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ギリシア占星術文書目録 4350_002

芍薬について1





[底本]
TLG 4350 002
De paeonia (excerptum e cod. Vat. gr. 952, fol. 162r)
Astrol., Magica

Date of manuscript = A.D. 14
J. Heeg, Codices Parisini, appendix [Hermetica] [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 8.2. Brussels: Lamertin, 1911]: 167-171.



8,2.
(167)

パイオーニアと呼ばれる植物について

 パイオーニア〔Dsc. III-157〕は、パイオーンがこれを見つけたから〔そう呼ばれるの〕だが、それ以前の古書と呼ばれる書の中では、「一種奥義に達したもの」と言われ、〔仔細は〕以下のごとくである。
 月の虧けてゆく期間に、パイオーニアを見つけることを実行せよ。名高く注目にあたいする場所にあるとせよ。しかも、実行できるのは、太陽が処女宮に入ったときである。最も多く生えているのは、ヘルモーン山のあたり、タウロメニア地方のあたり、大バビロニア方面、トラキアのあたり、ガデイラ〔スペイン南西ガデス〕の先、アイガイア〔エーゲ〕湾岸である。その他の地方にも生えはするが、場所の位置、獣帯の割り当て、自然の流出(ajpovrroia)の点で、上記のものらほどの効能を有さない。自分で実行できることは以下のとおりである。

 すでに述べられたごとく、この神聖な植物は、名高い場所にあるはずであるから、パイオーニアの閉じた核と、開いた?安息香から別の〔核〕とを採り、この植物の葉7枚でくるみ、身を聖めて?、望ましい高所に埋めよ。そうすると、芽生え、夕方になったら、見つけられよう。そこで、雨や風や大気の乱れからこれを守れ。とにかく、月の日の第1時が始まるか、それが闕けたとき、太陽が処女宮にあって太陽が昇る前に、身を聖めて?、準備したアザラシ — それも、この聖なる書の中で解剖について汝に述べられているとおりに、達成されたもの — の皮を持って出かけよ。この皮の上に以下の〔魔術記号〕を刻し、真正な生糸で、(168) この〔植物の〕根元に吊せ。汝が刻すべき〔魔術記号〕とは、以下のものである。[Sequuntur signa magica]〔下図〕plate01.jpg
これを吊したうえで、以下の文句をも言え。

 天と地の神は祝福さるべきかな、そして、御身の始原の名号は祝福され栄化されることよ。あらゆる自然が御身を称え、御身のもとなる万物の力が御身を栄化する。なぜなら、御身ひとりが完全であり、始まりなく、見えることなく、到達不可能であり、変わることなく、限定されず、取り消されることなく、永遠であり、測り知れず、窮めなく、人知を超え、初めにして終わりであり、アルパーであり、アドーナイであり、サバオートであり、セミメポラズであり、ゲセラゲであり、アムノイアであり、イアナであり、サッダイであるからだ。御身こそ、貧窮にも富裕にもし、下げたり上げたりし、矯正したり治したりし、死なせたり命をもたらしたりする。されば御身が、力ある者らの主よ、聖なる住まいから、御身の栄光の玉座から目を向けたもうて、御身の僕たるわたしにこの恩寵をたまえかし、この植物が、わたしの尽くす世話と行いによって、有益となるよう、御身の名号が永遠に祝福され栄化されんことを、アメーン。
 次いで、カルデア語、シリア語、ペルシア語でも同じことを〔云え〕。
カイグ、カル、ギアプ、リアプ、スプラク、パル、パング、ムレル、スゥルパム、スペルカム、ティム、リアス、アクルゥアス、ムゥズゥパト、リルカム、ザルパ、ノー、ポトゥ、セルプゥ、シルポン、ナムク、タカ、シルカ、ムペメロン、アメーン、アメーン、いついつもアメーン。

