宮と惑星に支配される字母の徴について
[底本] 5. (172) 金牛宮。 金牛宮を星位に有する年には、これにキュプロス、アイギュプトス、ポントスとロドスが配置され、これに配置された場所場所に疫病や飢饉や、あらゆる果実の不作が降りかかる。天蠍宮に配置された地方地方も程々ではなく倒壊する。冬も大きくて持続する。 双児宮。 双児宮がこの年の星位であるとき、右方に配置されるのはポントス、左方にはインディケー、後方にはボイオーティアが〔配置され〕、これら〔の地方〕に疫病の艱難、冬の混乱、果実の不作が出来し、戦争が友となる。また宝瓶宮が配置される分界には、平和、豊作、四足動物の流行病、頭痛を伴った熱病が起こるだろう。そしてこの年は全体として雨がちで、冬と霰の襲来が著しい。 巨蟹宮。 巨蟹宮がこの年の星位のとき、その背後の区界にはカラブリアが配置され、左方にはスキュティアとアイティオピアが〔配置され〕、これらの諸地方に疫病と、四足獣の襲来が降りかかる。しかし、プリュギアとリュキアとガラティアは、(173) またこの年は風が強く雨がちである。冬もひどく、霰も時節外れである。当時の後には雨不足がひどく支配するだろう。春分の後には霰や乱れた風吹きが続き、航行も不利、バッタの襲来も、在地の戦争も、不慮の死人たちも。 獅子宮。 獅子宮がこの年の星位のとき、その頭にはカッパドキアが配置され、胸にはヘッラスとカッリアの一部、左足にはプロポンティス、右脚にはキリキア、そして背中にプリュギア〔が配置される〕。これら〔の地方〕に疫病的疾患が降りかかるが、プリュギアにはより多く、且つ、家畜においてよりひどい。この年も風が強く、雨がちで、冬も寒さが続く。だから種蒔きは早く取りかからなければならない、というのは、後れは良い実を結ばず、水の欠乏が夏にあろうから。地震も心臓病も胃の不調もあるだろう。 処女宮。 処女宮を星位として有する年には、前方の区界に配置されるのはイオーニア、中央にはロドスとイオーニアとリュキアと端のアルカディア〔が配置され〕、これらの区界に飢饉が出来する。 天秤宮。 天秤宮がこの年を支配するとき、前方の諸地方にはクレーテーが、中央にはカルケードーンが、端にはリュビエーが配置され、これらはアプロディーテーの家であるから手酷く扱われる。だから、これら〔の諸地方〕には果実の不作や水の不順が起こるだろう。しかし、磨羯宮に配置されている区界には、平和と (174) 豊穣の状態にあるだろう。また、巨蟹宮に配置されている区界も同様であろう。だが、この年は雨がちで、冬は相当なもので、冬の前に種蒔きをしなければならないのは、遅れた連中は何も手に入れられないだろうからである。というのは、冬至の頃おい、西からひどい風が起こり穀物の不作と、春はかなりの日数雨がちだからである。しかし犬狼星の上昇後は、暑さがはなはだしい。プリュギアにとっては、この年は不適である、というのは、家畜に呪われるからである。また座骨神経痛が起こり、黄疸は危険になる。しかし女たちにはこの年は有益である。 天蠍宮。 天羯宮がこの年を支配するとき、前方の諸区界にはキュレーネーが配置され、中央にはカルケードーンあたりの諸地方、端にはリビュエーの第1地方とアイティオピアが〔配置さる〕。これらの地方に出来するのは戦争と、金牛宮と衝にある人々にとっても物騒な飢饉とが出来するであろう。しかしプリュギアとガラティアは豊穣であろうが、葡萄酒の不足と四足動物の破滅があるだろう。またこの年は天蠍宮生まれの人々にも不都合であって、風の生産すべてが東からの風の所産であろう。また冬の前は好機であるが、冬は東からの風は乱れ、雨がちで、春は湿っぽく、夏も霰が降り、魚は破滅であろう。 人馬宮。 人馬宮の年には、その前方の区界にはクレーテーの背後が配置され、<ガラティアの区界には>北風、後方の区界にはイタリアとヒスパニアの背後が〔配置される〕。これらは疫病風の病気に陥る。ゲルマニアもブレタニアも、双児宮に配置された場所も、宝瓶宮に配置された人々同様、豊栄を有するであろう。しかし、天秤宮生まれの人々にとっては、金銭や忠告や交易においてこの年は逆である。 磨羯宮。 磨羯宮がこの年を開始するとき、前方区界にはアシアが配置され、中央には (175) ヘッレースポントスあたりの区界が、右手には‣ケンタウリアが、左手にはカラブリアが〔配置される〕。これら〔の地方〕には飢饉と騒動が遭遇するだろう。また宝瓶宮に配置された人々は豊穣と平和の状態にあるだろう。プリュギアとガラティアには多量の飼料が行き渡るだろう。この年は西風の産物が冬の最中まであるだろう。しかしその後は雨なしが続くだろう。春分の頃おいには雨がちとなり、穀物よりは葡萄酒の豊穣があるだろう。しかし夏は相当なものとなる。秋には酷暑で、雨がちである。孕んだ女たちにとってこの年は必要である。 宝瓶宮。 宝瓶宮がこの年を始めるとき、その前方の区界にはシュリアが、中央にはアラビア、海沿いの地方、エウプラテースとチグリス河が配置され、後方区界にはアイギュプトスの海沿いの区域が〔配置され〕、上述の地方には果実の欠如と疫病が起こるだろう。しかし処女宮に配置された地方は、水が溢れて必需品の豊穣を有するだろう。しかし種蒔きの後れたものらは不作に陥るだろう。 双魚宮。 双魚宮が支配するとき、これはゼウス〔木星〕の家であって、これに配置されるのは、右方の区界にはエリュトラ海とアマゾーン女人族の地方とカウカソスとテルモードーン河である。これらの地方にひどい飢饉が出来するだろう。しかし、金牛宮、天秤宮、天蠍宮に属する区界は、洪水のせいで???を有し、果実の欠乏が続くだろう。後れた種蒔きは却って好都合で、葡萄酒と対称的である。もちろん、生まれた者が堅実であるはずがない。この年に西風の吹きつけが厄介で、冬は (176) 早く、雨がちで、凍結し、霰が降る。平野が順調なときに、山地はそうでない。春も風が吹き、夏は熱暑、病気がち、この年は植えるにも不都合。葡萄樹も稔りをもたらさない。 2017.08.16. 訳了 [占星地理学] 以上が12宮に割り当てられた世界である。宮の間にある法則が、それらが支配する諸地域に適応されなければならない。というのは、これらの諸地域の相互関係は、宮の間にある関係と同じだからである。宮が互いに結合したり、時には相対し、また時には三合となって敵対したりして、さまざまな原因によってさまざまな影響が出るように、土地は土地に、都市は都市に、国は国に関わり、王国は王国に対立することもあるのである。従って誰でも、星に応じて、住むべき場所を避けたり選んだり、また相互信頼を求めたり、そして危険を前もって知らなければならない。その人の民族は天界から地上に降りてきたのだから。 テスター『西洋占星術の歴史』p.58)
マニリウスの述べているところを一覧にすると [カルデアの12年周期] |