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back.gif占星医術論について

ギリシア占星術文書目録4350_018

発病と病気について






[底本]
TLG 4350 018
Peri; kataklivsewn kai; novswn (e cod. Laur. plut. 28, 34, fol. 17)
Astrol., Med.

Date of manuscript = A.D. 11
A. Olivieri, Codices Florentini [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 1. Brussels: Lamertin, 1898]: 122-124.




1.
(122)

発病と病について

 諸々の疾患について考察し、発病時の星図と、月の配置、それらの宿の首座星、さらにそれらの諸々の連繋をも凝視せよ。というのは、同上のものらが吉星として抽籤されれば、何ひとつ害はなく、その病はすぐに恢復し、健康が後続するであろう。しかし諸々の凶星が〔抽籤されれると〕、害が明らかとなり、一般的に悪が〔後続するであろう〕から。個別的には、もし火星がそれらを抽籤すれば、その病は苛烈で危険である。さらに月のみが土星ないし火星によって悪さをされているのが明らかなら、その害は人間の身体にのみ関わる。だが、星図のみが有害であるなら、狂乱と精神の害と錯乱が起こる。しかし月と星図との両方のトポスが諸々の凶星によって害され、吉星が何ひとつ観測されなければ、その徴は悪く、危険で、死の序曲となる。身体の病はいかなるトポスに関わるか — 12宮の自然的共感と親密さから起こるか — については、第45章で汝が学んだとおに、汝は知るであろう。しかし木星ないし火星が、(123) あるいは星図にあり、座相とか月とかが衝にあるなら、それは大いなる危険と困難の徴である。しかしそれらがあっても、吉星の徴が星位にあれば、病人にとって救いがあろう。だが諸々の凶星なら、害悪が強まる。さらに、周期的に病む人の不調も、月や日々の進行による好調を知るであろう。例えば、凶星と連接している場合、不調と苦痛の強化、凶星の区界にある場場合は特にこれが害する。だが、吉星と連接している場合は、好調と苦痛の緩和が、吉星の区界にある場合は特にある。そこで以下のことも調べなければならない。発病時の時機における月の星位を取って、日々の第7日目にその形を取る、つまり、矩にある月を凝視せよ。第9日後にはカタルケーの三合に進む。第14日後には明らかにおのれを正反対にする。第19日後には、右の三合に進む。第21日後には、その右の四合に進むだろう。そこで、月のこれらの5つの形態が、どの星辰と、カタルケーの形態とが連結するかを精確に観察しなければならない。なぜなら、諸々の吉星と連結すれば、好調となるだろうが、諸々の凶星とでは、不調で有害となるからである。しかし、昼に始まる病は、7日間ないし14日間で決まる。しかし夜に〔始まる病が決まるの〕は、10日間ないし20日間である。さて、以上のことを観察して、好調ないし不調のみならず、その期間をも汝は予知できるであろう。例えば、判定の時に諸々の吉星が月と出会うと、好調となし、その期間、これ〔月〕を右に観る。諸々の凶星なら、不調と苦痛と〔なす〕。土星は、夜間に病み始める者たちにとってより鈍重となり、火星は昼間〔病み始める〕者たちにとってそうなる。月や星相が転換宮にある者たちは、病を転換させる。2つの光をもたらすものが発病時に大地の下に見出されると、たとえ何か他の徴によって凶兆が現れようとも、病む者にとって悪しき徴を明らかにする。なぜなら、たったひとつの徴によっては、該当者たちが真っ逆様・無条件に現れることもなく、いわゆる首座星の影響をより多く受けるからである。月が進行の際にその5形態を成就するとき、述べられたように、土星がこれと星相ないし (124) 同道する場合は、悪寒や寒気や出血や神経の張りや痛みをもたらす。だが火星がこれらを抽籤する場合は、発熱や熱や渇きや乾燥を成就する。火星はしばしばそうやって、鼻からの出血を起こし、疾患を判断させ、病む者を益するものである。しかし病のカタルケーに月が日数に付け加わり、太陽や火星に相関すると、第7日か第14日に、つまり、おのれを矩にするか衝にするなら、患者にはまったく危険で事態は危うく、死は遠くない。だが、その他のものらがそうであり、土星がこれと太陽を星相とする場合は、益があるであろう。しかし、月が日数の点でカタルケーに現れず、土星が相関するなら、患者にとってより有害である。また、それがそういうふうであるとき、火星が右に観察されるなら、有益となる。月が、公転による形態の変化によって固有の四合ないし形態に進むとき、土星がこれを右に観れば、端緒が上述の善き徴に関係すれば、患者にとって救いの原因となる。しかし、悪を顕現させる徴に関わり、土星もその月を矩ないしおのれと<正反対に>悪さをするなら、患者にとって死の原因となり亡き者となす。

2017.12.16. 訳了


 「発病(kataklivsiV)」は「病臥」を意味するが、占星術では「発病時の星図/星相/星位」まで意味する語に変化している。
 「進行(pavrodoV)」は、位置を変える天体が及ぼす影響が何であるかを見るために、誕生図を未来に向かって進めることである。また、今の出来事や行動について調べるために、その時の図を描き、それを誕生図までいわば逆行させて、同じ手続きを使うことでもある。
 同じく katarchv(複数形 katarcaiv)は、「発端」の意で、中世以降は「選択(electio)」と呼ばれたものである。プトレマイオスは katarchv については言及していないが、ギリシアの他のほとんどの占星術師はそれを扱っているし、長々と詳しく述べている者もある。(テスター『西洋占星術の歴史』)。

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