(169) さらに次の祈りをも〔唱えよ〕。
 「ケルゥブたち〔ケルビム〕の上にまします神よ、御身の権能を発揮し、来りてわれらを救いたまえ」。
 第一の祈りは7度言え。
 しかし、このカルデア語とシリア語のとは1度である。そして、そういうふうに執り行ったうえで、その場所へ7日間留まれ。過ぎ行く日々、太陽の上昇する前に祈りを唱えよ。とにかく、続く第2日には、第1時に出かける際、まだ使われたことがなく、検査に通り、粉砕された「陶器石」〔Plin. NH37.152〕と、同じくシデーリテース〔「鉄石」の意。宝石。Plin. NH37.58〕および緑柱石をも、身につけよ。そうして両方の祈りを唱えながら、この植物でぐるりを燻蒸せよ。次いで、ぐるりを掘り起こし、これを注意深く引き抜き、汝に告げられたとおりに賢明に用いよ、そうすれば、汝はこれを奥義に達したものとして所持する者となろう。というのは、全体を部分部分に — 例えば、根、若枝、葉および実、閉じた種子と開いた種子に分けると、これらを上述のどんな種類よりもすぐれたものとして持つことになろう。この聖なる植物を、神がヘルメース・トリスメギストスに伝えたもうたのは、彼が謂うには、はかなきものら〔人間〕にとって、苦痛を鎮め、生命に利する薬としてだとは、エジプト人たちの聖なる書物に彫りつけられているとおりである、と。
 また、この根のちょっとした部分でも保有している者は、至高の神の口にすべからざる名号 [Signa magica] 〔下図上〕をこれに刻みつけておけば、ダイモーンたちを恐れることはない。 plate02.jpg
また、これに次の〔名号〕〔上図下〕も刻みつけ所持していれば、〔毒〕薬はもちろん、何か他の悪も恐れることはないだろう。なぜなら、三日熱、四日熱や毎日熱やというあらゆる種類の熱病を自分から追い払ってれるだろうから。また、妬み、邪視や企みを追い払い、身につけている者をあらゆる人間から歓迎され、喜んで耳を傾けてくれる者にしてくれるだろう。また、もしひとあっててんかんに罹っても、この根を巻けば、意想外なほど (170) 治癒するだろう。また、ダイモーンに取り憑かれた人がいたら、この根のほんの僅かか少しを燻せ、そうすればそのダイモーンを追い出すであろう。これは神的働きである。また、金星の日の金星の刻限に、この植物の小根を採って、粉にし、互いに憎みあっている男女に服用させれば、たちまち愛し合うであろう。その根を自分の額に当てれば、悪夢を見ることはあるまい。これ〔芍薬〕を手に入れた者は、脾臓にとって益するであろう。家に備えておけば、ダイモーン的なものはもちろん、魔術が入りこむこともない。毒を盛られても〔芍薬を〕飲む者は、害を被ることがない。種子は上質の蜂蜜といっしょに服用すれば、身体全体に益し、家畜にとっても同様である。女がこの植物の根を食すると、豊富な母乳を得る。蛇の一撃に効く。ダイモーンに取り憑かれても、これを喰えば、治癒する。ひとが狂気に陥っても、これを燻べれば治癒する。胎児が生まれるとき、この根を磨り潰して、母乳と混ぜれば、授乳に好都合である。根と葉とを携行する者は、魔法を払い除けられる、ただし、その〔根〕に、万能の神の以下の口にすべからざる〔呪文〕を彫りつけた場合であるが。[Signa magica] 〔下図〕アルパに、アドーナイに、エローイに、サバオートに。
plate03.jpg  燻せられ、その根、葉、種子を携行する者は、蛇に咬みつかれることはないであろうが、どんな植物でも、つまらぬ仕事に優先すべきは、太陽の日と刻限〔日曜第1時〕にそれら〔刻印〕を刻みこんでおくことである。

第2章 受胎に関して
 この植物の閉じた種を採り、本物の絹の布切れにくるんで、下腹部にあてがうよう女に与えよ。(171) そうすれば、種子〔精子〕を確保することになろう。先に、太陽の刻限に書き入れておいた刻印を、その上に刻みつけねばならない。

第3章 最大の護符に関して
 芍薬の根を、太陽の日の太陽の刻限に採り、この植物に小刀でゲルマイ(germai<)というこれらの刻印を刻みこみ、樹木のより高いところに吊せ。これこそ稔りをもたらすものであり、上空から葡萄園、畑、菜園を見守り、これらをあらゆる災悪から守ってくれるものである。[Signa magica]〔下図〕。汝が書くべき〔刻印〕は以下のとおりである。
plate04.jpg

2017.06.05. 訳了


[芍薬]
 パイオーニアには”雄性のもの”Paeonia corallina〔ボタン科ボタン属の植物〕と”雌性のもの”Paeonia officinalis〔オランダシャクヤク〕とがある(Dsc.III-157)。異名が多く、雄性のパイオニアはOrobelium、Orobax〔山地性のもの〕、Haemagogum〔血を導くもの=月桂促進剤〕、Paeseden、Menogenion〔半月形のもの〕、Menion〔半月〕、Paeonium、Panthiceratos、Idaedactyli〔イダ山の指。キュベレー女神に仕える僧がこの名で呼ばれた〕、Aglaophotis〔燦然と輝く火〕、Theodonium〔神の贈り物〕、Selenion〔半月形のもの〕などの異名がある。マギたちはSelenogonon〔半月になったもの〕と呼ぶ。Phthisi〔闕けた月〕とも呼ばれる。ローマ人たちはCasta〔純潔な女〕と呼ぶ。〔『薬物誌』訳註III-157〕。
 占星術書にも言及が多く、ここ以外にも、point.gif5002_006「芍薬について」など。

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