title.gifBarbaroi!
back.gif惑星の護符について

ギリシア占星術文書目録4350_125

カルデアの12年周期



[底本]
TLG 4350 125
Dodecaeteris Chaldaica (e cod. Holkham. 290, fol. 17 et cod. Paris. 90, fol. 298v)
Astrol.
Date of manuscript = A.D. 15et 17

S. Weinstock, Codices Britannici [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 9.2. Brussels: Lamertin, 1953]: 170-175.



9.
(170a)

1年毎に王支配する宮をいかにして見出すべきか

 次のことも知ることが必須である、すなわち、1年間に1宮を王支配するのであるが、ただし、真っ直ぐに、一続きに1つの期間を他のものが王支配し、その後<他のものが>王支配するというのではなく、或る者らが横領、ないし或る他のものらが王支配するのである。諸々の宮の王権は (171a) オクトーブリオス月の第1日から始まる。そこで汝は王支配する宮を知りたくて、オクトーブリオス月の第1日頃になると、その期間が始まるマルティオス月第13日と対照する。またこの時、月がいかなる宮にあるか、それがその期間における王支配する宮である。そこでその時機の宮を見出したら、諸々の宮の配分と状態に注目せよ、そうすれば、その時期の行為を見出そうとするであろう。そこで、われわれは諸々の宮の生活様式を以下のように始めよう。

(170b)
毎年王支配する宮をいかにして見出すべきかについて

 知れ、天に<12>宮あり、1つずつが1つの期間を王支配し、オクトーブリオス月〔〕の<第1日>から支配する。そこで、諸々の宮のうちどれが王支配するかを知ろうとするなら、世界年から1100を引き、(171b) まだ成就していない周期??の100分の1のみを取れ。例えば、実例を以て言えば、7143からまる7100を引けば、残るのは43のみ。11を加えると、54になる:さらに12を引くと余りは42。????その期間王支配するのは処女宮である。


 白羊宮は温和で、平和をもたらすものであり、傲慢な者として現れた者たちを穏やかにさせる。程よい冬を甘美な雪としてもたらす。冬の終わりはすこぶる豊作。春は降雨をもたらす。牧草多し。羊たちや蜜蜂たちの増加。木の実は豊作。(172b) 野生の獣たちの音。世界に健康。大地の果実は豊作。
毎年の12宮の判別について

