月の照る日々
ギリシア占星術文書目録4350_054
月の諸々の徴について
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[底本]
TLG 4350 054
Peri; tw:n th:V selhvnhV shmeivwn (e cod. Matrit. Bibl. Nat. 4616, fol. 92)
Astrol.
Date of manuscript = A.D. 15
K.O. Zuretti, Codices Hispanienses [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 11.2. Brussels: Lamertin, 1934]: 156-157.
11,2.
(156)
月の諸々の徴について
第3日の晴朗な細い〔月〕は、晴天。第3日の火色の細い〔月〕は、来たるべき風の動きを。第3日の、両方の角において等しく (157) 見える〔月〕は、夜通しの西風を。第3日の、綺麗な角をもった〔月〕は南風を動かす。第3日の、霞んだ角をもった〔月〕は、雷雨を示す。
第4日の、太い角をした〔月〕は、南風とか嵐を。第4日の〔月〕も同じ。円周が火のように赤く見える〔月〕は、より大きな嵐を示す。赤くて綺麗な色をした月は満月に晴天を明らかにする。満月が<もし>真紅の赤とか黒なら、雨模様。赤い暈は来たるべき風を示す。黒い暈は、嵐のはっきりした徴である。暈が黒く砕けた〔月〕は嵐を明らかにする。
2018.10.27. 訳了
[暈(a{lwV)]
太陽の暈や月の暈は、地平線上の視角度が25度以上のときに見られる。これについてはアリストテレースが『気象論』(第3巻2章)の中で論じているが、彼は光の反射以外には、屈折と散乱について知らなかったという限界を有している。
これらの暈は、氷の結晶から成る薄い雲(巻雲または巻層雲、高さ6000メートルから15000メートル)によって太陽または月の光が反射屈折されて起こる現象であり、今日では一括して暈(Halo)と呼んでいる。
暈が雨の前兆であると言われるのは、暈が生じるのが巻雲と巻層雲に限られており、かつ後者において暈は一層明瞭だからである。巻層雲は低気圧や不連続線の前面に生じるもので、この場合雨の予報的中率は90パーセント以上とされている。(泉治典訳註)
「暈が作られれば雨の前兆、破れていれば風の前兆である」(372b)。
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