［底本］
TLG 4350 170
De duodecim signorum decanis (e cod. Vindob. phil. gr. 108, fol. 357)
Astrol.
Date of manuscript = A.D. 16

W. Kroll, Codices Vindobonenses [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 6. Brussels: Lamertin, 1903]: 73-78.

白羊宮

　第1のデカンはパルカム(Parcavm)と呼ばれる。月石に刻され、下にパナキア草の根が置かれ、着用される。さらに名号をも彫れ。頭におけるかぎりの病状が癒やされる。— In marg.〔後世の書きこみ。〕。
　第2のデカンはウゥアラク(Oujalavc)と呼ばれる。月石に名号も刻され、下にアルパオネイアとも〔言われる〕パイオーニアの根が置かれ、黄金板の下に着用される。両眼におけるかぎりの病状が癒やされる。— 〔欄外に〕 〔太陽〕。
　第3のデカンはデルパア(Delfaav)と呼ばれる。もちろん、月石に、(zaforav)、(rJodostavgma)とともに彫られ、歯と喉の痛みが癒やされる。— 〔欄外に〕 。

金牛宮

　第1のデカンはザッカル(Zakcavl)と呼ばれる。瑪瑙に似た碧玉に彫られ、喉まわりに着用される。喉がひりひりする患者や扁桃腺がひりひりする患者たちに益し、喉まわりの病状が癒やされる。— In marg.。
　第2のデカンはクゥンタ(Counqav)と呼ばれる。金銀の合金の指輪に彫られ、着用されると、携行者は上述の病状に罹ることがない。ひとが何かそのような病状を蒙っても、処女の〔純粋な〕蜜蝋をあてて巻くと、著しく益する。— In marg.。
　第3のデカンは(=Anesiouvm)と呼ばれる。もちろん、月石に彫られ、扉の表面に置かれると、喉の病状の経過中の者たちや長患いの者たちを、無病者として守る。名号をも書き加えるべきである。— In marg.。

双児宮

　第1のデカンはパレスカルティ(Parescavrti)と呼ばれる。ノボロギク〔Dsc.IV-97〕の汁液で何らかの患部の上に描かれ、すみやかに癒える。ただし、患者の名前も書かねばならない。— In marg.。
(75) 第2のデカンはヒエラセセール(+Ieraseshvr)と呼ばれ、シカの皮の上に自分の血で書かれ、着用せよ。着用していかなる道行きに出立しようと、いい旅をたやすくする。— In marg.。
　第3のデカンはアナサム・テテーク(=Anasavm)と呼ばれる。？？？？？

巨蟹宮

　第1のデカンはサルカアム・コムペス(Sarcaa;m KomfevV)と呼ばれる。ハイエナの皮の上に書かれ、家の表面に置かれる sequuntur signa cryptographica；土星の日とその刻限に、敵の名前をも書け。— In marg.。
　第2のデカンはテヌゥム・タンラク(Tenou;m Tanlavc)と呼ばれる。鉄石に書かれ、携行者は乳房とか胸とか脇腹とか全体を傷めることが全然ない。ただし、端的に携行すべきである。— 〔欄外に〕 。
　第3のデカンはトルゥカプ・イアレム(Trouca;p +Iavlem)と呼ばれる。縞瑪瑙に彫られ、端的に頭に当てられると、望むことについて驚くほど正夢とする。— 〔欄外に〕 。

獅子宮

　第1のデカンはサムパク(Sampavc)と呼ばれる。アルパタ石？には、携行者の名前も書かれ、胸回りに着用される。心臓に起因して人間どもに惹き起こされるかぎりの病状にことのほか益する。— 〔欄外に〕 。
　第2のデカンはアパク・ムペイト(=Afa;c Mpeivq)と呼ばれる。もちろん層石の同じ頭の上に牡牛と（アプロディーテーの）星が、また後ろにその捺印が書かれ、黄金の指輪に封じこめられて、携行される。携行者に快楽を導き、万人からの親愛がつくられるからである。— 〔欄外に〕♑。
　第3のデカンはパンカタプ(Pancatavp)と呼ばれる。万一誰かと喧嘩をしたいなら、†……したい……を、子鹿の皮紙にクロコスの茎と薔薇蜜で書き、右腿に携行せよ、そうすれば不敗者と目されよう。裁判所においても同様に、訴訟相手の名前をも書け。— 〔欄外に〕 。

処女宮

　第1のデカンはタランティス・カルカム(Carcavm)と呼ばれる。銀板に、クロコスの茎と薔薇蜜で書かれ、薔薇蜜で洗われ滴下されると、口や胃や腸まわりに現れるかぎりの病状に益する。— 〔欄外に〕 。
(76) 第2のデカンはデロプゥト(Deropouvt)と呼ばれる。
　第3のデカンは(Cillav)　 —<Fuit in marg.〔後世の書きこみ、今は無し〕>.。