 白羊宮は温和で、平和をもたらすものであり、傲慢な者として現れた者たちを穏やかにさせる。程よい冬を甘美な雪としてもたらす。冬の終わりに叛乱を惹き起こす原因を和らげる。風をともない、牧草多く、この実は豊作、野生の獣たちの音。世界に (172b) 健康、大地の果実の豊作を<もたらす>。
 金牛宮は短期間の程よい冬をもたらす。雨に膨らみ、暑気をもたらす。多くの霧が観察される。マケドニアの大王が再登場する。大地の果実は最多。木の実は僅少。人間どもの病は胆汁に起因。人間どもに眼痛。王たちの怒りが支配者たちに。牛たちの増加。大王たちの死。  <……>と言われる金牛宮は、降雨をともなう<程よい>冬と暑熱をもたらす。多くの霧が観察される。大地の果実は多く、木の実は僅か。人間どもの病気、人間どもに眼痛多し。また支配者たちに対する王たちの怒り。
 双児宮が王支配するとき、非常な多雨、それゆえ嵐が多いが、寒さはそれほどではない。なぜなら、この<年は>世界と王たちの温和な状態をもつから。平野地方の果実は水のせいで窒息する。それゆえ双児宮の時期には高所に播種する。樹の果実多し。羊たちの死。河に産するもの?多し。  双魚宮は非常な多雨で嵐が多いが、寒冷ではない。例えば世界と王たちの状態は穏やかである。大地の果実は多雨によって窒息するだろう。高所への播種が利得。木の実は多く、堅果の豊作、それゆえ双児宮はアラビア人たちによって堅果と言われる。春は雨、霜は無害、人間たちには老いにも若きにも健康多し。
 巨蟹宮が王支配する時、世界と王たちの混乱。(173a) 広刃剣の流血。嵐少なし。果実僅少。野生の動物の死多し。猟師たちは歓びをもつ。馬たちと山羊たちの皮癬。海に豪雨多し。人間どもに捕囚。主人たちに手下たちの叛逆。  巨蟹宮は全世界に冬をもたらし、実り (173b) 多く、王たちの混乱、アイギュプトスの部分からの叛乱はすぐにも解消するだろう。王制に対する支配者たちの叛乱。世界に多量の死。夏は乾燥。
 獅子宮が王支配する時、冬は乾燥。世界に広刃剣。種子少なし。人間どもに火。野生動物の出現、しかし蝗は無害。  水と言われる獅子宮。???〔獅子宮は火の宮のはずだが〕。冬は†裸で†、陰鬱、乾燥。果実は程々。世界に広刃剣の動き。支配は東から起こるだろう。覇者の怒りは血で重くなる。春は風をともなう。蝗が現れ、低地を害するだろう。最後に破滅が創始者たちに生じ、彼らを妬む者たちがその土地を蹂躙するだろう。
 処女宮が王支配する時、冬は甘く美しい。世界の平和。種子は美しい。葡萄樹と木の実は美しいだろう。老人たちの死。同居人たちは多く幸運。  処女宮は†日々において†穏やか。冬は甘く、風は晴朗、果実は種子に釣り合い、樹木、蜜蜂、あらゆる種類の動物の生長。婚約は少ない。春と夏は甘美。万事において美しい時期。
 天秤宮が王支配する時、不正な裁判官たちの破滅と義しい裁判官たちの出現。王たちにおいても同様。嵐は程々。牛たちの死。種子は程々。葡萄酒は多さにおいて多い。  天秤宮は程々の時期を有す。冬は雪をもたらし、多さは有益。春は風をともない、夏は乾燥。義しい王が現れ、裁判官たちも義しい。(174b) 海洋の船は多く滅び、野生動物たちは、山岳から海獣への逃亡。老人たちの死。
(174a) 天蝎宮が王支配する時、争いの終わりは悪く、初めは美しい。冬は軽微。島嶼に飢え。全世界的病気が胆汁に起因。大王の死。邪悪な審判官たち。  天蝎宮は世界に小さな混乱をもたらす。手下たちはその主人たちに反抗、主人たちは逆に彼らを最後に掴む。嵐と降雨は最少。カッパドキアには果実が最多だが、その他のクリマに果実は僅少。人間どもに病が胆汁に起因。
(174a) 人馬宮が王支配する時、嵐は風をともなう。春の雨。蝗の出現、ただし害されなければ滅びることはない〔当たり前じゃん〕???。男らしい者たちの誕生。猟師たちの幸運。  人馬宮。西方から将軍司令部。東方への大きな動きが評判を得、強制的に転向するだろう。冬は短く、果実は少なく、野生動物の死多し。猟師たちに多くの歓び。春は乾燥、馬たちや山羊たちの疥癬多し。海に豪雨多し。
 磨羯宮の渇水。木の実は多いが、大地の果実は僅少。春ごろ豪雨多し。脈動少なし。「匕首」星、天に現る。海への供え物も。  磨羯宮は雨なく渇水。木の実は多いが、大地の果実は僅少。春ごろ豪雨多し。大地に地震多し。「匕首」星、天に現る。また (175b) その反対側の世界の<部分>にも捕囚が入りこむだろう。
(175a) 宝瓶宮は雨をともない温和。果実は豊作。海岸地帯の住民は幸運であろう。樹木は氷のせいで焼かれるだろう。春は風をともなう。大地の果実は程々。王たちと全世界の豊穣と平和。眼に痛みが生じるだろう。雪と雨多し。葡萄酒多し。  宝瓶宮は雨をともない温和。果実は豊作。海岸地帯の住民は幸運であろう。樹木は氷のせいで焼かれるだろう。春は風をともなう。大地の果実は程々。
 双魚宮はこれも水の宮にして温和。世界の全き平和と凪。猟師たちの儲けの時期。若い男や女たちの死。多雪。大地にも樹木にも果実多し。葡萄樹が氷と豪雨のせいで害されるだろう。わずかな魚たちが捕獲されるだろう。最大の人たちの高慢、羊の死。  双魚宮はこれも水の宮にして温和。猟師たちの儲けの時期。若い男や女たちの死。多雪。大地にも樹木にも果実多し。最大の人たちの高慢、羊の死。
 「匕首」星がこの秩序を有す。その右の部分が現れ、世界の分裂を示す。

2018.09.28. 訳了


[カルデアの12年周期]
 このシリーズに、同じ題名のテキストが他に2編含まれている。
 ・4350 034
 ・4350 207

[「匕首」星]
 「匕首」(cifivaV)は一種の彗星で、プリニウス(HN2.89)に次のようにある。
 彗星でも尾が短く、且つ先端が鋭く尖り、どれよりも青白く、剣の先のように輝きを持っているが、光線は持たない、という。

forward.GIF刻限の吉と凶について