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ギリシア占星術文書目録4350_129

ヘルメース・トリスメギストスの秘法





[底本]
TLG 4350 129
Hermae Trismegisti methodus mystica (olim sub nomine Hermae Trismegisti) (e codd. Paris. gr. 2419, fol. 69v + Venet. Marc. 334, fol. 49 + Laur. 38, 14, fol. 241)
Astrol.

Date of manuscript = A.D. 15
F. Cumont, Codices Parisini [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum8.1. Brussels: Lamertin, 1929]: 172-177.



8.
(172, Par/Ven)

ヘルメース・トリスメギストスの、あらゆるカタルケーに寄与する重要な秘法。

 諸々の基本方位と諸々の星の位置の変化<が起こる>諸々のカタルケーについて、誰よりも観察者にして探究者でなければならない、もし本当に、いかなるカタルケーにおいても達成者にしてしくじることがないことを望むならばである、つまり、種蒔きについて、〔それが〕人間の種子なのか (173,Par/Ven)家畜の〔種子〕なのか、雄なのか雌なのか、双子なのか四足動物なのか有翼類なのか、生きながらえるのか流産か、また生まれる子は育つのか育たないのか、またその他の相異なった諸々のカタルケーについて。そこでその行道が以下である。

 常に、太陽から月までの度数を取れ、そうしてこれを90度から差し引け、そうして汝が見出したかぎりを6で割れ?。そこで度数の余りを?、月のある宮から1ずつ宮に割り当て、数が尽きた宮、これを観察せよ、そしてもし〔それが〕人の形をして吉星が証言するなら、人間の天宮図であると述べよ。だがもし四足動物にあり、凶星が観入するなら、四足動物の天宮図であると述べよ。だがもし吉星が、凶星なしにこの宮のアスペクトにあるなら、不運な人の〔天宮図〕である。だがもし人間の形をした宮にあって、凶星が居合わすかアスペクトで助けるなら、四足動物は馴獣であろう。だがもし四足動物〔の宮〕に吉星がいっしょにあって、凶星が証言するなら、同様に馴れついた生き物である。

(172, Flor)

ヘルメース・トリスメギストスの、あらゆるカタルケーにおける行道

 もし本当に、諸々の基本方位と星の厳密に計測された状態が、いったいいかなるカタルケーにおいて起こっているのかの達成者にしてしくじることがないことを望むならば、種蒔きについて、生まれてくるであろうものが人間に属する種なのか (173,Flor)家畜に属する〔種〕なのか、また雄なのか雌なのか、双子あるいは有翼類あるいは四足動物なのか、また、生きながらえるのか流産か、また、生まれる子は育つのか育たないのか、あるいはまた他の何らかの相異なった諸々のカタルケーについてなのか、用いるべきは以下のごとき行道である。

 常に、太陽から月までの度数を取れ、そうしてこれを90度で割れ、そうして汝が見出したかぎりを6で割れ?。そこで度数の余りを?、月のある宮から1ずつ宮に割り当て、数が尽きた宮、これを観察せよ、そしてもし〔それが〕人の形をして吉星が証言するなら、生まれるものは完全に人間の種であると言え。だがもし言葉なきものの形をした宮であり、凶星によっても証言されるなら、それは獣の形をしたものであることを象徴している。だがもし吉星によって証言されるなら、その人は不運であることを象徴する。

(174)しかしもし四足動物〔宮〕に落ちれば、吉星が次に来るか、あるいはまた基本方位にある場合、自分の親族とは余所者であろう。だからやはり尊ばれるだろう。だがもし基本方位までいっしょの書かれれば、王制にさへ導かれるだろう。

 だがもし、生まれる子が長生きか短命かどちらなのかを知りたければ、次の手引きでわかるだろう。もし、先述の数が始まる宮を、ホーロスコポスの下降面や凶星の区界に汝が見出したら、生まれる子は短命であると表明せよ、されば、汝が過ごすクリマ上で、その宮の関係する期間存命するだろう。またもしこのような宮に凶星が証言するなら、彼らの各々は宮に関係する期間の3+1/2???。だがもし吉星なら、今度は彼らの各々が関係する期間の3+1/2を追加するだろう。だがもし吉星の宮すなわち区界に落ちれば、長生きであろう。

 さらにまた、彼らの年数も、同じ手引きを用いて知るだろう。例えば、その数が選んだ宮において、質問が生じたクリマに、各々の関係する期間を取れ、そしてさらに、

 しかし吉星が続いて昇る時、 (175)