天秤宮

　第1のデカンはムペイ・ポラク(Mpei; Folavc)と呼ばれる。コウモリの血で、未生のシカの皮に、汝が恋する彼女の名前が、litterae cryptogr.〔暗号文字〕の下に書かれる。汝は前兆を見る。— 〔欄外に〕 。
　第2のデカンはマルケム(Marcevm)と呼ばれる。ハシボソカラスの皮に書かれ、尻まわりに結びつけられるとそれを癒やす。だが以下のcharacteres mystici.〔魔術的文字列〕を書かねばならない。— 〔欄外に〕 。
　第3のデカンはザク・メム(Za;c Mevm)と呼ばれる。アプロディーテーの日と刻限に、ヤツガシラないし蝙蝠の血で、左の掌に書かれる。Characteres、characteresを書け。— 〔欄外に〕♑。

天羯宮

　第1のデカンはセプテテュル(Septetuvl)と呼ばれる。そして墓から採った土器に書き、眠る物の枕の下に置き、尋ねられたら、したかぎりのことを打ち明ける。— 〔欄外に〕 。
　第2のデカンはセルゥアカム(Selouavcam)と呼ばれる。ローマ産の石に、リュルピウゥロス草の液汁で書き、磨り潰し、滴下すると、人間からダイモーンを追い払う。— 〔欄外に〕 〔太陽〕。
　第3のデカンはアムパナン・トゼンッギク(=Ampavnan Tzevnggic)と呼ばれる。鋤に書かれるか、牛たちの角に彫られると、種子をよく育たせる。— 〔欄外に〕 。　

人馬宮

　第1のデカンはラプ・メイク(La;f Meivc)と呼ばれる。額に書かれ、鼻の出血を癒やす。他の部分に出血が起こっても、そこに書け、そうすれば誤解の余地なく癒やす。サフラン色の石？が酢で浸されたときは、睾丸の下に置かれる。［葦で膨らませられたヒュエロボタノンも、それがどれほど驚異的か知るべきである］。— 〔欄外に〕 。
　第2のデカンはアルキモイ・イエルゥプ(=Arxivmoi =Ielouvf)と呼ばれる。ヤツガシラの血で掌に書かれ、(77) ？？？？？。— 〔欄外に〕 。
　第3のデカンはアナサム・テリケム(=Anasa;m Tericevm)と呼ばれる。両腿の上に書け、そうすれば歩きまわる者は全然痛みを感じないだろう。？？？？？。— 〔欄外に〕 。　

磨羯宮

　第1のデカンはマクラム(Macravm)と呼ばれる。？？？？黄金板に書かれる。そうして胸に付けられると、携行者は多数の民を服従させ、獣類をおとなしくさせ、万人にとっての愛友となるだろう。— 〔欄外に〕 。
　第2のデカンはカルケーム・イケム(Calch;m =Icevm)と呼ばれる。碧玉に書かれ、家の真ん中に置かれると、その〔家〕が幸せで無病であるようにさせる。— 〔欄外に〕 。
　第3のデカンは * * * と呼ばれる。土星の鉱石に書かれ、望みどおりの小農園に投げ捨てられると、そのような徴を置かれたとこるには、決して果実を授けないだろう。月が磨羯宮にあるとき、その日その刻限に、葡萄にも作用する。— 〔欄外に〕 。

宝瓶宮

(77) 第1のデカンはバゼインク(Bazeivgc)と呼ばれる。パイプ白土石に書かれ、携行されると水疱患者に健康をもたらす。検査。？？？？。— 〔欄外に〕 。
　第2のデカンはクゥンリアクム(Counliavcm)と呼ばれる。もちろん、硝子に(pracatavb)草（シュリア人たちが(surevrと呼ぶところのものである)の液汁で書け、そうして葡萄酒で洗われると、飲用者はすぐにダイモーンに憑かれはじめる。病から以下を解放するであろう。— 〔欄外に〕 。
　第3のデカンはマキルゥク(Macilouvc)と呼ばれる。メボウキ〔Dsc.II-171〕の小根の液汁で硝子に書け。そうして葡萄酒で洗われ、狂っている者に滴下されると、すぐに癒やされる。— 〔欄外に〕 。　

双魚宮

　第1のデカンはカイン・カム(Ca>n Cavm)と呼ばれる。アプロディーテーの日に白い鳥を採り、西方に、星辰の光に向かって屠殺せよ。そこで、characteres magici に挨拶しつつ、この〔鳥の〕血で右の掌に書け。— 〔欄外に〕 。
(78) 第2のデカンはポク・メッレプ(Po;c Mellevf)と呼ばれる。純白の石に書かれ、黄金の指輪の上に置かれ、携行される。なぜなら、携行者を危険なくし、帆走する者は海ならなおさら河を〔帆走する者も〕守り、三日熱に対しても四日熱に対しても毎日熱に対しても〔守る〕からである。総じて、牢屋は最高である。— 〔欄外に〕♑。
　第3のデカンはスレム・ホラクム(Sure;m +Olavcm)と呼ばれる。脾臓石ないし肝臓石に書かれ、携行されると総じて脾臓とか肝臓とかの痛みを許さない。— 〔欄外に〕 。　

2017.11.11.　訳了

［デカンの記号］


　デカンの一般的説明は、英語版Wiki"Decan”が充実している。