7〔惑〕星の添え名
ギリシア占星術文書目録4350_110
以下は、昼間の諸々の籤
|
[底本]
TLG 4350 110
OiJ klh:roi ouJ:toi hJmerinoiv (e cod. Laur. plut. 28, 34, fol. 132)
Astrol.
Date of manuscript = A.D. 11
F. Cumont, Codices Florentini [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 1. Brussels: Lamertin, 1898]: 169-170.
1.
(169)
以下は、昼間の諸々の籤OiJ klh:roi ouJ:toi hJmerinoiv)
異郷暮らしの籤、 〔太陽〕から まで。 めっけ物の籤、 から まで。 盗人の籤、 から まで。 相続の籤、 から まで。 借金の籤。 から まで。 売り立ての籤。 から☾まで。 貫通の籤、 から まで。親の籤、 から☾まで。 奴隷の籤、 から☾まで。 死の籤、 から☾まで。 行事の籤、 から まで。 怪我の籤、 から まで。%#151;生命の籤、***。 敵の籤、 から まで。愛国の籤、 から まで。 恋情の籤、 から まで。結合の籤、 から まで。 売り立ての籤、 から*まで。
夜間の誕生はその逆
権威の籤は から まで 出征の籤は から まで 欲望の籤は から まで 公事の籤は から まで 勝利の籤は から まで 支配の籤は から まで 購入の籤は から まで 船主の籤は から まで 愛友の籤、 から まで 地所の籤、 から まで 術知の籤は から☾まで 人生の籤は から まで 歩行の籤は遇運からダイモーンまで 価値の籤は から まで 訴訟事の籤は から まで 出郷の籤は から☾まで 苦痛の籤は から まで。
(170)
特に次の籤はより美しい
人生の籤は から誕生時の星位まで 公事の籤は から まで 奴隷の籤は から☾まで 命の籤は から まで 売り立ての籤は から まで 農耕の籤は から まで 愛湯の栓は から まで 栄誉の籤は から まで 契約の籤は から まで。富の籤は から まで 強さの籤は から南中まで 祝福の籤は2/3から第4?☾まで 敵の籤は から まで 保証の籤は から まで 購入の籤は から まで 売り立ての籤は から まで 遇運の籤は磨羯宮12度の太陽が水星、金星と三分〔120度〕のとき??? ダイモーンの籤は双児宮22度の木星が太陽と六分〔60度〕* ???のとき、 恋情の籤、双児宮の12度にある水星が金星と矩のとき 結婚の籤は火星が木星と三合のとき 異郷暮らしの籤は双児宮の13度に、金星ないし土星が火星と六分のとき。
支配者たちのすべての籤について
遇運の籤は、昼間は から☾の日まで、夜間は☾から までと、誕生時星位より多くまで ダイモーンの籤は、昼間は☾から まで、夜間は誕生時星位から???等しい???。 歩行の籤は昼間は遇運からダイモーンまで。
上記の籤はすべて、徴づけられたものらを除いて、誕生時星位から割り当てられる。
2017.10.23. 訳了
箭(klh:roV, sors)
現存する資料から知られる幸運箭は、確かにヘレニズム期にエジプトで生まれたものであるが、究極的にはさらに古いバビロニアの「月の場所」、 すなわち大神シンに由来するのかもしれない。月はバビロニアの天文学と占星術では非常に重要であり、暦は太陰暦であった。幸運箭の位置を計算するさまざまな方法すべてに月が関わっていたこと、そしてそれが時には 「月のホロスコープ」と呼ばれていたという事実から、古くからバビロニアと関係があったことがうかがわれる。一般に、月は人間の身体の体質に対して支配力を持っているとみなされ、他方太陽は精神的な性質に関わっていた。もっとも古代の著述家たちは時おりこれらの役割を逆転させていたが。ところで運の女神テュケ一は、ヘレニズム期に古い宗教が衰えるとともに神々の中でほとんど最も重要な神となった。アレクサンドロス亡き後, 人々は自分たちの生活がますます偶然、運、テュケーに支配されていると感じていた。……「彼女の性、変幻自在な性質、そして気まぐれのために、彼女はますます月に近づいていったのである」。そこで、月と太陽とアセンダント(最終的にはすべての箭の位置がこれによって決まる)によって決定される、円内のある場所が、彼女のために用意されたのである。幸運箭の位置を計算する方法はさまざまな権威者によっていろいろと書かれているが、何を書いているのか全く分からないような者もいる。しかしその一般的な重要性(アセンダ ントそのものに比肩する)は、他の箭については述べていないプトレマイオスを初めとするすべての者に認められていた。プトレマイオスは、幸運箭と月の関係がアセンダントと太陽の関係と同じだと考え、それを計算する基本原理を「それは月のホロスコープとも言えるかもしれない」(『テトラビブロス』III. 10)と要約している。他の箭のうち最も広く使われたのは、「ダイモーン箭」、「必然箭」、そして「エロス箭」であった。しかしおそらくこの時期にはまだ他にも箭があったのであろう。後の時代のホロスコープにそれらの痕跡が残っている。ノイゲバウアーとウァン=フーゼンが示唆しているように、箭と家の間にも混乱があったのかもしれないが、このことは驚くにはあたらない。家はしばしば、「必然」「‘ダイモーン」「エロス」などの同じ名前を持っていたからである。
(テスター『西洋占星術の歴史』p.37-38)
※訳者(山本啓二)は"Lot(s)"に「箭」の字を当て、訳註に、「箭(セン)」とは、弓につがえる矢のことであり、アラビア語でもsahm(矢)という(p.36)、とあるが、ギリシア語 klh:roVもラテン語sorsも、ともに「籤(セン)」の意味であり、訳語は妥当とは言い難い。
|