 しかし他のカタルケーについては、もし吉星によって入場が証言されるなら、カタルケーと、このようないかなる試みも善いと言え。だがもし凶星によってなら、カタルケーも試みも劣悪と言え。なぜなら象徴するのは、病臥であれ、有罪であれ、こういったことに等しいことだからである。だがさらに、質問者たちの各1つの案内も、つまらぬものであれ有用なものであれ、この入場によって知られるだろう。もしこの宮がすでに下降に入っているが、吉星によって証言され、凶星がともに居合わせないのを見出したら、恋する者は恋い焦がれてお節介であると言え。一方、木星によって証言されるなら、言語や文字や詩や哲学の賢明な研究者〔であると〕。だがもし火星の宿 (176)ないし区界にも木星が居合わすなら、同じ人物が非の打ち所なき人物であることを象徴する。だがもし土星の宿ないし区界になら、彼の親族も有益なことを象徴する。だがもし金星がそのトポスを証言し、水星をもアスペクトにとるなら、音楽家であることを象徴する。だがもし火星の区界に内在するなら、俳優ないし悲劇俳優〔であること〕を明らかにする。

(177) 水星は月とともに王になる人物を象徴する。もし月が水星と四合になって吉星によって証言するなら、たとえ凶星の区界にあろうとも、やはり偉大な人物を明らかにする。水星は入場のトポスに続くトポスに続く〔トポス〕に手工を???と、手工人を象徴する。だがもし火星の区界になら、火ないし鉄によって製作する人を象徴する。だがもし土星の区界になら、盗みないし???で配慮者を、だが吉星が四合なら、術知において誰よりも権威者にして獲得者を〔象徴する〕。

2018.05.16. 訳了


[カタルケー]
 今の出来事や行動について調べるために、その時の図を描き、それを誕生図までいわば逆行させて、同じ手続きを使うことができる。これは古代人が「カタルケー」(発端の意味。複数形は「カタルカイ」)と呼び、中世以降は「選択」electio と呼ばれたものである。プトレマイオスは‘力 タルケー’については言及していないが、ギリシアの他のほとんどの占星術師はそれを扱っているし、長々と詳しく述べている者もいる。後期ギリシア占星術では、それは実践的な占星術師にとって明らかに最も重要な仕事のひとつであった。しかし、パウロス?アレクサンドリノスの『序説』にも、それに対するへーリオドロスの注釈にもそれらに関する言及が見られないことからすると、その妥当性については見解が一致していなかったら しい。フィルミクス・マテルヌスはそれを扱わなかったが、1世紀のシドンのドーラーテオスや、プトレマイオスよりも若い世代のアテネのアンテイオコスなどは、それに関する著作を書いたり、あるいは同じ内容の「質問について」という著作を残していた。
 ……
 ’カタルケー’は主にアセンダントと月に、そしてそれらがどのようなアスペクトにあるかに依存している。
 ……
 これはギリシア人にとってはかなり高度な占星術であった。パウロス・アレクサンドリノスが『序説』で触れなかったのは、おそらくこうした理由からだろう。しかし後のほとんどの占星術師は「カタルケ一について」または「質問について」( ejrwthvseiV)」触れるか書くかしていた。5世紀末のラオディケイアのユーリアーノスは、太陽と月、そしてそれらの支配権、アセンダント、Medium Caeli をベなければならず、「すべての事柄の始まり(力夕ルケ一)は月から、そしてそれらの終わりは月の家の支配星から分かる」と断言している(CCAG, I. p. 138)。ほぼ同時代のレートリオス(5 -6世紀)には「力夕ルケ一のホロスコープ」(CCAG, V. p. 4)に関する章があり、後の(そして一般に著者不明の)ギリシア語資料のほとんどは、以下のような多くの例を挙げている。「アセンダントと月の支配星と幸運箭の支配星を見つけよ。これらのうち最も強力なものは、質問が何であり、 質問者が誰であるかを示している。次に、支配惑星のある家の主星を見つけ、その性質とそれがどの家にあるかに注目し、それに従って判断せよ。もし質問の理由を知りたければ、質問者を示す惑星を見て、離れていく惑星が何であるかを見つけ、それらの性質に従って判断せよ。もし結果も知りたければ、質問者を示す惑星を見て、それが接近しつつある惑星が何であるかを見つけ、その惑星の性質に従って判断せよ」(CCAG, IX. p. 161)。(テスター『西洋占星術の歴史』)  

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