太陽と月
ギリシア占星術文書目録4350_007
9つの天について
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[底本]
TLG 4350.007
De novem caelis (excerptum e cod. Petropol. XX Aa-8, fol. 158v)
Astrol., Astron.
Date of manuscript = A.D. 17
Vernacular
M. A. F. Sangin, Codices Rossici [Catalogus Codicum Astrologorum
Graecorum 12. Brussels: Lamertin, 1936]: 108-109.
12.
(108) 後に以下のことを述べよう、つまり、天に9つの層があり、9つの天球に、12暦月の星辰で形成されている12宮があって、天を主宰している、これらを太陽と月がめぐり、中央に唯一の星を有することは、後にわれわれが解説するとおりである。
第8の天球には38の大きな恒星があり、風に、雨と雪に、その他の諸々の活動に対する働きを有する。
また、第7天をめぐるのはクロノス星で、これは「輝くもの」とも言われ、その円周は38時間でめぐり、その第1の配置を運行する。
また、第6天にあるのはディアス星???で、パエトーンとも名づけられ、これも件の天球を12時間???でまわる。
第5の天球をめぐるのはアレースで、「火星」とも言われ、これも件の天球をまわること、(109) 同じと地点から同じ地点まで5暦月と2時間???である。
また第4天球をめぐるのは太陽、これもまた件の天球を1時間???でめぐる。
また第3天球には、アプロディーテー星があり、 は「明けの明星」とも「宵の明星」とも言われるが、それは、太陽が昇るときは「明けの明星」、8/12時に西に現れる場合は、「宵の明星」と言われるからである。これも件の天球を8暦月でまわる。
その下の???第2天球にあるのは惑星ヘルメースだが、「燦めくもの」とも名づけられ、これも件の天球をまわること、6暦月と6日である。
また、第1天球つまりその下にあるのが月。これも件の天球をめぐること29と1/2日である。
[惑星の配列]
霊魂が月下界に降下してくる過程で、各惑星の影響を次々と受ける以上、その配列は大きな問題である。その配列には次のような違いがある。
古バビロニア(前5世紀前):月、太陽、木星、金星、土星、水星、火星
後期バビロニア:月、太陽、火星、金星、水星、土星、木星
”エジプト”:月、太陽、水星、金星、火星、木星、土星
ミトラ教:土星、太陽、月、木星、火星、金星、水星
カルデア=ギリシア天文学:月、水星、金星、太陽、火星、木星、土星
ギリシアのホロスコープ:太陽、月、土星、木星、火星、金星、水星
インド:太陽、月、火星、水星、木星、金星、土星(=週日)
ファルダール:太陽、月、木星、水星、土星、火星、金星
フェルダリア:太陽、金星、水星、月、土星、木星、火星
(テスター『西洋占星術の歴史』より)
目安となる相異は、水星と金星(つまり「内惑星」)が太陽の下にくるか、上にくるかの違いで、これをめぐってヘルメス主義はとめどない議論を繰り広げた(ヨアン・クリアーノ『霊魂離脱とグノーシス』)。
2017.06.23. 訳了
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