嵐と風の大気中における諸々の徴について
ギリシア占星術文書目録4350_058
幻日について
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[底本]
TLG 4350 058
Peri; parhlivwn(e cod. Matrit. Bibl. Nat. 4681, fol. 157v)
Astrol.
Date of manuscript = A.D. 14
K.O. Zuretti, Codices Hispanienses [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 11.2. Brussels: Lamertin, 1934]: 177-178.
11,2.
(177)
幻日について
太陽に沿ってできる群雲は、色のみならずその輪の円さから幻日と呼ばれる。この群雲は太陽の近くにあって、それによって照らされて、その色を模倣する。また形まで円いことこそ、適切にも幻日と呼ばれる所以である。というのは、雲が密集したため太陽の傍にでき、太陽の光線を受けると光滲のせいで太陽の形とあたかも炎のような幻をもたらし、ひとつのまとまりとなって、間に何らの隙も残さず太陽の公転の動きに従うものとなるからである。日の出と日没の方角に太陽がある時、もし言われている幻日が、北の部分に紅い雲が見えれば、北風を象徴する。もし (178) 南の〔部分〕になら、南風を〔象徴する〕。もしまた両方の部分にあって真ん中に太陽を包むなら、雨を(象徴する)。
北風が吹くときの幻日の雲は好天を象徴し、南風のときは、春になることを明らかにする。
幻日が雨の際、太陽の????、嵐を象徴する。しかしもし風が吹いているとき、幻日が太陽のそれぞれの部分に見えれば、より激しい嵐を象徴する。幻日が太陽の両方の部分から夕方現れると、より強力な風を予兆する。
幻日のまわりに、もし円盤ができれば、嵐を象徴する。
いわゆる小花が、もし太陽の公転に従ってまわると、何らかの大気の災難を象徴する。
諸々の夕方の徴は、早朝の徴よりも顕著であることを知らねばならない。なぜなら、大気が午後焼かれ残ったところはわかりやすいが、夜間に濃く且つぼんやり濃縮されると、当然ながら、徴は乱れて不鮮明になるからである。
しかし知るべきは、宙に構成されるものらは、或るものらは虹や〔太陽や月の〕円盤のようになり、或るものらは、????によって、彗星や髭や放射や板のようになり、小さいものらは幻日のようになる、ということである。
2018.12.25. 訳了
幻日
絹層雲などが空にかかっているとき、太陽の両側視距離約22度の点に現れる薄明色の太陽に似た光像。雲の氷晶が太陽の光を反射・屈折させて起きる。 |