍、以下同様になる。また、その葉は、ある人の額にこっそり当てれば、そのひとの額から取るまで、目覚めることはないだろう。しかし飲むよう彼に与えれば、死ぬまで、そのひとの人生の全時間、病弱に過ごし、木星の植物を飲むよう与えるまで、恢復することはないだろう。そこで、この根は財布の???お守りのように身に携行せよ。 太陽の植物は「太陽を見つめるもの(hJlioskovpoV)」〔トウダイグサ(tiquvmalloV)学名:Eupkorbia helioscopia。Dsc.IV-165(3)〕、インド人たちのところでは(tzirasovlem)と呼ばれる。 太陽のある方向にその頭を傾けるので、このゆえを以てhJlioskovpoVと呼ばれる。この植物を、太陽が君臨する刻に、祈りとともに掘り起こせ、そうして花とその実を鷲の皮に入れ、汝とともに携行せよ。そうすれば宝物のあるところが、目の瞬きの間のごとくたちどころに教えられるだろう。しかしあの黄金や銀を見ても、大地はすぐにまた閉ざすだろう。そこで汝は (164) その場所に徴をつけて掘り起こせ、そうすれば目にしたものを見つけるだろう。葉は磨り潰して蜂蜜で処理した薔薇の抽出液を混ぜ、汝の額に塗り、進め。そうすればあらゆる人間が、粗暴なのも山賊も、汝を神のごとく崇拝し称えるであろう。根はロバの皮で包まれたのを携行せよ。怒りに駆られる権力者たちや王たちをおとなしくさせられよう。もしアザラシの皮で包んで携行すれば、王たちや支配者たちや最大の者たちによって驚嘆され称えられよう。この植物こそ、そのような働きを妨げられることなく有するのである。 金星の植物は「サテュロスの男根」〔Dsc.III-143。ラン科の植物〕と言われるものである。これを、金星が君臨する刻に、祈りと天使たちとともに、掘り起こせ。そうして花とその実を採取し、大鹿の皮に包み、汝の右肘に携行せよ、そうすればあらゆる女たちによって愛されるものとなろう。その葉は磨り潰して、蜂蜜で処理された薔薇の抽出液を投入し、眼に塗って進め。 水星の植物は「五本指〔Dsc.IV-42。バラ科キジムシロ属の植物〕」である。水星が君臨する刻に、祈りと称名とともに掘り起こせ。そして花と実を採取し、暗色の雄猫あるいは牝猫の心臓に包んで、汝の身につけて携行せよ、そうすれば目に見えなくなるであろう。また何か為ても、認知されないであろう。その葉は乾燥させて、ゴミのようにつくって、オリーブと混ぜて塗布せよ、眼のどんな打撲でも、かすみ、過労による角膜片雲、鳥目??をすぐにでも治すであろう。根の指からは、携行すれば、小手や指のあらゆる痛みを治癒させるであろう。また、根の指を喰えば、言説において記憶される者・雄弁な者となるだろう。だから、何かを聞いても、失念は起こらず、さらにまた根を、犬の皮に包んで、携行せよ、そうすれば犬どもが汝を蹴る???ことはないであろう。さらにまた、根を魚の皮で包んで携行せよ、そうすれば漁猟において望むだけ獲れよう。さらにまた(blantivon)で純粋の仔牛の皮で根を包んで進め、そうすれば野生の動物や (165) 家畜を狩猟できよう。なぜなら、このような働きや豊漁をこの植物は妨げられることなく有しているからである。しかのみならず、根は食されると、身体のあらゆる種類の慢性の病を追い払い、生活の向上に利する。また、芍薬といっしょに乳香の根を携行せよ。そうすれば、あらゆる魔術と、邪悪な人間どもの詐術から守られるだろう。
月の植物はグラオポーテー(glaofwvth)である。インド人たちのところではルゥナリアと言われる。これを祈りと名号 天使たちの、季節の、暦月の、風の、それに固有の獣帯の宮(巨蟹宮である)の〔名号〕 とともに、それの刻限に掘り起こせ。すると次のような恩寵を有している、つまり、これの頭頂を雄鶏の鶏冠?で????、どんな事態が近づこうと、すぐに仕遂げられ、どんな奴隷状態に接しようと、順調に行く。また、どんな事態になっても、頭角を現す。これの露に満ちた葉を、月が満ちるとき、財産とか黄金とか銀その他の小銭と、また、それらの財産と混ぜれば、いかなる事態を買おうと、暫くすると汝の宝物は増え、〔汝は〕莫大な財産の主となるだろう。さらに、これらの煮られた葉を、汝の敵の金銭の中に混ぜると、消えてなくなるだろう。同様に、同じ葉をひとに与えれば、成功するであろう。もしそれを喰えば、????。この植物の小枝と根は、金属用の溶解炉に密閉し、溶解させると、清浄で、輝き出で、正真正銘の黄金になっているのを見出すであろう。さらにこの植物はほかにも、数多くの働きや恩寵を数多く持っている。 2017.06..02. 一応訳了。 |