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ギリシア占星術文書目録4350_241

プトレマイオスの『テトラビブロス』の概要





[底本]
TLG 4350 241
Th:V Tetrabivblou Ptolemaivou sugkefalaivwsiV
Astrol.

P. Boudreaux, Codices Parisini [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 8.3. Brussels: Lamertin, 1912]: 93-95.



8.
(93)

第54。プトレマイオスの『テトラビブロス』の概要

 書物の概要は、もちろん、言われている験の成就(ajpotelevsmata)について談じることを望む人たちにとっては、想起のために有用さを有する。が、プトレマイオスがシュロスのために〔著した〕『テトラビブロス』は総じて概要さえも必要としない。なぜなら、述べられている前提に駆りたてられた者たちがこの書に辛労すればするほど、調査は別にしてもただちにこの〔書の〕要点すべてを用いるべきであるし、想起などはまったく必要さえないからである。というのも、この〔人物〕は、彼以前のあらゆる人たち — わたしが言うのはネケプソー、ペトシリス、ヘルメースなどといった人たちのことである — よりも厳密に、この多忙な学に触れ、彼以後の〔人たち〕にもこの術の法にして基準とみなされているからである。ただし、『テトラビブロス』のこの概要を役立てることに何の妨げもない、あたかもこの術の高下駄(krhpivV)のようになったものを、まるで見落としていると思われないことの指標とするほかは???。

 さて、プトレマイオスは、序説において、占星術による予言は成功しうること、また有益であることを言明して、第1に「諸惑星の力について」要点を述べる。第2「吉型〔惑星〕と凶型〔惑星〕について」。第3「諸惑星そのものの男性型〔惑星〕と女性型〔惑星〕について」。第4「昼型〔惑星〕と夜型〔惑星〕について」。第5「太陽に対する星〔位〕の力について」。次いで第6「諸恒星の力(各個について示されると考えられ、諸惑星に対しても同類が挙げられる)について」。第7[第6]1年における4つの季節について取り上げ、その力を詳述したうえで、同様に方位の4つのトポス(これを彼は方角(gwvnia)とも名づけるが、これは角(kevntra)と呼ばれる)について」。 その後で要点の第8として彼が行うのは、「至点型、平分点型、双体型〔宮〕について」。第9「男性型と女性型〔宮〕について」。第10「互いに1/12部分の星位について」。第11「支配型と服従型の〔宮〕について」。第12「互いに眺め合い等しい力をもつ〔宮〕について」。第13「くいちがう〔宮〕について」。第14「7惑星の家〔宿〕について」。第15「三角型〔星位〕について」。第16「それら〔7惑星〕の昂揚についてと区界について」。第17「その2つの異なった考えをも導入する」。第18の要点は「アイギュプトス人たちの間における区界を (94) 彼は挿入する」が、第19は「彼の考えに付加するかぎりのこと」。第20「12宮の各個についてと、同じく区界について」、とりわけ顔と乗り物(lamphvnh)についても第20要点の中で彼は扱う。しかし適用と分離、またその他の力については第21で。— 彼の第1巻は以上の要点によって輪郭を描かれる。

 第2巻では、序説で、天文学による予言を2つ — わたしの謂う一般的(これを語源的に一般的と彼は呼ぶ)と各人(誕生的と彼は名づける)に区別し、先に一般的を理解するのがふさわしいと彼は謂い、続いて第2要点「全般的クリマ〔における住民〕の特徴について」を彼は立てる。第3「国土と三星位と〔恒〕星の親密さについて」。第4「個別的な予言の方法を導入する。第5「影響下にある国土の調査について」論ずる。第6「予言された出来事の〔出現〕時について」。第7「影響下にあるものらの分類について」。第8「その〔予言された出来事の〕性質について」。第9「諸々の食において出現したものら、とりわけ彗星やそういったものらの色彩について」。第10「1年の新月について」。第11「天候に対する諸々の宮の個々の自然本性について」。第12「個々の天候の調査について」。第13「天象の徴について、あるいは、太陽と月と諸々の〔恒〕星に関して權現する色彩と自余の情態の観察について」。 — 以上のことは、もちろん、その第2巻(ここには一般論に関する教えも完成される)の内容とするところである。

 第3巻が端緒を切るのは、第1「播種と誕生の瞬間について」。第2「誕生の瞬間における各ホロスコープについて」。第3「出生判断の下部区分」。第4「両親について理解する」。第5「兄弟姉妹について」。第6「男児たちと女児たちについて」。第7「双生児たちについて」。第8「異常児たちについて」。第9「育たなかった子どもたちについて」。第10「寿命について」。第11「体型と体質について」。第12「身体の障害と身体の病状について」。第13「魂の性質について」。第14「魂の病状について」— 第3巻も以上の中に含まれる。

 第4巻は、第1「所有物の運について関説される」。第2「価値ある運について」。第3「行為の程度について」。第4「男と女との結婚について」。第5「生子たちについて」。第6「愛友たちと敵たちについて」。第7「客遇について」。第8「死の性質について」。第9「時の区分について」。— 以上で、第4巻も全従事も終わる。

(95) プトレマイオスの『テトラビブロス』は以上の内容に熱中する。

プトレマイオスはいかなる時代の人であったかについて

 このプトレマイオスは、アドリアーノス〔在位117-138〕の時代に盛時を迎え、マルコス・アントーニーノス〔マルクス・アウレリウス、在位161-80〕までも生きながらえた(この時代に、医術におけるガレーノス、文法家ヘーローディアノス、弁論術の著者ヘルモゲネースも登場した)。最初、ヘッラス人たちの間ではキオスのオイノピデースが占星術法を書に著し、ペロポンネーソス戦争の終わり著名となった(弁論家ゴルギアースも、エレアのゼーノーンも、一部の人たちの謂うには、ハリカルナッソスの歴史家ヘーロドトスも、この時代の人である)。オイノピデースの後には、エウドクソスが占星術において少なからぬ名声を博し、哲学者プラトーン、また医術を修行し歴史を著したクニドスのクテーシアースとともに盛時を迎えた。

2018.04.15. 訳了


 整理すると、
キオスのオイノピデース(前5世紀中頃):彼の業績として多少の確信がもてるものは、第一に黄道傾斜の発見。おそらくエジプト人から学んだのだろう。第二には太陽年を365日と22/59日と定めた計算がある。

 ゴルギアース(前480頃生-380歿)
 エレアのゼーノーン(前490頃生)
 ヘーロードトス(伝承上は前484生-420歿)

クニドスのエウドクソス(伝承によれば前408-355):信憑性についてはおおいに問題のある古代の伝記伝承では、アルキュタスとプラトーンの弟子で、アテーナイに学校を設立する前に、エジプトのネクタネボンとカリアのマウソロスの宮廷で働いたという。
 円錐曲線、球体体積、立方体の倍積に関する幾何学的考察のいくつかが、エウクレイデースの『幾何学原論』の第5、12巻で用いられた。円運動のみが連続的でありうるとのピ ュ夕ゴラス学派とプラトーンの見解に従って、エウドクソスは天文学を考察し、星の運動と惑星の逆行を同心天球の回転の合成によって説明するようになった。だが後代のギリシアの天文学者は、周転円の観点からの理論を支持してこの理論を捨てた。彼はまた地球の円周を計算した。星座の記述はアラートスによってその詩『天象』で利用された。

 プラトーン(前429頃生-347歿)
 クニドスのクテーシアス(前4世紀初期)

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