ギリシア占星術文書目録4350_070
ドラコーンの頭と尾について
(e cod. Ath. Bibl. Publ. 1265, fol. 4v) |
[底本]
TLG 4350 070
Peri; tou: dravkontoV kefalh:V kai; oujra:V (e cod. Ath. Bibl. Publ. 1265, fol. 4v)
Astrol.
Date of manuscript = A.D. 16
Vernacular
A. Delatte, Codices Athenienses [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 10. Brussels: Lamertin, 1924]: 71.
10.
(71)
ドラコーンの頭と尾について
知れ、「頭」と「尾」と呼ばれる星が、いかにして、「土星」と歩みを共にして、「時」がサッバトンの日に君臨するや、ドラコーンの「頭」が、サッバトンの夜の第1刻限から、まる1昼夜第24刻限までを規定するのかを。もし「土星」が主日に君臨するなら、今度は「降交点」の「尾」が君臨し、主日の夜の第1刻限から、第24刻限まで君臨すること、「頭」と同様である。そして見出せ、ドラコーンの「頭」が決定したら、数多の厄介や危難を示しているから、汝は決して外出しないよう用心せよ。さらにまた、「尾」が君臨しているとき、旅に出れば、流血も殺戮も明らかにするだろう。
2017.11.22. 訳了
[ドラコーンの「頭」と「尾」]
昇交点と降交点にとぐろを巻くドラコーン
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[共和政時代のローマ暦]
地球を中心とした月の軌道(白道)は太陽の軌道(黄道)に対して約5度の傾きをもって交わっている。白道が黄道の南から北へと交わる点を昇交点といい、それから180度離れたもうひとつの交点を降交点という。これら二つの交点の近くで朔または望が起こると日食または月食が起こる。これが神話化され、昇交点に頭を降交点に尾を置いてドラコーンが天上にとぐろを巻いていると考えられた。
このドラコーンをペルシア人は「ゴージフル」、アラビア人は「ジャウザハル」の名で呼んだ。
インドでは、昇交点と降交点を、あたかも天体の1つであるかのように扱い(7曜に対して9曜が出てくるのはそのためである)、「頭」を「ラーフ」(羅[目+侯]/らご)〔左図〕、「尾」を「ケートゥ」(計都/けいと)〔右図〕と呼んで、その図像まで考えられていた。
第9天について
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